230 / 408
第229話 視察の旅 その33 元子爵領での最後の夜
しおりを挟む
僕は三人の部落長と別れを告げ、サノケッソの街での最後の夜を過ごしていた。サリルはいつまでも街に残ることを恨みがましく小言をはいていたが、本人からは僕達と同行したいという言葉が出てこなかったので、サリルは責任者になることを受け入れてくれているのだろう。ガムドもサノケッソの責任者から外れたことが気分的に楽になっているようで、楽しそうに夜を過ごしていた。
僕はガムドとグルドを呼び出し、今後について話し合うことにした。二人共、程よく酒が入っている様子で僕に軽口を言ってくるほどには上機嫌のようだ。
「まずは二人には今後、公国の軍事を担ってもらいたいと思っている。これについては異論はないだろ?」
二人は急に真面目な顔になり、頷いた。これにより、公国の軍事力は飛躍的に上がるだろう。グルドは、ガムドの父と共に各戦場を飛び回る目覚ましい戦果をあげた名将だ。一方、ガムドは実戦経験が乏しいものの、部下から大いに信頼されており、将軍として十分な素養がある。これについてはグルドも認めているところだ。まぁ、小言は尽きないようだが。
現状では、ライルが公国の軍事を全てになっていると言ってもいいだろう。公国は元子爵領が併合されたことにより、北でも直接王国に接してはいないが、王国に友好的な諸侯が隣接しているため、実質的には敵勢力に接していると言ってもいいだろう。なんとか早急に防衛陣を北に設置しなければならないのだが、これを任せられる者が今までいなかった。
しかし、ガムドとグルドの参入により、三人となり、ライルには南の砦を拠点とした防衛に集中してもらうことができる。ここからが二人にお願いすることだ。
「二人は知っていると思うが、グルドの領地が公国では北部の西端に位置する。つまり、敵との境界線となる。ここに防衛陣を築こうと思っている。もちろん、用地についてはこれから相談ということになるだろうが。その責任者にグルドに頼みたいと思っている」
グルドも防衛陣の存在がよく分かっていなかったみたいで、ついに攻めるのか? と興奮していたが、そうではないことを説明し、あくまでも公国領土に敵の侵入を防ぐための施設であることを伝えると、心なしががっかりした様子だった。それでも王国に対してなんらかの行動が出来ることには嬉しいみたいだが。
「さて、ガムドには僕の軍事顧問として僕の側に付いていてもらいたい」
ガムドは軍事顧問という聞きなれない言葉に首を傾げていた。僕は戦争が始まっても基本的に何をしていいか分かっていない。今まではライルが側にいてくれて助言をしていてくれたが、離れた場所にいるため、難しくなってしまった。いわば、ライルの代わりとしてガムドを側に置こうと思っている。
ガムドを側に置くことを前提として、ラエルの街に軍を新設して三軍を基本とすることにしようと考えている。有事の際はガムドがその一軍を率いて戦場に赴くことになっている。
「ガムドが基本的には全軍を見て行動することになるのだが。僕はガムドにそれだけの力量はあると思っているが、どうだ?」
グルドもしきりに頷いている。この人事には賛成のようだな。といっても、前もって相談してグルドのガムドへの評価を聞いたから判断していたのだ。ガムドは、ガバッと椅子から立ち上がったかと思うと僕の前に跪いた。
「全身全霊を持って、その役目を全うしたいと思います。我らの最大の敵である王国軍を打ち破れるように軍を強化してまりたいと思っています」
その言葉を聞いて、非常に頼もしく感じた。なんというかガムドならきっとやってくれそうな気がするのだ。僕は、期待しているぞ、とだけ伝えた。これで話し合いは終わりだ。サリルにはサノケッソの街についての計画を伝えてあるので、実務的な事は任せていいだろう。問題は、急いでやらなければならない土木工事の日程の調整が出来ないことだ。まだ、雪が深く、とても工事ができそうにない。僕は明日にはこの地を去ることになっている。再び、春を前に来なければならないだろうな。
「ガムド。伝えてある通り、僕は明日、この地を去り、東に向かい村までの道を開拓していくつもりだ。その道を辿って、村に来るが良い」
「ちょっとお待ちください。それならば、私も明日ロッシュ公と同行いたしましょう。微力ながら、私が護衛として任務に就きたいと思っております。どうか、ご許可をお与えください!!」
ふむ。本来であれば、ガムドにはサリルの引き継ぎのためにしばらくはこの街に滞在してもらいたかったが、一日でも早く村に来てくれたほうが、軍事の再編を早めることが出来るだろう。優先順位からすれば、そちらのほうが重要だ。しかし、引き継ぎが遅れるのは望ましくないだろう。しかし、それについてはガムドより街の行政に詳しいものがいるようでその者に一任できるというのだ。
僕はガムドの頼みを了承し、明日の同行を許すことにした。それからはガムドが家族とのしばしの別れを惜しむかのように時間を過ごしていた。僕は邪魔してはいけないと思い、グルドとサリルとで軍事談義をすることにした。やはり、グルドの話は面白いな。
翌日、僕達は出発するために屋敷を離れた。僕とシェラ、シラーが屋敷を出ると、ガムドが先に待機していており、自警団と共に荷造りの指示を出していた。今回のためにサノケッソの街に駐留している軍の一部も同行することになっている。この一団がラエルの街に新設する軍の中核となる者たちだ、そのため、精鋭で揃えてもらっている。それ以外のものはグルドの傘下に収まってもらうことになっている。
シェラとシラーは、荷馬車の空いている場所に座り、僕はハヤブサに騎乗して出発しようとすると、屋敷から二人の女性が走ってやってきた。当然、ガムドの妻娘のトニアとティアだ。僕達の見送りをしに来てくれたのだろうか。しかし、見送りにしては手荷物が多いような気がするが……。息を切らせたティアが僕の前にやってきた。
「ハァハァ。間に合ってよかった。私とお母様も同行させてください。私達も一日も早く村に行って、いろいろと勉強をしたいのです!!」
なんとやる気に満ち溢れた少女なのだろうか。僕はすこし胸が熱くなってしまった。僕としては二人くらい増えたところで特段支障はないが、ガムドはどうなのだろうか。荷造りの指揮をしていたガムドが妻娘の存在に気づいたのか、急いで僕の下にやってきた。
「やはり来てしまったか。昨夜はやけに聞き分けがいいと不審に思っていたが」
ガムドが呆れたような口調で妻娘に言っていると、トリアが一歩前に出て、ガムドの方をイタズラが成功したような顔をして僕の方に顔を向けた。
「ロッシュ公。厚かましいと願いとは重々承知しておりますが、私とティアの同行を許してもらえないでしょうか? 私達は足手まといになることも承知しておりますが、私達は夫と再び離れて生活するなんてしたくないのです。なにとぞ」
トニアが深々と頭を下げると、それを見倣うかのようにティアも頭を下げてきた。すると、ガムドもトニアの言葉に心が揺らいだのか分からないが、僕に同行を認めるようにお願いしてきたのだ。やはりガムドも離れて暮らすことに戸惑いがあったのかも知れないな。それに気づけなかかったのは、僕の失態だろう。
「いや、家族が離れ離れになるのは辛いことだろう。気づいてやれず済まなかった。同行を認めよう。二人はシェラとシラーから離れずに行動するようにしてくれ」
二人は、はい、と返事をしてシェラとシラーが乗っている荷馬車に乗り込んでいった。ついに僕達は出発した。街を出る間の街道には住民と兵たちが並び、喝采をあげていた。最後にグルドが待ち構えていた。
「この街と公国はかならずオレが守り抜くことを誓おう。道中の安全を祈っているぞ」
そういうと、手を大きく振り、僕達を見送ってくれた。僕はハヤブサに乗っているので荷馬車の中のことは分からなかったが、トニアが声を出さずに泣いていたらしい。これより森の南の縁に沿って東に向かっていく。目指すはラエルの街だ。
僕はガムドとグルドを呼び出し、今後について話し合うことにした。二人共、程よく酒が入っている様子で僕に軽口を言ってくるほどには上機嫌のようだ。
「まずは二人には今後、公国の軍事を担ってもらいたいと思っている。これについては異論はないだろ?」
二人は急に真面目な顔になり、頷いた。これにより、公国の軍事力は飛躍的に上がるだろう。グルドは、ガムドの父と共に各戦場を飛び回る目覚ましい戦果をあげた名将だ。一方、ガムドは実戦経験が乏しいものの、部下から大いに信頼されており、将軍として十分な素養がある。これについてはグルドも認めているところだ。まぁ、小言は尽きないようだが。
現状では、ライルが公国の軍事を全てになっていると言ってもいいだろう。公国は元子爵領が併合されたことにより、北でも直接王国に接してはいないが、王国に友好的な諸侯が隣接しているため、実質的には敵勢力に接していると言ってもいいだろう。なんとか早急に防衛陣を北に設置しなければならないのだが、これを任せられる者が今までいなかった。
しかし、ガムドとグルドの参入により、三人となり、ライルには南の砦を拠点とした防衛に集中してもらうことができる。ここからが二人にお願いすることだ。
「二人は知っていると思うが、グルドの領地が公国では北部の西端に位置する。つまり、敵との境界線となる。ここに防衛陣を築こうと思っている。もちろん、用地についてはこれから相談ということになるだろうが。その責任者にグルドに頼みたいと思っている」
グルドも防衛陣の存在がよく分かっていなかったみたいで、ついに攻めるのか? と興奮していたが、そうではないことを説明し、あくまでも公国領土に敵の侵入を防ぐための施設であることを伝えると、心なしががっかりした様子だった。それでも王国に対してなんらかの行動が出来ることには嬉しいみたいだが。
「さて、ガムドには僕の軍事顧問として僕の側に付いていてもらいたい」
ガムドは軍事顧問という聞きなれない言葉に首を傾げていた。僕は戦争が始まっても基本的に何をしていいか分かっていない。今まではライルが側にいてくれて助言をしていてくれたが、離れた場所にいるため、難しくなってしまった。いわば、ライルの代わりとしてガムドを側に置こうと思っている。
ガムドを側に置くことを前提として、ラエルの街に軍を新設して三軍を基本とすることにしようと考えている。有事の際はガムドがその一軍を率いて戦場に赴くことになっている。
「ガムドが基本的には全軍を見て行動することになるのだが。僕はガムドにそれだけの力量はあると思っているが、どうだ?」
グルドもしきりに頷いている。この人事には賛成のようだな。といっても、前もって相談してグルドのガムドへの評価を聞いたから判断していたのだ。ガムドは、ガバッと椅子から立ち上がったかと思うと僕の前に跪いた。
「全身全霊を持って、その役目を全うしたいと思います。我らの最大の敵である王国軍を打ち破れるように軍を強化してまりたいと思っています」
その言葉を聞いて、非常に頼もしく感じた。なんというかガムドならきっとやってくれそうな気がするのだ。僕は、期待しているぞ、とだけ伝えた。これで話し合いは終わりだ。サリルにはサノケッソの街についての計画を伝えてあるので、実務的な事は任せていいだろう。問題は、急いでやらなければならない土木工事の日程の調整が出来ないことだ。まだ、雪が深く、とても工事ができそうにない。僕は明日にはこの地を去ることになっている。再び、春を前に来なければならないだろうな。
「ガムド。伝えてある通り、僕は明日、この地を去り、東に向かい村までの道を開拓していくつもりだ。その道を辿って、村に来るが良い」
「ちょっとお待ちください。それならば、私も明日ロッシュ公と同行いたしましょう。微力ながら、私が護衛として任務に就きたいと思っております。どうか、ご許可をお与えください!!」
ふむ。本来であれば、ガムドにはサリルの引き継ぎのためにしばらくはこの街に滞在してもらいたかったが、一日でも早く村に来てくれたほうが、軍事の再編を早めることが出来るだろう。優先順位からすれば、そちらのほうが重要だ。しかし、引き継ぎが遅れるのは望ましくないだろう。しかし、それについてはガムドより街の行政に詳しいものがいるようでその者に一任できるというのだ。
僕はガムドの頼みを了承し、明日の同行を許すことにした。それからはガムドが家族とのしばしの別れを惜しむかのように時間を過ごしていた。僕は邪魔してはいけないと思い、グルドとサリルとで軍事談義をすることにした。やはり、グルドの話は面白いな。
翌日、僕達は出発するために屋敷を離れた。僕とシェラ、シラーが屋敷を出ると、ガムドが先に待機していており、自警団と共に荷造りの指示を出していた。今回のためにサノケッソの街に駐留している軍の一部も同行することになっている。この一団がラエルの街に新設する軍の中核となる者たちだ、そのため、精鋭で揃えてもらっている。それ以外のものはグルドの傘下に収まってもらうことになっている。
シェラとシラーは、荷馬車の空いている場所に座り、僕はハヤブサに騎乗して出発しようとすると、屋敷から二人の女性が走ってやってきた。当然、ガムドの妻娘のトニアとティアだ。僕達の見送りをしに来てくれたのだろうか。しかし、見送りにしては手荷物が多いような気がするが……。息を切らせたティアが僕の前にやってきた。
「ハァハァ。間に合ってよかった。私とお母様も同行させてください。私達も一日も早く村に行って、いろいろと勉強をしたいのです!!」
なんとやる気に満ち溢れた少女なのだろうか。僕はすこし胸が熱くなってしまった。僕としては二人くらい増えたところで特段支障はないが、ガムドはどうなのだろうか。荷造りの指揮をしていたガムドが妻娘の存在に気づいたのか、急いで僕の下にやってきた。
「やはり来てしまったか。昨夜はやけに聞き分けがいいと不審に思っていたが」
ガムドが呆れたような口調で妻娘に言っていると、トリアが一歩前に出て、ガムドの方をイタズラが成功したような顔をして僕の方に顔を向けた。
「ロッシュ公。厚かましいと願いとは重々承知しておりますが、私とティアの同行を許してもらえないでしょうか? 私達は足手まといになることも承知しておりますが、私達は夫と再び離れて生活するなんてしたくないのです。なにとぞ」
トニアが深々と頭を下げると、それを見倣うかのようにティアも頭を下げてきた。すると、ガムドもトニアの言葉に心が揺らいだのか分からないが、僕に同行を認めるようにお願いしてきたのだ。やはりガムドも離れて暮らすことに戸惑いがあったのかも知れないな。それに気づけなかかったのは、僕の失態だろう。
「いや、家族が離れ離れになるのは辛いことだろう。気づいてやれず済まなかった。同行を認めよう。二人はシェラとシラーから離れずに行動するようにしてくれ」
二人は、はい、と返事をしてシェラとシラーが乗っている荷馬車に乗り込んでいった。ついに僕達は出発した。街を出る間の街道には住民と兵たちが並び、喝采をあげていた。最後にグルドが待ち構えていた。
「この街と公国はかならずオレが守り抜くことを誓おう。道中の安全を祈っているぞ」
そういうと、手を大きく振り、僕達を見送ってくれた。僕はハヤブサに乗っているので荷馬車の中のことは分からなかったが、トニアが声を出さずに泣いていたらしい。これより森の南の縁に沿って東に向かっていく。目指すはラエルの街だ。
0
お気に入りに追加
2,660
あなたにおすすめの小説
家族で突然異世界転移!?パパは家族を守るのに必死です。
3匹の子猫
ファンタジー
社智也とその家族はある日気がつけば家ごと見知らぬ場所に転移されていた。
そこは俺の持ちうる知識からおそらく異世界だ!確かに若い頃は異世界転移や転生を願ったことはあったけど、それは守るべき家族を持った今ではない!!
こんな世界でまだ幼い子供たちを守りながら生き残るのは酷だろ…だが、俺は家族を必ず守り抜いてみせる!!
感想やご意見楽しみにしております!
尚、作中の登場人物、国名はあくまでもフィクションです。実在する国とは一切関係ありません。
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる