ちぐはぐ

稀人

文字の大きさ
上 下
18 / 39
一章 私立八意学園

体育祭

しおりを挟む
あの日から早くも2週間が経ち体育祭が近付いてきた。

ほとんど毎日のように4人でお昼ご飯を食べたりお喋りをしたりしてなんだかんだあっという間に仲良くなっていった。

中澤くんと絵里は付かず離れずの距離でこちらを茶化したりしている。


体育祭、体育祭かぁ類君はなにに出るのかなー。

などと考えていたら類君が運動出来るのかどうかも知らないことに気がついた。

今日のお昼に聞いてみようかな。


私はほぼ毎回リレーに選ばれているので今年もそこだろう。

ぽんこつぽんこつ言われるが運動も勉強もそこそこ出来るのだ。
せっかくだし体育祭であの三人を見返してやろう、よし。頑張ろう!


「れーんたん!」


「ん?エリーどしたの?」


「宗ちんが言ってたんだけど、類君騎馬戦に出るんだってよー」


「騎馬戦ってあれ?」


「アレですな」


大丈夫なのかなぁ、手届くのかな…?など失礼なことを考えてしまう。


「大丈夫かな、怪我とかしなければいいけど」


「いやー、ごちそうさまです。れんたんも最近彼女様が板についてきましたなぁ」


「そういうエリーはどうなのさー!中澤くんと悪くない感じじゃん!」


「ん?そだねー宗ちんが告ってきたらオッケー出すくらいには気に入ってるよん」


「え?ほんとに?」


だってあの中澤くんだよ?なんかチャラチャラしててあまり得意ではないタイプだと思っていたんだけど。


「あの子、れんたんが思ってるよりずぅっと真面目だよん。よく人のことも見てるしねー」


そうなのか、絵里が言うなら間違い無いだろうけど。


「よく見てるねぇ」


「にひひ。れんたそにはまだ早かったかにー」


「むぅ。子供扱いしないでよー」


「ふてくされてもかーわいーい!」


「くっつくなー!」


じゃれつきながら、そういえば類君とはあれからもっと仲良くなれたけど、まだ話してはくれないんだろうか?
なんとなく、前に比べて棘は無くなってきたように思うんだけど。

なんと言うか、それこそ猫みたいにくっついてはきても若干信用しきってないような、なにかあったらいなくなってしまうような。そんな感覚はどんどん薄くなって来ていると思う。


完全に棘がなくなったらどうなるんだろうか。見た目通りデレッデレになったりしたらどうしよう?甘やかさない自信がない。間違いなく甘やかすなぁ。


「むむむ?れんたんが類君のことで妄想をしてる顔をしてるぞー」


「そ、そんな顔してた!?」


「うむ。わたしゃれんたんのことならなんでもわかるのだよ」


あながち嘘でもないから困るが、そんなにだらしない顔をしていただろうか。


「にへらって笑ってたよーん。なにを考えたのかにゃー?」


すごく恥ずかしい顔をしていたらしい。


「別に変なこと考えたわけじゃないもん」


「おやおやー?そんなこと言ってないんだけどなー?れんたんはえっちぃ子だにぃ」


「ち、違うもん!」


「じゃあなにを考えたかほれ、はくじょーしなさいはくじょー」


「えと、その、類君がさ、最近なんか棘がなくなってきたっていうか、距離が近くなってる気がするのはわかる?」


「あー、なんか最初の頃はキャラを作ってるっていうかそんな感じだったねー。確かに最近はそうじゃなくなってきてるかも」


「それで、完全に素に戻ったらどうなるのかなーって。その、デレッデレになったら甘やかしちゃいそうだなぁ…とか…」


言ってて恥ずかしくなってしまう。確かに十分あれな妄想な気がしてきた。なかったことにしたい。


「そしたら今度こそ写真に収めて家宝にするお」


「それはやめて」


「そんな想像するだけでうはうはなシーン撮らないわけにはいかないっしょー」


「怒るよ?」


「だめ?」


「だめ」


「絶対?」


「絶対」


「れんたんの秘密と交換でも?」


「交換でも…ってどんな秘密なのさー!」


「例えばー、怖い話をすると未だに夜トイレに行けなくなるとかーあとはー」


「わ、わかったから!それ絶対類君に言わないでよ!ありえないと思うけどデレデレ類君になったら写真撮っていいから!」


類君の許可もなく承諾してしまった。まあありえないだろうから大丈夫だろう。
それにしても、騎馬戦ってほんとに大丈夫なのかな?怪我だけはしなければいいなぁ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

結構な性欲で

ヘロディア
恋愛
美人の二十代の人妻である会社の先輩の一晩を独占することになった主人公。 執拗に責めまくるのであった。 彼女の喘ぎ声は官能的で…

恋人の水着は想像以上に刺激的だった

ヘロディア
恋愛
プールにデートに行くことになった主人公と恋人。 恋人の水着が刺激的すぎた主人公は…

完結【R―18】様々な情事 短編集

秋刀魚妹子
恋愛
 本作品は、過度な性的描写が有ります。 というか、性的描写しか有りません。  タイトルのお品書きにて、シチュエーションとジャンルが分かります。  好みで無いシチュエーションやジャンルを踏まないようご注意下さい。  基本的に、短編集なので登場人物やストーリーは繋がっておりません。  同じ名前、同じ容姿でも関係無い場合があります。  ※ このキャラの情事が読みたいと要望の感想を頂いた場合は、同じキャラが登場する可能性があります。  ※ 更新は不定期です。  それでは、楽しんで頂けたら幸いです。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

夜の公園、誰かが喘いでる

ヘロディア
恋愛
塾の居残りに引っかかった主人公。 しかし、帰り道に近道をしたところ、夜の公園から喘ぎ声が聞こえてきて…

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

処理中です...