狐が嫁入りしてきてから魑魅魍魎と触れ合う日々が始まった(仮

けんたん

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11話

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「それじゃぁ後は若い二人に任せて私は家に戻りますね。稲荷あなたは今日から、裕二さんの従者なんですから裕二さんをしっかり支えてあげれるように頑張りなさい。もし、本当に駄目だと思った時は来なさい。あと、裕二さんにもう一つ渡すものがあります」

 そう言うと玉藻さんは部屋を一瞬だけ出て戻ってきた時には右手に竹筒を持っていた。

「こちらが裕二さんにお渡ししたいものです。この竹筒の中には管狐の赤ちゃんがいます。今日1日この竹筒を肌見放さず持っていてください、明日にはきっとあなたの力によって育ったあなただけの管狐が生まれます。管狐は様々な力を持っておりそれは術者の力によって千差万別ですが、裕二さんならきっと役に立つことが出来る子を生み出せると確信していますのでお願いします」

 俺は玉藻さんから竹筒を受取り落とさないようにしまった。

「裕二さんの管狐はいったいどんな子になるか楽しみですね。早く明日になるのが楽しみです。裕二さんには後で私の管狐お見せしますね。」

 管狐とはいったいなにか理解出来てないが見せてもらえるようだ

「それでは渡すものは渡したので私はこれで失礼しますね。裕二さんこれから娘共々よろしくお願いします」

「えっとお願いします」俺はいきなりの言葉に動揺してお願いしますとしか言えなかったがまるで結婚する時にするみたいな言葉だな。

 玉藻さんを玄関まで見送り稲荷ちゃんと二人きりになった。

「裕二さん二人きりになってしまいましたね。今日から一緒に楽しく過ごしていきましょうね。それと私の命を助けていただきありがとうございます。おかげさまでこうやって過ごすことができます。」

「助けることが出来て良かったよ。病院から消えたと聞いた時はどうしようかと思ったが無事で良かった」

「これからは、私が裕二さんをお守りしますからね。あの時私を助ける前に自殺しよ裕二さんにはもうさせませんから」

「そうだね、これからは稲荷ちゃんの主人として頑張らないといけないし、色々やることがありそうだから死ぬことを考える暇はないと思う」

「そうですよ、忙しくなりますからね。まずは私の管狐の紹介をしないといけないですね。おいでくーちゃん」

 稲荷ちゃんがどこからか竹筒を取り出し蓋を開けるときゅーと泣きながら細長い不思議な生き物が空中に漂いながら稲荷ちゃんの肩に乗った。

「この子が私の管狐のくーちゃんです。能力は探査をメインにした力です」

 なんとも不思議な雰囲気をもつ管狐だ。俺の管狐はどんな姿なんだろ?

 稲荷ちゃんの管狐を見せてもらい俺の管狐に対する期待が高まった。

「さて、そろそろ晩御飯ですがせっかく引っ越したんで今日は出前を取ってありますからそろそろ着くはずです。くーちゃんどうかな?近くに配達に来る人の気配は感じる?」

 稲荷ちゃんの管狐のくーちゃんはあたりを飛び回り何かを探った後稲荷ちゃんの肩に戻りきゅーと鳴いて何かを伝えているようだった。

「どうやらあと15分ほどで着くようですね。この家に届けに来る人は決まった人だけなのでくーちゃんにはその人のことを覚えていてもらってるんです」

「凄いな、ちゃんと人を区別して覚えることが出来るなんて色々やりようがありそうな力だ」

「はい、まだまだ私が未熟なんでくーちゃんの力を扱いきれていないのが悔しいのですが必ずくーちゃんの力を扱えるようになってみせます」

「玉藻さんも言ってたけど主従契約をした関係で力が上がると言っていたから必ずくーちゃんの力を扱えるようになるはずだよ」

「だといいんですけど。あっもう下に着いたみたいですね」

 ここからは分からないが稲荷ちゃんは管狐のくーちゃんの力で様子がわかっているようだ。すると部屋に付いてる電話が鳴る。

「稲荷ちゃん晩御飯届きましたので部屋の前に持っていくので取りに来てくださいね」

 火車さんが受け取った荷物を持ってきてくれるようだからわざわざ取りに下に行かないで済んだ。

「今日は引っ越して最初のご飯なので引っ越し蕎麦とお稲荷さんにしてみました。」

「蕎麦はわかるけどお稲荷さんってやっぱり狐だから?」

「そうですね、昔から油揚げには目がないですね。やっぱり狐の本能なんでしょうか?」

「昔から狐とお稲荷はセットでよく聞くな。まっ美味しいものはみんな関係なしに好きだろうから、お稲荷さんが好きだってことは覚えておくよ」

「えへへ、これからは裕二さんの好きなものも教えてくださいね、私作れるように頑張るので」

 こうやってお互いのことをゆっくりでも知っていければいい主従関係を結んで行くことが出来るだろう
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