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しおりを挟むリアーヌの提案に、青年は驚きながらもその二つを組み合わせる。
「……二ついっぺんーーへぇ? 良いんじゃねぇか? 嬢ちゃん趣味が良いねぇ?」
「えへへ……ーーちなみにそれを更にさっきのリボンと合わせると、それはリボンの髪飾りでしょうか……?」
(問題なさそうな気もするけど、念のため……ーーだってこれ可愛いし。 誰にも文句言われず使ってたいし……)
リアーヌからの質問に、青年は唸るように「んー?」と言いながら更にリボンのが髪飾りと組み合わせ、色々な角度からそれを眺めた。
「……ここまで豪華になるとリボンが霞むは霞むがーー……嬢ちゃん、どうあってもリボンが良かったんだ?」
「……だってそのリボンのが一番可愛いですもん。 ーーあ、この髪飾りさっきの組紐にくくりつけて腰のワンポイントにしても可愛いですね⁉︎」
「ーーあり、だな……?」
そう言いながらアゴに手を当てた青年。
ゼクスは、その青年の目がギラリと光り、商売の種を見つけたことを察知して、なんだかとても損をした気分になっていた。
「ふむ……小物で遊ぶってなら、着物はもっと地味目で良いんじゃねぇか? この矢絣なんでどうだ?」
(赤と白の初心者マークがいっぱい……ーーでもこれも可愛い! 大正ロマンっぽい!)
「……地味な着物だったら、このリボン付きの豪華な髪飾りでも変じゃ無いです……?」
「……あくまでも俺の意見だぞ? しがない露天の一商人の意見だがーー悪くねぇ。 変わった着方で目を引くとは思うが、それは悪い目立ち方じゃねぇと思うし……嬢ちゃんにはよく似合ってると思うぞ?」
「……どう、でしょう?」
最後に意見をたずねられたゼクスは、困ったように苦笑を浮かべながら肩をすくめる。
「お似合いだと思いますよ」
「ーーえへへ……」
ゼクスからの言葉に、リアーヌは照れたように少し身体をくねらせる。
そんな婚約者の様子に、ゼクスはクスリと笑いながら青年に視線を移した。
「ーーでは髪飾はその三点、あとそちらの矢絣の着物も追加でお願いします」
「毎度ー!」
青年がそう声を上げた頃、アンナと女店主が店の奥から戻ってくる。
「お待たせいたしました」
「お買い物終わりましたよ!」
リアーヌの笑顔に笑顔で返しながら、アンナはオリバーの隣に控える。
「ーーどうだ?」
「……基本は覚えられたと」
「上場だな。 リボンの髪飾りは子供専用だそうだ」
「ーー了解」
小声で素早く情報交換を行うオリバーたち。
そんな二人をよそに、青年は祖母に向かって上機嫌に話しかける。
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