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本編(ノーマルエンド)
17、つかの間の
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リディアはこの頃昼休みになるのが楽しみであった。あの悪魔二人が教室へやって来ず、友人らと昼食を楽しめるからだった。セエレはもちろん、マリアンもまたリディアに優しかった。彼女はいつも少し遅れて空き教室へやってきた。
そしてリディアが購買で安いパンを買って食べているのを知ると、使用人に作らせたという手作りサンドイッチまでわざわざ持ってきてくれたのだ。今まで食べたことのない高級な肉が挟まれており、リディアは泣きたくなるほど感動してしまった。
「リディアさんは高等部からこの学園に入学したんですよね?」
マリアンはリディアの境遇にいたく興味を抱き、あれこれと話を聞きたがった。
「ええ。わたしを預かってくれている人が勉強はしておいた方がいいと言ってくれて……」
あまり身の上話をするのは気が進まなかったが、マリアンの吸い寄せられるような瞳に見つめられると、自然と何でも話してしまう。
キャスパーとの出会い、グレンやメルヴィンとの出会いをマリアンはとても真剣な表情をして聞いてくれた。途中質問もする様はまるで熱心に授業を受ける生徒のようで、なぜこんなにも自分の生い立ちを知りたがるのかリディアには心底不思議であった。
「リディアさんはとても辛い目に遭われたんですね」
すべて話を終え、マリアンは情のこもった声でそう言った。
「わたくし、ずっと不思議だったんです。どうしてあなたとこんなにもお友達になりたいんだろうって……でも、今ならわかった気がします」
マリアンが自分の手をそっとリディアの手に重ねてきた。甘いにおいがふわりと香ってきて、リディアは同性であるのにどぎまぎしてしまう。
(マリアン様って意外とぐいぐいくるな……)
これが友人同士の距離間なのだろうか。それともマリアンが特別なのか。同性の友人がいなかったリディアには比較しようがなかった。
「あの、マリアン様」
「あなたはとても辛い目に遭った。それでもめげずに、ここまで頑張って生きてきた。その強さに、わたくしはきっと惹かれたんですわ」
リディアは呆然とマリアンの整った顔を見つめ返した。
――辛い目に遭った。それでも諦めずにここまで頑張ってきた。
そんなことを面と向かって言われたのは生まれて初めてだった。自分でそう思って励ますことはあっても、他人から言われるのは今までになく、よくわからない感情が胸にわいた。マリアンのようなお嬢様から認められても、それはただの同情だと思ったし、憐れみでもあった。
けれど彼女のような綺麗な人間に認められたからこそ、今までの苦労がすべて報われた気もした。
「わたくしも病気で寝込んでいたことがありましたから、少しは苦しみを知っているつもりですわ」
伏し目がちに言ったマリアンに、リディアはハッとした。
(そうだ。彼女は一年前まで病気で、死の境を彷徨ってたんだ……)
死にたいと思いながら過ごしてきたリディアと、実際に死にそうになったマリアン。苦しみを味わった彼女ならば、自分に向けた言葉は紛れもない真実のように思えた。マリアンは顔を上げ、空色の瞳を潤ませながら言った。
「リディアさん。これからは辛いことがあったら、わたくしに何でも話して下さい。わたくし、あなたの力になりたいんです」
「マリアン様……」
リディアはマリアンの微笑に何も言えなかった。貴族でも何でもない下の身分である自分にここまで心を砕いてくれた彼女に心が震えた。貴族なんてクズばっかりだと思っていたが、中にはこんな女神のような人もいるのだと今までの常識を覆された気分だった。
「……ありがとう。本当にありがとうございます。マリアン様。わたしもあなたが困っていたら、何でも力になります」
リディアの心からの誓いにマリアンは花のように微笑んだ。リディアはうっとりと彼女の笑みに酔いしれた。
***
「――リディアってば、すごくだらしない顔してる」
放課後。久しぶりにセエレと二人きりになり、リディアがマリアンと過ごした昼休みを思い出して幸せを噛みしめていた時のことだ。セエレが呆れたように言った。
「そ、そんなことないですよ」
慌てて背筋を伸ばす。
「そう? でも思いっきりにやけていたよ」
そんなに? とリディアは自分の頬を擦った。たしかに少し気が緩んでいたかもしれない。宿題を片づけようと思ってノートを開いたものの、幸せに浸りすぎてちっとも進んでいなかった。
(でも仕方ないよ。とっても嬉しいんだもん……)
「……マリアンと話すの、そんなに楽しい?」
リディアの隣に腰掛け、セエレはどこか拗ねたように言った。
「セエレ?」
「ごめん。なんかリディア、オレといる時よりすごくはしゃいじゃってさ……オレといるのはつまらない?」
上目遣いで尋ねるセエレに、リディアは慌てて首を振った。
「そんなことないですよ。セエレと話すのもとっても楽しいです」
「でも、今もオレといるのにマリアンのことばかり考えていたでしょう?」
「……すみません」
責めるように言われ、リディアは素直に謝った。たしかに目の前の友人を放って別の友人のことを考えるのはよくない。これが異性関係ならもっと修羅場だ。過去のキャスパーを思い出しながら、リディアは深く反省した。
何度も言うが、セエレと話すのももちろん楽しい。彼と初めて友人になれて本当によかったと思っている。でも、どうしたってセエレは異性で、同性であるマリアンの友情とは違っていた。マリアンは特別だった。
「それにセエレだってマリアン様のこと気にかけているじゃないですか」
マリアンがリディアの身辺を知りたがったように、セエレもまたマリアンのことを知ろうとあれこれと質問していた。彼女が追いかけられた男性のことで暗い顔をしていると、それを振り払うかのように明るく励ましていた。
時々二人きりで会って相談にも乗っているらしい。あまりの献身ぶりにきっと彼は一人の女性としてマリアンに好意を寄せているのだろうとリディアは思っていた。
(あ。もしかしてわたしがマリアン様のことを考えているのが嫌だとか?)
マリアンのことを考えるのは自分だけでいい。いくら同性でも、リディアには渡せない、というやつだろうか。だとしたら、可愛い嫉妬だ。リディアは朗らかに笑った。
「安心して下さい、セエレ。わたしはお二人を応援していますから」
二人並ぶとちょっとセエレが幼すぎる気もしたが、まあ、彼もこれから成長するだろうし、問題ないかとリディアは思った。
「大丈夫ですよ」
「うん。ちっとも大丈夫じゃないし……」
はぁ、とセエレはため息をついたが、リディアにはよくわからなかった。わからないので、セエレのような優しい少年まで嫉妬させるマリアンがそれだけ魅力的だと結論づけることにした。
(留年なんかしなければ、マリアン様と同じ学年で、同じクラスになれたのかもしれないんだよね……)
つくづく留年に追い込んだグレンたちが恨めしくなる。
(でもここ数日ずっと来ないし、もうわたしに飽きたのかも)
昼休みがだめなら放課後に来るかもしれないと思ったが、二人は姿さえ見せなかった。久しく感じていなかった平和が続き、怖いくらいの幸せをリディアは噛みしめていた。もうすぐ自分は死んでしまうのではないかと思うくらい。
(ううん。きっと今までが、ありえないくらい不幸だったんだ)
辛いことがあったら楽しいこともやってくる。一年前の悪夢はもう終わった。何も恐れるものはなかった。神様はきちんといたのだ。
この時のリディアはそう信じていた。
そしてリディアが購買で安いパンを買って食べているのを知ると、使用人に作らせたという手作りサンドイッチまでわざわざ持ってきてくれたのだ。今まで食べたことのない高級な肉が挟まれており、リディアは泣きたくなるほど感動してしまった。
「リディアさんは高等部からこの学園に入学したんですよね?」
マリアンはリディアの境遇にいたく興味を抱き、あれこれと話を聞きたがった。
「ええ。わたしを預かってくれている人が勉強はしておいた方がいいと言ってくれて……」
あまり身の上話をするのは気が進まなかったが、マリアンの吸い寄せられるような瞳に見つめられると、自然と何でも話してしまう。
キャスパーとの出会い、グレンやメルヴィンとの出会いをマリアンはとても真剣な表情をして聞いてくれた。途中質問もする様はまるで熱心に授業を受ける生徒のようで、なぜこんなにも自分の生い立ちを知りたがるのかリディアには心底不思議であった。
「リディアさんはとても辛い目に遭われたんですね」
すべて話を終え、マリアンは情のこもった声でそう言った。
「わたくし、ずっと不思議だったんです。どうしてあなたとこんなにもお友達になりたいんだろうって……でも、今ならわかった気がします」
マリアンが自分の手をそっとリディアの手に重ねてきた。甘いにおいがふわりと香ってきて、リディアは同性であるのにどぎまぎしてしまう。
(マリアン様って意外とぐいぐいくるな……)
これが友人同士の距離間なのだろうか。それともマリアンが特別なのか。同性の友人がいなかったリディアには比較しようがなかった。
「あの、マリアン様」
「あなたはとても辛い目に遭った。それでもめげずに、ここまで頑張って生きてきた。その強さに、わたくしはきっと惹かれたんですわ」
リディアは呆然とマリアンの整った顔を見つめ返した。
――辛い目に遭った。それでも諦めずにここまで頑張ってきた。
そんなことを面と向かって言われたのは生まれて初めてだった。自分でそう思って励ますことはあっても、他人から言われるのは今までになく、よくわからない感情が胸にわいた。マリアンのようなお嬢様から認められても、それはただの同情だと思ったし、憐れみでもあった。
けれど彼女のような綺麗な人間に認められたからこそ、今までの苦労がすべて報われた気もした。
「わたくしも病気で寝込んでいたことがありましたから、少しは苦しみを知っているつもりですわ」
伏し目がちに言ったマリアンに、リディアはハッとした。
(そうだ。彼女は一年前まで病気で、死の境を彷徨ってたんだ……)
死にたいと思いながら過ごしてきたリディアと、実際に死にそうになったマリアン。苦しみを味わった彼女ならば、自分に向けた言葉は紛れもない真実のように思えた。マリアンは顔を上げ、空色の瞳を潤ませながら言った。
「リディアさん。これからは辛いことがあったら、わたくしに何でも話して下さい。わたくし、あなたの力になりたいんです」
「マリアン様……」
リディアはマリアンの微笑に何も言えなかった。貴族でも何でもない下の身分である自分にここまで心を砕いてくれた彼女に心が震えた。貴族なんてクズばっかりだと思っていたが、中にはこんな女神のような人もいるのだと今までの常識を覆された気分だった。
「……ありがとう。本当にありがとうございます。マリアン様。わたしもあなたが困っていたら、何でも力になります」
リディアの心からの誓いにマリアンは花のように微笑んだ。リディアはうっとりと彼女の笑みに酔いしれた。
***
「――リディアってば、すごくだらしない顔してる」
放課後。久しぶりにセエレと二人きりになり、リディアがマリアンと過ごした昼休みを思い出して幸せを噛みしめていた時のことだ。セエレが呆れたように言った。
「そ、そんなことないですよ」
慌てて背筋を伸ばす。
「そう? でも思いっきりにやけていたよ」
そんなに? とリディアは自分の頬を擦った。たしかに少し気が緩んでいたかもしれない。宿題を片づけようと思ってノートを開いたものの、幸せに浸りすぎてちっとも進んでいなかった。
(でも仕方ないよ。とっても嬉しいんだもん……)
「……マリアンと話すの、そんなに楽しい?」
リディアの隣に腰掛け、セエレはどこか拗ねたように言った。
「セエレ?」
「ごめん。なんかリディア、オレといる時よりすごくはしゃいじゃってさ……オレといるのはつまらない?」
上目遣いで尋ねるセエレに、リディアは慌てて首を振った。
「そんなことないですよ。セエレと話すのもとっても楽しいです」
「でも、今もオレといるのにマリアンのことばかり考えていたでしょう?」
「……すみません」
責めるように言われ、リディアは素直に謝った。たしかに目の前の友人を放って別の友人のことを考えるのはよくない。これが異性関係ならもっと修羅場だ。過去のキャスパーを思い出しながら、リディアは深く反省した。
何度も言うが、セエレと話すのももちろん楽しい。彼と初めて友人になれて本当によかったと思っている。でも、どうしたってセエレは異性で、同性であるマリアンの友情とは違っていた。マリアンは特別だった。
「それにセエレだってマリアン様のこと気にかけているじゃないですか」
マリアンがリディアの身辺を知りたがったように、セエレもまたマリアンのことを知ろうとあれこれと質問していた。彼女が追いかけられた男性のことで暗い顔をしていると、それを振り払うかのように明るく励ましていた。
時々二人きりで会って相談にも乗っているらしい。あまりの献身ぶりにきっと彼は一人の女性としてマリアンに好意を寄せているのだろうとリディアは思っていた。
(あ。もしかしてわたしがマリアン様のことを考えているのが嫌だとか?)
マリアンのことを考えるのは自分だけでいい。いくら同性でも、リディアには渡せない、というやつだろうか。だとしたら、可愛い嫉妬だ。リディアは朗らかに笑った。
「安心して下さい、セエレ。わたしはお二人を応援していますから」
二人並ぶとちょっとセエレが幼すぎる気もしたが、まあ、彼もこれから成長するだろうし、問題ないかとリディアは思った。
「大丈夫ですよ」
「うん。ちっとも大丈夫じゃないし……」
はぁ、とセエレはため息をついたが、リディアにはよくわからなかった。わからないので、セエレのような優しい少年まで嫉妬させるマリアンがそれだけ魅力的だと結論づけることにした。
(留年なんかしなければ、マリアン様と同じ学年で、同じクラスになれたのかもしれないんだよね……)
つくづく留年に追い込んだグレンたちが恨めしくなる。
(でもここ数日ずっと来ないし、もうわたしに飽きたのかも)
昼休みがだめなら放課後に来るかもしれないと思ったが、二人は姿さえ見せなかった。久しく感じていなかった平和が続き、怖いくらいの幸せをリディアは噛みしめていた。もうすぐ自分は死んでしまうのではないかと思うくらい。
(ううん。きっと今までが、ありえないくらい不幸だったんだ)
辛いことがあったら楽しいこともやってくる。一年前の悪夢はもう終わった。何も恐れるものはなかった。神様はきちんといたのだ。
この時のリディアはそう信じていた。
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