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第13話 希望(1)
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礫を飲み込んだアークスは熱くなっていく自身の体を抑えることが出来なかった。
「大量生産品の弾丸……こんなもので……」
「あの、どうされたのです?」
飲み込んだ螺旋礫。
自分でも意味不明な行動と、自然と口にした意味不明な言葉、そして……
――お前の辞書に不可能の文字はない!
「ッ!?」
頭の中に流れてくる意味不明な言葉。
馴れ馴れしく、だけれどどこか近しい感じがする謎の声。
だが、それでもそれが何かを思い出せない。
思い出せない……が……
「やってやる……俺は……俺は、何でも出来るんだよぉぉぉぉお!!!!」
胸の奥底からこみあげてくる熱だけはもう止まらず、俯いてばかりだったアークスが顔を上げて、咆哮と共に立ち上がった。
「え?」
「おい、あの猿坊主、何を?」
「何やってる、無暗に立ち上がるな! 死にたいのか!」
「あの、小僧が……」
突然のアークスの咆哮に、驚くよりも「危ない」という声が世界連合軍の兵たちからは漏れる。
だが、アークスは意に介さず、ただこの森の中に現れたキカイたちを見渡して、口元に笑みを浮かべる。
「こんな大量生産のちっちゃい螺旋なんかをバラ撒いて……お前たちに……本当のぉぉぉ!!!!」
アークスには何も分からない。
それでも頭の中にイメージが思い浮かぶ。自分のやるべきことが何故か分かる。
目の前の敵を殲滅すること。
だから、分からないことを考えるのはやめ、やるべきことをやるだけと、アークスは右手を上げながらキカイたちに吼えた。
「ちょ、危ないです!」
「ば、何を!?」
走り出したアークスは止まらない。そして、右手に力を込める。
すると次の瞬間、鋼の左腕が熱く発光し、その光と共に左手が「変形」していく。
まるでキカイたちと同じように……
「螺旋をォォォ……ドリルをォォォ、教えてやらァァァ!!」
「「「「「ッッッ!!!???」」」」」
そのとき、世界連合軍はたしかに見た。
クローナが連れてきた謎の少年。
この場に居る誰よりも雄々しく、熱く、そして激しく躍動する。
「どうなっておる……」
「あれは一体何なのです?」
アークスの変形した左手が、先端の尖った鉄のようなモノになる。
魔王の娘である姫姉妹のトワイライトとクローナもソレが何なのかは分からなかった。
やがてソレはアークスの咆哮に呼応するかのように、竜巻のように高速で強烈に回転する。
「アレは一体……いえ……あなたは一体……」
目の前の出来事に困惑するクローナ。
だが、それだけではなく、アークスを見ているだけで、その咆哮を聞いただけで全身が熱くなった。
「あなたは、一体何をするおつもりなのですか?」
分からない。危ない。そう思いつつも、胸の高鳴りにクローナは嘘を付けなかった。
目の前の男はこの後、一体何をするのかと。
期待が抑えきれない。
「脅威確認」
「警戒レベルノ引キ上ゲ」
同時に、散らばっていたキカイたちが一斉にその視線をアークスに向けた。
さらに、世界連合軍たちはその言葉に耳を疑った。
「なっ、い、いま……」
「キカイたちが……これまで……『デリート』とか『掃射』とかしか言わなかったキカイが……」
「初めて……違う言葉を……」
それは、これまでキカイたちに抵抗してきた世界連合軍の兵たちからすれば、世界初となる出来事であった。
意思疎通も会話も不可能で、同じ言葉しか発していなかったキカイたちが、今まさに新たな言葉を発したのだ。
そしてその内容は、目の前のアークスを警戒するという意味を込められた言葉だった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!! 俺に……壊せないものなんてのはねぇぇぇんだよぉぉ!! 俺の辞書に不可能の文字はない!」
アークスが変形させた右腕「ドリル」と共に駆け出した。
「大量生産品の弾丸……こんなもので……」
「あの、どうされたのです?」
飲み込んだ螺旋礫。
自分でも意味不明な行動と、自然と口にした意味不明な言葉、そして……
――お前の辞書に不可能の文字はない!
「ッ!?」
頭の中に流れてくる意味不明な言葉。
馴れ馴れしく、だけれどどこか近しい感じがする謎の声。
だが、それでもそれが何かを思い出せない。
思い出せない……が……
「やってやる……俺は……俺は、何でも出来るんだよぉぉぉぉお!!!!」
胸の奥底からこみあげてくる熱だけはもう止まらず、俯いてばかりだったアークスが顔を上げて、咆哮と共に立ち上がった。
「え?」
「おい、あの猿坊主、何を?」
「何やってる、無暗に立ち上がるな! 死にたいのか!」
「あの、小僧が……」
突然のアークスの咆哮に、驚くよりも「危ない」という声が世界連合軍の兵たちからは漏れる。
だが、アークスは意に介さず、ただこの森の中に現れたキカイたちを見渡して、口元に笑みを浮かべる。
「こんな大量生産のちっちゃい螺旋なんかをバラ撒いて……お前たちに……本当のぉぉぉ!!!!」
アークスには何も分からない。
それでも頭の中にイメージが思い浮かぶ。自分のやるべきことが何故か分かる。
目の前の敵を殲滅すること。
だから、分からないことを考えるのはやめ、やるべきことをやるだけと、アークスは右手を上げながらキカイたちに吼えた。
「ちょ、危ないです!」
「ば、何を!?」
走り出したアークスは止まらない。そして、右手に力を込める。
すると次の瞬間、鋼の左腕が熱く発光し、その光と共に左手が「変形」していく。
まるでキカイたちと同じように……
「螺旋をォォォ……ドリルをォォォ、教えてやらァァァ!!」
「「「「「ッッッ!!!???」」」」」
そのとき、世界連合軍はたしかに見た。
クローナが連れてきた謎の少年。
この場に居る誰よりも雄々しく、熱く、そして激しく躍動する。
「どうなっておる……」
「あれは一体何なのです?」
アークスの変形した左手が、先端の尖った鉄のようなモノになる。
魔王の娘である姫姉妹のトワイライトとクローナもソレが何なのかは分からなかった。
やがてソレはアークスの咆哮に呼応するかのように、竜巻のように高速で強烈に回転する。
「アレは一体……いえ……あなたは一体……」
目の前の出来事に困惑するクローナ。
だが、それだけではなく、アークスを見ているだけで、その咆哮を聞いただけで全身が熱くなった。
「あなたは、一体何をするおつもりなのですか?」
分からない。危ない。そう思いつつも、胸の高鳴りにクローナは嘘を付けなかった。
目の前の男はこの後、一体何をするのかと。
期待が抑えきれない。
「脅威確認」
「警戒レベルノ引キ上ゲ」
同時に、散らばっていたキカイたちが一斉にその視線をアークスに向けた。
さらに、世界連合軍たちはその言葉に耳を疑った。
「なっ、い、いま……」
「キカイたちが……これまで……『デリート』とか『掃射』とかしか言わなかったキカイが……」
「初めて……違う言葉を……」
それは、これまでキカイたちに抵抗してきた世界連合軍の兵たちからすれば、世界初となる出来事であった。
意思疎通も会話も不可能で、同じ言葉しか発していなかったキカイたちが、今まさに新たな言葉を発したのだ。
そしてその内容は、目の前のアークスを警戒するという意味を込められた言葉だった。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!! 俺に……壊せないものなんてのはねぇぇぇんだよぉぉ!! 俺の辞書に不可能の文字はない!」
アークスが変形させた右腕「ドリル」と共に駆け出した。
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