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第17話 着物ちゃんの男
しおりを挟む俺と幼女ちゃんは 口をあんぐり開けながら着物ちゃんを見つめる。
「昔のことだけどね。 魔刀と、刀から魔法を出す設定を見て思い出したんよ。まだ確定って訳でもないけど、おそらくそう」
俺はハッとする。そうだ、着物ちゃんも天使なんだった。となると、今の幼女ちゃんみたく 要望を聞いて、その世界に転生させてあげていても不思議ではないわな
・・・俺も着物ちゃんが担当だったらよかったかも。暴力ふるわれることも無かっただろうし
チラッと幼女ちゃんを見る。
「ん、なに?」
うん、幼女ちゃんで良かったわ。だって可愛いもんこの子
「着物ちゃん。あなた その刀で光の壁を作り出していたわよね? あれもこの世界の設定なの?」
「そう。うちが考えたんじゃないんやけどね。今で言う師匠の立場だった男の子が、この設定を考えたんよ」
刀から魔法を出す世界か・・・ なかなか厨二心をくすぐられるじゃーねえか。
その男の子と俺、結構仲良くなれるかも
「着物ちゃん。その男の子って何歳くらいだったんだ?」
「師匠と同じくらいだったよ?」
まじか、会えたら友達になりたいな。そろそろ男友達が欲しくなってきたところだし。
いや、別に今のままでもいいんだけどね?可愛い女の子二人とこのままずーっと一緒にいるのも悪くないんだけどね?
「そんなことより着物ちゃん。もっと詳しくこの世界のこと教えてよ!」
たしかに、幼女ちゃんの言う通りだ。この世界のルールがわかれば、俺たちも少しは行動しやすくなるしな
「そやね、えっと。どこから話したらええんやろ」
「あれ、着物ちゃん?」
ん? 誰だ、着物ちゃんを呼んだのは
俺たち3人は声がした方へと顔を向ける。
「やっぱり着物ちゃんだ!久しぶりだね」
・・・誰だこいつ?妙に馴れ馴れしいな
茶色で短髪。歳は俺と同じくらいか、それにかなりイケメンだな。ジャニーズ系の顔つき
しかもこいつは着物ちゃんを知っている・・・ということは!
こいつが!着物ちゃんの言っていた!!
この世界に転生した男の子?!
「夜切くん!?うそ、こんなことってある?!」
着物ちゃんが男の子に向かって走っていく。そして思いっきり抱きついていた。
い、いてぇ!なぜか心が痛てぇ! 着物ちゃんがおれ以外の男に抱きついて行ったからか? 嫉妬か?嫉妬してんのかおれ?!
「おっと・・・ 着物ちゃん、また会えて嬉しいよ。どうしてここにいるの?」
「うちも嬉しい!また夜切くんに会えるなんて思いもせんかったから!」
甘える猫のように その男の胸に顔をくっつけてふりふりしてる着物ちゃんを見ると なんか、あぁ!
羨ましい!!!
いいもん!俺には幼女ちゃんがいるもん!
「幼女ちゃん?幼女ちゃんもあんな感じで俺に甘えてもいいんだぜ?」
「変態、ロリコン!通報するわよ!!」
あぁ・・・
神様・・・俺を慰めてください
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