上 下
13 / 13

13

しおりを挟む
   「なんだか、修行僧みたいだな」

 2限目が始まるまえの、ざわついた教室。
 隣に座った秋斗が、トートバッグからレジュメを取り出しながら、そんな言葉を口にした。
 
 「修行僧って…もしかしておれのこと?」

 問いかけたおれを見て、秋斗は、あからさまにため息をつく。

 「ほかにだれがいるんだよ。千年、週明けから葛西のこと避けまくってるだろ。神経とがらせて気配さぐって、目も合わせないようにするとか、なんの苦行だよ。こっちまで息苦しくなる」

 「…ごめん」

 フットサルの試合後、サトルさんのマンションで大泣きしてから4日が過ぎていた。

 秋斗のいう通り、あれからおれは、麟太郎を徹底的に避けている。
 同じ大学に通い、学部まで一緒となると、そうでもしないかぎり完全に距離を取ることはむづかしい。
 気持ちを断ち切るためとはいえ、これまで以上に麟太郎の動向を気にするなんて皮肉以外のなにものでもないけれど、それがおれに思いつく精一杯の方法だった。

 おれのただならない気配を察しているのか、麟太郎のほうから近づいてくるそぶりが一切ないのが、救いといえば救いなのかもしれない。

 今日はまだ、一度も見かけてないな…。

 この授業は麟太郎も受講している。いま来ていないとなると、ひょっとしたら今日は休みなのかもしれない。

 具合でも悪いんだろうか。

 めったに風邪もひかない麟太郎が体調を崩すなんて想像しづらいけれど、たまにはそういうことだってあるだろう。

 大丈夫かな…。 

 心のすき間を縫うように心配が胸をよぎり、おれは軽く頭をふって、その感情にフタをした。

 あいつのことは考えない。忘れるって決めたんだから。

 「まえにも葛西を避けてるのには気づいてたけど、今回は、それとは次元が違うよな。なにか心境の変化でもあったのか?」

 「まぁ…そんなとこ」

 あいまいな応えを返したおれに、秋斗が、心持ち顔を寄せてくる。

 「ちょっと事実確認したいんだけどさ」

 「うん。なに?」

 「千年は、葛西のことが好きなんだよな。つまり、そういう意味で」

 小声で話す秋斗の言葉に、おれは黙ってうなずいた。
 
 なんとなく察してくれていることは知っていたから、驚きはない。
 ただ、サトルさん以外と改めてこんな話をするのは初めてで、ほんの少し決まり悪い感じがする。

 「千年がこの大学に入ったのも、葛西の影響?」

 「それが…違うんだよな」

 おれは首を横にふり、少し考えてから口をひらいた。

 「麟のことは、卒業を機にすっぱりあきらめるつもりだったんだ。進路が別れて会わなくなれば、そのうち忘れられるだろうと思ってたから。でも、フタを開けたら、あいつもここを受験しててさ。いま思えば笑い話なんだけど…」

 おれがその事実を知ったのは、合格発表の当日だった。
 あのときの衝撃は忘れられない。
 麟太郎がキープしていた偏差値なら、もっと上の大学を狙えたはずだし、実際、おれも含めた周囲のだれもが、教師のすすめる難関大学に願書を出したものと思いこんでいたのだ。

 「つまり、葛西の方が千年を追ってきたってことか」

 それを聞いて、おれは思わず笑ってしまった。

 「まさか。そんなんじゃないよ。興味のあるゼミがここにしかないんだって、麟がいってた」

 「ふぅん。で、おまえはそれを真に受けたってわけか」

 「…それ、どういう意味?」

 「相手は口達者な葛西だぞ?その気になれば、理由なんていくらでも作れる」

 「…つまりアキは、麟がこの大学に入ったべつの理由があるっていいたいわけ?」

 「うちの大学は、そこそこの知名度があるってだけで、カリキュラムも至って平凡だし、ランクを下げてまで入りたくなるほど魅力的な要素があるわけじゃない。T大やK大に入れる頭があったら、俺なら迷わずそっちを選ぶ」

 優等生タイプの秋斗から、理路整然とそんなふうにいわれたら、ほんとうにそんな気がしてくるから不思議だ。
 麟太郎の説明に疑問を抱いたことなんて、いままで一度もなかったのに。でも…。
 
 「べつの理由って、なんだよ」

 「そんなの俺が知るわけないだろ。少しでも気になるなら、本人に聞いてみれば?」

 意味深に引っかき回したわりには、あっさり突き放す秋斗に、かすかないらだちをおぼえた。

 「あのさ、そういうの、もういいから。麟の話は終わりにしよう」

 「ほんとうに、終わりにできんのか?肝心なこと、まだ葛西にいえてないんだろ」

 試すような秋斗の視線が、おれをその場に縫いつけて動けなくする。

 ぐうの音も出ないまま固まっているうちに、先生が教室に入ってきた。
 にぎやかに騒いでいた学生たちが席に着き、授業が始まってからも、おれはひとり、自分の世界に取り残されていた。

 
 
 三雲がおれのもとにやってきたのは、その昼休みのことだ。

 「千年っち。麟から、なにか連絡なかったか?」

 混雑した学食。日替わりランチをのせたトレーとともに、おれの正面に滑りこむなり、三雲がたずねる。

 その顔を見て、おれは思わず息をのんだ。
 
 「三雲…どうしたんだよ、その顔」

 よく日に焼けた頬骨のあたりに、真っ赤なアザが浮いていた。まだできたばかりらしく、直視するのもはばかられるような痛々しさだ。
 
 隣でカレーを食べていた秋斗も、スプーンを宙で止め、あんぐりと口を開けて三雲を見ている。

 「その話は後だ。それより麟だよ。あいつ、朝から大学来てねーんだ。電話は出ないし、メッセージ送っても既読すらつかない」

 「まだ寝てるんじゃないのか?子どもじゃないんだから、そんなに騒がなくても」

 至って冷静に、秋斗が取りなす。

 「そうなんだけど、昨日のことがあるからさ」

 と、三雲。

 「昨日、なにかあったの?」

 胸をざわつかせながらたずねたおれに、三雲は同じ質問を返してきた。

 「おまえらこそ、なにがあったんだよ。千年っち、ここんとこ麟とケンカしてるだろ。先週まであんだけイチャコラしてたのに、週が明けた途端、目も合わせてねーもんな」

 思わず、秋斗と顔を見合わせた。
 事情を知っている秋斗をのぞけば、周囲はみな、いまだにおれと麟太郎が恋人同士だと思いこんでいる。
 それに関しては、もちろんおれにも責任があるんだけど。

 「やっぱり、日曜のアレのせいか?ミユちゃんから、相当きついこといわれたんだろ」

 少し声を落として、三雲がいった。

 「あのコ超絶かわいいけど、気が強かったもんなぁ。でも気にすんなって。もう絶対、千年っちには絡んでこないから」

 「…彼女に、なにかしたの?」

 麟太郎が女性を手荒く扱うなんてありえない。わかってはいるものの、こないだの剣幕を思うと、一抹の不安がよぎる。
 
 「千年っちにはいうなって、麟から口止めされたんだけどさ…あいつ、みんなが見てるまえでミユちゃんに頭さげたんだよ。『俺になら、なにをしてもかまわない。でもタマを巻きこむのだけはやめてくれ』って。好きな男にそこまでされたら立つ瀬ないだろ。どんだけ未練タラタラでも、あきらめざるを得ないよな」

 「麟が、そんなことを…?」

 「だからさ、これで一件落着なわけ。いいかげん、麟のこと許してやってくんねぇかな。んで、とっとと仲直りしてくれ、頼むから、この通り」

 両手を合わせた親指の間に箸を挟んで、三雲がおれを拝んだ。
 
 いや、これは「いただきます」の合図なのか?
 
 メインのハンバーグに猛然と箸をつけはじめた三雲を眺めながら、とりあえず、彼の思いこみを否定してみる。
 
 「許すもなにも、おれはべつに怒ってないよ」

 「はぁ?じゃあ、おまえらなんでケンカしてんの」

 「いや、ケンカとか、そういうことじゃなくて…」

 「三雲がそこまで千年と葛西の仲を気にする理由はなんなの」

 やりとりを見かねた秋斗が、横から助け船を出してくれた。

 「あいつ、ここんとこ様子がおかしいんだよ」

 三雲は、かなり大きく切りわけたハンバーグを口のなかに放りこみ、さらに頰がふくらむほど白米をつめこむと、二、三度咀嚼しただけでごくりと飲みこむ。それから続けた。

 「週明けからずっと、情緒不安定って感じで。話しかけてもどこかうわの空だし、練習に顔出しても全然身が入らなくてありえないミス連発するし。で、極めつけがコレ」

 三雲は箸を止めずに、左手の人差し指で頰のアザを指した。

 「昨日、S大の体育館で練習試合やったんだけどさ、向こうにひとり、タチの悪いやつがいたんだわ。そいつから何度かえげつないラフプレーくらってるうちに、とうとう麟のヤツ、ブチギレちまって。掴みかかったのを止めに入ったら、このざまってわけ」

 かなりの修羅場だったろうに、三雲は豪快なペースでハンバーグと白米を腹におさめながら、淡々と話し続ける。

 「あいつ、いったん暴れ出したら手がつけられなくてさ。5人がかりで押さえつけて、なんとかケガ人は出さずにすんだけど、向こうの大学からは出禁くらうわ、ウチのチームも当面は活動停止になるわで…。ま、すんだことはしょうがないから、それはべつにいいんだけど」

 「…なんか、ごめん。麟が迷惑かけて」

 「いや、迷惑とかじゃなくて、心配なんだよ」

 当然のように、三雲がいった。

 「麟は冷静なやつだから、ふだんなら絶対、挑発に乗ったりしないんだ。らしくないことばっかで、どう接していいかわかんねーってのが正直なとこ」

 席に着いてから5分も経っていないのに、三雲の食器はほとんど空になっている。まだ半分以上残っているおれの食事と同じ量だなんて、とうてい思えない。
 
 最後に残ったみそ汁を胃に流しこむようにして飲み切ると、三雲は、「ごちそうさん」と合掌してから言葉を継いだ。

 「チームの連中も、麟を責める気なんてこれっぽっちもないんだけど、麟は麟でああいう性格だからさ。いま頃、必要以上に責任感じてんのかも。アパートまで行ってみようかとも思ったんだけど、俺が会いに行ったところで根本的な解決にはならないし。まずは千年っちが行ってやるのが一番なんだよ。けんかじゃないなら、なおさら話し合わねぇと。長年連れ添った夫婦の間も会話が大事っていうだろ?」

 「ちょっと待って。まさか、おれにアパートまで行ってこいって話?」

 「だから、そういってる」

 あっさりうなずく三雲に、おれは、必死で首を横にふった。

 「ムリムリ、おれ、今日バイトあるし」

 「終わってからでいいって」

 「終わってからでもムリだから!」

 「麟のこと、心配じゃねーの?そんなに薄情なやつだったのかよ、千年っち」

 麟太郎のために平気で体を張る男にそこまでいわれたら、つい、ひるんでしまう。

 「んじゃ、頼んだからな。何時になってもかまわないから、一応、報告くれよ。あいつの様子、俺も知りたいからさ」

 勝手なことをいい置くと、三雲はおれの返事も待たずに席を立って行った。

 「ご丁寧に逃げ道までふさいで行くとか、三雲もけっこうやり手だな」

 感心したように、秋斗がつぶやく。

 「アキ、一緒に…」

 「無理。俺もバイト」

 秒で拒否った秋斗をジト目でにらむと、この男は、なぜか楽しげなトーンでつけ足した。
 
 「ま、腹くくって行ってこいよ。こそこそ逃げ回ってるより、そっちのほうが千年らしいと思うけどね、俺は」

 
 

 
 

 
 

 
 
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

【完結】魔王の三男だけど、備考欄に『悪役令嬢の兄(尻拭い)』って書いてある?

北川晶
BL
もっちり、ぽっちゃりなぼく、サリエルは、六歳のときに落馬したんだけど。目が覚めたら、人の横に備考欄が見えるようになった。そんなぼくが、魔族の国でゆるふわっと漂い危機回避する、のほほんハートフルライフ。うーん、記憶喪失というわけではないが、なんか、家族に違和感があるなぁ? わかっている。ここは魔族が住む国で、父上が魔王だってことは。でも、なんかおかしいと思っちゃう。あと、備考欄も、人に言えないやつだよね? ぼくの備考欄には『悪役令嬢の兄(尻拭い)』と書いてあるけど…うん、死にかけるとか殺されかけるとか、いろいろあるけど。まぁいいや。  ぼくに優しくしてくれる超絶美形の長兄、レオンハルト。ちょっと言葉のきつい次兄のラーディン。おそらく悪役令嬢で、ぼくが死にかかっても高らかに笑う妹のディエンヌ。気の弱い異母弟のシュナイツ、という兄弟に囲まれた、もっちりなぼくの悪魔城ライフです。  さらに、従兄弟のマルチェロやマリーベル、ラーディンの護衛のファウスト、優秀な成績ですごいシュナイツのご学友のエドガーという友達も巻き込んでのドタバタ魔王学園乙女ゲームストーリーもあるよ。え? 乙女ゲーム? なにそれ、美味しいの? 第11回BL小説大賞で、アンダルシュノベルズb賞をいただきました。応援していただき、ありがとうございます。完結しましたが、おまけなど、たまに出します。よろしくお願いします。

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜

藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。 __婚約破棄、大歓迎だ。 そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った! 勝負は一瞬!王子は場外へ! シスコン兄と無自覚ブラコン妹。 そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。 周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!? 短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。

前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています

矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜 ――『偽聖女を処刑しろっ!』 民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。 何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。 人々の歓声に包まれながら私は処刑された。 そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。 ――持たなければ、失うこともない。 だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。 『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』 基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。 ※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)

所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!

ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。 幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。 婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。 王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。 しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。 貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。 遠回しに二人を注意するも‥ 「所詮あなたは他人だもの!」 「部外者がしゃしゃりでるな!」 十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。 「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」 関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが… 一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。 なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…

婚約破棄される悪役令嬢ですが実はワタクシ…男なんだわ

秋空花林
BL
「ヴィラトリア嬢、僕はこの場で君との婚約破棄を宣言する!」  ワタクシ、フラれてしまいました。  でも、これで良かったのです。  どのみち、結婚は無理でしたもの。  だってー。  実はワタクシ…男なんだわ。  だからオレは逃げ出した。  貴族令嬢の名を捨てて、1人の平民の男として生きると決めた。  なのにー。 「ずっと、君の事が好きだったんだ」  数年後。何故かオレは元婚約者に執着され、溺愛されていた…!?  この物語は、乙女ゲームの不憫な悪役令嬢(男)が元婚約者(もちろん男)に一途に追いかけられ、最後に幸せになる物語です。  幼少期からスタートするので、R 18まで長めです。

ありあまるほどの、幸せを

十時(如月皐)
BL
アシェルはオルシア大国に並ぶバーチェラ王国の侯爵令息で、フィアナ王妃の兄だ。しかし三男であるため爵位もなく、事故で足の自由を失った自分を社交界がすべてと言っても過言ではない貴族社会で求める者もいないだろうと、早々に退職を決意して田舎でのんびり過ごすことを夢見ていた。 しかし、そんなアシェルを凱旋した精鋭部隊の連隊長が褒美として欲しいと式典で言い出して……。 静かに諦めたアシェルと、にこやかに逃がす気の無いルイとの、静かな物語が幕を開ける。 「望んだものはただ、ひとつ」に出てきたバーチェラ王国フィアナ王妃の兄のお話です。 このお話単体でも全然読めると思います!

付き合って一年マンネリ化してたから振られたと思っていたがどうやら違うようなので猛烈に引き止めた話

雨宮里玖
BL
恋人の神尾が突然連絡を経って二週間。神尾のことが諦められない樋口は神尾との思い出のカフェに行く。そこで神尾と一緒にいた山本から「神尾はお前と別れたって言ってたぞ」と言われ——。 樋口(27)サラリーマン。 神尾裕二(27)サラリーマン。 佐上果穂(26)社長令嬢。会社幹部。 山本(27)樋口と神尾の大学時代の同級生。

処理中です...