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本編(ノーマルエンド)
52、たまにはガツンと言わせてもらいます。
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「リ、リディア嬢。とりあえず落ち着いて――うぐっ」
「今わたしが話しているんです。黙っていて下さい」
あなたもですよ、とリディアはこちらへやってこようとするベンジャミンに微笑む。不思議なことに怒っているほど、頭の中はスッと冷えて、なぜか冷静に振る舞える。笑みすらいくらでも浮かべることができるのだから、人間とはおかしな生き物である。
「この人を助けようとすれば男性としての機能を損失させますから」
ひいっ、と情けない悲鳴が下から聞こえ、ベンジャミンもその場にピタッと立ち止まった。
「リ、リディアさん?」
リディアの豹変ぶりにマリアンまでも困惑を隠せないでいる。
「まず、マリアン様。いくらわたしに恨みがあるからといって、人の弱みに付け込んでどうにかしようだなんて最低です」
「なっ、わたくしはっ……!」
「最低です」
リディアが笑顔で返すと、マリアンはぐっと押し黙り、もう一度リディアが最低ですと繰り返すと、ややあって、小さな声ではい、と返事した。
「何か言いたいことがあるなら正々堂々と、わたしに立ち向かって下さい。喧嘩なら、いくらでも買いますから」
「喧嘩って……」
「いいですね?」
「……はい」
よろしい、とリディアは頷いた。
「次、新聞部のみなさん」
「は、はい」
リディアの足元でビクッと恐怖で震える新聞部部長に、彼女ははぁと長いため息をついた。
「あなた方にはがっかりしました」
「……」
「聞いているんですか?」
グッ、と踏みつける足に力を込めれば子犬が鳴くようにはいっと返事が聞こえる。その情けない姿に、リディアはもう一度、大きくため息をついた。
「どうして新聞部が部として存続しているのか、あなたはご存知ですか」
「それは……学園の情報を伝えるため、です」
「どんな情報ですか」
「えっと……」
「ただの情報なら、生徒会の広報で済むことです。でもあえて新聞部という独立した機関を認めたのは、いったい何のためですか」
リディアはじっと元新聞部部長を見下ろしながら、大切なことを思い出させるようにたずねた。
「それは……」
彼が動揺したように身体を揺らす。
「あなたが部長になった際の記事、読みました」
「えっ」
リディアは足をどけると、背を向けて、遠くを見るように憂いのある表情を浮かべた。
マシュー・キャメロンは中等部の頃から新聞部を切り盛りしており、高等部へ進級してからはわずか一学年の後半で部長の座を勝ち取った実力ある編集部長である。
「今まで生徒会長の独断で行っていた予算の振り分けを、各部活の代表が集まって審議するという方法は未来のあるべき政治体制に通ずるものがある。今後も生徒が率先して学園の経営に携わっていくべきではないか……という至極まっとうなものでした」
「きみ、私の記事を読んだのかい?」
「はい。新聞部設立当初からここ最近の記事は一通り目を通しました」
驚く彼らに、リディアは振り返る。
「社説だけでなく、他の生徒の意見も取材して、この学園がどうあるべきか、とても真摯に考えているのだと読んでいて伝わってきました」
生徒会に属していてはできない忌憚なき意見。批判。公平に、生徒の立場に寄り添ってジャッジする。そして時には生徒の間違った振る舞いを糾弾する記事すら書く。
「すべてはこの学園をよりよくするため。生徒が将来、一人の人間として立派に羽ばたいていくため」
その役目を期待されたからこそ新聞部は部として認められたのだ。
「けれど、ここ数年はまるで三流のゴシップ記事のように低俗で読むに堪えない記事ばかりです!」
「そ、それは」
「新聞とは、国家にも、民衆にも媚を売らず、時代の流れをありのままに伝えることなのではないですか? たとえ全世界の人間に嫌われようが、真実を伝える! それこそが真の役割なのではありませんか?」
「リ、リディアさん?」
学園新聞の話からえらく話が大きくなっていることに、マリアンは戸惑いを隠せないようであったが、新聞部員二名は何やら感じ入ったようにリディアを見つめている。
「それなのにあなたたちときたら! 己が使命も忘れ、権力に惑わされ、金に足をすくわれ、挙句の果てに人を巻き込んで自殺とは……歴代の新聞部のみなさんに対して恥ずかしいと思わないんですか!」
「だ、だけどっ、僕たちだって!」
リディアの言葉に言い返そうとしたベンジャミンを止めるように、マシューがガクリと膝を折って手をついた。
「部長!」
「リディア嬢……あなたの言う通りだ。私たちは初代新聞部が守るべきだと言われた大切なことを忘れてしまった。部を残さんとばかりに、一番してはならないことを……」
「部長……」
マシューはこれまでの行いを悔いるように目を瞑った。
「すまなかった。リディア嬢。マリアン嬢。私は、新聞部部長として失格だ。部が廃部に追い込まれたのも、私が退部することになったのも、道理だ。どうか許して欲しい、とは言わない。ただどうか謝らせて欲しい……」
「ぶ、ぶちょう~!」
涙を流してベンジャミンがマシューの肩を抱きしめる。見下ろしていたリディアはそんな彼らの肩にそっと手を伸ばした。そして顔を上げた彼らに微笑む。
「いいんです。わかってくれれば。過ちは誰にだってあります。ましてあなたたちはまだ若い。やり直しはいくらでもききます」
「リ、リディア嬢!」
「わたしの方からも殿下にお願いして、予算の捻出を頼んでみましょう。今年は無理でも、来年はきっと……」
「あの、」
恐る恐る声を挟んだのは、マリアンだった。
「あの、その予算については、わたくしに出させていただけないでしょうか」
驚く三人に、マリアンは慌てて付け加える。
「もちろん、もう記事を書いてほしいなんて頼むつもりはありません。お父様にもわたくしの方から事情を説明して、マシュー様の退部を撤回するよう頼んでみます……いろいろと振り回してしまって、ごめんなさい」
ぺこりと頭を下げたマリアン。顔を上げた彼女は涙ながらに言った。
「わたくし、まさかこんなことになるなんて思っていませんでしたわ。ほんのちょっと、嫌がらせをするつもりだったんです。でも、リディアさんも他のみなさんもわたくしの思う通りにならなくて……どんどんの取り返しのつかないことに……ほんとにごめんなさいっ!」
「あ、いや、その……私も追い詰められて、あなたにとんでもないことをしようとしてしまいました」
マシューが頭を下げると、ベンジャミンも沈んだ声で謝った。
「僕も部長を止めずに加勢するようなことを言ってしまい……リディアさんにもご迷惑をおかけしました」
リディアの名が出ると、マリアンもまた彼女の方を見上げた。
「リディアさん。先ほどはわたくしを助けていただき、ありがとうございました」
「え、いや、そんなの、人として当然じゃないですか」
いいえとマリアンは首を振った。
「きっとわたくしだったら、怖くて助ける勇気はありませんでした。それに……わたくしは今までずっとあなたに嫌がらせをしてきたんですもの。放って逃げても、当然の仕打ちですわ」
「マリアン様……」
(いや、そうは言うけど、さすがに目の前で知り合いが殺されそうになってたら止めるよ)
と心の内ではツッコんだものの、リディアは今までに見せなかったマリアンの表情に口を噤んだ。
「あなたはずっとわたくしと仲良くなろうとしていてくれたのに、あなたを傷つけようとしたわたくしを助けようとして下さったのに、わたくしは……ずっとあなたに酷いことばかりしてきた。知られたくない過去を面白おかしく暴いて、この学園から追い出そうとしたっ」
彼女は身体を震わせながら嗚咽を漏らした。
「今回のことも、ただあなたを傷つけたいと、お二人のことも考えず、取り返しのつかないことをしようとして……謝って済む問題ではないけれど、どうかお許しになって……本当にごめんなさいっ……」
「今わたしが話しているんです。黙っていて下さい」
あなたもですよ、とリディアはこちらへやってこようとするベンジャミンに微笑む。不思議なことに怒っているほど、頭の中はスッと冷えて、なぜか冷静に振る舞える。笑みすらいくらでも浮かべることができるのだから、人間とはおかしな生き物である。
「この人を助けようとすれば男性としての機能を損失させますから」
ひいっ、と情けない悲鳴が下から聞こえ、ベンジャミンもその場にピタッと立ち止まった。
「リ、リディアさん?」
リディアの豹変ぶりにマリアンまでも困惑を隠せないでいる。
「まず、マリアン様。いくらわたしに恨みがあるからといって、人の弱みに付け込んでどうにかしようだなんて最低です」
「なっ、わたくしはっ……!」
「最低です」
リディアが笑顔で返すと、マリアンはぐっと押し黙り、もう一度リディアが最低ですと繰り返すと、ややあって、小さな声ではい、と返事した。
「何か言いたいことがあるなら正々堂々と、わたしに立ち向かって下さい。喧嘩なら、いくらでも買いますから」
「喧嘩って……」
「いいですね?」
「……はい」
よろしい、とリディアは頷いた。
「次、新聞部のみなさん」
「は、はい」
リディアの足元でビクッと恐怖で震える新聞部部長に、彼女ははぁと長いため息をついた。
「あなた方にはがっかりしました」
「……」
「聞いているんですか?」
グッ、と踏みつける足に力を込めれば子犬が鳴くようにはいっと返事が聞こえる。その情けない姿に、リディアはもう一度、大きくため息をついた。
「どうして新聞部が部として存続しているのか、あなたはご存知ですか」
「それは……学園の情報を伝えるため、です」
「どんな情報ですか」
「えっと……」
「ただの情報なら、生徒会の広報で済むことです。でもあえて新聞部という独立した機関を認めたのは、いったい何のためですか」
リディアはじっと元新聞部部長を見下ろしながら、大切なことを思い出させるようにたずねた。
「それは……」
彼が動揺したように身体を揺らす。
「あなたが部長になった際の記事、読みました」
「えっ」
リディアは足をどけると、背を向けて、遠くを見るように憂いのある表情を浮かべた。
マシュー・キャメロンは中等部の頃から新聞部を切り盛りしており、高等部へ進級してからはわずか一学年の後半で部長の座を勝ち取った実力ある編集部長である。
「今まで生徒会長の独断で行っていた予算の振り分けを、各部活の代表が集まって審議するという方法は未来のあるべき政治体制に通ずるものがある。今後も生徒が率先して学園の経営に携わっていくべきではないか……という至極まっとうなものでした」
「きみ、私の記事を読んだのかい?」
「はい。新聞部設立当初からここ最近の記事は一通り目を通しました」
驚く彼らに、リディアは振り返る。
「社説だけでなく、他の生徒の意見も取材して、この学園がどうあるべきか、とても真摯に考えているのだと読んでいて伝わってきました」
生徒会に属していてはできない忌憚なき意見。批判。公平に、生徒の立場に寄り添ってジャッジする。そして時には生徒の間違った振る舞いを糾弾する記事すら書く。
「すべてはこの学園をよりよくするため。生徒が将来、一人の人間として立派に羽ばたいていくため」
その役目を期待されたからこそ新聞部は部として認められたのだ。
「けれど、ここ数年はまるで三流のゴシップ記事のように低俗で読むに堪えない記事ばかりです!」
「そ、それは」
「新聞とは、国家にも、民衆にも媚を売らず、時代の流れをありのままに伝えることなのではないですか? たとえ全世界の人間に嫌われようが、真実を伝える! それこそが真の役割なのではありませんか?」
「リ、リディアさん?」
学園新聞の話からえらく話が大きくなっていることに、マリアンは戸惑いを隠せないようであったが、新聞部員二名は何やら感じ入ったようにリディアを見つめている。
「それなのにあなたたちときたら! 己が使命も忘れ、権力に惑わされ、金に足をすくわれ、挙句の果てに人を巻き込んで自殺とは……歴代の新聞部のみなさんに対して恥ずかしいと思わないんですか!」
「だ、だけどっ、僕たちだって!」
リディアの言葉に言い返そうとしたベンジャミンを止めるように、マシューがガクリと膝を折って手をついた。
「部長!」
「リディア嬢……あなたの言う通りだ。私たちは初代新聞部が守るべきだと言われた大切なことを忘れてしまった。部を残さんとばかりに、一番してはならないことを……」
「部長……」
マシューはこれまでの行いを悔いるように目を瞑った。
「すまなかった。リディア嬢。マリアン嬢。私は、新聞部部長として失格だ。部が廃部に追い込まれたのも、私が退部することになったのも、道理だ。どうか許して欲しい、とは言わない。ただどうか謝らせて欲しい……」
「ぶ、ぶちょう~!」
涙を流してベンジャミンがマシューの肩を抱きしめる。見下ろしていたリディアはそんな彼らの肩にそっと手を伸ばした。そして顔を上げた彼らに微笑む。
「いいんです。わかってくれれば。過ちは誰にだってあります。ましてあなたたちはまだ若い。やり直しはいくらでもききます」
「リ、リディア嬢!」
「わたしの方からも殿下にお願いして、予算の捻出を頼んでみましょう。今年は無理でも、来年はきっと……」
「あの、」
恐る恐る声を挟んだのは、マリアンだった。
「あの、その予算については、わたくしに出させていただけないでしょうか」
驚く三人に、マリアンは慌てて付け加える。
「もちろん、もう記事を書いてほしいなんて頼むつもりはありません。お父様にもわたくしの方から事情を説明して、マシュー様の退部を撤回するよう頼んでみます……いろいろと振り回してしまって、ごめんなさい」
ぺこりと頭を下げたマリアン。顔を上げた彼女は涙ながらに言った。
「わたくし、まさかこんなことになるなんて思っていませんでしたわ。ほんのちょっと、嫌がらせをするつもりだったんです。でも、リディアさんも他のみなさんもわたくしの思う通りにならなくて……どんどんの取り返しのつかないことに……ほんとにごめんなさいっ!」
「あ、いや、その……私も追い詰められて、あなたにとんでもないことをしようとしてしまいました」
マシューが頭を下げると、ベンジャミンも沈んだ声で謝った。
「僕も部長を止めずに加勢するようなことを言ってしまい……リディアさんにもご迷惑をおかけしました」
リディアの名が出ると、マリアンもまた彼女の方を見上げた。
「リディアさん。先ほどはわたくしを助けていただき、ありがとうございました」
「え、いや、そんなの、人として当然じゃないですか」
いいえとマリアンは首を振った。
「きっとわたくしだったら、怖くて助ける勇気はありませんでした。それに……わたくしは今までずっとあなたに嫌がらせをしてきたんですもの。放って逃げても、当然の仕打ちですわ」
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(いや、そうは言うけど、さすがに目の前で知り合いが殺されそうになってたら止めるよ)
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彼女は身体を震わせながら嗚咽を漏らした。
「今回のことも、ただあなたを傷つけたいと、お二人のことも考えず、取り返しのつかないことをしようとして……謝って済む問題ではないけれど、どうかお許しになって……本当にごめんなさいっ……」
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