ビッグ リトル エンジェル 〜僕と大きな少女の物語〜

特典

ランタの恋心

この物語は未成年の少年と少女が主役になるため、キスシーンなどの恋愛あるあるを表現しませんでした。なので、過激な文章は一切ありません。しかし、この物語の中でランタがマイカに少しずつ思いを寄せていくのが分かります。そして、終盤でランタの想いが爆発します。

実は、ランタは出会った当初からマイカの容姿を見て一目惚れしていました。そしてマイカも、自分の母親を失った時、自分のことを思って一緒に泣いてくれたランタに心を許し、彼をちっちゃいけどかっこよくて優しいヒーローのような人だと思っていました。お互い離れたくない、ずっと一緒にいたいと思うようになっていったのです。

マイカは、兵に襲われて怯えて失神してしまうほど気が弱い自分が嫌いで、しばらく落ち込んでいた描写があります。私自身も、「マイカ可愛い」と思いながら、マイカとランタの関係を書くのが楽しくて仕方がなかったです。

また、マイカはまだ子供なので、やんちゃさを表したくて、大好物の黄色いふわふわの種を我慢できずに食べてしまったり、お風呂の中でおしっこがしたくなってお漏らししてしまったり、体は大きいけど子供らしくなるように表現に注意して書いています。これが、逆にマイカが大人で子供っぽさがなくなると、面白さを追求するのが難しくなります。暴力が主となりシビアで暗い物語になっていたことでしょう。笑いがあって、恋があって、その裏に本題をうまく紛れ込ませれば、ちょうど良いバランスが取れるのではないかと考えました。

その後、ランタとマイカの想いはついに叶います。ランタは、ルダからマイカの子育ての役目をもらい、一緒に住む家を与えてくれました。そして彼らはそこで大人に成長し、夫婦として暮らします。そしてマイカは、失った声を取り戻すことができました。

「ずっと一緒」という表現を前章からしていたので、最終章では、あからさまに結婚や夫婦という表現を使うのを控えました。読者の皆様に悟って欲しくて。最後はランタの一緒にいれるかという問いに、マイカは保証すると断言するところで物語は終結します。最終章は他のよりも短く終わらせましたが、「小さい夫と大きな妻」という題材で新しい物語を書きたいくらいです。