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2話 「修正11/14」

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  暗い。

  何も見えない。

  そして、ここはどこなんだ。
 
  ・・・あぁー、そうだ。確かを通り魔に刺されて死んだんだっけ.....。

  35年間の生涯で彼女の1人すら出来なかった。おかげさまで童貞です.....。

  まさか、未使用でこの世を旅立つ事になるとは.....。

  息子よ、ごめんなぁ、お前を大人にしてやれなくて。

  次生まれ変わったらお前を必ず大人にしてやるからな!!!!!

  そう一言呟くと俺は深い眠りへとついた。





  温かい..... そして、マシュマロみたいに柔らかい。

  それに甘い匂いがする。

(いい香りだぁ)

  なんだか心地がいい。

  どうやら、俺は本当に天国に来てしまったらしい。

  正直、怖いところだと思っていたが案外、天国というのもいいものだな。 

  そう思いつつ両手にある2つのマシュマロを揉み続けた。


 「んんっ」

  んっ!?!?何だ今の声は?

  なんだ、気のせいか..... うん、気のせいだ。俺は自分にそう言い聞かせ、さらに揉み続けた。
 
「んんんっ」

  んんっ!?!?!?気のせいなんかじゃなかったのか!?

  俺の息子が反応をしているっ!!!!!
  
  初めての感覚で喜んでいる!!!!!、そう思った。
     
  そして更に揉み続けた。

「だ、だめぇぇぇええっ」

  んんんっ!?!?!?!?やっぱり気のせいなんかじゃなかった!!!

  ・・・この時、俺は察した。これはあれな展開だと.....。

  まだ、慌てるような時間じゃない。

  大体、このクールな俺が慌てた事なんて、小学校の頃、朝起きて布団を見ると辺り一面、海になっていた時くらいだ。

  ・・・あの時は本当に焦ったものだ.....。

  まだ、大丈夫。すぐに謝ればいいのだから。

  時は満ちた。

  よし、目を開けたと同時に謝ろう。

  俺は心の中で1 ,  2 ,  3 ,  ダァァァァァァァア!!!の掛け声と共に目を開けた。

  そして、

「ごっ、ごめんなさぁぁぁぁい!!!!!」

  と、神様もうっとりするようなそれは見事な土下座を披露した。

  10秒間、その格好を保った後、
  
(もう、そろそろ顔を上げていいのではなかろうか.....?)

  そう思った俺はゆっくりと顔を上げた。

  そして、俺の目にはとんでもない美少女が映った。

  ほっそりと尖った耳に澄んだエメラルド色の瞳。

  ブラウンのロングヘアーに彼女の魅力を一段とあげている。
  
  その美しいその容姿は誰をも魅了するかのように完璧に冴え渡っている。

  細身の身体にピッチっとした黒い制服を上手く着こなし、彼女の美しい身体のラインを表している。とても、素敵だ。

  俺はつい見惚れてしまう。

「いっ、一体どこを触ってるんですか!」

  彼女はしゃがみ込み、胸を両手に隠しながらそう言う。
  それに頰を少し赤くし、若干涙目になっている。

「ごっ、ごめん。触り心地が良くて、つい何度も触ってしまった」

  (や、やべぇ.....。つい本音が.....)
  
  まぁ、この後に返される言葉はなんとなく察しがつく。

「貴方、最低な人ですねっ!!!!!」

  ・・・やっぱり..... 予想はしていたが、言われると少し傷つくな。

  でも、彼女の泣きそうな顔がとても可愛らしい。

  俺はもうMだと思っていたが、どうやらSの部類に入るようだ。

  まぁ、ともかく、可愛いのだ。是非ともお友達になりたい。

  しかし、俺は女の子をまともに会話をした事がない。

  ・・・どうしようか.....。

  そう考え込んでいると、

「一体貴方は何者ですか?ここら辺では見かけない顔ですけど」

  と彼女の方から喋りかけてきた。

  (これは絶好のチャンスじゃありませんか!!!!!これを逃したら、更に喋りかけにくくなる。ここは慎重に.....)

 「いやー、俺にも分かんないんだよ。死んだ、と思ったらここにいた」

「・・・死んだ?貴方、何を言ってるんですか?」

  本当の事を言っているのに.....。まぁ、いい。

  それにしても、一体ここは何処なのだろうか。見覚えのない場所し日本とは全然雰囲気が違う。まるで中世ヨーロッパにタイムスリップしたかのようだ。

  しかし、中世ヨーロッパと言えど耳の尖った美少女がいるだろうか.....?いや、いない。

  そう考えると、『異世界に転生した』とでも?

  ははは..... まさかね。

  だって、転生と言えば女神とやらに会ってチート能力を授かり異世界を満喫する、的な感じでしょう?

  俺、ここに来るまで女神とやらに会ってないんだけど.....。

  おかしくない?ねぇ、おかしいよね!?!?

  俺は置かれた理不尽な現状に「はぁ.....」とため息をついた。


「ところで、貴方のお名前なんて言うんですか?」

  彼女がそう聞いてきたので、

「あっ、俺?俺の名前は大野健だ」

  と返した。

「・・・おおの・・・たける・・・?変わった名前ですね」

「え?あ、そう?」

  ・・・普通の名前だと思うんだけど.....。

「君の名前は?」

「貴方に名乗るのも癪(しゃく)に触りますが、まあいいですよ。私はエマ=ヴィクトリアです。エマって呼んでください」

  癪に触りますが、ってなんだよ.....ひどいなぁ.....。
  でも、まぁ、名前を聞けたしいいか。

「ところでエマさん」

「はい?」

「ここは一体どこなんだ?」

  俺は一番疑問に思っていた質問をした。

「ここは冒険者達が集う街《パンデモ》ですよ」

 冒険者?パンデモ?一体、この子は何をおっしゃっているのやら。

  その後、エマに詳しく教えてもらった。





  結論。 

  どうやら、俺は本当に異世界に来てしまったようだ。

  ここでは、ギルドに登録して冒険者になるしかないとエマは言う。

  まぁ、飲食店とか雑貨屋とかもあると思うけど。

  でも、異世界に来たからにはやっぱり冒険者になる一択でしょ!!!!!
  


  こうして俺の自由気ままな異世界ライフがスタートするのだ。
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