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雨降って地固まる

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 昼を過ぎ少しして、なんとか動ける程度に痛みが引いて、シロナに許してもらい膝に乗せて頭を撫でさせてもらっている。
 ふう、やはりシロナを撫でているのは落ち着くな。シロナも満足そうにしているし。

「お父さん、もう今日は歩かないの?」

 尻に根が生えてしまったかのように座っていたが、シロナに諭されてしまった。まあ確かにある程度は自給自足しているとはいえ、食料に余裕があるうちに歩くのが旅人の必須条件でもある。

「歩かなきゃいけないんだがな。今はシロナを撫でていたい気分なんだよな」

 ダメ親父である。自覚があってもどうしようもないあたり本当にまるでダメな親父である。

「…。し、仕方ないなぁ、お父さんは…♪シロナのこと、抱っこして歩いて、いいよ?」

 なるほど、シロナを抱っこして撫でながら歩けばいいのか。それは名案だ。さすが俺の娘。
 そうと決まれば行動は早い。シロナを抱き抱え歩き出す。心なしかシロナも嬉しそうだ。いや、勘違いかもしれない、油断するな、いつ捨てられるかわからないんだ。

 そういえば女相手でもここまで神経質に考えたことない気がするぞ。これが父性か!?

 この日の俺はどうにも頭のネジが飛んでいたように後から思う。だが、シロナに拒絶された後だと仕方ないのかもしれなかった(自己擁護)

 それからしばらくウッドタイラントの警戒もろくにせず娘を撫でてご満悦な顔をして歩くバカ親父の姿があった。
 
 まあ、俺なんだけどな。

 さらにしばらく歩いてからシロナがうとうととしたと思ったら寝てしまい、それを微笑ましく眺めてるうちに多少我に帰って(?)警戒しながらシロナを眺めつつ先を行くのであった。
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