花浮舟 ―祷―
本物の『主人公が悪役』作品、ここに。
架空の京・沖去(おきざり)が舞台の戦国物語。
京の統治者、十四代御門は若くして病で亡くなり、即位したのはまだ幼い公主。そのため、御門の親類である幻驢芭(まほろば)家当主・宵君(よいのきみ)が摂政となり、京を統治・守護していた。
ところが御門の髪上げを目前に、宵君は自らの腹心とともに不穏な動きを見せ始める。
◆当作品は戦国時代をベースとしておりますが、地名、人物名等は全て架空のものです
◆中盤以降、暴力的な描写があります
架空の京・沖去(おきざり)が舞台の戦国物語。
京の統治者、十四代御門は若くして病で亡くなり、即位したのはまだ幼い公主。そのため、御門の親類である幻驢芭(まほろば)家当主・宵君(よいのきみ)が摂政となり、京を統治・守護していた。
ところが御門の髪上げを目前に、宵君は自らの腹心とともに不穏な動きを見せ始める。
◆当作品は戦国時代をベースとしておりますが、地名、人物名等は全て架空のものです
◆中盤以降、暴力的な描写があります
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ストーリーの重厚感や完成度はさることながら、章が変わるごとに登場人物の名前にルビを振り直してくださっている親切さに驚きました。
途中で「読み方なんだっけ……?」と引っかかることなくストーリーに集中できるので大変助かります。
創作時代小説というジャンルを初めて拝見したのですが想像以上でした。
もっとファンタジックでふんわりしたイメージを抱いていましたが、読み進めるほどに圧倒される重みのある作品でした。
「本物の『主人公が悪役』作品」というフレーズに惹かれて拝読しましたが、こちらも「実は良い奴」展開を予想していたところ……読了した感想は「参りました」の一言に尽きます。
作者様があえて「本物の」と枕詞をつけた意味がよく分かりました。宵君は本物の悪役でした。それでいて後書きの(こちらの後書きの書き方もお洒落で、最後まで驚かされっぱなしです)「クズで片付けていい人物ではない」という面もしっかりと描かれていました。
お見事です。
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