拝啓。あの世の婚約者様。裏切られた聖女です。魔王とともに復活しました。ですが!魔王も婚約者様も要りません!

ある栄えた街には、古の偉人の銅像がある。

『魔王の力を削ぐために力を使いきり、崩れ落ちたアマリリス聖女様。その聖女様を庇いながらも、勇敢に戦う勇者レイル王子。しかし聖女様は己の身を犠牲にし魔王を封印。さらには最後の力を使いきり、仲間を城に転移させた。聖女様の心優しき慈愛に感謝を捧げよ』

民はこの言葉を信じ、二人を崇め讃えている。しかし真実は……

古の聖女は死んでは居なかった!

「王女様が私の生まれかわり? 私は死んでいないわよ! 」

魔王が封じられていた祠を暴いた、古の勇者の子孫たち。しかし魔王とともに聖女も復活!

「我は落ち着いたら妻を迎えに行く! 」

「彼女は死んでなどいなかった! 」

二人の追っ手が聖女に迫る。私は逃げる! 逃走してのんびりスローライフ予定なのに、なぜかトラブルに巻き込まれてしまう。

どうしてこんなに魔法が廃れてるの?えーこれもチートなの?魔法が使える女性自体が貴重?私って狙われるの?

山にでもこもりスローライフしたい!そんな聖女が古の真実を知るための逃走劇。

「過ぎた真実なんて要らない! 」

そう思いつつもなぜか勝手に集まる真実。本人は知らずにチートを拡散しているが、意外にも出会う人々に庇われ旅は続いてゆく……

そんな聖女の幸福はどこにある?

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