6 / 22
第六話 神が与えし星の力
しおりを挟む
「な、なにを……き、君は一体……」
「俺は、ただの田舎者だ」
いますよね……どこの世界にも。
『けっ、な~にがただの田舎者だ。おったな~、他の世界でも、『俺はただの村人だ~』、『俺はただの一般人だ~』、『俺は田舎の魔法学校に追放されたただの教師だ~』とか、無駄に謙遜しながら俺tueee無双するやつら。あ~やだやだ。んで、怒ったら『黙れ!』とか言って、ドンとどこかを踏んだり叩いたりするのであろう?』
僕と同じことを思ったようで、御主神さまが愚痴を言われます。
「ど、どこが、ただの……だ! ぐっ、ま、まさかその力を僕に使う気じゃ……あ、頭を下げて謝るなら、ゆ、許してあげても……そ、そうだ、何だったら君に女の子を紹介してあげよう! ね? だから……」
「黙れ!」
「ひぃ!?」
はい。「黙れ」を頂きました。「ドン」と地面の踏みつけも頂きました。
怒りで踏みつけた足元の地面に大きな亀裂が走り、貴族の彼は鼻水垂らして腰を抜かしてしまいました。
これにより、また彼のチートが発動してパワーアップです。
そんな中で僕は……
『とにかく彼を調べます。サーチ! ……あ……』
御主神さまの言葉に従い、僕は貴族の彼を調査してみます。
『どうだ?』
そして流れてきます。彼の全て。彼のこれまでの人生……
『は、はい。彼の家系は代々信仰心が強く、彼自身も物心ついた頃から休日には教会で御祈りしたり、朝、昼、夜の食事前には必ずお祈りをしていますね……』
『なるほど。つまり、愚か者ではあるが……』
『はい。『神様ポイント』がそれなりに溜まっています』
神々に祈りを捧げ続けた人たちには少しずつポイントが加算され、その声がたまに神々に届くことがあります。
もちろん、その声を拾うかどうかは神々の気まぐれです。
『十数年分の神様ポイントかぁ~……大したことないとはいえ……ふむ……』
しかし、ポイントが溜まれば溜まるほど、神々がその声を感じ取って反応されます。
つまり、貴族の彼はそれなりにポイントが溜まっている子です。
『どうします?』
『ん~……普段どーでもいいんだが……こうして傍に妾がいて、それでも無視するのは、神として心が狭いと言えるな……』
届いた声をどうするかは、本当にその声を感じ取った神々の気まぐれ。
そして御主神さまは……
『仕方ない。ちょっと、手を貸してやろうぞ』
気まぐれですが、その声を拾うことにされたのです。
「ぼ、僕の、ま、まけ――――ッ!?」
そのとき、降参して命乞いしようとした貴族の彼の体に、御主神さまが加護を与えます。
「な、なんだ? ち、力が漲って……なんだ? ぼ、僕は……」
――自分を信じよ、我ら神の信徒よ
「ッ!?」
――我は汝の声を拾いし神なり
「か、かみさ……え?」
――あのような小さきものに臆することはない。所詮は神をクビになったバカが気まぐれで与えたチート……
「ち、ちー……と? だ、誰なんです? あなたは一体……!?」
御主神さまが彼の心に語り掛けます。そして、言葉だけではなくその肉体に……魂に……
「なんだ? あんた、何をブツブツ言ってるんだ? 俺の魔法がそんなに言いたいことがあるぐらい弱いってことか?」
「「「「「強すぎて言葉も出ないってことだよ!!!!」」」」」
「確かに俺は弱い! 俺を育ててくれた爺さんに何千回挑んでも一度も勝てないぐらい弱い。でもたとえ、俺がどんなに弱くても、俺は全力でやってやる! 爺さん……目立つなって約束を破ってゴメン……でも、もう一つの言いつけを守る!」
まともに言葉を発せないほど動揺している貴族くん。
対して、ソラくんはまたズレたことを……なんでだろう……チートを与えられている人たちの鈍感さや常識のなさってどの世界も共通なんですね。
そんな彼の反応や言葉に、周囲の生徒たちは一斉にツッコミを入れています。
「俺はあんたみたいに、女の子が嫌がることをするクソ野郎は絶対に許せないんだ! くらえ、ファイヤーボーーーール!!」
「「「「あああ、ナヒカーーーリ!!??」」」」
そして、空気を読まずにソラくんが放つ大火球。
っていうか、これ、まともに受けたら本当にあの貴族くん死んじゃいますよ?
でも……
――ファイヤーボール? それがどうした。小さな人類には巨大に見えようと、所詮は大宇宙の中の小さな星の元素の一つにすぎぬ……
「う……ちゅ?」
――対して、我が貴様に与えるは……星の力! さあ、見せてやるがよい! 本物の炎を、あのテンプレチート野郎に見せてやるのだ!
「ッ!?」
――そして吼えろ! 貴様が生み出し、そして操る―――
そして、神からの声を送り……
「うおおおお、紅炎(プロミネンス)!」
「ッ!?」
「「「「「ッッッッ!!!!????」」」」」
ソラくんの大岩のように巨大なファイヤーボールを遥かに上回る、まるで太陽のような真紅の火球。
「「「「「はああああああああああッッ!!!???」」」」」」
「な、な……なにぃ!?」
この状況には、周囲の生徒たちも再び驚愕し、ソラくんのファイヤーボールを飲み込み……いえ、飲み込む前にその強烈な火力で消滅してしまいましたね。
「俺は、ただの田舎者だ」
いますよね……どこの世界にも。
『けっ、な~にがただの田舎者だ。おったな~、他の世界でも、『俺はただの村人だ~』、『俺はただの一般人だ~』、『俺は田舎の魔法学校に追放されたただの教師だ~』とか、無駄に謙遜しながら俺tueee無双するやつら。あ~やだやだ。んで、怒ったら『黙れ!』とか言って、ドンとどこかを踏んだり叩いたりするのであろう?』
僕と同じことを思ったようで、御主神さまが愚痴を言われます。
「ど、どこが、ただの……だ! ぐっ、ま、まさかその力を僕に使う気じゃ……あ、頭を下げて謝るなら、ゆ、許してあげても……そ、そうだ、何だったら君に女の子を紹介してあげよう! ね? だから……」
「黙れ!」
「ひぃ!?」
はい。「黙れ」を頂きました。「ドン」と地面の踏みつけも頂きました。
怒りで踏みつけた足元の地面に大きな亀裂が走り、貴族の彼は鼻水垂らして腰を抜かしてしまいました。
これにより、また彼のチートが発動してパワーアップです。
そんな中で僕は……
『とにかく彼を調べます。サーチ! ……あ……』
御主神さまの言葉に従い、僕は貴族の彼を調査してみます。
『どうだ?』
そして流れてきます。彼の全て。彼のこれまでの人生……
『は、はい。彼の家系は代々信仰心が強く、彼自身も物心ついた頃から休日には教会で御祈りしたり、朝、昼、夜の食事前には必ずお祈りをしていますね……』
『なるほど。つまり、愚か者ではあるが……』
『はい。『神様ポイント』がそれなりに溜まっています』
神々に祈りを捧げ続けた人たちには少しずつポイントが加算され、その声がたまに神々に届くことがあります。
もちろん、その声を拾うかどうかは神々の気まぐれです。
『十数年分の神様ポイントかぁ~……大したことないとはいえ……ふむ……』
しかし、ポイントが溜まれば溜まるほど、神々がその声を感じ取って反応されます。
つまり、貴族の彼はそれなりにポイントが溜まっている子です。
『どうします?』
『ん~……普段どーでもいいんだが……こうして傍に妾がいて、それでも無視するのは、神として心が狭いと言えるな……』
届いた声をどうするかは、本当にその声を感じ取った神々の気まぐれ。
そして御主神さまは……
『仕方ない。ちょっと、手を貸してやろうぞ』
気まぐれですが、その声を拾うことにされたのです。
「ぼ、僕の、ま、まけ――――ッ!?」
そのとき、降参して命乞いしようとした貴族の彼の体に、御主神さまが加護を与えます。
「な、なんだ? ち、力が漲って……なんだ? ぼ、僕は……」
――自分を信じよ、我ら神の信徒よ
「ッ!?」
――我は汝の声を拾いし神なり
「か、かみさ……え?」
――あのような小さきものに臆することはない。所詮は神をクビになったバカが気まぐれで与えたチート……
「ち、ちー……と? だ、誰なんです? あなたは一体……!?」
御主神さまが彼の心に語り掛けます。そして、言葉だけではなくその肉体に……魂に……
「なんだ? あんた、何をブツブツ言ってるんだ? 俺の魔法がそんなに言いたいことがあるぐらい弱いってことか?」
「「「「「強すぎて言葉も出ないってことだよ!!!!」」」」」
「確かに俺は弱い! 俺を育ててくれた爺さんに何千回挑んでも一度も勝てないぐらい弱い。でもたとえ、俺がどんなに弱くても、俺は全力でやってやる! 爺さん……目立つなって約束を破ってゴメン……でも、もう一つの言いつけを守る!」
まともに言葉を発せないほど動揺している貴族くん。
対して、ソラくんはまたズレたことを……なんでだろう……チートを与えられている人たちの鈍感さや常識のなさってどの世界も共通なんですね。
そんな彼の反応や言葉に、周囲の生徒たちは一斉にツッコミを入れています。
「俺はあんたみたいに、女の子が嫌がることをするクソ野郎は絶対に許せないんだ! くらえ、ファイヤーボーーーール!!」
「「「「あああ、ナヒカーーーリ!!??」」」」
そして、空気を読まずにソラくんが放つ大火球。
っていうか、これ、まともに受けたら本当にあの貴族くん死んじゃいますよ?
でも……
――ファイヤーボール? それがどうした。小さな人類には巨大に見えようと、所詮は大宇宙の中の小さな星の元素の一つにすぎぬ……
「う……ちゅ?」
――対して、我が貴様に与えるは……星の力! さあ、見せてやるがよい! 本物の炎を、あのテンプレチート野郎に見せてやるのだ!
「ッ!?」
――そして吼えろ! 貴様が生み出し、そして操る―――
そして、神からの声を送り……
「うおおおお、紅炎(プロミネンス)!」
「ッ!?」
「「「「「ッッッッ!!!!????」」」」」
ソラくんの大岩のように巨大なファイヤーボールを遥かに上回る、まるで太陽のような真紅の火球。
「「「「「はああああああああああッッ!!!???」」」」」」
「な、な……なにぃ!?」
この状況には、周囲の生徒たちも再び驚愕し、ソラくんのファイヤーボールを飲み込み……いえ、飲み込む前にその強烈な火力で消滅してしまいましたね。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
(完)私の家を乗っ取る従兄弟と従姉妹に罰を与えましょう!
青空一夏
ファンタジー
婚約者(レミントン侯爵家嫡男レオン)は何者かに襲われ亡くなった。さらに両親(ランス伯爵夫妻)を病で次々に亡くした葬式の翌日、叔母エイナ・リック前男爵未亡人(母の妹)がいきなり荷物をランス伯爵家に持ち込み、従兄弟ラモント・リック男爵(叔母の息子)と住みだした。
私はその夜、ラモントに乱暴され身ごもり娘(ララ)を産んだが・・・・・・この夫となったラモントはさらに暴走しだすのだった。
ラモントがある日、私の従姉妹マーガレット(母の3番目の妹の娘)を連れてきて、
「お前は娘しか産めなかっただろう? この伯爵家の跡継ぎをマーガレットに産ませてあげるから一緒に住むぞ!」
と、言い出した。
さらには、マーガレットの両親(モーセ準男爵夫妻)もやってきて離れに住みだした。
怒りが頂点に到達した時に私は魔法の力に目覚めた。さて、こいつらはどうやって料理しましょうか?
さらには別の事実も判明して、いよいよ怒った私は・・・・・・壮絶な復讐(コメディ路線の復讐あり)をしようとするが・・・・・・(途中で路線変更するかもしれません。あくまで予定)
※ゆるふわ設定ご都合主義の素人作品。※魔法世界ですが、使える人は希でほとんどいない。(昔はそこそこいたが、どんどん廃れていったという設定です)
※残酷な意味でR15・途中R18になるかもです。
※具体的な性描写は含まれておりません。エッチ系R15ではないです。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる