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第19話 屋台に花火!愛華たちの夏祭り

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「なぜ一度攻撃しただけで、戦士たちの息の根を止めなかったのだ!今度こそ倒してくるのだ。後、4500人分の心の輝きも忘れずにな」
ゴングルは、大魔王の言葉をのみ、出撃した。

 今日は一学期最終日。終業式が終わると、愛華は希実に話しかける。
「今度の日曜日、一緒に松見神社の夏祭りに行かない?」
愛華の誘いに、希実は嬉しそうな顔になる。
「浴衣着て、私と希実、優美さん、夢ちゃんの4人で行こうよ」
という愛華の提案に希実は、笑顔で頷いた。
「私も愛華たちと一緒に行きたいなと思っていたところ。優美さんと夢ちゃんにも行けるかどうか聞きに行こうよ」
と、希実は答える。そして、2人で優美さんと夢ちゃんに行けるかどうか聞きに行くことになった。302の教室に行き、優美さんに声をかけると
「夏祭り? 一応、お母さんに聞いてみるわ。お泊り会と違ってたくさん歩くでしょうし。夏祭り行くの、私初めてなの」
と、優美さんは言った。次に203の教室に行き、夢ちゃんに声をかける。すると、スケジュールを確認する素振りを見せ
「その日、夕方まで仕事あるの。お祭りって何時から開始?途中からでも合流できそうなら行けるけど」
と、愛華と希実に言ってきた。
「優美さんも行けるかどうか確認中なので、集合時間決まったらまた連絡しますね」
愛華の言葉に夢ちゃんは、
「分かった。連絡待っているね」
と言う。

 後日、優美さんから夏祭りに行けると連絡があり、4人で話し合って17時に松見神社から一番近い優美さんの家に集合することになった。夢ちゃんも仕事が終わった後、17時から遊べることになり一緒に浴衣を着て松見神社に向かう。クォーツも夏祭りがどんなのか気になるらしくついてきた。
「まず、どこ行く?」
愛華は希実に聞く。
「やっぱり、最初は色々な屋台に行こうよ。愛華はどこか行きたいところある?」
希実はそう言って、愛華に聞き返す。
「私も色々な屋台に行きたい。夏祭りの屋台っていったら、たこ焼きとかき氷は外せないよね。優美さんと夢ちゃんはどこか行きたいところありますか?」
愛華の言葉に優美さんは
「ゆっくり見ながら決めるわ。とりあえず、たこ焼きとかき氷を食べてみようかしら」
と答える。夢ちゃんは、
「私も夏祭り行くのは久しぶりだから色々見たいけど、りんご飴は絶対食べたい。りんご飴好きなの」
と言った。そこで4人で屋台を巡り、たこ焼き、かき氷、りんご飴を食べる。かき氷は、愛華がイチゴ、希実がマンゴー、優美さんがブルーハワイ、夢ちゃんがグレープを選ぶ。神社の石段に腰かけて4人でかき氷を食べていると、優美さんが
「ブルーハワイの味ってどんなのか想像できなかったけど、美味しいわね」
と言う。優美さんの隣に座っていた希実が、
「優美さん、どんな味か分かっていなくてブルーハワイ選んだんですか?」
と優美さんに聞く。優美さんはいつもと違うあどけない笑顔を見せ、
「シロップの色が青色できれいだったから、つい選んでしまったの」
と答える。希実、愛華、夢は優美さんの違う一面を知れた気がした。クォーツもたこ焼きを愛華から少しもらい、
「美味しいクク」
と満足そうだ。そして、19時から打ち上げ花火をやるということで、4人はそのまま石段に留まる。周りには同じように石段に腰かけて、花火が上がるのを待っている人たちがたくさんいた。

 そのとき突然、周りにいた人々が倒れた。1番下の石段にはゴングルがいるのを愛華は見つけた。心の輝きを奪われたようだ。トイフルも出現し、心の輝きをまだ奪われていない人たちが混乱して逃げ惑う。ゴングルはそれらの人々からも無慈悲に心の輝きを奪っていった。
「今日のうちにお前たち4人との決着をつけてやる」
ゴングルが愛華たちに言う。
「変身するクク」
クォーツが隠れていた愛華の鞄から出てきて愛華たちに言った。
「ルビーパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「トパーズパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「サファイアパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「アメジストパワーチャージ、シャイニング・フォルティッシモ」
「炎と愛の戦士、シャイニールビー」
「光と希望の戦士、シャイニートパーズ」
「水と誠実の戦士、シャイニーサファイア」
「癒しと創造の戦士、シャイニーアメジスト」
アメジストが、
「アメジスト・イマジネーション」
と技を出すと、トイフルの動きが弱まり霧の中で苦しみ始める。ルビー、トパーズ、サファイアはシャイニング・ステッキを出し、
「シャイン・ヒーリング」
で、トイフルは倒された。直後、ルビーを背後からゴングルが襲ってくる。
「ルビー、危ない! 後ろ!」
トパーズの言葉にルビーは振り向き、とっさにコンパクトを構え、
「ルビー・ファイアー」
と技を出す。しかし、ゴングルはすばやく移動してよけられてしまった。トパーズたちもゴングルに技を出そうとするが、ゴングルはすばやく移動しいなくなった。
「シャイニング・パワー」
とりあえず、ルビーたちは心の輝きを奪われた人たちを元に戻し、変身を解除した。すると、優美さんがその場にへたり込んだ。
「優美さん、どうかしたんですか?」
愛華は優美さんに声をかける。優美さんは申し訳なさそうに
「ごめんなさい。人ごみの中をこんなに歩いたの初めてだから、疲れちゃったのかもしれないわ」
と言う。希実が、優美さんをおんぶして優美さんの家の方へ歩き始める。愛華と夢もそれについていく。しばらくすると、花火が空にあがり始めた。申し訳なさそうな顔で希実におぶられていた優美さんの顔が、花火を見て少し明るくなる。
「今まで窓ガラス越しに少ししか見たことがなかったけど、生でしっかり見ると花火ってこんなにきれいなのね」
優美さんの顔はとても嬉しそうに見えた。しばらくすると、優美さんは希実の背中で小さな寝息をたて始める。希実や愛華、夢は優美さんのことを4人の中で一番年上だけど1番小柄なことは分かっていたが、しっかりしていそうに見えて実は天然っぽくて好奇心旺盛な先輩だということを知るのだった。そうこうしているうちに優美さんの家に着く。愛華がインターホンを鳴らすと、優美さんのお母さんが出てきた。希実の背中で眠る優美さんを見て、希実たちに
「優美が迷惑かけてごめんなさいね。でも優美すごく楽しそうな顔をしているわ。今日はありがとうございました」
と言って、一礼し優美さんを抱っこして家の中に入っていった。愛華、希実、夢もその場でお開きにして帰っていく。愛華たちにとっても今日はとても楽しい一日になった。
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