上 下
3 / 20

聞き捨てならない

しおりを挟む
車が目的地に着いたのか止まり、ガチャっと音がなり運転手がドアを開けて俺は外に案内される。出ると、そこには首が痛くなるほど見上げなければ頂上が見えないビルが建っていた 

入社出来たら人生の成功者だとも言われるくらいの大企業らしく本社の建物は立派だと言わざる負えなかった。

見上げて少ししたら咲希が目の前に立ち、入口に誘導してくれた。幼女に案内されるこの姿は何なんだろうか、周りからどんなふうにみえているんだろう?

入口に近づくと、受付嬢が気づいたらしく慌ただしく周りに声を掛けているのが見える、何かあったのだろうかと観察していると入口を囲むかの用に整列し始めた。俺は今からあそこに行くと思うとげんなりしてきた。

「お帰りなさいませ お嬢様」「お帰りなさいませ 咲希お嬢様」と入口にいた受付嬢から、周りの社員らしき人たちがこちらに向かって礼をしたきた。俺はあまりの光景にちょっと引き気味になった。
 なにせどう見ても幼女な子供に大人が頭を下げているのだ。

咲希は、その光景に何も反応せず周りを見て一人の男性社員を、見つけこちらに呼んだ。「Pプロの件で後で話があるので主要メンバーに声をかけておいてください。私はこの方を当主様の元に案内してからそちらに向かいます」それを聞いた社員はお辞儀をしたのち、駆け足で奥に帰っていった そして周りの社員は先程の当主の元に案内ときいてざわざわしはじめる。

パーンと周りに手を叩いた音が響く。周りの視線が一瞬で咲希に集まる、咲希が両手で思い切り手を叩いたのだ

「さー皆さんまだまだ仕事はあります。頑張りましょう、彼のことは後日、皆さんに説明する時間をとります。今は目の前の仕事を、終わらせましょ」

う~、恥ずかしい御兄様の前で皆さん集まってお嬢様とか号令されてしまいました。こんなことなら事前に私を見ても、集まったりせず仕事を、続けるように指示をしておくべきでした。
 それにしても、御兄様を当主様に案内すると言った時の反応、あれは早めに皆さんに説明をしないと、つまらない探りを入れられて、しまいには御兄様の迷惑になる可能性もありますね。対策を考えておきましょう。



そして咲希は何事も無かったかのように再び先を歩き案内を再開したのだが、俺には、聞き捨てならない言葉があった。

今、俺のことを後日、説明をするとか言ったよね、絶対言ったぞ。俺これからどうなるのかまったくわからないのに、話だけが、どんどん進んでるよ。こうなったら、今から会う当主に根掘り葉掘り聞けるなら聞いたほうが良さそうだな。俺だけ、置いてけぼりで、話が進むのは困るからな。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

3年振りに帰ってきた地元で幼馴染が女の子とエッチしていた

ねんごろ
恋愛
3年ぶりに帰ってきた地元は、何かが違っていた。 俺が変わったのか…… 地元が変わったのか…… 主人公は倒錯した日常を過ごすことになる。 ※他Web小説サイトで連載していた作品です

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…

ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。 しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。 気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

初めてなら、本気で喘がせてあげる

ヘロディア
恋愛
美しい彼女の初めてを奪うことになった主人公。 初めての体験に喘いでいく彼女をみて興奮が抑えられず…

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

処理中です...