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本編(ノーマルエンド)
15、可愛いお嬢様
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それからもちょくちょくリディアはセエレの元へ足を運んだ。彼はいつでもリディアを歓迎してくれた。昼休みはグレンとメルヴィンに拘束されたため、必然と放課後に限定され、それもアルバイトや生徒会の手伝い、時にはグレンたちのせいで話せるのはほんの数十分程度。
それでもセエレはそのほんの少しの時間、リディアと話せることをまるで生きがいだと言わんばかりに喜んでくれるのだ。嬉しいと思う反面、リディアはどうして彼がここまで喜んでくれるか不思議でもあった。
(セエレがわたしと話せてこんなに喜ぶのは、他に友人があまりいないから……とか?)
セエレはいつもこの部屋で勉強していた。頭がよく、一年生なのに三年生の学習内容もすでに理解していると聞いてリディアは仰天した。それでも十分凄いのに、さらに小難しそうな分厚い本まで読み漁っている。
(魔力もあって魔法も使える……彼はいったい何者なんだろう)
この学園に通っているということはおそらく貴族、のはず。魔力があり、兄のことを慕っている一年生。わかっているのはそれくらいだった。セエレはリディアのことは尋ねても、自分自身のことはあまり語りたがらなかった。無理矢理聞くのも躊躇われ、結局リディアは自分のことばかり話してしまう。少し距離を置かれているようで寂しくもあり、でもそれも仕方がないことかなと今のところ諦めてもいる。
(素性はよくわかんないけど、基本的に親切でいい子なのは間違いないしね……)
身体に事情があると言っていた。やはり魔術のことだろうか。セエレの赤い目。容姿のせいで辛い目にあったのだろうか。だから教室で他の生徒と一緒に学ぶのが怖いのだろうか。
素直に聞けない分、あれこれと想像ばかりしてしまう自分が情けなく、もどかしい。
(わたしに友人がいれば、紹介できたのになあ……)
初めてできた友人の力になってやれないことがリディアには歯痒かった。
***
その日の食堂は実に混んでいた。いや、いつも混んでいるのだが、今日は特にそう感じる。見慣れた風景がやけに……
「ああ? なんだアレ。男ばっかじゃねえか」
グレンの言葉にリディアはそうだと思った。やけに男子生徒が多いのだ。しかも何かを取り囲むようにして群がっている。
「ああ。きっとマリアン・レライエの取り巻きだよ」
「マリアン・レライエ?」
「ほら。例の可愛い子」
どうやら以前メルヴィンたちが可愛いと話していた女子生徒がこの騒ぎの原因らしい。
(これだけ男子生徒に囲まれているなら、きっとすごく可愛い子なんだろうな)
ここまですごいと、一目だけでも見たい気がしたが、生憎体格のいい男子生徒に阻まれて後ろ姿すら見えそうになかった。
「お二人と同じ学年ですよね。どんな子なんですか」
「知らね。興味ねえ」
「……」
「まあ、可愛い子だよね」
メルヴィンがチョコレートのような甘い瞳を細める。
「お前が好きそうなタイプだな」
「いやだなぁ、グレン。僕は基本的にどんな女性でも好きだよ」
――ぼくはどんな女性でも好きですよ。
一瞬どこぞの優男の顔が頭に浮かび、リディアはイラッとしてしまった。
メルヴィン・シトリー。甘い顔をした王子様のような容姿は、年頃の女子生徒の心を問答無用で奪っていった。
(師匠はどちらかというと自分から女性に付き合ってくれって頼むタイプだけど、彼は違う)
この学園に通う生徒は貴族の令嬢や子息が大半だ。彼らの中にはすでに将来の伴侶が決められている者もいた。家同士の繋がりや利害関係。親の駒として、子である彼らは関係を結ぶ。当然、婚約を反故にするような軽率な行動は控えるべきであった。
けれどメルヴィン・シトリーを前にした女性は、悉くそれを破ってきた。
婚約相手がいるにも関わらず、自分と付き合って欲しいと告白する令嬢。遊びでもいいから。少しだけでもいいから。どうかお願いしますと涙を流して彼女たちはメルヴィンに詰め寄った。心奪われるのは生徒だけではなかった。教え子という立場を利用して、関係を強いる教師まで現れる始末だった。
――僕から付き合ってくれと頼んだんじゃないよ。彼女たちの方から僕にすり寄ってきたんだ。
仲の良かった関係に亀裂が生じ、婚約が破棄になってもメルヴィンはそう言って一蹴した。自分から求めるのではなく、相手が求めて、破滅していく。まるで女を破滅させる魔性の男。メルヴィン・シトリーという人間を表すのにぴったりな言葉だった。
(たしか彼の母親もたいへん魅力的な女性だって言ってたっけ……)
流行病に罹って早くに亡くなったそうだが、多くの男性を虜にして何人もの愛人がいたらしい。メルヴィンが女性を惹きつけるのも、そんな母親の血を引いているせいだろうか。
「まあ、でも、嫌いじゃないよ。彼女みたいな子」
目を細めてマリアン・レライエの方を見つめるメルヴィンに、リディアは生理的な嫌悪感がこみ上げてきた。狙った獲物をどう追い詰めるか、狩りを楽しむ目をメルヴィンはしていた。
「両親や使用人から蝶よ花よと大事に大事に育てられたお嬢さんが恋に落ちて、これまで抱いたことのない感情に戸惑う様。今まで欲しいものは何でも与えられてきた人間が、初めて手にすることができない悔しさ、もどかしさ。お淑やかで美しい女性が、少しずつ嫉妬に狂って、抑え込んでいた自分を曝け出して、目を背けたくなるような醜い姿に変わっていく。そして最後には、僕に泣いて縋りつくんだ。どうか愛してくれって」
ふふとメルヴィンは微笑んだ。
「そういうの、とっても好きだよ」
やばいやつだ。絶対に関わってはいけない人間だ。リディアは心底吐き気がして、ドン引きした。
「初めて会った時から思ってたけど、お前って優しい顔してなかなかエグイ思考してんな」
「そうかな? けっこう普通じゃない?」
普通じゃない。お前が異常なだけだ。
あんまりな発言にさすがのグレンも軽く呆れていた。
「俺はいかにも守って下さいっていう女は苦手だわ。すぐ折れそうで、泣きそうだし」
「じゃあグレンはどういう女性が好みなんだい?」
「そうだなあ……」
視線を彷徨わせていた金色の目が、リディアでぴたりと止まった。そうだな、とグレンがニヤリと笑う。
「俺はやっぱ強い女がいいな。何度心が折れようと、雑草のごとく生えてくるやつ。性格もすっげえ気の強い女」
「なるほど。心が強い女性を屈服させるのも楽しそうだね」
ニヤニヤこちらを見て笑う二人にリディアは黙々とスプーンを口に運んだ。こういう時は相手にせず、無視するのが一番だ。
(こいつらみたいな人間は、世の女性陣のためにもさっさと刺された方がいい)
どうか可愛いマリアン・レライエが悪魔の手に堕ちませんように。
リディアは心からそう願うのだった。
だがその数日後。事態はリディアの思いもよらない方向へ進んでいた。
それでもセエレはそのほんの少しの時間、リディアと話せることをまるで生きがいだと言わんばかりに喜んでくれるのだ。嬉しいと思う反面、リディアはどうして彼がここまで喜んでくれるか不思議でもあった。
(セエレがわたしと話せてこんなに喜ぶのは、他に友人があまりいないから……とか?)
セエレはいつもこの部屋で勉強していた。頭がよく、一年生なのに三年生の学習内容もすでに理解していると聞いてリディアは仰天した。それでも十分凄いのに、さらに小難しそうな分厚い本まで読み漁っている。
(魔力もあって魔法も使える……彼はいったい何者なんだろう)
この学園に通っているということはおそらく貴族、のはず。魔力があり、兄のことを慕っている一年生。わかっているのはそれくらいだった。セエレはリディアのことは尋ねても、自分自身のことはあまり語りたがらなかった。無理矢理聞くのも躊躇われ、結局リディアは自分のことばかり話してしまう。少し距離を置かれているようで寂しくもあり、でもそれも仕方がないことかなと今のところ諦めてもいる。
(素性はよくわかんないけど、基本的に親切でいい子なのは間違いないしね……)
身体に事情があると言っていた。やはり魔術のことだろうか。セエレの赤い目。容姿のせいで辛い目にあったのだろうか。だから教室で他の生徒と一緒に学ぶのが怖いのだろうか。
素直に聞けない分、あれこれと想像ばかりしてしまう自分が情けなく、もどかしい。
(わたしに友人がいれば、紹介できたのになあ……)
初めてできた友人の力になってやれないことがリディアには歯痒かった。
***
その日の食堂は実に混んでいた。いや、いつも混んでいるのだが、今日は特にそう感じる。見慣れた風景がやけに……
「ああ? なんだアレ。男ばっかじゃねえか」
グレンの言葉にリディアはそうだと思った。やけに男子生徒が多いのだ。しかも何かを取り囲むようにして群がっている。
「ああ。きっとマリアン・レライエの取り巻きだよ」
「マリアン・レライエ?」
「ほら。例の可愛い子」
どうやら以前メルヴィンたちが可愛いと話していた女子生徒がこの騒ぎの原因らしい。
(これだけ男子生徒に囲まれているなら、きっとすごく可愛い子なんだろうな)
ここまですごいと、一目だけでも見たい気がしたが、生憎体格のいい男子生徒に阻まれて後ろ姿すら見えそうになかった。
「お二人と同じ学年ですよね。どんな子なんですか」
「知らね。興味ねえ」
「……」
「まあ、可愛い子だよね」
メルヴィンがチョコレートのような甘い瞳を細める。
「お前が好きそうなタイプだな」
「いやだなぁ、グレン。僕は基本的にどんな女性でも好きだよ」
――ぼくはどんな女性でも好きですよ。
一瞬どこぞの優男の顔が頭に浮かび、リディアはイラッとしてしまった。
メルヴィン・シトリー。甘い顔をした王子様のような容姿は、年頃の女子生徒の心を問答無用で奪っていった。
(師匠はどちらかというと自分から女性に付き合ってくれって頼むタイプだけど、彼は違う)
この学園に通う生徒は貴族の令嬢や子息が大半だ。彼らの中にはすでに将来の伴侶が決められている者もいた。家同士の繋がりや利害関係。親の駒として、子である彼らは関係を結ぶ。当然、婚約を反故にするような軽率な行動は控えるべきであった。
けれどメルヴィン・シトリーを前にした女性は、悉くそれを破ってきた。
婚約相手がいるにも関わらず、自分と付き合って欲しいと告白する令嬢。遊びでもいいから。少しだけでもいいから。どうかお願いしますと涙を流して彼女たちはメルヴィンに詰め寄った。心奪われるのは生徒だけではなかった。教え子という立場を利用して、関係を強いる教師まで現れる始末だった。
――僕から付き合ってくれと頼んだんじゃないよ。彼女たちの方から僕にすり寄ってきたんだ。
仲の良かった関係に亀裂が生じ、婚約が破棄になってもメルヴィンはそう言って一蹴した。自分から求めるのではなく、相手が求めて、破滅していく。まるで女を破滅させる魔性の男。メルヴィン・シトリーという人間を表すのにぴったりな言葉だった。
(たしか彼の母親もたいへん魅力的な女性だって言ってたっけ……)
流行病に罹って早くに亡くなったそうだが、多くの男性を虜にして何人もの愛人がいたらしい。メルヴィンが女性を惹きつけるのも、そんな母親の血を引いているせいだろうか。
「まあ、でも、嫌いじゃないよ。彼女みたいな子」
目を細めてマリアン・レライエの方を見つめるメルヴィンに、リディアは生理的な嫌悪感がこみ上げてきた。狙った獲物をどう追い詰めるか、狩りを楽しむ目をメルヴィンはしていた。
「両親や使用人から蝶よ花よと大事に大事に育てられたお嬢さんが恋に落ちて、これまで抱いたことのない感情に戸惑う様。今まで欲しいものは何でも与えられてきた人間が、初めて手にすることができない悔しさ、もどかしさ。お淑やかで美しい女性が、少しずつ嫉妬に狂って、抑え込んでいた自分を曝け出して、目を背けたくなるような醜い姿に変わっていく。そして最後には、僕に泣いて縋りつくんだ。どうか愛してくれって」
ふふとメルヴィンは微笑んだ。
「そういうの、とっても好きだよ」
やばいやつだ。絶対に関わってはいけない人間だ。リディアは心底吐き気がして、ドン引きした。
「初めて会った時から思ってたけど、お前って優しい顔してなかなかエグイ思考してんな」
「そうかな? けっこう普通じゃない?」
普通じゃない。お前が異常なだけだ。
あんまりな発言にさすがのグレンも軽く呆れていた。
「俺はいかにも守って下さいっていう女は苦手だわ。すぐ折れそうで、泣きそうだし」
「じゃあグレンはどういう女性が好みなんだい?」
「そうだなあ……」
視線を彷徨わせていた金色の目が、リディアでぴたりと止まった。そうだな、とグレンがニヤリと笑う。
「俺はやっぱ強い女がいいな。何度心が折れようと、雑草のごとく生えてくるやつ。性格もすっげえ気の強い女」
「なるほど。心が強い女性を屈服させるのも楽しそうだね」
ニヤニヤこちらを見て笑う二人にリディアは黙々とスプーンを口に運んだ。こういう時は相手にせず、無視するのが一番だ。
(こいつらみたいな人間は、世の女性陣のためにもさっさと刺された方がいい)
どうか可愛いマリアン・レライエが悪魔の手に堕ちませんように。
リディアは心からそう願うのだった。
だがその数日後。事態はリディアの思いもよらない方向へ進んでいた。
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