佐渡島のあやかし(第３話)など 短編集

番外編：うさぎになったアンジェラ

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　葉っぱを食べて、お腹がいっぱいになると、なんだか急に眠たくなってきた。ウトウトしていると、ロビンが「海辺で走り回ったから、少し休もう～」と、コロンと横になって、わたしをなでなでしてくれる。まるで大切な宝物みたいに、そっと優しく触ふれてくる。

　あーぁ～　いい気持ち。ロビンとずーっとこうしていたいな。
　赤ちゃんウサギと、ルナの他には、だぁれもいない。この空間は、特別な世界。まるで違う時間が流れている。


　うさぎになっていたほうが、気楽でいいかも。ごはんは、その辺の草を食べていればいいし。汗をかいたら川で水浴びすればいい。お洋服だって、とっかえひっかえしなくても、寒くなれば自然に毛が増えてくる。洋服を買ったり毎日下着を洗濯しなくても、ぜんぜん平気。

うさぎになって、ずーっとこうしていたいな。お洋服も、おいしい料理もいらない。ロビンと二人きり（わたしは、うさぎだから、二人じゃないかもね）で一緒にいたい。

鼻先で、ちょこんとロビンのほっぺたをつついた。ロビンは、目を細めてうれしそうにわたしに笑いかける。いつもは、見せないとっても優しい笑顔がたまらなくステキで、おもわずキュッと胸が跳ねた。

「アンジェラ、かわいいね。大好きだよ……」
ロビンは、うさぎのわたしを、ぎゅーっと抱きしめてくれた。

 つづく