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第三章 緑と黒――そして集まる五人
第85話 目覚めたノアと教団の名前
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目を覚ましたノアはようやくロープをほどかれ、今は落ち着いた様子で木の幹に背を預けている。
その表情は、先ほどまでとは打って変わって、いつもの明るいノアのものであったし、千紘たちのこともきちんと認識できていた。
ゆったりと木漏れ日を浴びているノアに、秋斗が心配そうに声を掛ける。
「体調とかは大丈夫か?」
「香に殴られた頭がまだ少し痛いくらいかな……」
訊かれたノアは、これまで薄く閉じていた瞳を開けると、頭を軽く押さえながら苦笑した。
「ノア、俺たちのことちゃんとわかるか? 誰かに殴られたせいで忘れてたりはしないよな?」
ノアの正面であぐらをかいた千紘が、傍にいる香介にわざとらしく視線を投げる。
香介のしたことはさすがに殺人未遂ではないだろうが、傷害罪や暴行罪にあたる可能性は大いにある。
千紘はノアが目覚めた今も、そのようなことを思っていた。
当然、今ここで日本の法で裁くことはできないし、裁くつもりもないのだが。
「そ、そんなはずないじゃない! ね、ノアちゃん!」
千紘に睨むような眼差しを向けられた香介は、途端に両手を振りながら慌て出した。
そんな香介を見たノアは、先ほどの苦笑とは違い、今度は心底可笑しそうに笑みを零す。
「それは大丈夫だよ。ちゃんとみんなのことはわかってる」
「ほら、ノアちゃんだって言ってるじゃない!」
ノアの穏やかで優しい言葉に、香介は胸に手を当てると、大きく安堵の息を漏らした。
そこで秋斗が改めて口を開く。
「じゃあ、ノアにはこれまでのことを簡単に説明しておくな」
「ああ、わかった」
ノアは秋斗に顔を向けると、しっかりと頷いたのだった。
※※※
地球でノアが香介と一緒に階段から落ちた際に、この世界――アンシュタートに召喚されたまではいいが、香介とはぐれてしまっていたこと。
その後、ノアの捜索のために千紘たちが召喚されたこと。
香介とリリアの話から、最近できた怪しい教団とノアに何か関係があるのかもしれないと、千紘たちが教団の本拠地であるヴェール城まで調べに来たこと。
そして、ノアがその教団でなぜか教祖になっていて、さらには千紘たちのことをすっかり忘れていたこと。
それらをかいつまんでノアに説明すると、
「迷惑を掛けて本当にすまない……」
ノアは今にも消え入りそうな声で謝罪の言葉を紡ぎ、深々とうなだれた。
その直後、千紘たち四人はノアの話を簡単に聞いたのだが、手っ取り早く言うと「よくわからない」、この一言に尽きるものだった。
「つまり、ノアの中では地球で階段から落ちた後、さっき目が覚めるまでの記憶がないってことか」
「ああ、綺麗さっぱりそこだけ抜け落ちてるんだ」
腕を組んだ千紘が納得したように頷くと、ノアはまたも申し訳なさそうに首を垂れる。
「じゃあ、何で教祖をやってたのかもわからないってことよね?」
「今みんなの話で初めて知ったからね。何でそんなことになってたんだろう……」
香介の言葉を肯定したノアが大きく頷き、次には不思議そうに首を捻る。
「まあ、教団側には何かしらの理由があるんだろうけどな。でもどうやって教祖に仕立て上げたんだ?」
千紘にもノアを教祖にした方法まではわからない。
ただ、教団側にノアを選んだ理由やメリット、教祖にした方法があるのだろうということしか思いつかなかった。
しかし、秋斗はあっさりと言ってのける。
「きっと洗脳とか、記憶操作とかそういうのじゃないかな。そればかりは自分じゃどうにもできないから仕方ないよ」
そう分析してノアを励ましながら、さらに続けた。
「グリーンはドラマの中でも一度、闇堕ちしかけてるからな。もしかしたらだけど、そういう設定がノアに引き継がれてて、洗脳とかしやすかったんじゃないかな?」
「ああ、そういえばそうだったな。それなら納得できなくもないか」
「さすが秋斗ちゃんね」
秋斗の説明に、千紘たちが揃って感心する。
そこで、千紘がふと口を開いた。
「ところで、さっきから気になってたんだけど、ノアのそれ」
ノアの右手首には、赤い石でできた豪奢なブレスレットがついている。
それを指差すと、全員が千紘の指に導かれるように視線を落とした。
「あれ、何だろう? こんなの知らないけど」
ノアが首を傾げながら、ブレスレットのついた腕を持ち上げる。
「ノアはアクセサリーとかほとんどつけないもんな」
千紘は普段のノアの姿を思い返した。
アクセサリーをまったくつけないわけではないが、基本的にはつけていないことの方が多い。本人曰く「シンプルがいい」のだそうだ。
なので、仕事以外でつけるとしても、装飾のないシンプルなものがほとんどである。
もちろん、先ほど地球で別れた時もアクセサリーは何一つつけていなかった。
秋斗は顎に手を当て、ブレスレットを覗き込むようにして眺めている。
「うーん、何となくミロワールの欠片から伝わってくるような魔力を感じるんだけど、りっちゃんはどう思う?」
「はい、僕も感じます」
秋斗が訊くと、律も真面目な表情でしっかりと頷いた。
「あ、もしかしてこれがあったから、詠唱なしで魔法を使えてたのかもしれないよな」
千紘がすぐに思い当たって膝を打つと、
「なるほどねぇ」
秋斗と同じようにブレスレットを見つめていた香介が顔を上げる。
「確かにそうかも。つまり、おれとりっちゃんが持ってるミロワールの欠片みたいなものか。でも詠唱なしで使えるのはすごいよ!」
「そうなのか。じゃあこれは外さない方がいいかな」
秋斗の褒め言葉に、ノアは嬉しそうに目を細めた。
そんな二人の様子を微笑ましげに見やった千紘が、「そろそろだな」と本題を切り出す。
「この後はどうする?」
「んー、そうだなぁ」
千紘の言葉を受け、秋斗は宙を睨んだ。
ノアを救い出すことには成功しているのだから、このまま地球に帰ってもいいところではある。
だが、色々と謎の多い教団のことを考えると、やはり後味の悪さのようなものが胸の中に残るのも事実だ。
千紘はどうしたものか、と考える。おそらく秋斗も同じようなことを考えているのだろう。
その時、律が何かを思い出したようにぽつりと呟いた。
「……そういえば」
すぐに反応した秋斗が、律の顔を覗き込む。
「りっちゃん、どうした?」
「えっと、さっき信者の人たちが『ベテルギウス教団』がどうのとかって話してたのを聞いたんですけど」
この教団の名前ですかね、と律はそう続けた。
次の瞬間、全員が互いに顔を見合わせる。
ややあって、
「……何かもう嫌な予感しかしねーわ」
眉を寄せた千紘は、うんざりしたように大きな溜息をついた。
その表情は、先ほどまでとは打って変わって、いつもの明るいノアのものであったし、千紘たちのこともきちんと認識できていた。
ゆったりと木漏れ日を浴びているノアに、秋斗が心配そうに声を掛ける。
「体調とかは大丈夫か?」
「香に殴られた頭がまだ少し痛いくらいかな……」
訊かれたノアは、これまで薄く閉じていた瞳を開けると、頭を軽く押さえながら苦笑した。
「ノア、俺たちのことちゃんとわかるか? 誰かに殴られたせいで忘れてたりはしないよな?」
ノアの正面であぐらをかいた千紘が、傍にいる香介にわざとらしく視線を投げる。
香介のしたことはさすがに殺人未遂ではないだろうが、傷害罪や暴行罪にあたる可能性は大いにある。
千紘はノアが目覚めた今も、そのようなことを思っていた。
当然、今ここで日本の法で裁くことはできないし、裁くつもりもないのだが。
「そ、そんなはずないじゃない! ね、ノアちゃん!」
千紘に睨むような眼差しを向けられた香介は、途端に両手を振りながら慌て出した。
そんな香介を見たノアは、先ほどの苦笑とは違い、今度は心底可笑しそうに笑みを零す。
「それは大丈夫だよ。ちゃんとみんなのことはわかってる」
「ほら、ノアちゃんだって言ってるじゃない!」
ノアの穏やかで優しい言葉に、香介は胸に手を当てると、大きく安堵の息を漏らした。
そこで秋斗が改めて口を開く。
「じゃあ、ノアにはこれまでのことを簡単に説明しておくな」
「ああ、わかった」
ノアは秋斗に顔を向けると、しっかりと頷いたのだった。
※※※
地球でノアが香介と一緒に階段から落ちた際に、この世界――アンシュタートに召喚されたまではいいが、香介とはぐれてしまっていたこと。
その後、ノアの捜索のために千紘たちが召喚されたこと。
香介とリリアの話から、最近できた怪しい教団とノアに何か関係があるのかもしれないと、千紘たちが教団の本拠地であるヴェール城まで調べに来たこと。
そして、ノアがその教団でなぜか教祖になっていて、さらには千紘たちのことをすっかり忘れていたこと。
それらをかいつまんでノアに説明すると、
「迷惑を掛けて本当にすまない……」
ノアは今にも消え入りそうな声で謝罪の言葉を紡ぎ、深々とうなだれた。
その直後、千紘たち四人はノアの話を簡単に聞いたのだが、手っ取り早く言うと「よくわからない」、この一言に尽きるものだった。
「つまり、ノアの中では地球で階段から落ちた後、さっき目が覚めるまでの記憶がないってことか」
「ああ、綺麗さっぱりそこだけ抜け落ちてるんだ」
腕を組んだ千紘が納得したように頷くと、ノアはまたも申し訳なさそうに首を垂れる。
「じゃあ、何で教祖をやってたのかもわからないってことよね?」
「今みんなの話で初めて知ったからね。何でそんなことになってたんだろう……」
香介の言葉を肯定したノアが大きく頷き、次には不思議そうに首を捻る。
「まあ、教団側には何かしらの理由があるんだろうけどな。でもどうやって教祖に仕立て上げたんだ?」
千紘にもノアを教祖にした方法まではわからない。
ただ、教団側にノアを選んだ理由やメリット、教祖にした方法があるのだろうということしか思いつかなかった。
しかし、秋斗はあっさりと言ってのける。
「きっと洗脳とか、記憶操作とかそういうのじゃないかな。そればかりは自分じゃどうにもできないから仕方ないよ」
そう分析してノアを励ましながら、さらに続けた。
「グリーンはドラマの中でも一度、闇堕ちしかけてるからな。もしかしたらだけど、そういう設定がノアに引き継がれてて、洗脳とかしやすかったんじゃないかな?」
「ああ、そういえばそうだったな。それなら納得できなくもないか」
「さすが秋斗ちゃんね」
秋斗の説明に、千紘たちが揃って感心する。
そこで、千紘がふと口を開いた。
「ところで、さっきから気になってたんだけど、ノアのそれ」
ノアの右手首には、赤い石でできた豪奢なブレスレットがついている。
それを指差すと、全員が千紘の指に導かれるように視線を落とした。
「あれ、何だろう? こんなの知らないけど」
ノアが首を傾げながら、ブレスレットのついた腕を持ち上げる。
「ノアはアクセサリーとかほとんどつけないもんな」
千紘は普段のノアの姿を思い返した。
アクセサリーをまったくつけないわけではないが、基本的にはつけていないことの方が多い。本人曰く「シンプルがいい」のだそうだ。
なので、仕事以外でつけるとしても、装飾のないシンプルなものがほとんどである。
もちろん、先ほど地球で別れた時もアクセサリーは何一つつけていなかった。
秋斗は顎に手を当て、ブレスレットを覗き込むようにして眺めている。
「うーん、何となくミロワールの欠片から伝わってくるような魔力を感じるんだけど、りっちゃんはどう思う?」
「はい、僕も感じます」
秋斗が訊くと、律も真面目な表情でしっかりと頷いた。
「あ、もしかしてこれがあったから、詠唱なしで魔法を使えてたのかもしれないよな」
千紘がすぐに思い当たって膝を打つと、
「なるほどねぇ」
秋斗と同じようにブレスレットを見つめていた香介が顔を上げる。
「確かにそうかも。つまり、おれとりっちゃんが持ってるミロワールの欠片みたいなものか。でも詠唱なしで使えるのはすごいよ!」
「そうなのか。じゃあこれは外さない方がいいかな」
秋斗の褒め言葉に、ノアは嬉しそうに目を細めた。
そんな二人の様子を微笑ましげに見やった千紘が、「そろそろだな」と本題を切り出す。
「この後はどうする?」
「んー、そうだなぁ」
千紘の言葉を受け、秋斗は宙を睨んだ。
ノアを救い出すことには成功しているのだから、このまま地球に帰ってもいいところではある。
だが、色々と謎の多い教団のことを考えると、やはり後味の悪さのようなものが胸の中に残るのも事実だ。
千紘はどうしたものか、と考える。おそらく秋斗も同じようなことを考えているのだろう。
その時、律が何かを思い出したようにぽつりと呟いた。
「……そういえば」
すぐに反応した秋斗が、律の顔を覗き込む。
「りっちゃん、どうした?」
「えっと、さっき信者の人たちが『ベテルギウス教団』がどうのとかって話してたのを聞いたんですけど」
この教団の名前ですかね、と律はそう続けた。
次の瞬間、全員が互いに顔を見合わせる。
ややあって、
「……何かもう嫌な予感しかしねーわ」
眉を寄せた千紘は、うんざりしたように大きな溜息をついた。
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