成り上がり令嬢暴走日記！

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　その日の帰り道ーー
　リアーヌはボスハウト家の馬車を先触れとして、ゼクスが確認相談しておきたいことがあるとの旨の伝言を託し、先に家に戻らせていた。

　そのため、リアーヌはラッフィナート家の馬車にゼクスと共に乗り込み、窓の外を眺めながら、ようやく気が抜ける……と、安堵のため息を漏らしていた。

　ーー窓の外の流れていく景色を眺めながら、思い出したのは今日のパーティーでのユリアの行動について……
　リアーヌは少し面白くなさそうに唇を尖らせながら、今日のパーティーでの出来事について考えていた。

（ーー確かにさ？　私、色々やらかしてて、ストーリーめちゃくちゃにしちゃってる攻略対象結構いるから、ユリアに対して申し訳ないなって感じるとこもあったんだけど……まぁほぼ間違いなく転生者で……ーー向こうも向こうで好き勝手してるわけだから……もう気にしなくてもいいのかな……？）

　軽いため息をつきながらリアーヌは窓に映る自分の顔を見つめながら、その唇を少し窄めて見せた。

（ーーアレは自業自得だよ……いくらこの世界の常識知らないって言っても、あっちの基準だって、偉い人が沢山集まるパーティーに（招待状は無いけど、私はあるし仲良しだからクラスの友達連れて行こっ！）とかいう考え、絶対しないし、レジアンナーー将来は絶対偉くなるの確定してるご令嬢とあんな場所で人目も憚らず口論繰り広げるのがやっべぇことぐらい理解できる……私は平気！　とか思ってんのかなぁ……？）

　リアーヌは小さくため息を吐き出すと、呆れたようにふるふると首を横に振る。
　窓にうつった自分も同じように動いているのを見て、なんだか同意してもらっているようで、それがおかしくてリアーヌはクスリと小さく笑った。

（ーーでも、なんであの子……レジアンナと口論始めちゃったんだろう……？　いや、レジアンナの言い方は大変にムカつくものがあったけど……ーー向こうからしたら、アレ絶対にイベントなんだよ。　だったらケンカーーというか、物申してくるのはクラリーチェだと思ってるはずなんだけど……ーーえ、まさかフィリップのこと、まだ狙ってる……？　それとも……ーー誰でもいいからイベント起したかった……とか？　だってあのゲーム、基本的に主人公がいじめられないと攻略対象との仲、深まらないし……けど、あれで深まる可能性があるの……フィリップだけで……アイツあの口論中、一回もレジアンナ止めなかったけど……？）

　リアーヌはそこまで考えて、うまく考えがまとまらずに、うーん……？　と唸りながら首を大きく上に上げ、天井を眺めた。
　ーー次の瞬間、ふっとある考えが湧き上がる。