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「けれどそうなりますとやはりうちよりもラッフィナート家の方が情報が早いんですのね……」
「あー……ね?」
「ーー分かってはいたつもりですけどこうして事実を突きつけられると面白くありませんわ」

 ビアンカは面白くなさそうに鼻を鳴らした。

「……つまり最初の顔合わせで事情が分かってなかったのは私だけですのね」

 そう呟くと、ビアンカはどこか攻めるような視線をリアーヌに向けた。

(あー……この間のお茶会ねー……って)

「あ、違うよ? 私聞いたのお茶会の後だよ?」
「……そうなんですの?」
「うん」

(これは本当。 帰りの馬車で説明された後『そういう話にになってるけど実際のところはね……ーーあんまりパトリオート様には近づかないで?』って言われたんだよねー)

「……それにしちゃ、聞いたこともない家名だと言うのにあっさり受け入れてたじゃない?」

 探るようなビアンカの視線にリアーヌはドキッとしながら口ごもる。

「……それは」

(実際のところは、事前に事情を丸っと理解してたからなわけだけど……ーー待って? これ……私ってば簡単に言い訳できちゃうんじゃない……?)

「ーーそれは?」

 見定めるようにリアーヌを見据え、ごまかすことも許さない様子のビアンカ。
 そんなビアンカにリアーヌは言いにくそうに口を開いた。

「……そこまで自分の知識に自信が無いから……?」
「…………」
「…………」

 ビアンカは呆れたような表情を浮かべ、リアーヌはエヘヘ……とごまかすような愛想笑いを浮かべながら無言で見つめ合う二人。

「……本当にどうして私が貴女より座学の成績が悪いのか納得出来ないわ?」
「ごめんて……」

 その会話が聞こえていたであろうクラスメイトの一部は、ビアンカの言葉に人知れず大きく頷いたのだったーー

 呆れたようにため息をつきながら席へと戻るビアンカに習い、自分の席へと戻るリアーヌ。
 これ以上ビアンカの機嫌を損ねないよう身体を小さくしながらも、先程チラリと話題に上がったレオンを交えての初めてのお茶会に思いを馳せていた。

(なんで攻略キャラのほとんどが入学式後、フィリップ様のサロンに集まってしまうん……? ーー主人公はレオンとニアミスするために大きな木のところに行ったんだよ⁉︎ なのにそのレオンは私より先にサロン入りて! 絶対、ゲームの流れ変わっちゃってますよね⁉︎ じゃあなにかい? 主人公は誰にも見そめられることなく、大きな木の下を鼻歌交じりでご機嫌に散策しただけのになったってことかい⁇ ……いや、元々主人公的にはそのつもりなんだろうけど……ーーお茶会、私が参加しちゃったもんだからゼクス様とエドガーも参加で……多分主人公、入学式のイベント誰とも発生させられてないんじゃ……?)
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