上 下
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上には上がいるんだよ

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 俺はさっそくアイテムボックスから適当な木材を取り出し盤と駒を作り上げていく。両方ともブロックの応用で簡単に作り上げていく。

「うわ~本当手際がいいですね。みるみる内に出来上がっていく早さが普通じゃないですよ」

 普通じゃないと言われても俺は原型を知っているからあとは形にするだけだからもはや流れ作業に近い感じだ。

「盤と駒の形は出来上がったが駒に色つけないといけないんだよな」

「あらっ色を付けるだけなら私がいいの持っているからあげるわ、取ってくるからちょっと待って」

 ヴィオラが予想外にテキパキと行動する姿に驚いたがみんなの様子を見る限り早くやりたくて仕方ないらしい。一個だけだとかわいそうだからもう一つ用意しておこう。

「お待たせ、速効性のやつだからすぐ乾いてくれるわ。後はツヤを出すのを塗ればきれいに仕上がると思うからそれはまた渡すわね」

 ヴィオラから染色液をもらうと表は黒裏は白と染めていきお待ちかねのオセロの完成だ

「さっこれで完成だ、それじゃぁ誰からやる?やりながら色々説明するから」

「でっでは私からよろしいでしょうか?ナイト様を支える者として一番に教わりたいです」

 まずはティナからか、国王にも宣伝するためにティナが対戦相手を務めてやるのが一番都合がいいか。

「それじゃ俺と破るのはティナからで、もう一つ作ってあるからそっちの方はマリアとディスがやろうか、他の皆はどちらでもいいからやり方を見て少しでも覚えてくれるかな?もちろん試合が終われば交代するから」

 対戦相手も決まり説明をしながらオセロを進めていく。

「さーナイト様いいんですか?こんなに私の駒増えましたよ、もしかして私一回目からナイト様に勝てるかもしれないですよ」

 マッタリと説明しながら進めていくとティナが興奮した様子で煽ってくる。あらあら可愛いもんだな、まさかこっからどうなるのかも知らずに

 俺は盤上を見ながら少しだけ実力を見せていくとだんだんティナの白い駒が俺の黒い駒に侵略されていきみるみる内に真っ黒になっていく。

「えっまっ待ってくださいあっ駄目ですそこに置かれたら私の駒達があ~そんなさっきまで白かったのに一気に真っ黒にさせられちゃいました。なるほどそんな風に置いたらいいんですね」

 ティナは負けながらも必死にやり方を模索しているようだ。元々頭の回転はいいのですぐに強くなるだろう。

 どれどれもう一つの試合はどうなってるかな?

「えへへ、甘いですよマリアさんそれならここを攻めるです」

「あっディスちゃん許してそこ取られたら終わっちゃうよ」

「駄目です。ディスは試合に勝ってナイト様に挑んでオセロ王の称号をもらうです」

 お~挑んで来るやつは大歓迎だからな。まずはティナとの試合を終わらせよう。

「は~駄目ですね、私の負けです。シンプルな内容ですが面白いですね。これなら娯楽として成功すると思います」

 ティナからのお墨付きをもらえて良かった。ティナにらこれからもっとやり方に慣れてもらって国王に圧倒的勝利をしてもらえるように鍛えよう。そして、ティナとの試合が終わったらオセロ王を目指す小さな勇者の相手をしなければならないな。

「ディスよ、オセロ王を名乗りたければまずは俺を倒すことだな」

「残念ですがナイト様ディスがオセロ王になるのはもう決まってることです。負けても泣かないでくださいね」

 どうやらディスの中では自分が負けるはずないと思ってるらしいが上には上がいると教えてやるのも優しさだろう。

「ディス上には上がいると教えてやるよ、お前にまだオセロ王は早い。かかってこい」

 勝負は思ったより均衡を保ったが一手だけディスが打ち間違い一気に勝負はついてしまい余りの悔しさにディスが泣いてしまいみんなから責められてしまうのはいうまでもない。


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