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試薬品

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 さっそく俺はヴィオラ、リズ、ディスの三人を連れて領地にある畑の試作を出来る土地にセバスの案内で向かっていった。

 向かう途中とある建物が目に入り俺は帰ってきたことを改めて実感する。俺の目に入ったのは教会でここでスキルを授かり全てが始まったと言っても過言ではない。俺は、ここから再び始めていく今度は領主として

「ナイト様着きました。こちらが畑の試作として向いてあるだろう土地です。」

 セバスに案内された土地は水が近くに流れ森が近くにあるが広大な自然豊かな場所だった。

「森が近くにあるということは獣やモンスターが付近に出る可能性があるということかな?」とセバスに訊ねる。

「はい、その通りです。こちら農地としては近くに水もあり、土も栄養があると思われますがモンスターや獣の被害で農作物が出来たとしても被害にあうことが多々あり領民が農地としては、諦めた土地になります」

 なるほど、これだけ広大で水も確保出来る場所を利用出来なかったのには理由があるわけだ。だけど俺なら問題を解決することが出来る。

「リル、仲間を連れてこの周辺を掌握して畑に被害が出ないようにしてくれ」

 影に向かって呟くとすぐさまリルが俺の影から出てきて仲間を引き連れて森を駆けていった。

「これだけ広い土地だし畑だけでなくリル達の為に小屋も作ればここを守ってくれるだろう。食料も森で確保出来るしな」

「なんとも凄いですなナイト様は一番の問題を解決をいともたやすく解決されてしまって」

「そんなことはないよ、それに本番はこれからだしね。ヴィオラ作ってくれた薬品を撒いてもらっていいか?念の為にそこの水で濃度も薄めてくれ」

「まったく心配性ね、しっかり調整して作ってはあるけど、そうね薄めた方が広く使えるし。わかったわ広さはどのくらいにするのかしら」

「薬品で育った草を燃やすことを考慮して水辺を背にして広めに撒いてもらっていいぞ」

「なら、このくらいにしてみましょうか」ヴィオラは薄めた薬品を周りに撒いていく。効果はすぐ出るのでしばらく待って様子を見ることにする。

 待っている間にリル達の為の小屋を簡易的にだがブロックを積み上げ作っていく。

「ほー見事ですな。これは、土魔法で作っているのですかな?」

「その通りこの魔法は俺が得意とする魔法の一つかな。材料費もかからないし強度も保証出来る」

「なるほどなるほど大変良いものを見せてもらいました。そろそろあちらもお願いできますかな?」

 セバスにお願いされて振り向くとそこにはさっきまでは土だらけで茶色しか見えなかった場所に緑に包まれていた。

「素晴らしいなわずかな時間でこんなふうになるなんて」

「とはいっても栄養のある雑草なんでまだまだ研究してもっと活用法を見つけてみせるわ」

「今はこれだけでも立派な成果だから今後も期待してるよ」
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