上 下
164 / 231
5章 イズナバール迷宮編

228話 決闘・後編

しおりを挟む
「あああああああああ!!」

 動ける時より幾分か小さくなったものの、それでも地面に大の字で横たわりながらユアンは慟哭の声を上げる。

「……どうせならもっと、上げる悲鳴にバリエーションを持たせてくれねえか? 単調な絶叫は飽きるんだよ」

 最初はユアンの悲鳴を聞きながらニヤニヤと笑いながら挑発していたジンだが、挑発には一切反応せずただただ悲鳴を上げるユアンに次第に辟易へきえきしてきた。
 剣舞ソードダンス、ユアンはその異名に相応しく、敵の攻撃をかわしながら華麗にカウンターを決める、そんな戦闘スタイルをむねとしている。
 それはつまり敵の攻撃を受けないという事であり、子供の頃にこの加護を授かり、その力によって今の強さを手に入れたユアンには、歴戦の強者つわもの達がもれなく備えている”痛覚耐性”のスキルを持っていなかった。
 無抵抗のユアンを改めて”鑑定”したジンは、

「これじゃあ”加護持ち”も良し悪しだな。まあ、絶対的に良しの方が多いんだが……ともあれ、この体たらく・・・・じゃあ話も出来んか」

 肉体的な拷問を諦めたジンはユアンに近付くと、

 ツプ──

「──ハッ!? んっ、ぐう……」

 解毒薬によって虫刺されスティンガーの効果が切れ、痛みから解放されたユアンは理性的な顔に戻るが、数秒もすると手足の苦痛にまた顔を歪めだす。

「その程度の痛みくらいは我慢しろよ、男の子?」
「ジン……てめえ一体何をした?」
「何を? 痛みから解放してやったんだろ、「ジン様ありがとうございます」とむせび泣きながら感謝の言葉を紡げよ、この痛がりが」

 見せ付けるように右手をワキワキさせジンは、ユアンを見下ろしながらそう告げる。
 ユアンは一瞬脅えたような目でジンの右手を見つめると、頭を振ってまた睨み付ける。

「その事じゃねえ! 俺の身体が動かなくなった理由だ!!」
「そんなの超人剤の副作用に決まってるだろ」
「嘘つけ、そんなの聞いてねえぞ!?」
「は? 俺はお前に薬の効能を教えた事なんぞ無えよ」
「俺は確かにリシェンヌから聞いたんだ! この薬は副作用無しで5分間、全ての能力が3倍になると!!」

 喚くユアンを哀れむように、しかし顔には笑みをたたえてジンは首を振り、

「必死なところ悪いが、あいにくこの薬の効果は能力が3倍になるのは3分間・・・、しかもその後は副作用として今のお前のように、首から下の身体機能は著しく低下するんだよ……どうしてそんな嘘を付いたのやら」

 ユアンの側にしゃがみ、彼にだけ聞き取れるよう囁くジンの顔には、悪意と言う名の笑みが張り付いている。そしてそれを見たユアンは、

「嘘だ、リシェンヌが、彼女が俺に嘘を教えるはずが無い!!」
「本当にそう言いきれるのか? 他の男と寝て来いなんて命令するような男を、心の底から信頼してるなんて本気で思うのか?」
「──!! てめえ、何でそれを?」
「さて、誰に聞いたんだったかな……」

 むろん知り合いの密偵経由なのだが、ジンはそれを口には出さずに意味ありげにリーゼ達が集まっている場所に視線を送る。
 ユアンは視線の先に、ほぼ決まりかけた決闘の行く末を心配そうに見つめるリーゼやリシェンヌの顔、憎々しげにジンを睨み付けるモーラとマーニーの姿を見つけて悔しそうに顔をゆがめ、

「彼女達が……俺を裏切る訳が無い」

 弱々しく呟く。

「ん……ああそうだな……そうだといいな。超人剤の効果と副作用を誰一人お前に教えなかった理由は俺にはわからんが、まあ、お前がそれで幸せなら構わんさ」

 ギリッ──!!

 ユアンの歯軋りを聞きながら余裕の笑みを浮かべるジンだったが、彼自身、戦闘中その胸中は穏やかではなかった。
 ユアンのパーティで鑑定スキルを持っているのがモーラとマーニーだけなのは、ファーストコンタクトの時に判っていた。だからジンは今回の罠を仕掛けた。
 都合よく鑑定持ちの2人がリタイアした為、そしてリシェンヌが使い魔でこちらの動向を覗き見していた為、キマイラ戦で超人剤を使ったように見せかけて・・・・・誤情報を流しておいた。
 案の定ユアン達は、低レベルであろうジンからの決闘の申し出の裏を読み、超人剤という答えに行き着き、それを逆手に取ろうと動いてくれた。
 ここでジンの誤算が生まれた。
 まさか精神的にボロボロの状態であるはずのモーラとマーニーが、ジン憎さだけで早々に活動が出来るまでに回復するとは、流石にジンも予想外であった。
 だからマーニーがその姿を見せた時、その手に超人剤が握られていた時に、こちらの嘘と、仕掛けた罠が不発に終わったと焦った。

 ──しかし、向こうもそれを補うほどの致命的ミスを犯してくれていた。
 超人剤をルディから掠め取った時、その効果をモーラかマーニーに詳しく鑑定してもらっていればジンの罠を看破出来たはずだったが、実際に効果を見た、見たと思い込まされていたリシェンヌのおかげで、ユアンも彼女達から改めて秘薬の効果を聞こうとはしなかった。
 ジンは、ユアンの口から「5分間」という単語が出たことで、失敗したと思っていた作戦が未だ実行可能だと思い、ユアンの嗜虐心を煽るようにあえて情けない芝居を行い、後は──という次第だった。

(今回は完全にミスった……まあ、ほうれんそう・・・・・・は大事だって事だな、ウン)

 とはいえ、それを利用して逆に精神的にユアンを追い詰める辺り、ジンのあくどさに隙は無かったが……。
 ジンは立ち上がると、

「勝負はまだ付いてない、誰も近付くなよ!」

 大声でそう告げ、自分は観衆の中からユアンの魔剣を拾って戻ってくる。

 ピト──

「そういえば、決着はどちらかが死ぬまで、だったか?」
「…………」

 ジンの言いたいことはユアンにも分かる。勝利条件はどちらかの死亡、もしくは両者の合意が得られた場合のみ、命以外の何かを差し出すことで、死を回避する事ができる。
 ユアンとて命は惜しい、しかし、ジンに向かって命乞いをする事だけは、己のプライドが許さない。
 自分を睨み返してくる力強い眼光に、ジンはしかし、

「威勢のよい目だが……己の運命を受け入れた覚悟の眼差しでもなければ不屈の意思の表れでも無い。現状を受け入れる事を拒否する甘ったれの目だ、ソイツは」

 ジンは小瓶を取り出すと、ユアンの顔の前でそれをひっくり返す。

「──んぶっ! てめえ、何のマネだ、これは!?」
「なに、痛み止めみたいなもんさ、少し身体の感覚が鈍るが今さらだから気にするな。何より……お前の悲鳴はみっともなくて聞くに堪えん」
「なん──ああああああ!!」

 ザシュ──!!

 周囲が見守る中、ジンはユアンの右腕を肘から切り落とす。

「痛みはそれほど感じないだろうに大げさなヤツだな、我慢しろよ「辺境の勇者」サマ」

 ジンは続けて左腕を、そして両足とも膝から下を切り落とし、切り離された手足を魔剣で串刺しにすると、興味を失ったかのようにポイと捨てた。
 一連の行為に眉1つ動かさないジンの姿に、観衆も声を出すのを忘れ、生唾を飲み込む音が聞こえるほどの静寂が周囲を包む。
 そして──

「さて、後は失血死を待つだけだな、命乞いなら早めに頼むぜ?」

 ジンが改めてユアンの顔を見ると、そこには傲慢さが消え、今更ながらに確実にやって来るであろう死に怯える、今にも泣き出しそうな子供の顔があった。

(加護を過信していびつに育った成れの果てか……笑えねえな)

 一歩間違えば自分がそうなっていたかもしれない男の姿に、ジンは初めて厳しい表情を向ける。

「…………………………」

 この期に及んで命乞いを拒むユアンの姿に、感心ではなく呆れを覚えたジンは、決闘場の外にいるリーゼ達に声をかける。

「ユアンはこのまま死を選ぶそうだが、おまえ等もそれでいいか?」
「やめて!! 殺さないで!!」
「アンタが望むなら何でもするから! 欲しい物は何でもあげるから! だから!!」
「ユアン──!!」
「ジン、お願い……」

 4人の悲痛な叫びが聞こえる中、ジンは再度しゃがみこむと、

「とまあ、お連れの皆さんは言ってるが、お前さんが何も言わないんなら向こうと交渉するぜ?」
「リーゼ……彼女達には手を出すな」
「そんなもん、お願いされてもいらんよ……」

 ジンはリオンを呼びつけ、ユアンの様子と誰も側に近づけないように頼むと、4人たちがいる場所に向かう。
 そして、野次馬が見守る中、ジンと4人の交渉が始まる。

「お願い! 何でもいいからユアンを早く助けて!!」
「そう思うならさっさと俺の要求をのむように。俺の提示する条件は2つ、1つ目は今後俺と俺の周りの連中に近寄らない事、2つ目は大金貨400枚、もしくはそれ相当の何かを差し出すこと……言っておきますが、ユアンの意向で俺はあんた達には手を出すなといわれてるんで、そっち・・・での支払いはナシですよ?」

 大金貨400枚、一人当たり大金貨100枚をユアンに出せるか──ジンの条件に4人はみな厳しい表情を浮かべる。
 全員がAないしBランク冒険者相当、ユアンに至ってはランク指定外級の腕前、その程度の蓄えが無いはずが無い。しかし、冒険者や探索者がそんな大金をフラフラと持ち歩くはずが無い。普段はちゃんと信用の置けるところに預けたりしている。
 その上で普段使いとして持ち歩く金額として各人、そのくらいは持っていても不思議では無いのだが、ジンは、ユアン達が小遣い稼ぎに自分達の勝利にありったけの金額をかけているのを、探索者ギルドのマスターに聞いて知っている。
 完全に嫌がらせの域だった。

「ユアンより金、まあそれが現実か……」
「ちがう!! 今は持ち合わせがないだけで、暫く待ってくれれば必ず払うから!!」
「あいにくと、口約束、ましてや揉め事を起こした相手との約束事なんか、いくら正規の手続きを踏もうが御免でしてね」
「じゃあどうしろっていうのさ!?」
「それを考えるのはそっちですよ? 俺は条件を提示しました。飲むも拒むもあなた方次第です。が、まあ決断はお早めに、出来ればユアンが存命中が望ましいかと」

 肩をすくめるとジンは、そう答えるとそれ以降口を閉ざす。
 4人はそれぞれ、周りの連中に金を借りようと必死に頭を下げるが、周りの連中はその大半がユアンの価値に賭けた連中で、金をスッた上、更に金を貸せという彼女達に嫌悪を表情を見せる。なにせモーラはマーニーなどは普段から態度があまりよろしい方ではなく、そのお仲間の2人も、いくら丁寧に言葉を紡ごうと「所詮はアイツらの仲間」と思われて、借金の申し出をにべも無く断られる。
 たまに、金に余裕のありそうな男が彼女達の腰に手を回しながら借金の相談に乗ろうとするが、金額は小額の上、見返りを求めているのがあからさま過ぎて合意には至らない、ただ尻を撫でられるだけという惨めな結果に終わっている。

「……あと何分もつかなぁ」

 ジンがぼそりと呟くと、4人は青ざめてその場に立ち尽くす。リーゼなどはその場にへたり込んでしまう。
 そして、意を決したのかリシェンヌが、ジンの前に歩み寄り交渉を持ちかける。

「ねえ、大金貨400枚に匹敵する価値のある物を差し出せば、ユアンを助けてくれるのよね?」
「ええもちろん……しかし、そんな物ホイホイと存在しますかね?」
「……あるわ」
「リシェンヌ、まさかアンタ!?」
「仕方ないでしょう! ユアンを助けるにはもうそれしか無いの!! それに時間も無い、他に方法を思い付かないのなら黙ってて!!」

 3人を黙らせたリシェンヌは、ユアンが大切に持っている、古代迷宮で手に入れた秘宝を差し出すとジンにもち掛ける。ジンは顎に手を当てながら、

「古代迷宮の秘宝ねえ……まあいいでしょう、それで手を打ちましょうか」
「ありがとう、だけどこちらからも1つだけ条件を言わせて。切断したユアンの手足、あれを完全に治すためには上級の体力回復薬が何本も必要になるわ。だから、その分の代金を貰えないかしら、古代迷宮の秘宝は大金貨400枚よりは遥かに価値が高いはずよ?」

 確かに厚かましいお願いだが、確かにあの状態のユアンなど蚊ほどの役にも立ちはしない。急いで治療に必要な物を揃えなければ、仮にここで命が助かっても恨みを持つ誰かに寝首をかかれない、現に、この周りだけでもユアンのせいで文無しになったヤツが何人もいた。
 ジンはもったいぶる様に頷き、

「本来なら貴女が条件を提示できる立場じゃないんですが……まあいいでしょう、金は出しませんがその代わり、あの手足を生やす秘薬を飲ませてあげますよ」
「!! そんな薬が!?」
「なに、超人剤と一緒にとっておきの薬をいくつか持ってきてるんでね。っと、そうそう、くすねた超人剤は返してもらいましょうか、マーニーさん?」
「チッ」

 ヒュ──

 パシッ

「はい、確かに。それじゃ交渉成立という事で、4人ともそこで待ってるように。ああそれと、さっきのリシェンヌさんの条件を飲む代わりに俺の条件も1つ付け加えさせていただきますよ。なに、簡単な事なのでご心配なく」

 ジンは軽い足取りでユアンの元に戻る。

「ほいただいま」
「交渉は済んだので?」
「ああ、いやぁさすがは辺境の勇者、仲間から慕われてるねえ」

 楽しげに告げるジンにリオンは呆れ、その場を後にしルディ達の元に歩いてゆく。
 しゃがんだジンは、改めてユアンに話しかける。

「商談成立だ。お前さんの大切なお宝と交換で殺さないでやるよ。おまけに手足も元に戻してやる、大サービスってヤツだな」
「大切な……モノ?」
「ああ……コイツだよ」

 ベリリッ!!

 ジンはユアンの胸甲をムリヤリ剥ぎ取ると、インナーにわざわざ取り付けた胸ポケットから1本の木片を取り出す。

「おお、これこれ♪」
「テメエ、ソイツは──んんっ!!」

 ユアンが何かを言いかけるとジンはそれを遮るように薬瓶を2本取り出し、無理矢理口に流し込む。

 シュオオオ────

『おお!?』

 周囲がどよめく中、ユアンの肘と膝の先が光を放つと、まるで定点カメラを早回しして植物の成長を見るように、ユアンの手足が見る間に生えてくる。
 そして魔力を帯びた光が消えると、そこには5体満足なユアンの身体が横たわっていた。
 周囲の視線を一身に浴びる中、ジンはユアンに向かって意地悪な笑みを浮かべ、

「さて、と……計画通り・・・・、おっと失言」
「なん……だと?」

 ここに来てのジンの言葉に、ユアンは驚愕に目を見開く。

「おいジン! どういう事だ!?」
「どういう事も何も、言葉通りの意味だが? ああ、気になるのはそこじゃないか……一体誰が裏切ったのか、聞きたいのはそれかな?」

 古代迷宮の秘宝を、ユアンの目の前でこれ見よがしに振りながらジンは、不穏な発言を繰り返す。

「やだなあ、彼女達が裏切りなんかする訳無いだろ? まあ、なんで超人剤について嘘の効果をユアンに教えたのか、鑑定持ちがいるはずなのにおかしな話だが……そもそも俺とお前が決闘する羽目になったのは何が原因か、そして誰が仲間の足並みを乱したのか……おっと、憶測で物を言ったらダメだよな」

 ニヤニヤと笑うジンは、その場で適当にでっち上げた嘘をツラツラと並べると、仲間への疑念と信じたい気持ちの狭間で揺れるユアンをよそに立ち上がり、

「決着はついた! 決闘は「ガイアの咆哮」所属のジンの勝利だ!!」

 そう宣言する。

 オオオオオーーーー!!

 ジンの言葉を受け大きな歓声が起きるその影で、

「クソオオオオオ!! 明日からどうすりゃいいんだよおおお!?」
「一文無し……ハハ、ハハハ……」

 そんな声が聞こえてくる、さらには、

「よっしゃあああああああああ!! 大穴キターーー!!」
「ジン、俺は信じてたぜぇ!!」

 数少ない、ジンに賭けた連中の喜びの声が聞こえた。
 決闘が集結した事で、リーゼ達4人はユアンの元に駆け寄ろうとする。
 しかしジンはそれを制し、

「リシェンヌさん、貴女の要望どおりユアンの手足は復活させましたが、今度は俺の条件を飲んでもらいますよ」
「……何が望みなの?」

 怪訝な顔をするリシェンヌにジンは済ました顔で、

「今日一日、4人ともユアンの10メートル以内に近付かないようお願いします。ああ、日付が変われば一緒にいても構いませんよ」
「それだけ?」
「ええ」
「ジン~、持って来たよ」

 彼女達の後ろから声が聞こえると、何かを抱えたルディがジンに近付く。

「ああ若さん、ありがとよ」

 ルディから何か──立て看板を受け取ったジンは、ユアンの側にそれを立てる。
 そこには、

『敗者の姿をここに晒す。見物は自由だが危害を加えることは禁ず。破った場合、ユアン本人、もしくは仲間からの報復を受けることになるだろう。ちなみに──』

「そんじゃそろそろ逃げましょうかね、ほれ若さんも」
「あ、そろそろ?」
「そうですよ。ほら、あなた達も早く10メートル以上離れてください」
「あの、ジン……この最後の言葉は……?」

 戸惑うリーゼの視線の先には立て看板の最後の一文、

『──ちなみに、ここは危険地帯と化す』

 ジンはその問いに答える事無くその場を後にする。その後──

「……ん?」
「なんだ、この匂い……うわっ、ク、クセエ!!」
「ギャアアアアアア!! ユアン、この野郎クソ漏らしてやがる、しかもとんでもなく臭え!!」
「逃げろーーーー!!」

 野次馬の悲鳴を背中に受けながら、

「ねえジン、何したの?」
「ああ、痛みで苦しむユアンちゃんに痛み止めを飲ませた時、一緒にまあ、色々と」
「ジン……イタズラが過ぎませんか?」
「失礼な、アレ・・なら誰も近寄れないだろ、身の安全を保障する完璧な作戦だ! ……まあ、通りを利用する商人には気の毒な事をした」

 真面目な顔でウンウンと頷くジンに、

 ゴン──!!

 リオンの拳骨が勢いよく落ちた──。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた

杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。 なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。 婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。 勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。 「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」 その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺! ◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。 婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。 ◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。 ◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。 ◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます! 10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話

島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。 俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。

幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話

妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』 『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』 『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』  大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました

taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件 『穢らわしい娼婦の子供』 『ロクに魔法も使えない出来損ない』 『皇帝になれない無能皇子』 皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。 だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。 毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき…… 『なんだあの威力の魔法は…?』 『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』 『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』 『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』 そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。