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3章
53話:総長高天原久兵衛
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次の日の朝メイドに案内され、みんなで朝食をとる。昨日は夜が遅くてまともに会話ができなかったが九兵衛さんには色々聞くことがある。戦争の後の話とか仲間の事とかだ。
「いやぁ~なんというか三人にあえて改めて嬉しいよ。実の保護バリアを楽に解除するのは立花ちゃんじゃないと無理だったからね~それも二人がこっちに来たら言おうと思ったのに済ましてくるとはさすがだね~」
実のことも分かっていた様だな。九兵衛さんはとても上機嫌だし、俺達との再会を素直に喜んでくれているようでこっちも嬉しく思う。
「偶然よ、ところで聞きたいこと色々あるけど全部話してくれるのかしら?」
「ああ、そのために百年待ってたし、今後は俺も手伝う予定だよ」
「それは心強い!実もよかったな」
「そうだね、後は九十九ちゃんを……」
実は深刻な顔で問いかける。朝食前からどこか顔が暗かったが、ずっと九十九の安否が気になっていたんだなと納得。
「まぁまて実。それも順を追って話す。騎士団は十三人ちゃんと揃う予定だからまず安心しなさい」
「てことは……」
実の表情が一気に明るくなる。
「ああ、生きているから大丈夫だ。まずは順を追ってだね~」
九兵衛さんが語り始める。
まず騎士団メンバーは転生したのも含めて、生命活動停止中のガルカドール卿以外のメンバーはみな活動しているとのこと。
百年前の戦争で最後まで無事残ったのは九兵衛さん、戦姫レダ・スパイラル、妖精王ロードリオン、藤島直樹、九十九の五人。死んで転生したのは俺と立花、悪魔帝アークルで、残りはガルカドール卿以外みなこの百年の間に再起不能になってから復活したとのことだ。
レダさんと直樹は、俺達の魔法学校時代の同級生だった剣鬼神代椿と、ガルカドール卿の弟子だったレイチェルの四人で動いており現在は魔大陸に。九十九とロードリオンは妖精の国に、エミリアはソロでクレセント大陸内にいて、アークルは魔大陸でソロ活動中だ。
「それでレダは君とガルカドール卿との事で不信感を抱いていてね。あの人が戦死したディスカヴァリーの戦いの真実を語るまでは会いたくないって言ってるんだ……」
「ディスカヴァリーの戦い?」
「ガルカドール卿が戦死したあの時ね……周平は確か今語るわけにはいかないと言って詳細を教えてくれなかったわ」
そんな事あったっけな?はてディスカヴァリー……
「うっ……」
「周平!」
頭痛が襲う。これはつまりまだ思い出してはいけないってことか……だが俺がガルカドール卿をハメるような真似でもしたとでも思ってるのか?そんな事絶対にする訳がない。
「大丈夫だ」
俺とレダさんの間に亀裂が入ったってのはそういう事か。そこに関しての記憶が戻るまでは再会はお預けって事か。
「まぁそれに関しては記憶が戻り次第、真実を話し潔白を証明するさ」
残りの迷宮を攻略し、力を取り戻せば記憶も自ずと蘇るはずだからな。
「それであの時の戦争は勝ったはずよね?偽神どもの完全殲滅ができなかった理由とファーガス王国が残っている理由を聞きたいわ」
「俺も詳しく頼むよ!」
実が食いつく。
「それだけどファーガス王国は終盤で我々に加担したから潰すに潰せなかったったんだよね~というか当時のファーガス王国騎士団長ナシュワン・クロールが当時の王様を説得しちゃって最後のこっち側の勝利を決定づける戦いでこっちに加担したのさ~」
「あの人か……あの人はそうだな……正義と忠義心の塊のような人だったからな。」
実はナシュワンと直接面識がある。おそらくタピットが今のクラスメイトを指導するような感覚で実にも色々教えたのだろう。
「なるほどね。たしかナシュワンとエミリアを友好関係を築いていたわよね」
「うん、終盤エミリアが再起不能になった時の戦いで、王国軍と一戦交えたみたいでさ。エミリア自身はその戦いから十年は半封印状態だったけど、どうやらその戦いを経て、ナシュワンは王様に反逆してでもこっちにつこうと思ったらしいんだ。でもその時王様も王様で負け戦は嫌なもんだから、ナシュワンの決起の反逆は、見事に王国存続の為みたいに捉えられて、王様はナシュワンのこっち側につくという考えに同調してしまったのさ~」
「それで土壇場でこっちに味方した王国は存続ということになったのね。こっちもメンバーが少なかっただろうししょうがないか……」
それを聞いた実は舌打ちをして、不機嫌になる。実も戦闘不能にならなければまた違ったんだろうがな。
「タイミングが悪かったわけね。それで偽神の方は?」
俺達で結構潰したはずだからな。残り僅かのはずだ。
「何体かうまく逃げて自己封印状態さ。それが四体と親玉が一体だね。各迷宮にいる奴はその四体の仮の姿とも言えるかな。」
「自己封印状態の奴を潰すには?」
「無理やり解いてやるのがいいかな。ただそれには場所の特定とか、色々大変だし力も完全にする必要があるかな。まだ向こう側からくることはないだろうからね」
偽神はあの時かなり潰した。だがそれでもしぶとく残っていのを考えるとやはり悔やしいな……
「だいたいわかったわ。さて次はどこに……」
「妖精の国に行こう!」
実は真っ先に主張する。まぁ当然こうなるのはわかるし、実としても最愛の恋人であり同じ召喚された仲間だ。実、九十九、直樹の三人はかつて王国のために戦っていたのだ。当時一人での行動を余儀なくされた直樹を仲間にしたことで三人を救い仲間にできたのだ。
「まぁ落ち着けって」
「落ちていてないんかいられないよ!わかるでしょ?」
「ええ、わかるわ。でもとりあえず座りなさい」
「そうだね、それにどのみち妖精の国が先だからね~」
九兵衛のその言葉でホッとしたのか席に座る。そういえば連邦の方で問題があると言っていたな。
「ファラリス連邦の話を詳しく聞かせてくれ。」
「ああ」
ファラリス連邦はついこの間半軟禁状態だった勇者の一人が反逆を起こし、首都から逃げたことで国内を封鎖しその勇者を追っているせいで出入りが厳しくなっている。その勇者が捕まるか国を逃げたことがわかるまではかなり制限されているらしい。
「やはりあそこでも脱走者がでたか……」
「ファーガス王国と比べてかなり厳しく監視しているみたいだね」
「その国もいずれ消しましょう」
「ふふっ、やる気ね。だったら妖精の国まで行って二人拾って戦力アップね」
立花も実も随分とやる気だ。まぁ確かに昔は自分達に歯向かう奴を国個人関係なく片っ端から襲撃しては殲滅していったからな。
「とりあえずギルド行って素材の換金をしようか。シルキーサリヴァンからは話を聞いているからね~」
ギルドの総本山に入る。
「マスターおはようございます!」
「九兵衛さんおはようございます」
ギルドに入ると職員全員が九兵衛に挨拶をする。昨日の夜はあんな醜態を晒していたが、流石は冒険者ギルドのトップだけのことはあるな。
「とりあえずここで金に換える素材をだしてくれ」
「おう」
周平は数が少ない素材と、ストックする分を除いて素材を宝物庫から吐き出す。素材を受け取るお姉さんは目が点になっているがこれだけレアな素材だせばそうなるわな。
「これは凄いね~迷宮攻略したから当然か。これ全部お金に換えてね。レートはわかるよね?」
「はい、こんなにレアな素材たくさん持ってくるとはさすがはマスターの仲間ですね」
「二人は俺と同じあれだからね~」
「なるほど、ということは二人が例の夫婦なんですね。申し遅れました。私はここ特別素材交換所での交換を担当していますイネーブルと申します。ランクは白金です。以後お見知りおきを」
「九兵衛さんの腹心の一人か。俺は神山周平、こっちは神明立花でこっちが天竜院実だ。よろしく」
年は三十弱ぐらいに見えるがその年齢で白金ランクとは侮れないな。
イネーブル・モントヒルデ
レベル:200
種族:人間
職業:上級魔導士
攻撃:20000
防御:22000
魔法攻撃:28000
魔法防御:28000
素早さ:24000
魔力:28000
異能:ブラックサークル(A)
称号:ラグーサの賢者
「さて素材はイネーブルに任せて俺達はギルドマスター室だ」
九兵衛と共にギルドマスター室に入る。
「さてと……とりあえず二人のランクはもう発行してあるけど、実のランクは白金で発行しておいていいかな?もちろんVIP用の変な制約がかからないようにはするから」
「それなら問題ないよ。それより九兵衛さんは俺達と一緒に行ってここを離れても大丈夫なの?」
「実の言う通りだ。神殺しってのも一部しか知らないようだし」
「問題ないよ、俺がいなくても機能するようにはしているからね。俺達からするとイネーブルの能力はかなり下だが、世間一般的にはかなりの高水準だしあれクラスの腹心がもう二人ここにはいるからね」
確かに白金ランクということは当然そこら辺の魔物なんか目じゃないぐらい強いことに間違いないはずだが、迷宮攻略なんかで十万超えの奴とか見ているせいなのか、三万近いステータスを見てもまだまだとしか思えないのだ。もっとも五万超えの魔物は迷宮と山脈の神殿でしか見ていないわけだが。
「九兵衛さんのステータスって見せていただけるかしら?」
「ああ、いいよ。完全覚醒してないから俺の隠蔽がかかったステータスを覗けないんだね~」
おそらく俺達が完全覚醒したらそれぐらいになるであろうステータスであると予想。
高天原九兵衛
レベル:999
種族:巨人族
職業:巨人王
攻撃:1250000
防御:1250000
魔法攻撃:1200000
魔法防御:1200000
素早さ:1200000
魔力:1200000
固有スキル:巨人王の守護
コントラクトスキル:大いなる大地
異能:蛇王の白氷(S)、物質操作(S)
称号:国崩し、神殺し、冒険者のパイオニア
流石は完全な二十柱のステータスといったところだ。この世界に来て、自分より強いステータスの持つ者を始めて確認したな。おそらくランスロット先生やジェラードさんはこれと同等ぐらいで、黒姫はこれより遥か上のステータスなのだろう。
「さすがは巨人王だな」
「魔神も大賢者も完全覚醒すれば俺と同等になるよ。残りも徐々に回収していこう」
イネーブルが素材をお金に換金してくれた。迷宮にいたダークベヒモスの角や、レジェントドラゴンの逆鱗、マスターゴーレムの体に使われてたオリハルコンやアダマンタイト等、相当な値段が付いたものが数多くあり、白金貨四百枚と金貨四四枚の交換が成立。
俺達の資金力は中貴族の蓄えぐらいになった瞬間でもあった。
「いやぁ~なんというか三人にあえて改めて嬉しいよ。実の保護バリアを楽に解除するのは立花ちゃんじゃないと無理だったからね~それも二人がこっちに来たら言おうと思ったのに済ましてくるとはさすがだね~」
実のことも分かっていた様だな。九兵衛さんはとても上機嫌だし、俺達との再会を素直に喜んでくれているようでこっちも嬉しく思う。
「偶然よ、ところで聞きたいこと色々あるけど全部話してくれるのかしら?」
「ああ、そのために百年待ってたし、今後は俺も手伝う予定だよ」
「それは心強い!実もよかったな」
「そうだね、後は九十九ちゃんを……」
実は深刻な顔で問いかける。朝食前からどこか顔が暗かったが、ずっと九十九の安否が気になっていたんだなと納得。
「まぁまて実。それも順を追って話す。騎士団は十三人ちゃんと揃う予定だからまず安心しなさい」
「てことは……」
実の表情が一気に明るくなる。
「ああ、生きているから大丈夫だ。まずは順を追ってだね~」
九兵衛さんが語り始める。
まず騎士団メンバーは転生したのも含めて、生命活動停止中のガルカドール卿以外のメンバーはみな活動しているとのこと。
百年前の戦争で最後まで無事残ったのは九兵衛さん、戦姫レダ・スパイラル、妖精王ロードリオン、藤島直樹、九十九の五人。死んで転生したのは俺と立花、悪魔帝アークルで、残りはガルカドール卿以外みなこの百年の間に再起不能になってから復活したとのことだ。
レダさんと直樹は、俺達の魔法学校時代の同級生だった剣鬼神代椿と、ガルカドール卿の弟子だったレイチェルの四人で動いており現在は魔大陸に。九十九とロードリオンは妖精の国に、エミリアはソロでクレセント大陸内にいて、アークルは魔大陸でソロ活動中だ。
「それでレダは君とガルカドール卿との事で不信感を抱いていてね。あの人が戦死したディスカヴァリーの戦いの真実を語るまでは会いたくないって言ってるんだ……」
「ディスカヴァリーの戦い?」
「ガルカドール卿が戦死したあの時ね……周平は確か今語るわけにはいかないと言って詳細を教えてくれなかったわ」
そんな事あったっけな?はてディスカヴァリー……
「うっ……」
「周平!」
頭痛が襲う。これはつまりまだ思い出してはいけないってことか……だが俺がガルカドール卿をハメるような真似でもしたとでも思ってるのか?そんな事絶対にする訳がない。
「大丈夫だ」
俺とレダさんの間に亀裂が入ったってのはそういう事か。そこに関しての記憶が戻るまでは再会はお預けって事か。
「まぁそれに関しては記憶が戻り次第、真実を話し潔白を証明するさ」
残りの迷宮を攻略し、力を取り戻せば記憶も自ずと蘇るはずだからな。
「それであの時の戦争は勝ったはずよね?偽神どもの完全殲滅ができなかった理由とファーガス王国が残っている理由を聞きたいわ」
「俺も詳しく頼むよ!」
実が食いつく。
「それだけどファーガス王国は終盤で我々に加担したから潰すに潰せなかったったんだよね~というか当時のファーガス王国騎士団長ナシュワン・クロールが当時の王様を説得しちゃって最後のこっち側の勝利を決定づける戦いでこっちに加担したのさ~」
「あの人か……あの人はそうだな……正義と忠義心の塊のような人だったからな。」
実はナシュワンと直接面識がある。おそらくタピットが今のクラスメイトを指導するような感覚で実にも色々教えたのだろう。
「なるほどね。たしかナシュワンとエミリアを友好関係を築いていたわよね」
「うん、終盤エミリアが再起不能になった時の戦いで、王国軍と一戦交えたみたいでさ。エミリア自身はその戦いから十年は半封印状態だったけど、どうやらその戦いを経て、ナシュワンは王様に反逆してでもこっちにつこうと思ったらしいんだ。でもその時王様も王様で負け戦は嫌なもんだから、ナシュワンの決起の反逆は、見事に王国存続の為みたいに捉えられて、王様はナシュワンのこっち側につくという考えに同調してしまったのさ~」
「それで土壇場でこっちに味方した王国は存続ということになったのね。こっちもメンバーが少なかっただろうししょうがないか……」
それを聞いた実は舌打ちをして、不機嫌になる。実も戦闘不能にならなければまた違ったんだろうがな。
「タイミングが悪かったわけね。それで偽神の方は?」
俺達で結構潰したはずだからな。残り僅かのはずだ。
「何体かうまく逃げて自己封印状態さ。それが四体と親玉が一体だね。各迷宮にいる奴はその四体の仮の姿とも言えるかな。」
「自己封印状態の奴を潰すには?」
「無理やり解いてやるのがいいかな。ただそれには場所の特定とか、色々大変だし力も完全にする必要があるかな。まだ向こう側からくることはないだろうからね」
偽神はあの時かなり潰した。だがそれでもしぶとく残っていのを考えるとやはり悔やしいな……
「だいたいわかったわ。さて次はどこに……」
「妖精の国に行こう!」
実は真っ先に主張する。まぁ当然こうなるのはわかるし、実としても最愛の恋人であり同じ召喚された仲間だ。実、九十九、直樹の三人はかつて王国のために戦っていたのだ。当時一人での行動を余儀なくされた直樹を仲間にしたことで三人を救い仲間にできたのだ。
「まぁ落ち着けって」
「落ちていてないんかいられないよ!わかるでしょ?」
「ええ、わかるわ。でもとりあえず座りなさい」
「そうだね、それにどのみち妖精の国が先だからね~」
九兵衛のその言葉でホッとしたのか席に座る。そういえば連邦の方で問題があると言っていたな。
「ファラリス連邦の話を詳しく聞かせてくれ。」
「ああ」
ファラリス連邦はついこの間半軟禁状態だった勇者の一人が反逆を起こし、首都から逃げたことで国内を封鎖しその勇者を追っているせいで出入りが厳しくなっている。その勇者が捕まるか国を逃げたことがわかるまではかなり制限されているらしい。
「やはりあそこでも脱走者がでたか……」
「ファーガス王国と比べてかなり厳しく監視しているみたいだね」
「その国もいずれ消しましょう」
「ふふっ、やる気ね。だったら妖精の国まで行って二人拾って戦力アップね」
立花も実も随分とやる気だ。まぁ確かに昔は自分達に歯向かう奴を国個人関係なく片っ端から襲撃しては殲滅していったからな。
「とりあえずギルド行って素材の換金をしようか。シルキーサリヴァンからは話を聞いているからね~」
ギルドの総本山に入る。
「マスターおはようございます!」
「九兵衛さんおはようございます」
ギルドに入ると職員全員が九兵衛に挨拶をする。昨日の夜はあんな醜態を晒していたが、流石は冒険者ギルドのトップだけのことはあるな。
「とりあえずここで金に換える素材をだしてくれ」
「おう」
周平は数が少ない素材と、ストックする分を除いて素材を宝物庫から吐き出す。素材を受け取るお姉さんは目が点になっているがこれだけレアな素材だせばそうなるわな。
「これは凄いね~迷宮攻略したから当然か。これ全部お金に換えてね。レートはわかるよね?」
「はい、こんなにレアな素材たくさん持ってくるとはさすがはマスターの仲間ですね」
「二人は俺と同じあれだからね~」
「なるほど、ということは二人が例の夫婦なんですね。申し遅れました。私はここ特別素材交換所での交換を担当していますイネーブルと申します。ランクは白金です。以後お見知りおきを」
「九兵衛さんの腹心の一人か。俺は神山周平、こっちは神明立花でこっちが天竜院実だ。よろしく」
年は三十弱ぐらいに見えるがその年齢で白金ランクとは侮れないな。
イネーブル・モントヒルデ
レベル:200
種族:人間
職業:上級魔導士
攻撃:20000
防御:22000
魔法攻撃:28000
魔法防御:28000
素早さ:24000
魔力:28000
異能:ブラックサークル(A)
称号:ラグーサの賢者
「さて素材はイネーブルに任せて俺達はギルドマスター室だ」
九兵衛と共にギルドマスター室に入る。
「さてと……とりあえず二人のランクはもう発行してあるけど、実のランクは白金で発行しておいていいかな?もちろんVIP用の変な制約がかからないようにはするから」
「それなら問題ないよ。それより九兵衛さんは俺達と一緒に行ってここを離れても大丈夫なの?」
「実の言う通りだ。神殺しってのも一部しか知らないようだし」
「問題ないよ、俺がいなくても機能するようにはしているからね。俺達からするとイネーブルの能力はかなり下だが、世間一般的にはかなりの高水準だしあれクラスの腹心がもう二人ここにはいるからね」
確かに白金ランクということは当然そこら辺の魔物なんか目じゃないぐらい強いことに間違いないはずだが、迷宮攻略なんかで十万超えの奴とか見ているせいなのか、三万近いステータスを見てもまだまだとしか思えないのだ。もっとも五万超えの魔物は迷宮と山脈の神殿でしか見ていないわけだが。
「九兵衛さんのステータスって見せていただけるかしら?」
「ああ、いいよ。完全覚醒してないから俺の隠蔽がかかったステータスを覗けないんだね~」
おそらく俺達が完全覚醒したらそれぐらいになるであろうステータスであると予想。
高天原九兵衛
レベル:999
種族:巨人族
職業:巨人王
攻撃:1250000
防御:1250000
魔法攻撃:1200000
魔法防御:1200000
素早さ:1200000
魔力:1200000
固有スキル:巨人王の守護
コントラクトスキル:大いなる大地
異能:蛇王の白氷(S)、物質操作(S)
称号:国崩し、神殺し、冒険者のパイオニア
流石は完全な二十柱のステータスといったところだ。この世界に来て、自分より強いステータスの持つ者を始めて確認したな。おそらくランスロット先生やジェラードさんはこれと同等ぐらいで、黒姫はこれより遥か上のステータスなのだろう。
「さすがは巨人王だな」
「魔神も大賢者も完全覚醒すれば俺と同等になるよ。残りも徐々に回収していこう」
イネーブルが素材をお金に換金してくれた。迷宮にいたダークベヒモスの角や、レジェントドラゴンの逆鱗、マスターゴーレムの体に使われてたオリハルコンやアダマンタイト等、相当な値段が付いたものが数多くあり、白金貨四百枚と金貨四四枚の交換が成立。
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