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(私は不安でいっぱいないわけですが……? でもーーユリアやベッティよりはマシってのは……まぁ、そうなんだろうな……ベッティだけに持たせるのはありえないし、ユリアも……ーーそもそもあの子にはもうその手段が無いし……騙されてたわけだから気の毒な気もするけど……ーーそれでもあの子のやらかしは多くの貴族が目撃しちゃってるからなぁ……あのレベルのやらかしは簡単には忘れられないでしょ……)

「ーーそもそも王子からの招待って断れんの?」

 考え込むリアーヌを見ていたザームが、テーブルの上にゼクスが土産に持ってきてくれたショートケーキを食べながらたずねる。
 その言葉にオリバーは苦笑いしながら答えた。

「ーー基本的には強制のようなものですかね?」
「んじゃ、どうしようもねーじゃん。 おとなしく行くしかねーだろ」
「ーーお前も道連れにしてやろうか……」

 ジロリとザームを睨みつけながらリアーヌが唸るように言うが、それはすぐさまオリバーに「ーー流石に、ボスハウト家の一大事に繋がりかねません……」と、言われ(そこまでなんだ……?)と、大きく息を漏らしながら唇を尖らせた。
 そんなリアーヌに向かい、ザームが勝ち誇ったような顔を向けて来たことにさらに腹を立てたりもしたが、すぐさまザームに向け、ヴァルムが笑顔を向け、ザームの身体がビクンッと大きく跳ねたことで溜飲を下げたのだったーー

 そしてーー
 その日から再び、リアーヌの特訓の日々が始まるのだったーー

(ーーくそぅ……こんなことを私が願う日が来るなんて……ーーでも構わない! この特訓地獄から抜け出せるならもうなんでもいいっ! ーー早く! 早くお茶会の日になって下さいっ!)

 ◇

 ーー王城のとある応接室の一室。
 集まったのは、いつもフィリップに招かれているメンバーで、給仕をしてくれる使用人もリアーヌが見覚えのある者たちで固められていて、最初こそ緊張で顔を引きつらせていたリアーヌだったが、いつもと変わらないメンバー、そして使用人ということで、少しづつ緊張をほぐしていった。
 ようやくいつも通りに喋れるようになったリアーヌに、レオンが静かに本日の本題を切り出す。

「ーー頼みを聞いてくれないだろうか?」
「……本心で答えていいならイヤですけど?」

 チラチラと周囲の反応を伺いながら答えるリアーヌ。
 そんなリアーヌにゼクスは笑いを噛み殺し、ビアンカやレジアンナも口元をセンスで隠しながらニヨニヨと話の行く末を見守っている。

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 この答えは想定内だったのか、レオンは渋い顔をしながらも、クラリーチェに応援を要請した。
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