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再会(大学生・社会人)

ホワイト・ノエル

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 やっと終わった。
 クローズの小さな看板を扉にかける。

 店長の「お疲れ様」の声を聞きながら、ホッと一息ついた。
 店内には甘い匂いに満ちていたけれど、商品は空っぽ。
 予約のケーキも、駆け込み需要の当日販売用も、ありとあらゆるケーキが姿を消していた。

 よかった、と安堵する。
 全部、売れた。

 クリスマスイブに、売れ残りは避けたいもの。

 日本のケーキ屋にとって、クリスマスイブは特別。
 一年で一番忙しい日だ。

 店長とその奥さんが切り盛りする小さなお店だけど、それなりに繁盛している。
 雇ってもらって三度目のイブ。

 この一週間だけはバイト募集をしなければ回らない程、てんてこ舞いの忙しさにはまだ慣れない。
 それでも、好きな仕事だから嬉しいけど。

「お先に失礼します」

 私は閉店準備を終えて、厨房を片づけている店長に声をかけた。
 おお、と店長は笑った。

「お疲れさん、これ、持って帰りな」

 何気ない調子で、中くらいの箱を渡された。
 見なくてもケーキだとわかる。
 独り暮らしの私にとっては大きすぎるホールだけど。
 今日は商品以外を作る余裕がないはずなので、渡されたことに戸惑っていると店長は苦笑した。

「飾りのイチゴが足りなかったんだよ。今年は粒が大きくて、数が合わなかった。ボーナス代わりだ」

 頭をかくので、なるほどと思った。
 ちょっとだけ覗くと、三粒あるはずの飾りイチゴが、たった一粒。
 確かにこれでは売り物にならない。
 だけど店長らしく、残りもの扱いせずに丁寧に作られていることが分かって、素直に嬉しいと思った。

「ボーナス、これでごまかさないでくださいね」
 アハハッと笑うと、真奈美ちゃんにはかなわないな~と店長はぼやいた。
「まぁ、覚えとこう。遅くまでごくろうさん。気をつけてな」
 ハ~イと軽く返事をして、私は店を後にした。

 寒い。
 マフラーに顔を埋める。

「まる美」

 不意に、後ろから声をかけられた。
 ドキリとする。

 この声。この無礼な呼び方。
 もしかして、もしかしなくても。
 恐る恐る、私は振り向いた。

 やっぱり。
 ニコリと笑う、懐かしい姿が立っていた。
 忘れ去りたくて、記憶から消去しようと努力していたのに。

「西条! なんで、あんたがここに」
 ん? と西条はやわらかく首をかしげる。
「嫌だな、まる美に会いにきたに決まってるだろう?」

 女の子が百人いれば、九十九人までは心惹かれそうなやわらかな微笑みだ。
 嘘つき仮面め、などと、うがった見方をするのは私だけだろう。
 こっちは二度と会いたくなかったのに。

 西条と私は製菓学校の同期だ。
 優等生で四つ星ホテルのパティシエ様。
 事あるごとに主義主張で対立し、私の負けず嫌いに拍車がかかった根源である。
 卒業して数年経ち、やっと心穏やかな日々を手に入れたのに。

 きいっと怒りだしたい衝動を何とか抑える。

「私は真奈美。そのゆるい頭、もう一度、鍛え直してからきてちょうだい」
「ふ~ん、また来ていいんだ?」

 何? その勝ち誇った顔!
 誰もそんなことは言っていないから。
 あれ? 言っていないけど、また来いってことになるのかしら?
 そんなばかな!

 私は言葉を失うしかない。
 嫌だ、西条には口でも勝てない。

「な、何の用よ?」
 とがった私の声なんてまるで気にせず、西条は爽やかに微笑んだ。

「ん? プレゼント持ってきた。まる美の部屋、行こうか」
 何を言うか、この男!

「は? なんでうちに?」
「これ、どこででも喰えないから」

 そう言って、西条は箱を掲げた。
 ケーキだ。

 見間違えようもないけれど、不意に現れておきながら。
 なぜ、ケーキ?

 無言で凍結している私を尻目に、西条はクスッと笑った。

「四つ星ホテルの特製ケーキ、いらないなんて、言わないよな?」

 そりゃ、見ただけで眼福だろうし、正直言って食べたいけど。
 でも、そのホテルに西条はお勤めしてるんだよね。

「正直に、自分が作ったって言えば?」
「うん、まる美のために作った」

 実に清々しく言い切った。
 私以外の女の子だったら、クラッとするような笑顔だ。

「ちゃんとこいつに合う紅茶も用意してきたから、俺が特別に淹れてあげよう」
 任せなさい、なんて西条は自信満々だけど。
「だから、なんでうちに上がることが前提なの?」
「なら、俺んちに来る? タクシーとばしても、深夜になると思うけど」

 別にいいよ~一緒に寝ようか、なんて。
 私が握りこぶしを繰り出すのを、ギリギリでやめたことを誰か褒めてほしい。

 深く息を、吸って、吐いて。
 よし、冷静だ。

「ケーキだけちょうだい」

「お買い上げ?」
 淡々と提示された金額に、私は顎が抜けるかと思った。

 ムリ、そんなお金ない!
 ふざけんな~なんて蹴飛ばしてやりたいけど。
 結局、私は西条には口でも勝てなくて。

「……うちでいい」
 結局、この返事を返してしまった。

「うん、素直が一番」
 西条は相変わらずの爽やかな微笑みだ。

「誰に言ってんのよ」
「まる美」
「真奈美だってば」
「女の子はまるい方が可愛いって。フワフワ感がピッタリだよ」

 お願いだから、二の腕をもまないで。
 ああ、悔しい。

 きっと今の私は涙目だろう。


 有言実行の男だから、西条は本当に私のアパートで、率先して紅茶を淹れてくれた。
 切り分けだけではなく、アクセントのソースや飴飾りまで準備して、用意周到だった。
 和風のちゃぶ台には少し不似合いだけど、西条の自慢の逸品だけあって、その丸いフォルムのチョコレートケーキは美麗だった。

「クリスマス・ショコラ」

 あいかわらず、繊細で丁寧な仕事をしている。
 濃厚なチョコレートクリームは品の良い大人の味。
 何層にも重なっていて、チョコのスポンジとクリーム、フランボワーズのゼリーがさわやかな酸味を与え、フォンティーヌショコラのサクサク感がアクセントを残している。

 悔しいけど、オシャレなだけではなくて、艶やかさもあった。
 一口で、その多彩な味が絶妙に溶け合い、ふわっと広がっていく。

 おいしい。

 卒業時と比べて格段に腕をあげているから、到底私なんかには追いつけない。
 なんでこんなにおいしいんだろう、悔しいな~と思いながらつついていると、西条は私が店長にもらったケーキも用意していた。
 一粒しかないイチゴに西条は、いいね、とつぶやいた。

「数、足りてないけど。ちゃんとこいつだけのために考えて、デコレーションしてある。まる美はいい師匠といるんだな」
 意外な言葉だと驚愕したら失礼かもしれないけど、へぇと感心するしかない。
「そんなことまでわかるの?」

「変か? 素朴に見せかけて、緻密だ。完璧といっていい」
「こういうシンプルなのって、西条は手掛けないから意外だと思って」

 失礼な私の言葉に「そう?」と気にしたふうもなく、西条はケーキに夢中だった。
 あいかわらず、ケーキを前にすると、他が目に入らなくなる奴だ。

 そのおかげで女の子と付き合っても長続きしなかったはず。
 ケーキのことしか頭にないから、いつも背中を見るばかり。
 だから王子様みたいに見るだけでいいや~なんて、彼と付き合った女の子は寂しそうに言っていた。

 ケーキが恋人の製菓学校の王子様は、四つ星ホテルの王子様になってもケーキに夢中のようだった。
 その王子様は、店長のケーキに御満悦である。

「ホワイトノエル」

 生クリームとイチゴとスポンジだけの、シンプルだけど作り手の技術を問われる逸品だ。
 甘さを押さえたクリームに、生イチゴの酸味がほんのりと広がる。
 とにかく、スポンジの口当たりの良さにこだわって仕上げた。

 そう、このスポンジ!
 初めて食べた瞬間に、泣きそうになった。
 店長の作るこのスポンジにほれ込んで、頼んで頼んで、やっと就職ができた時はどれだけ嬉しかったことか!

 去年の私は、スポンジを焼くことも許されなかった。
 製菓学校で得たモノなんて、店長の作る物には到底及ばなくて。
 悔しくて、悔しくて。

 でも、今年は違う。
 私も、一緒になってスポンジを焼いた。
 いくつもいくつも、焼き続けた。

 泣きたくなるぐらい惚れこんだスポンジを作る作業を、ドーンと任されること。
 憧れていた店長と同じ物を作れると信頼されること。

 それはこの上ない幸せだった。

 店長のケーキをゆっくりと味わってから、ハハッと西条は笑った。
 子供みたいに無邪気な顔をしている。
 なぜか、ひどく嬉しそうだった。

「卒業制作、覚えてるか?」

 唐突に、そんなことを言い出すから、胸がチリッとした。
 ハッキリ言って、嫌な思い出だ。

「なに? 最優秀賞のあんたにはどうでもいいことでしょ?」
「お前、卒業ギリギリだったしな」
「余計なお世話よ」

 しばらくの間、クスクスと西条は笑っていたけれど、不意に真顔になった。

「アレ、正直負けたと思った」
 ポツン、とつぶやきながら、ため息を落とした。

「は?」
 私は一瞬、聴き間違いかと思った。

 私に負けた? 
 なに、それ?

「無糖生クリームのロールケーキ。とことんスポンジにこだわって、他は全部排除してただろ?」
「おかげさまで、先生方には不評だったわ。卒業制作をなんだと思ってんだ~ってね」

 その時の情景を思い出したのだろう。
 ハハハッと西条は愉快そうだった。
 相変わらず無礼な奴だ。遠慮ぐらいすればいいのに。
 ひとしきり笑った後で私に向き直り、ふわりと目元を緩めた。

「まぁ、無茶苦茶だとも思ったけどな」
「ほっといて」

 そう、ほっといてほしい。
 だって、本当にズタボロの評価だったのだ。
 シンプルすぎて。

 本当はわかっていた。
 こういうショコラみたいな、一目で贅を極めた貴婦人みたいに繊細で綺麗なケーキを求められていると、私自身もわかっていたのに。
 自分の作りたいものから、離れられなかった。

「どうせバカなんだから、私」
 悔しいけどおいしいと思いながら、西条のケーキを私はつつく。

「怒るなよ。こいつには負けたって、喰った瞬間に思ったんだから」

「なに、それ?」
 私はびっくりして顔を上げた。

 西条は、ジッとホワイトノエルを見ていた。
 何? そのケーキに恋する瞳。

「真面目に、おいしかった。おまえがいつもムキになって突っかかってきた理由、あの瞬間にああ~これかって」
 パッと西条は私に視線を移す。
「先生たちの意見を無視して、お前、よかったと思う。ハイハイ従ってたら、こういうのって作れないからな」

 今度は私だけ見るまっすぐな眼差しに、ひどく狼狽するしかない。
 ちょっと待って。なんだか、視線がおかしい。
 西条が、毒舌で意地悪な西条ではなくなってる。

 これはクリスマス・マジックとか?

「何、言ってるの? パティシエ様から見れば、つまらないでしょ?」
 西条は、うんともイイエとも言わず、独白のように続けた。

「同じ材料を使っても、作り手が違えば、同じモノにならない」

 そんなこと、身を持って知っている。
 私のスポンジは、同じ材料を使っているのに、店長には及ばない。

「なぜだと思う?」
「経験とか、技術……?」

「本当にそれだけだと思うか?」
「……わかる訳ないでしょ」

 そんな、やたら難しいことを聞かないで、なんて思う。
 ものすごく、気持ちの座りが悪いんだけど。
 踏んではいけない地雷を踏みそうな予感で、ソワソワして仕方ない。

 でも、西条は、別に議論したかったわけじゃないらしい。
 あっさり肩をすくめた。

「うん、俺もわからない」
「なに、それ?」

 あんまり簡単に言われると、拍子抜けするんだけど。

「わからないけど、わかることもある。同じ材料を使っても、俺には、お前と同じ物は作れない」
「そんなこと……」

 当たり前だ、とは言えなかった。
 西条が、あまりにも深刻な表情をしていたから。

「経験も技術も、ハッキリ言ってまる美より俺の方が上だろ?」

 うわ、自分で言うか? 
 やっぱり毒舌なんだから、相変わらず。

「ハッキリ言わなくても、そうでしょ?」

 でも、正直言って。
 本当のことすぎて、腹も立たないけどね。

「俺、こういうのが好きなんだ」
 そう言って、ホワイトノエルをうっとりしながら口にはこぶ。
「お前が作ってる、こういうのがお好みなんだよ、俺」

「あぁ、そう。なら、自分で作ればいいのに」
「今までの話、聴いてないだろ? 俺には作れないって」

 ああ、まぁそんな話の流れだったような。

「クリスマス用にショコラを考え出しても、思い出すのはお前のロールケーキだったんだよな。ムカつくことに」
「あのね、ムカつくって……」

 なに、それ?

「チラチラチラチラ、お前が離れない。背後に、ずっと張り付いて……どうにかしろよ」
 責任取れ、なんて西条は私をにらむ。
「どうにかって? なに? 私になにしろって?」

 いや、そんなに睨まれても。
 悪いけど、話が見えない。

「つきあえ」
「は?」

「こうやって何年もお前のケーキばかりが、うっとうしいぐらい離れなくてこまってんだから、常に一緒にいれば落ち着くはずだ」
「なに、それ?」

 俺って頭いい、なんて西条は腕を組んで自信たっぷりだけど、ものすごくおかしな思考回路だと思うのだよ。

「俺はまる美に惚れてんだと思う……たぶん」

 何、そのモヤモヤした感じの残る告白!
 数年ぶりに会って、久しぶりの会話で、それかい!

「た、たぶん……たぶんなの?」

 西条の思考回路がサッパリわからない。
 ずっとわけのわからない人だと思っていたけれど、更にわからなさが加速している。
 だけど、西条は一人でうなずいて、勝手に話をまとめた。

「と、言うわけでよろしく」
 ギュウッと私の手を握りしめて、艶やかに微笑んだ。

「なに、よろしくって?」
「覚えてないのか? 俺んち、遠いんだよ」

 ガーンと私がショックを受けたのは言うまでもない。

「と、泊まる気なの? このまま、うちに?」
「もう帰れないからな」

 なんてことを言いながら、西条はケロッとして胸を張る。
 嫌だ、この人、なに考えてるのよ。

 私は手元にあったクッションを投げつけた。
 どこまで自分本位なのかしら。

「気合入れて帰れー!」

 ムリ、ムリじゃないと、言い合ったけれど。

 私が西条に勝てるわけがないから。
 どうなったかは、口にしなくても明白で。
 健全な肉体を持つ男女が一晩を共に過ごせば、どうなるかなんて想像するよりも簡単で。

 まぁ、西条は本気で私をお気に召しているらしい。
 自分勝手だけど顔を合わせると、私に対してケーキより甘い言葉を口にしはじめた。
 口の旨い西条に、私も最近では丸め込まれて、仕方ないな~なんて胸がほっこりする。

 なんでもかんでも西条ペースなのに。

 電話やメールが来ると、思わず微笑んでしまう自分が怖い。
 辛くはないけど、甘くもない結末。

 これって、恋って呼んでもいいのかな?

 振り回されちゃって、流されちゃってるのに、西条のことばっかり考えちゃうなんて。
 く、悔しい。 


【 おわり 】
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