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*第2章*
生徒会メンバーの本性!?(1)
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「カレー女、コーヒーまだか?」
「はい、ただいま……っ」
神崎先輩のマグカップにインスタントコーヒーの粉を入れて、お湯を注ぐ。
生徒会の一員になって、早くも一週間が経とうとしていた。
補佐としてのあたしの仕事は、神崎先輩のお茶やコーヒーを入れること、生徒会室の掃除、プリント整理など……。
いわゆる雑用係として、神崎先輩に容赦なく使われていた。
「はい。コーヒー入りました」
「ん」
生徒会室の会長机に座る神崎先輩は短く返事をすると、マグカップを受け取り、一緒に添えていた砂糖とミルクをコーヒーの中へと入れる。
ジャリジャリと音を立ててコーヒーを混ぜる神崎先輩に、思わずあたしは言う。
「神崎先輩、お砂糖入れすぎじゃないですか……?」
お砂糖、溶けきってないし……。
毎日こんなの飲んでたら、いくら細身の神崎先輩でも病気になっちゃうよ……。
「あん? 砂糖は頭を回転させるのに必要だろうが」
「だけど……」
「それに、ミルクにはカルシウムだって入ってんだぞ?」
誰もミルクのことまでは言ってないのに……。
「蓮は相変わらずだな。優芽ちゃんは、コーヒーはブラック派だもんね~」
先程まで生徒会室のソファーでくつろいでた広瀬先輩が、両手にマグカップを持ってこちらへやって来る。
神崎先輩はおもしろくなさそうに顔をしかめた。
「なんで達也がカレー女がブラック派って知ってんだよ」
「だって、この前優芽ちゃんが蓮のコーヒー入れてるときに聞いたんだもん。はい、優芽ちゃんも飲みなよ!」
そう言って、広瀬先輩は片方の手に持っていたピンクのマグカップをあたしに差し出した。
「あ、ありがとうございます!」
マグカップからブラックコーヒーのいい香りが鼻をくすぐる。
甘いものが嫌いなわけじゃないけど、ブラック独特のこの香りがあたしは好きだ。
「カレー女、ちょっとそれ貸せよ」
「へ……?」
するりとあたしの手から奪い取られる、ピンクのマグカップ。
すると、神崎先輩は自分のコーヒーにしたのと同じように、あたしのコーヒーに砂糖とミルクと入れはじめた。
「わわっ!! せ、先輩、あたし、砂糖もミルクも要らないですっ!!」
「うるせえ!! これでちょっとはおまえの頭の回転も良くなるかもしれねえだろ? 何よりブラックは胃に負担がかかる」
ジャリジャリと音を立てながら神崎先輩の手によって掻き混ぜられる、あたしのコーヒー。
そして、神崎先輩はそれを一口飲んで、満足そうにあたしに差し出した。
「うん、こんなもんだ」
「あ、ありがとうございます……」
あ、あたしのコーヒーが……。
これじゃあ、甘いカフェオレだよ、きっと……。
それに、このマグカップ、さっき神崎先輩口付けてたよね……?
それって、もしかしなくても、神崎先輩と間接キ……。
そこまで思考を回して、ブワッと頬に熱を持ったとき、先程まで弓矢の手入れをしていた笹倉先輩が、クスリと笑う声とともにこちらへとやって来た。
「蓮は本当に甘党だからね。そんなにムキになって蓮の好み押し付けちゃ、優芽ちゃんも困ってるじゃん」
この顔で、この性格で、神崎先輩って甘党なんだ……。
コーヒーを極甘にしてしまう理由はわかったけど、なんか意外かも……。
「うっせえよ、飲んでみると意外と美味いもんだぜ? カレー女もボヤッとしてねえで飲め!」
「は、はい……」
無駄に綺麗な神崎先輩の瞳が、あたしに向けられる。
“間接キス……”
再びその言葉が浮かび上がり、鼓動が加速度を増す。
だけど、飲まざるを得ない状況に、もうどうにでもなれ、と思いながら口の中に極甘コーヒーを流し込んだ。
ミルクでぬるくなった、甘ったるいコーヒーが口の中を流れる。
「どうだ、甘いのも悪くないだろ?」
あたしが最後まで飲み干したのを確認して、神崎先輩はニヤリと笑った。
「は、はい……」
極甘カフェオレと思えばまあまあ飲めるけど、やっぱりあたしはブラックの方がいいかな……。
「じゃあしっかり頭に糖分を送ったことだし、カレー女はこれを今日中に全部ホッチキスで留めとけよ」
神崎先輩は、一部ずつ仕分けされたプリントをどっさりとあたしの両手に置いた。
「え、こんなに……」
思わず、唖然としてしまう。
「他におまえがやれる仕事ねえんだから文句言うな。あ、言い忘れてたけど、それ終わったら生徒会室の掃除、やり直しな。ホコリが全然取り切れてない」
「そんなあ……」
この鬼生徒会長っ!!
「はい、ただいま……っ」
神崎先輩のマグカップにインスタントコーヒーの粉を入れて、お湯を注ぐ。
生徒会の一員になって、早くも一週間が経とうとしていた。
補佐としてのあたしの仕事は、神崎先輩のお茶やコーヒーを入れること、生徒会室の掃除、プリント整理など……。
いわゆる雑用係として、神崎先輩に容赦なく使われていた。
「はい。コーヒー入りました」
「ん」
生徒会室の会長机に座る神崎先輩は短く返事をすると、マグカップを受け取り、一緒に添えていた砂糖とミルクをコーヒーの中へと入れる。
ジャリジャリと音を立ててコーヒーを混ぜる神崎先輩に、思わずあたしは言う。
「神崎先輩、お砂糖入れすぎじゃないですか……?」
お砂糖、溶けきってないし……。
毎日こんなの飲んでたら、いくら細身の神崎先輩でも病気になっちゃうよ……。
「あん? 砂糖は頭を回転させるのに必要だろうが」
「だけど……」
「それに、ミルクにはカルシウムだって入ってんだぞ?」
誰もミルクのことまでは言ってないのに……。
「蓮は相変わらずだな。優芽ちゃんは、コーヒーはブラック派だもんね~」
先程まで生徒会室のソファーでくつろいでた広瀬先輩が、両手にマグカップを持ってこちらへやって来る。
神崎先輩はおもしろくなさそうに顔をしかめた。
「なんで達也がカレー女がブラック派って知ってんだよ」
「だって、この前優芽ちゃんが蓮のコーヒー入れてるときに聞いたんだもん。はい、優芽ちゃんも飲みなよ!」
そう言って、広瀬先輩は片方の手に持っていたピンクのマグカップをあたしに差し出した。
「あ、ありがとうございます!」
マグカップからブラックコーヒーのいい香りが鼻をくすぐる。
甘いものが嫌いなわけじゃないけど、ブラック独特のこの香りがあたしは好きだ。
「カレー女、ちょっとそれ貸せよ」
「へ……?」
するりとあたしの手から奪い取られる、ピンクのマグカップ。
すると、神崎先輩は自分のコーヒーにしたのと同じように、あたしのコーヒーに砂糖とミルクと入れはじめた。
「わわっ!! せ、先輩、あたし、砂糖もミルクも要らないですっ!!」
「うるせえ!! これでちょっとはおまえの頭の回転も良くなるかもしれねえだろ? 何よりブラックは胃に負担がかかる」
ジャリジャリと音を立てながら神崎先輩の手によって掻き混ぜられる、あたしのコーヒー。
そして、神崎先輩はそれを一口飲んで、満足そうにあたしに差し出した。
「うん、こんなもんだ」
「あ、ありがとうございます……」
あ、あたしのコーヒーが……。
これじゃあ、甘いカフェオレだよ、きっと……。
それに、このマグカップ、さっき神崎先輩口付けてたよね……?
それって、もしかしなくても、神崎先輩と間接キ……。
そこまで思考を回して、ブワッと頬に熱を持ったとき、先程まで弓矢の手入れをしていた笹倉先輩が、クスリと笑う声とともにこちらへとやって来た。
「蓮は本当に甘党だからね。そんなにムキになって蓮の好み押し付けちゃ、優芽ちゃんも困ってるじゃん」
この顔で、この性格で、神崎先輩って甘党なんだ……。
コーヒーを極甘にしてしまう理由はわかったけど、なんか意外かも……。
「うっせえよ、飲んでみると意外と美味いもんだぜ? カレー女もボヤッとしてねえで飲め!」
「は、はい……」
無駄に綺麗な神崎先輩の瞳が、あたしに向けられる。
“間接キス……”
再びその言葉が浮かび上がり、鼓動が加速度を増す。
だけど、飲まざるを得ない状況に、もうどうにでもなれ、と思いながら口の中に極甘コーヒーを流し込んだ。
ミルクでぬるくなった、甘ったるいコーヒーが口の中を流れる。
「どうだ、甘いのも悪くないだろ?」
あたしが最後まで飲み干したのを確認して、神崎先輩はニヤリと笑った。
「は、はい……」
極甘カフェオレと思えばまあまあ飲めるけど、やっぱりあたしはブラックの方がいいかな……。
「じゃあしっかり頭に糖分を送ったことだし、カレー女はこれを今日中に全部ホッチキスで留めとけよ」
神崎先輩は、一部ずつ仕分けされたプリントをどっさりとあたしの両手に置いた。
「え、こんなに……」
思わず、唖然としてしまう。
「他におまえがやれる仕事ねえんだから文句言うな。あ、言い忘れてたけど、それ終わったら生徒会室の掃除、やり直しな。ホコリが全然取り切れてない」
「そんなあ……」
この鬼生徒会長っ!!
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