80 / 92
【記念日お礼・Thanks to everyone】
蒲焼きの日。one more time⑥
しおりを挟むまったくルイスってば……ううん。それより王太子様よ。椿姫たちは知っているのかしら?はぁ?帝国領は島国の集まりで皇帝が宗主、各々の国は海を隔てているから、政略結婚には特に新婚さんセットが必要?
「ルイス? 全く意味が理解できません。詳しく話してください。後そのウサギの耳と尻尾はいりません! 私はこちらのフワフワ着ぐるみタイプなら着ますから!」
これは全身をくるむタイプなので暖かいです。耳と尻尾と肉球手袋とやらだけなんて、絶対に着用しませんよ!しょぼんとしても許しません。しかし王太子様って優しげな人なんだけど……この新婚さんセットの中身はエゲツないわよ。本当に彼が考えているの?それとも私が知らないだけで、これらが常識なのかしら?
「すみません……確かにアリーには刺激的だったのでしょう。しかしランジェリーショップの店員さん達とも懇意になった今なら、アリーにも少しはこれらの意味も理解していただけたかと……」
…………はいはい。男性の気持ちですよね? 最近バストが苦しくなり、ランジェリーショップでサイズを調べて貰ったの。でも直ぐに今回の出発だったし、オーダーは間に合わないからと、今はフリーサイズで全体を包めるタイプを使用してるわけ。結婚するとバストアップする女性がいるそうよ。私はきっと妊娠したからでしようね。なら作り直さなくて大丈夫よね。注文は帰宅してからにしておいて良かったです。
その時にお店で色々とおすすめされたのです。そう……この新婚さんセットに入っている様なピラピラのランジェリーや、まるで着ている意味の無いような下着類や寝間着……
「あのときにもそのウサギの尻尾だけは嫌だと言った筈ですが? 無理強いはなしのはずですよね?」
「…………これは! グレイに届けられたばかりのものです。選り分けていなかったのです! 直ぐにでもポイしますからそう怒らないでください」
はぁ……仕方ないなぁ。正直ルイスがこんなにベタベタだとは思わなかったよ。だってホワイトハットの専属料理人だった時なんて、必要以上は喋らないし、クッキーをポリポリ無表情で食べてた位しか思い出せない。クールで頭脳派で人との関わりが嫌いだとばかり。専属護衛の一年しかり。結婚してからは特に、ルイスのイメージが、すっかり変わってしまいました。クールさなんてどこへやら。クールなイメージなんて木っ端微塵よ!
「怒らないけど……ルイスはかなり子供っぽいんだね。クールで物静かな紳士のイメージが駄々崩れしたよ」
「アリーだから甘えているのです。私をこんなにメロメロにさせたアリーがいけないんですよ。しかし子供ではありませんよね?甘えが子供だというなら……アリーももっと甘えて良いんですよ? まだ夜明けには時間が……」
ペシリ!この不埒な手はなんですか!甘えは今はいりません!島国だとなぜ新婚さんグッズが必要なのです?私は誤魔化されませんよ。
「ルイスさん。先に説明してください。なぜ必要なのです?」
ルイスが真面目な顔をして説明してくれます。は?殆どが政略結婚だから、女性も自分用に嫁入り道具として持ってくるの?
えぇぇ……そっそれはまた……マジですか?マジなんですね。まあ確かにそうかもしれないけど……
「こっ、後宮に入れられなくて良かったよ……それらを使ってまでしなくちゃならない義務って辛すぎる。なら男性側が無理するほどの女性を囲わなきゃいいんじゃないの?」
「英雄色を好むですよ。気が荒ぶると人肌が欲しくなる。また本人にその気がなくとも、周囲が勝手に押し付けて来るのです。特に帝国は島国の集りです。宗主は帝国の本島ですが、他の島国も自治を任された小国扱いなのです。そのため帝国本島にのみ、後宮が存在しました。争いにならぬように、小国群は本土の帝国皇帝に娘を送り血をまぜる。また反意を持たぬ証の人質としての妻。皇帝にその気がなくとも集まってくる。しかし皇帝側それらの女性を蔑ろには出来ません。そんなことをしたら、皇帝に不名誉な噂がついてしまいます。ですから頑張るのです。帝国本土の皇帝が絶対的な力をもつためにも。それにより島々を平定していたのです」
「…………」
でもしたくないならしなきゃいいんじゃないの?なんだか現皇帝を思い出しちゃったよ。思いっきり蔑ろにしてたし!女性だって嫌がっていたじゃない。菊姫だって後宮の主が魅力的でなければ、女性たちだって争いなんてしない。寵を争うことなんて無いといっていた。たしか宰相が皇帝の閨は、毎日日替わりで週末二日はお休み。正妃が決まれば、空いている週末二日が正妃様で毎日が埋まるって……正妃以外は女性の人数次第では、一月に一度回ってくれば良い位じゃない。愛がなければ女性も気にしないのかもしれない。でももし愛してしまったら?一人寝は悲しいかも……でもだからって!
ん?つまり女性は寂しくても皇帝は毎日日替りで……でも皇帝は新婚さんセットを使用してまでも、無理して頑張っていたのよね?
「……ルイス…………皇帝には沢山奥さんがいて毎日なのよね? それも無理してでしょ? ルイスには奥さんは私一人です。ルイスは無理してないの? ならよーく考えてみてください。どう考えても私の負担が大きすぎです! やはり多すぎなんです!少しは自重してください」
新婚さんセットは、沢山の奥さんと頑張るために、男性が使うのよね?つまり皇帝のように毎日ってのは、やはり普通ではなく大変ってことよね?もちろん男性がよ?ならルイスだって大変なはず!
「無理はよくないよ? 私たちには新婚さんセットは要らないじゃない。愛があるでしょ?だからこれらはもういらないわよね」
私はこっそりと隠しこみます。
「…………アリーもいりませんか?」
は?いりませんよ!王太子様から届いたセットに、女性用の嫁入りセットもあるの?今回見せられたやつ?
「このウサギの尻尾と手袋と耳がなの? なんで?」
……男性の視線を他の妻から自分に向けるため……更には寂しいときに自分で……って?嫌ー!変態!ルイスのバカ!私は【殺っておしまい棒・EX】を出し、先をルイスに向けて置きます。
「今から夜が明けるまで、こちらには入らないでください。新婚さんセットの需要については理解しました。男性は頑張るため、女性は男性を誘惑し惹き付け誘ったり、一時の寂しさをまぎらわすため。これは一夫多妻である高位貴族での、あしき風習です」
まったくもう。なにごとも程ほどが必要なのです。無理強いは無しで、互いに歩み寄りましょうといつも伝えています。
「ルイスは私がこれらを必要になるときが来るというのですね? なるほど私と離れたいのですね?ならば私は一週間ほど、ライラの所にお邪魔させて貰います。その際にその新婚さんセットを検証しましょう」
「そっそんな……一週間は流石に……」
「しかし二、三日では検証仕切れませんよ? それとも私が寂しくなる位、夜の日にちを開けてくれるの? それとも日替わりで浮気するとか? それともルイスではなく私に、男性を誘惑するために新婚さんセットを使えと、浮気を進めているのかしら?」
「くぅ…………違います! なぜそういう方向へ話が行くのですか! 私の負けです! 完敗です! これらはアリーには必要ありません! 私が寂しくさせませんから!」
ふーん……
「わかりました。しかし妊婦中は節度を持ってください。ちなみにこの目覚めのフレグランスは、金輪際禁止します。王太子様にも直ぐに伝えないと駄目です。なにかあってからでは遅いのです!」
焦り言い訳をするルイスの鼻先に、ベッドサイドにある香炉を突きつけます。夢遊病モドキの原因はこれですよ!
「これは……安眠のハーブの香りですよ? たしかに王太子様のセットに入っていたものですが、帝国での初夜から使用しています。今さらですか?」
この香りの効能は精神安定とリラックスのハーブを合わせたもの。これだけなら普通の効能です。しかしこれには新婚さん用に、ベルガモットの香りも添加してあるのです。ベルガモットには、高揚作用があり精神状態を高めます。柑橘系の甘い香りと適度な高揚作用で、使用方法も間違いではなく心配も有りません。しかしですね?
私はさらにグイグイと、口移しで飲まされたピンクのミニワインボトルを、突きつけます。
「まさかこれとですか……」
「そうですね。正解です。このワインはかなり甘口です。甘さに蜂蜜ではなくローヤルゼリーを加えていますが、このローヤルゼリーを作る蜂の主食の蜜が原因です」
このワインは滋養強壮の為にと、ローヤルゼリーが添加されています。それだけならば構わないのですが、この蜂が蜜を集めるお花に問題が有りました。一般的に販売されている蜂蜜は、特に花を指定したりはせず、適当な花畑に蜂を放します。しかしローヤルゼリーなどを集めたい場合は、花を指定し価値を高めます。今回のローヤルゼリーは、オーロラナイトローズの花畑で集められていました。実はこのオーロラナイトローズの蜜は、魔物であるナイトビーも大好物なのです。
「多分普通の蜂の中に、ナイトビーが混ざったのよ。ナイトビーの唾液には神経毒が微量に含まれてる。この神経毒で敵を弱らせて逃げるからね」
ナイトビーは強い魔物ではありません。また夜行性なので、外敵にも会いにくいのです。なので敵は弱らせ逃げるのが勝ち。普通の蜜を集める蜂は昼間行動するから、ほとんど混ざることは無いんだけど……ナイトローズが深夜が真っ盛りだから、普通の蜂もついつい夜中まで働いてしまったのかもしれない。
「ベルガモットの高揚作用が、微量に混じった、ナイトビーの神経毒と反応した訳。神経毒は興奮作用も有るから、神経が高まったまま眠りについて、その結果があれです。まんま夢遊病です。このワインの製造元には、説明をしておいた方がよいと思います」
ベッドに二人で正座して話をしていたら、コンコンと船室の窓がなります。あっ!グレイです。私はベッドから飛び降り、グレイをお部屋に招きます。
「グレイってば! 直接入ってくればよいのに。わざわざなんで窓から?」
「アリー、モコモコ可愛いね。一応僕も深夜の訪問では、多少の遠慮はするからね? ではお届け物です。まずはこれ。【未来への道標】ね。アリーは暫くスキルの転移は禁止。まあルイスが抱っこしてなら良いけど。心配だからこれ使いなさいって。でも単独では禁止だよ」
……もう妊娠が伝わっているの?
「あとこれは隣国に嫁いだ姫様からのお礼状と気持ちだって。王様が預かったそうだよ」
「そう言えば……隣国の王太子夫妻も私たちの結婚式にいらしてましたね。かなりのラブラブっぷりで、お世継ぎの心配はいらない位だとか?お時間がなくて披露宴にはいらっしゃいませんでしたが……しかしなぜ?あ!あぁそうですね。あれですか!」
はて?あれってなんでしょう?
「アリーはわからない? カーバンクルのお姫様だよ。紫のカーバンクルをタイルに封印したお姫様ね。今回里帰りして王様に話を聞き、ダンジョンにお詫びに行ったんだ。紫のカーバンクルは既に聖獣になってあの場にいなかったから、僕が頼んで呼んで貰って、謝罪の仲介をしたの」
姫様は反省しカーバンクルに真摯に謝罪をしたそうです。紫のカーバンクルも、己の未熟さを反省して、幼い頃の姫様を許したそう。そして私に会えて良かったって。もし先に私に出会っていなかったから、姫様が許せなくて聖獣にはなれなかったかもって……
私との出会いは偶然だよ。でも仲直り出来たなら良かった……
グレイは夢遊病モドキの原因となる、ワインなどについてを、椿姫の国の王太子様に伝えに飛んでくれるそうです。何度も往復させてごめんね。ボートの件でも飛んでくれてるのにね。
お礼に気持ちばかりですが、試作中の『ぽんぽんカラフルアラレ』をおやつに差し上げましょう。これは味見用に既に揚げてありますが、本来は揚げる前の状態で冒険や旅に携帯します。油に浸った状態で火にかけると、ポップコーンの様にポンポン弾けるのです。すでに色別に味もついていますので、携帯食料として便利です。調理すると一気に増えるので、パーティーでの冒険に良いですよ。
「あ……個別に使用するなら大丈夫だよ。グレイご苦労様。ころポックル亭の保存庫には、冷たいデザートも入ってるから食べてね。みんなによろしくね」
そうです。もちろんどちらも個別に使用するなら大丈夫。相互の副作用の上、たまたまナイトビーの神経毒が混ざったからなのですから。
私たちは 一息ついて甲板に出ます。じゃあまたねと、グレイが飛び立ちました。あっという間に消える姿。瞬間移動で飛びましたね。直接椿姫の国に飛んだのでしょうか?まだ薄暗い景色の中、夜空にはキラキラとたくさんの星が瞬いています。ダンジョンの中なのに本当に不思議ですね。
「アリー。体を冷やすと大変です。そろそろ戻りましょう」
ルイスが私の肩を抱き寄せ、帰路を促します。
「そうね。もう一眠りできそう。なんだか眠くなってきちゃった……」
私はルイスにもたれかかり、そのまま寝てしまったようです。朝までグッスリと寝てしまい、おはようのキスでしっかりと、魔力補給をされちゃいました。
しかし朝からキッスは……中々なれませんね……
**********
0
お気に入りに追加
5,571
あなたにおすすめの小説
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
うたた寝している間に運命が変わりました。
gacchi
恋愛
優柔不断な第三王子フレディ様の婚約者として、幼いころから色々と苦労してきたけど、最近はもう呆れてしまって放置気味。そんな中、お義姉様がフレディ様の子を身ごもった?私との婚約は解消?私は学園を卒業したら修道院へ入れられることに。…だったはずなのに、カフェテリアでうたた寝していたら、私の運命は変わってしまったようです。
居場所を奪われ続けた私はどこに行けばいいのでしょうか?
gacchi
恋愛
桃色の髪と赤い目を持って生まれたリゼットは、なぜか母親から嫌われている。
みっともない色だと叱られないように、五歳からは黒いカツラと目の色を隠す眼鏡をして、なるべく会わないようにして過ごしていた。
黒髪黒目は闇属性だと誤解され、そのせいで妹たちにも見下されていたが、母親に怒鳴られるよりはましだと思っていた。
十歳になった頃、三姉妹しかいない伯爵家を継ぐのは長女のリゼットだと父親から言われ、王都で勉強することになる。
家族から必要だと認められたいリゼットは領地を継ぐための仕事を覚え、伯爵令息のダミアンと婚約もしたのだが…。
奪われ続けても負けないリゼットを認めてくれる人が現れた一方で、奪うことしかしてこなかった者にはそれ相当の未来が待っていた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
側妃は捨てられましたので
なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」
現王、ランドルフが呟いた言葉。
周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。
ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。
別の女性を正妃として迎え入れた。
裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。
あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。
だが、彼を止める事は誰にも出来ず。
廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。
王妃として教育を受けて、側妃にされ
廃妃となった彼女。
その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。
実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。
それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。
屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。
ただコソコソと身を隠すつまりはない。
私を軽んじて。
捨てた彼らに自身の価値を示すため。
捨てられたのは、どちらか……。
後悔するのはどちらかを示すために。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。