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レベル4.女騎士と女奴隷と日常①
20.女奴隷と公園
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公園で遊んだこと
1ねん2くみ 田中太郎
おとといの土ようびに、ぼくはいつものようにこうえんにいきました。
おかあさんには、ともだちとあそんでくるといっていえを出てきました。
でも本とうのもくてきはちがいます。
そんなガキでもないのに、どうせいのともだちとつるんでるやつらはばかだとおもいます。
本とうのもくてきは、ずばりナンパです。かわいい女の子を、かたっぱしからぼくのかの女にするためです。
ぼくのゆめは、ハーレムです。やろうは、ぼくいがいいらないです。
でも、土ようびなので、こうえんにはぼくいがいのやろうもたくさんいました。これだと、ぼくの作せんのすいこうに、ししょうが出ます。
なので、ぼくはそいつらをぜんいんぶちのめしておっぱらうことにしました。
けつろんからいうと、かえりうちにあいました。
そもそもむこうは5にんくらいいたので、このけっかはひつぜんでした。サシだったら、まけなかったです。
まわりには女の子もいたので、ぼくはしゅうたいをさらすはめになりました。
でも、もしかしたら、ぼくのことをかわいそうだと思った女の子が、みかたしてくれるかとおもいました。
そうすればあとは、なんだなんだでくどいてホテルにつれこんでやろうとおもいました。いわゆるプランBにへんこうです。
しかし、そこにいた女の子たちはぜんいんでぼくのことをわらいました。それどころか、ぼくをぶちのめした男たちを「かっこいい」と言ってほめたたえていました。
ふざけんなとおもいました。ぼくのみかたをしないなんて、あいつらは全いんビッチだと思いました。きっとあの男たちにみんなすでにだかれてるにちがいないです。
ほかのやつとねた女にきょうみはないです。かんつうずみの女は、かちがないからです。
せけんは、そういうかんがえの人をしょじょちゅうと言いますが、それが正しいとぼくはしゅちょうします。
けがのいたみとせいしんてきいたみにうちひしがれ、ぼくはなきそうになりました。でもそれはただのフリでした。
ないていれば、またべつの女の子が気にかけてくれるかもとおもったからです。けっして、本とうにいたかったわけではありません。
しばらくそうやってめそめそとないたフリをしていると、はいごからおこえがかかりました。
「あの、大丈夫です?」
ふりかえると、そこには女の人がいて、ぼくをしんぱいそうに見下ろしていました。
年れいは、ぱっと見20さいくらいで、だいぶ年上でした。
ぼくは「おばさんかよ」とおもいました。
ぼくのストライクゾーンは、ぷらまい5さいていどです。それいじょうはしょうじきキツイです。もっというと、年下がいいです。年上でもわるくはないですが、ここまでいくと、もうすこしとしをかさねれば、おかあさんとおなじくらいになってしまうので、ぶっちゃけナシです。
それに、その人のくびには、きんぞくでできたくびわがまかれていました。
エスエムがしゅみの人かなとおもい、ますますぼくはどんびきしました。
そのくちょうからして、エムのほうであることはかくじつです。ちなみにぼくはエスです。
「あの、怪我してるなら、これ使いますか?」
すると、いきなりおねえさんは、ポケットからなにかを出してぼくにわたしました。
なんてことないただのばんそうこうでした。
ぼくはこころの中でしたうちしました。こんなもんでぼくのけががいやせるわけがないからです。かわいい女の子がきずぐちをペロペロしてくれでもしないとなおらないくらいです。
ぼくがだまっていると、おねえさんはニコニコわらっていいました。
「心配いりません。これは絆創膏っていって、どんな傷でもたちどころに治してしまうアイテムなのですよ」
「え?」
そのことばに、ぼくは耳をうたがいました。
まさかぼくがばんそうこうもしらない男に見えたのか、とおもいました。だとしたらひどいぶじょくです。あのくそビッチどもとおなじように、こいつもぼくをバカにするのかとはらだたしくなりました。
ぼくは立ちあがり、すなをはらってとっととつぎのえさばにむかおうとしました。べつにこのこうえんいがいにも、女がむらがってるばしょをたくさんしっているからです。
そうしようとしたのですが、おねえさんはぼくのてをひっぱってひきとめてきました。
「ご心配はいりません。別に見返りも求めませんし、まだ手持ちはあるので」
でもぼくはしんじませんでした。そんなうまいはなしがこのよにあるわけがないからです。このよのせつりというものを、ほねのずいまでたたきこまれていたぼくは、そうやすやすとひっかかる男ではありません。
でも、さっきのダメージがまだかんぜんにかいふくしていなかったので、ここでむだなあらそいはするべきではないとかんがえました。
おねえさんはぼくをこうえんの水どうまでつれていくと、そこできず口をあらってくれました。
「はい、まずはきれいにしてから……えっと……こうでしたっけ」
ぼくのうでやひざこぞうに、おねえさんはべたべたとばんそうこうをはっていきました。
ふつうだったらまずしょうどくをするところですが、どうやらこの女はしらないようです。そのきょうようのなさがあわれにおもえてきて、ぼくはしぜんにえみがこぼれてきました。
「まちがってたらごめんなさいね。うまくできなくて……」
こういうやからは、なんでいつもやるまえじゃなくて、やったあとにまちがってないかどうかをかくにんするのだろうかとつくづくおもいました。
「私、お料理とかするとすぐ怪我しちゃうんですよ。だからいつでも手当できるようにって日頃から持たされてるんです」
なんで女という生きものは、きいてもいないみのうえばなしを、かってにべらべらしゃべるんだろうなとおもいました。
「でも、あんまりこの公園で羽目を外さないほうがいいですよ。でないとまた怪我をしてしまいますから」
みのうえばなしのつぎはおせっきょうかよ。とぼくはこころの中でしたうちしました。
そんなふゆかいなきもちがかおに出たのか、おねえさんはいそいでいいわけしてきました。
「あ、別にお説教とかそういうのではないですよ? ただ……」
おもわせぶりにおねえさんはにがわらいして、いいました。
「この公園は、あの『公園大王』の縄張りですので」
「こうえん、だいおう?」
いきなりわけのわからないたんごが出てきたので、ぼくはこんわくしました。
それもかおに出ていたのか、おねえさんはまたあわててほそくしてきました。
「その様子だと知らないようですね。この場所を取り締まってる支配者のようなものです」
ぼくはおどろきました。
ぼくいがいに、こうえんのしはいしゃになりえるそんざいがいたことに。
「私もよくは知らないのですけど、察するにあなたを先程袋叩きにした方達の誰かかと思います」
おねえさんは、ぼくをぶんなぐったやつらのさっていったほうこうを見ていいました。
「さっきのような喧嘩を売ったりするようなことはもちろんですし、許可なしにそこで遊んだり、場所を譲らなかったりすると、容赦なく敵とみなされるそうですよ?」
ぼくははらわたがにえくりかえるようなおもいでした。
じぶんのために、ぜんりょうなしみんのけんりをおびやかすなんて、ぜったいにゆるせないことだとおもいます。
いったい、どうしてこんなひじんどうてきなまねができるのか、はなはだぎもんでした。
「それは、おそらく元々この場所が『誰のものでもない』からではないでしょうか」
おねえさんは、水どうのじゃぐちをしめながら、なんかかたりだしました。
「例えば、あのブランコ。今は誰も使ってないから、誰のものでもない。だけど誰かが乗れば、その間はその人のものになります。ですよね」
「うん」
「それと同じことなんですよ。誰も使ってないこの公園で、誰かが遊び始めたらそこはもうその人のものというわけなんですよ」
ぼうろんだ、とおもいました。
かってにこうえんをじぶんのものにするなんて、ひれつきわまりないとおもいます。
「でもそういうのは、言ったもの勝ちなんですよ。その人が強い力を持った人であればなおさらです。それが世の常なんですから」
おねえさんはきどりながら、べらべらとくっちゃべりつづけていました。
「ワイヤードでは、そうやって土地の争いが絶えませんでした。そうやって『私のものだ』と主張する方達が溢れたせいで」
「……」
「その争いに勝利したものだけが、その場所に居座る権利を得る。敗者は追い出され、惨めな思いをするしかない。ワイヤードだけかもと思ったのですが……この世界もどうやら同じようですね」
とおまわしにぼくがはいしゃだといわれたので、ぼくはムッとしてもんくをつけました。
でも、おねえさんはまったくどうじなかったのですこしウザかったです。
「少なくとも、この公園の争奪戦に限って言えばそうなるでしょう。それに、私もその一人ですよ」
え? とぼくがすっとんきょうなこえをあげると、おねえさんはクスクスわらいながらいいました。
「公園大王に目をつけられてしまったようで、もう表立ってここでは遊べないんです。だからこうやって、彼がいなくなった後をねらって来ているのですよ」
なにかとおもったら、おなじあなのむじなでした。
こんなちゅうにびょうクソババアときずのなめあいなんて、しんでもごめんでした。
こんなのといっしょにいたら、びょうきがうつりそうなので、ぼくはとっととてっしゅうすることにきめました。
「あ、もう行かれてしまうのです?」
ぼくは、女のいないこうえんにようはないから、とこたえました。
女というのは、女としてのかちがある人のことをいいます。すくなくともこいつはとしまなので、かちは10円やすでした。
「あ、ちょっと待ってください」
あるき出そうとしたとき、なぜかよびとめられました。
なんだよ、とぼくがふりかえると、おねえさんはもじもじしながらいいました。
「あの、よかったらせっかくですし一緒に遊びませんか? 私と」
ぼくはあいた口がふさがりませんでした。
ここでいきなりおねショタのてんかいに入るなんて、いったいどのそうにじゅようがあるんだといいたいです。
このせかいでもっともにんきなのは、ロリ×ショタだとそうばがきまっています。
「実は、私……一人で公園に来るのって初めてで……どうやって遊んだらいいのかわからないんです」
そこでぼくは、このおねえさんも、こうえんにあつまるショタをねらってきたのだと、しゅんじにりかいしました。
ぼくがちょうイケメンなのは、しゅうちのじじつですが、ショタとしてのみりょくをみいだされるのはひじょうにふくざつでした。
ここでりょうしょうすれば、ぼくとおねえさんのからみがけっていするので、ぼくはやれやれとかたをすくめました。
たいかくのちがう女とヤるのは大へんだし、しめつけもぜったいユルユルのかのうせいがたかいです。
でもまぁ、スマホのエロどうがをみながらパコれば、ギリギリぬけるだろうとおもいました。
それに、こいつはエムなので、ちょっといじめてやればかんたんにじゅうじゅんになるかもとすいさつしました。
とてもまんぞくできそうになかったけど、このままなにもせずにかえるのもなんなので、きょうはこの女ですますか、とぼくはおねえさんのもうしでにOKしました。
おねえさんは、うれしそうにとびはねていいました。
「ありがとうございますっ。ではではっ、早速遊びましょう!」
といい、かのじょはすなばにちょっこうしました。
ぼくはさっそくぎもんにおもいました。
なんですなばなんだろう。ここはふつうトイレにいくところではないのだろうか。
すなをトイレがわりにするのはネコだけのはずです。ぼくはメスケモはしゅびはんいがいです。
「えっと、これは『すなば』でしたっけ? さっき他の子ども達も遊んでましたよね」
……ぼくはぽかんと口をあけました。
ちょっとなにいってるかわからないです。
「ふしぎですね。ただ砂を敷き詰めただけの場所なのに、遊び場として機能するなんて。文明や技術が発達しているだけではなく、利用するものの目の付け所もワイヤードとは大違いです」
もしかして、とおもい、ぼくはそうやってすなばのすなをすくいあげているおねえさんにたずねました。
「え? もしかしてここで普通に遊ぶ気か? って? 当たり前じゃないですか。そのためにあなたをおさそいしたのですし」
ぼくはそこでようやくきづきました。
こいつはガイジだと。
ごくうふうにいえばゲェジだと。
せいてきないみではなく、じゅんすいにただあそびたいがためにぼくをさそったのだと。
もともとなえていたのに、さらになえました。
なんで、こうえんのふつうのあそびかたすらしらないガイジのおもりをしなければならないのか。
なかばこれはごうもんでした。エスエムが大すきなひとにとってもこれはキツイとおもいます。
だけどぼくはおもいつきました。ここまであたまのレベルがひくいと、うまいぐあいにそういうながれにもっていけるかもしれません。
いわゆるむちシチュというやつです。
こういうのはきまって、とししたの女があいてですが、こういうのもわるくないなとおもうことにしました。
ここはひとつ、おんをうっておいて、そのみかえりにからだをようきゅうするというプランでいくことにしました。
ぼくは、すなばにいくと、「なにつくる?」とききました。
でもおねえさんは、くびをかしげるばかりです。
「作る? えっと……砂で………ですか?」
あたりまえのことをきいてくるのはなんてイラつくんだろう、とつくづくおもいます。
でもぼくはぐっとたえて、ていねいにすなばのあそびかたをおしえてあげました。
「そうなんですか。最初見た時は、てっきりお宝でも掘り当てようとするための場所かと思っていました」
まぁこれからぼくがおまえをほってやるんだけどな、とぼくはほくそえみました。
「ふむふむ、なかなか面白そうですね。ただの砂なのに、ここまで楽しみ方が広がるなんて。ここでも創作性の豊富さが物を言うとは驚きです」
すぐにま○こでしかものがいえないようにしてやるけどな、とぼくはほくそえみました。
とりあえず、さいしょはどろだんごをつくろうとぼくはていあんしました。
でも、おねえさんはゴネてきました。
「うーん、できればおだんごよりももっと大きいもの作りませんか? さっき教えてくれたお山とかお城とか! そっちの方が私興味あります」
なまいきな。とぼくはしたうちしました。
こっちはおまえにすなばのことをおしえてやってるんだぞ。せんせいだぞ。
だからせんせいのぼくが
どろだんごつくれっていったら、だまって
どろだんごをつくれよ。
どろだんごよりやすい人生のくせに、
どろだんごをバカにすると、
どろだんごをぶちまけるぞこの
どろだんごやろうが。
「ではでは、早速砂を集めましょう」
といって、はなしもきかずに、おねえさんはぼくとむかいあってしゃがみこみました。
かのじょはせっせとすなをほりおこすさぎょうを、ひたすらくりかえします。
でも、ぼくはべつのことにしゅうちゅうしていました。
それは、おねえさんがしゃがみこんだことで、まるみえになっているスカートのおくのとうげんきょうでした。
けつろんからいうと、あかいろのスケスケのレースタイプでした。
いうところではしょうぶしたぎとかいうやつです。
あたまがせいじょうな人なら、スカートをまたにはさむとかするところですが、こんなところでもガイジっぷりをはっきするとはおもわなかった。
「よいしょ、よいしょ」
かのじょのからだがゆれるたびに、またをかくすぬのもこきざみにしわをよせていく。
今にもズレて、中のぐがあたまをのぞかせようとするが、ぎりぎり見えないそのもどかしさが、おれの理性をほうかいさせていく。
布地のぶぶんは、面積が非常に少ないので、本来であれば陰毛がはみ出てもおかしくない。しかし、そのひわいな隙間に細く黒い誘惑はそんざいしなかった。
それはつまり、彼女がパ○パンであることの証明。
その事実にオレはますます滾った。
こんな二十歳近いのに……無毛だと? なんだよ……興奮するじゃねぇか。
オレの股間のビッグマグナムが反応するのがわかるぜ。さっきまでただのシイタケだったのが、今やご立派な松茸状態。いくらこの女のアレがユルユルでも、入れるだけでこっちの形に変わってしまいそうなほどでかくなっている。
気がつけば、既にオレはその薄い布一枚で隠された秘部に完全に心を奪われていた。まさかこんな形でそういう雰囲気に移るとは思わなかったが。
なるほど、ようやく理解したぞ。
これは前戯だ。
本番前にお互いの興奮度を最大まで高めようというわけだな。
そっちがそのつもりならばたっぷりぬらしてやろうじゃねぇか。グチョグチョによぉ!
「あ、なるほど。水をかけて濡らせば砂も固まるから、形が固定しやすいですね!」
水道から汲んできた水を砂場にかけると、その女は目をキラキラさせながら小さく拍手した。
このオレの粋な計らいに、きっと奴の股間もこの砂と同じく濡れ濡れだろう。ちょろいもんだぜ。
「よぉし、この調子でお城を作りましょうか!」
ふっ、本当に作りたいのは城じゃなくて……オレの子供だろ? 恥ずかしがり屋め。
だがここで焦るのは早漏野郎だけだ。前戯ってのはじっくり時間をかけてやるもんなんだぜ。
オレのネオアームストロング砲をお見舞いする前に、まずはこのオレの指使いを楽しんでもらうとするか。
「わぁ、すごいですね! そんな細かいところまで作り込むなんて……このお城はものすごく精巧な出来になる予感がします!」
あ、とびきり精巧なやつを作り上げてやるよ。
さっさとこの建築を成功させて性交に移ろうぜ、マイハニー。
ねっとりザラザラした表面を愛撫するようにこすり、揉み、つまみ。
指を入れては抜き、突っ込んではかき回す。
女の方も負けじとばかりに反撃してくる。ぎこちない動きではあったが、初々しいその様子はますますオレのリビドーを覚醒へと導く。
「わひゃ。泥が飛んじゃって……汚れちゃいました」
その不慣れな手さばきが仇となったのか、彼女が来ていた純白のワンピースの一部に黒いシミができる。
やれやれしょうがない、ちゃんとあとでオレの修正液で上書きしてやるよ。
「うーん、ここの形作りがどうもうまくいきませんね。手でやるとどうしても崩れてしまって……」
女は城の一部分を悩ましげに見つめながら唸る。
なぁに、心配はいらない。前戯をただ手だけで楽しむなんて勿体無いからな。
こんなこともあろうかと、ポケットにはおもちゃを標準装備してあるのさ。子供には見せられねぇ、大人のおもちゃをな。
「そうでしたか。そのスコップなら、先端部分を使えばうまく調整できそうですね」
彼女はオレのおもちゃの先っちょをうっとりした目で見つめる。
おいおい、おもちゃに夢中になるのもいいが、お前を楽しませるのはオレのショベルカーだってこと忘れちゃ困るぜ?
そんなふうにたっぷりと手やおもちゃを使って堪能したところで、ようやく前戯は終わりを告げた。
「はぁ……はぁ……やっと完成しましたね」
彼女は顔を紅潮させ、荒い息を吐く。この調子だと、これまでに既に二回はイってるな。さすがはオレのテク、効果てきめんだ。
「不思議ですね。作ったのは私達なのに……こんな大きなものができるなんてまだ信じられないです」
確かに、そこそこ大きいのが出来上がった。
だが、オレのモノのでかさも半端ないぜ? この場ですぐにでも見せつけて比較してもらいたい気分だよ。
「ただ砂を積んだり削ったりしただけなのに……こんなに楽しいとは思いませんでした。公園って面白いですね!」
どうやら非常に満足した様子だったが、オレの方はまだ全然だ。
むしろ、本番はここから始まる。
さぁ行こう、この塔のような城が他の誰かに崩される前に、オレの股間のそびえ立つタワーを鎮めてくれ。
だが、現実は無慈悲である。
オレ達の仲を裂くように、けたたましい音楽が街中に鳴り響いた。
既に空は茜色に染まっている。いずれ宵闇がこの世界を包み込むだろう。それが意味することは一つだけ。
「あ、この音って……たしか、もうお家に帰らなくてはいけない時間の合図では?」
そうだ。どんな楽しい時間にも限りがある。
デリヘル嬢が設定するタイマーが鳴るのと同じように。唯一違う点は、延長がきかないという点だった。
「これはいけないですね。早く帰らないといけません。ワイヤードでは夜間に外を出歩いていたら、あっという間に警備兵に掴まってしまいますから」
なんてことだ。このままオレ達は別れるのか。
オレのビッグなままのディックは一体誰が慰めてくれるっていうんだ? まだ上、前、後ろ、どの口にも突っ込んでいないのに!
もとはと言えば、それが目的でこの公園に来たっていうのに……これじゃあ本末転倒だ。
今やこのいきり立ったオレのモノは、そんじょそこらのガキ相手じゃあ話にならない。
最初は「この女でいいか」程度に考えていたが、今となっては違う。
もうこの女でなければダメだ。
オレの全てを、その柔らかい肢体で包み込んでくれそうな大人でないと……きっとこの果てしない欲望は尽きることがないだろう。
だが、この女とまたいつ会えるかわからない。
その場限りの関係で終わるには惜しいくらいなのに、その関係すらも築けないまま、オレ達は終わるのか……?
「あの……よろしければ、明日もお会いできませんか?」
そんな時、彼女が絶望に打ちひしがれていたオレに言ってきた。
最初オレは耳を疑った。
まだ一回戦目が始まってもいないのに、二回戦目のお誘い……だと?
まさか、自覚がないだけで……オレも既に発射していたのか? いや、ありえない話じゃねぇ、あのギンギン具合からして、どっかで暴発しててもおかしくない。
まったく、オレをここまで興奮させた女はお前が初めてだぜ。
「今日は砂場だけで終わっちゃいましたけど……まだまだ遊んでみたいものがあるんです。ですからその……」
それ以上言わなくていい。
もうオレ達の間に言葉など必要ない。二人の意思疎通は、ベッドの中でのボディランゲージで事足りるのだ。
「この時間帯なら、もう公園大王も帰ってることだと思いますし……あまり長くは遊べませんが、また公園のこと、教えてもらえたらなって」
そんなこと朝飯前さ。
それだけじゃない、公園の遊び以上にもっと過激なことを教え込んでやるよ。その身体にな。
「あ! 私、ブランコというものにも興味があるんです! 明日はあれの遊び方を教えてもらえないでしょうか?」
ブランコだと!? 一緒にということは……二人で乗るということか!?
二人乗りというのは一方が立ち、もう一方が座る。それも向かい合って。
そんなふうにお互いの身体を密着するように近づけたら、片方の股間が、片方の顔に押し付けられてしまうではないか!
なるほど、前戯の次はオーラルS○Xというわけか。面白い。日を跨いでの行為というのも、また一興。
この調子で行けば、三日目には合体まで持ち込めるだろう。三度目の正直というやつだ。
しかし、出会って初日なのにここまでオレを積極的に求めてくるとは……モテる男は辛いぜ。
もはや完全にこの女はオレの虜。アメリカの属国はプエルトリコ。
オレのためならなんでも喜んでしてくれる、献身的な存在。
奴隷。そう、性奴隷だ。
そしてオレはその主人。彼女の所有者。
これはいいぞ。思わぬところでラッキーな掘り出し物を見つけたぜ。
オレは不敵に笑う。公園にむらがるガキ女は必要ない。これからは、この女を調教してたっぷりと楽しませてもらうとするぜ。
まずは、この主従関係をはっきりさせておかないとな。
さぁ、これからオレのことはご主人様と呼べ。これからも、オレを必要とするならな。
彼女の顎をくい、と持ち上げてそう命令すると、彼女はいともたやすく堕ちた。
「はい、わかりましたご主人様!」
トロ顔で、目をハートにして。
おっと、いけねぇ。これ以上発情させたらうっかり妊娠しちまうかもしれない。オレはポテ腹には興味ないんでな。
とりあえず、これで上下関係は成立。
明日が楽しみだぜ。
本当なら、すぐにでも今日の出来事をズリネタにするところだが……そうはいかない。
明後日に迫る本番のために、予備の弾薬を限界までチャージしておく必要がある。
そのために、今日から全力でオナ禁だ。もうオナ禁・スカイウォーカーだ。誘惑に負けて股間のライトセイバーがダークサイドに堕ちないようしっかり管理しておかないとな。
「ではでは! また明日!」
手をブンブンと振って、彼女は公園を去っていった。
こうして、よく噛まないと飲み込めないほどの濃厚な一日が幕を閉じたのだった。
○
翌日
母親に精のつくものをそれとなく作らせ、それをガッツリ食らったところでオレは戦場に赴いた。
しかし、オナ禁がここまで苦労するもんだとは思ってもみなかったぜ。今日明日で思いっきり発散させねぇと割に合わん。
昨日と全く同じ時間に公園に到着し、まずは彼女の姿を探す。
まだ来てはいないようだ。まったく、ご主人様より遅く来るなんて、躾がなっていねぇな。後でみっちり仕置きをくれてやらないと。
それよりもまずは今日のプランだ。
ブランコ二人乗り。
ここで問題なのは、どっちが立ってどっちが座るかということだ。
つまり、FェラになるのかKンニになるのか
奴隷と主という観点で見れば、前者の方が望ましい。しかしオレ自身があの無毛な丘に魅入られてしまっているのもまた事実。
to be or not to be.
ハムレットが重大な選択を迫られていたように、オレもまた人生の中の一つの分岐路に差し掛かっていた。
くっ、こんなことを考えてたらまたオレのビッグサーベルが鞘からはみ出そうになってるじゃねぇか。
落ち着け……お前が鞘じゃなくて、あの女の穴に収まりたい気持ちは、オレが誰よりもよく知ってる。
そうだ、「素数」を数えて落ち着くんだ。そうすればきっとコイツも少しおとなしくなるはず。
2、3、5、6、9……ハッ!!
そうか、69か!
これならFェラかKンニかで悩む必要もない。一度で二度美味しい秘訣というわけだ。思わぬところでヒントを得られたぜ。
そうと決まれば実践だ。一刻も早くあの奴隷で試さなくては!
俺が躍起になったその時だった。
「や、やめてください!」
女性の悲痛な声が公園内にこだました。
その声には聞き覚えのあった。間違いない、あの奴隷のものだ。きっと何かあったに違いない。
いざ鎌倉。いざオナクラ。オレはダッシュでその声のもとに向かった。
そこにはやはり昨日のあの奴隷がいた。
その周りには、同じく昨日この公園にいたガキどもがいる。忘れもしない、オレをボコボコにした男らと、そいつらに膜をぶち抜かれた女どもだった。
連中はニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながら、奴隷を取り囲んでいる。
「おうねぇちゃん。ここはオレ達の公園だってまだわかんねぇのかよ」
「そうだぜ。公園大王様の領地を侵した罪は重いぜ」
「あたしらのいない時間にこそこそ遊びに来るとかあさまし~い」
奴隷は彼らに暴行を受けたのか、服は汚れ、肌にはうっすらと痣ができていた。
「うぅ……」
苦痛に顔を歪める女奴隷。ちっとも気持ちよさそうじゃない。
あいつ……エムじゃなかったのか!?
「オレ達に無許可で遊んで、しかもショバ代も払えねぇとなると……あとはわかるよなぁ?」
「そ、そんな……」
「おいお前ら! コイツを取り押さえろ」
連中の中でも一際ガラの悪そうな大将が号令をかけると、取り巻き達が奴隷を拘束し始める。
どいつも小学生とはいえ、何人もよってたかられたらかなわない。
「いやっ、助けて!」
「へっへっへっ……そんなに遊びてぇならオレと一緒に遊ぼうぜぇ」
ガキ大将は手をワキワキさせながら、奴隷へと近づいていく。
女はギュッと目をつぶり、その時を待つしかなかった。
が。
「その時」はいつまでたっても訪れなかった。
それもそのはず。なぜなら――。
「待ちな、クズども」
オレが彼らの前に立ちはだかったからだ。
全員が一斉にこちらを向き、怪訝そうに顔をしかめる。
だがそれもつかの間。すぐに奴らはゲラゲラと笑い始めた。
「なんだ、誰かと思えば昨日のナンパ1年生じゃねぇかよ!」
「今日も相変わらずガールハントかぁ?」
「そんなにあたしらとヤリたいの? だったらお札の一枚でももってきなさいよ!」
口々にオレに罵詈雑言を浴びせるが、そんなことはどうでもいい。
オレはキッと連中をにらみつけると、静かに言った。
「そいつから離れろ」
「あ? 何命令してんだお前」
ガキ大将が一歩前に出て威嚇してきた。
どうやらこいつが公園大王で間違いなさそうだ。
「ふっ、命令じゃねぇ。忠告だ」
「何!?」
「てめえの短小なチ○コじゃ、その女をビビらせるどころか、返って笑われるだけだぜってことさ」
「んだと!?」
一瞬頭に血が登ったようだが、さすがは大王。すぐに冷静さを取り戻して落ち着き払った声で煽りモードへ。
「ハッ、オレ様より太さも長さも負けてそうな奴に言われても説得力ねぇぜ。な!」
仲間に同意を求めてまた盛大に爆笑する。
でも、それはどうかな。
「だったら比べてみるか?」
「は?」
「オレとお前、どっちのがでかいか。どっちがその女とヤるにふさわしいか」
「な、何言ってんだお前……」
萎縮しているのが目に見えてわかる。結局は口だけか愚か者め。
だがオレは違う。
一日オナ禁して、パワーを最大まで引き上げたこのオレの超銀河剣……とくと見るがいい!
カッと目を見開き、ズボンに手をかけ、ブリーフごとすばやく下ろす!
その瞬間。勝敗は決した。
オレの股間から見えない光が溢れ出し、拡散する。
女子どもは叫びながら顔を手で覆い、男どもはあんぐりと口を開けて硬直する。
「な、なんだ……」
「小学一年で……これは……」
「え、えげつねぇ……」
比べるまでもなかったな。
オレは彼らをあざ笑い、ズボンを履き直した。
あまりの衝撃に耐えきれなかったのか、ガキ大将は膝をついた。
「嘘……だろ? あんなの……勝てるわけがねぇ」
ようやく理解したか。昨日は運良く勝てて調子乗ってんだろうが、オレのポテンシャルを甘く見たツケはでかいぞ。
「公園大王でも、あっちの方は大貧民ってわけだ。無様だな」
「ぐっ……」
「この場所から出てくのは俺らじゃねぇ、お前らの方だ」
決まった。リベンジ成功。
オレめっちゃかっこよかったな。これであの奴隷もますますオレに惚れるに違いない。ひょっとしたら3日と待たずに今日中に本番イケるぜ。参ったなぁ、ゴム持ってきてねぇよ今日。
「くっ……くくくく」
しかし。
突然、がっくりとうなだれていたはずのガキ大将が肩を震わせて笑いだした。
「くっくっくっ、くははははは……」
こいつ……往生際が悪い奴だな。それとも自暴自棄になって気が狂ったか?
本気でそう思っていた。
だが奴は……弾けた。
「……なぁーんちゃってェ!」
……何?
オレは眉をひそめた。
「イッヒヒヒ、ククククク……おかしくって腹痛いわー。面白い奴だなお前、ほんとに俺のことを……クククククッ」
先程までの威圧的な態度から一転、はっちゃけたような、ラリったような口調。
一体、何が起きているんだ?
「なら見せてやろうかぁ!? もっと面白いものをよぉ!! 」
グワッ! と顔をこわばらせると、大将は叫んだ。
「今だ、やっちまえ!!」
瞬間、オレは理解した。
さっきみたいに、取り巻きを使ってオレを襲う気だ。
だがそうは行くか。オレはいつでも反撃ができるようにズボンを脱ぐ準備はできている。
どんな奴が相手だろうと、オレのムスコが全て黙らせる!
……そうするはずだったのに。
ズドン!!!
という謎の破裂音が響き、オレの身体はいつの間にか吹っ飛んでいた。
「……え?」
理解速度を追い越し、気付いた時にはもうオレは地面に転がっていた。
「まったく、いくら子どもとはいえ、奴隷の私から見ても破廉恥すぎますよ?」
優しい、でもどこか冷たさを含んでいるような声。
この声は……まさか!
オレが恐る恐る顔をあげると、そこにはやはりいた。
さっきまでガキどもにいびられてた、あの女奴隷が……今は、平然とオレの前に立っている。
昨日とは変わらない、にこやかな笑顔で「それ」を握りしめていた。
大口径のモデルガン。
オレが吹っ飛んだのは……それに撃たれたから?
でも、どうして……。
「この『銃』という武器。便利ですよね。単純に威力が高いのも魅力ですが、何よりエレメントの対象を人間に定められない奴隷にはことさらぴったりなアイテムです」
「はぁ?」
「私達奴隷は、直接エレメントを相手や自分に向けて撃てない。でもこの銃を介して発射すれば可能という意味ですよ。先程あなたを吹き飛ばしたのは風のエレメントです。実弾ではないのでご安心を」
「ど、どういうことだ……なんでこんなことを!?」
「あいっかわらず鈍いなぁーお前」
するとさっきのガキ大将が立ち上がりながら言った。
「公園大王はオレじゃねぇ、お前の前に立ってるそのねえちゃんなんだよ!!」
オレは息を呑んだ。
なん……だと?
この奴隷が……公園大王?
嘘だ……そんなわけあるか。怖くなってハッタリかましてるだけだ。本物はガキ大将の方だろ!
「本物ぉ? なにそれ? オレ達、ただのしたっぱ」
「なっ?」
「じゃんじゃじゃーん! 今明かされる衝撃の真実ゥ!! お前が昨日イチャコラしてた女こそ、この公園の支配者、『公園大王様』だったってわけだぁ!」
うそ、だよな……?
嘘だと言ってくれ、頼む!
オレは藁にもすがる思いで、奴隷のほうを振り返った。
だけど……彼女は、否定しなかった。
主人であるオレを撃ったことも、自分が公園を牛耳る公園大王だということも。
「いやぁ、本当に苦労しましたよ。間抜けな女を演じてあなたにつけ入るのは」
そんな彼女の口から出た言葉に、今度こそオレは絶望した。
「どうして……どうしてこんな真似を」
「あなたをあぶり出すためです」
奴隷は即答して近くのベンチに腰掛けた。
「聞きましたよ。ここら一帯で、あちこち公園で遊んでいる女の子達にちょっかいをかけている方がいると。かなりの噂になってるんですよ、あなたは」
「何!?」
「だからこの私が直々にあなたに制裁を下しに来た。この子達にも協力してもらってね」
ヒッヒヒヒ、とガキ大将及びその取り巻き達が笑い出す。
こいつら……全員グルだったのか!
「最初に言いましたよね。この公園には他人に喧嘩を売ったり、許可なしにそこで遊んだり、場所を譲らなかったりすると、容赦なく敵とみなして攻撃してくるのがいると」
「そ、それが公園大王だろ?」
「いいえ違います」
そこでようやく彼女は表情を変えた。
冷酷で、蔑むような視線をオレに向けた。
「それはあなたなんですよ」
「お、オレ?」
「あなたこそ、この場所で他人の安寧を脅かしているいわば『本当の公園大王』なのです」
オレが……公園大王?
「だからこそ、私達が立ち上がった。あなたを倒して、私が次の公園大王になるために」
「……」
「まぁ、その目的は既に達成されたわけですけども」
くるくると銃を指で回して奴はつまらなそうに言う。
オレは、最初から踊らされていたのか? こいつの……掌の上で!
何もかも、こいつの筋書き通りだったってことか!
「これも最初に言ったことですが、公園は誰のものでもありません。だから誰かが『自分のもの』にして、そこの統治者となるのは自然なこと」
「……」
「ですが、それは『独り占めしていい』ということでは決してありませんよ?」
「ぐっ!」
ベンチから腰を上げ、倒れ伏すオレの前まで歩いてくると、彼女はしゃがみこんだ。
今度はしっかりとスカートを股の間に挟んで。
「支配者にはそれ相応の資質が求められます。邪智暴虐の限りを尽くすものの天下はそう長くは続きません。なぜなら……私のような下剋上を狙う者が現れるからです。おわかりになりますか」
「……ふざけるな」
もう我慢の限界だった。
オレは立ち上がって叫んだ。
「奴隷のくせに、何偉そうにご主人様に説教垂れてんだ!」
「……」
「テメェ昨日オレの奴隷になるって言ったよな? 何が下剋上だ! 奴隷だったら死ぬまで服従すんのが当たり前だろうが!」
「……あらあら」
オレの怒号にも臆さずに彼女はおどけるように笑った。
その反応がますますオレを怒らせる。
「いいかもう一度わからせてやる。このオレはお前のご主人様だ。これはもう決まったことだ! そのオレに逆らうことは万死に値する! 奴隷の分際でゴタゴタ勝手にほざいてんじゃねぇ!」
「……」
「オレがいないと公園でロクに遊べもしないガイジが! 黙ってオレに奉仕してりゃいいんだよ! わかったらさっさとブランコで69すんだよあくしろよ!」
早口でまくしたてても、奴隷は……公園大王は溜息をつくだけだった。
「……『主人殺し』って知ってます?」
「あ?」
「ワイヤードではよく起きてたんですよ。乱暴に扱われた奴隷が、怒りに任せて主を殺してしまうという事件です」
「……何を言って」
ぱちり、とそこで女奴隷は指を鳴らした。
それを合図に、ぞろぞろとガキ大将と仲間達がむらがってくる。
「たしかに私はあなたの奴隷になった。あなたに仕えると誓った。でも奴隷も所詮は人間……」
「お、おい……」
「ひどいことをされたり言われたりしたら、誰だって怒ります」
「オレを殺すっていうのか! ご主人様を手に掛けるっていうのか! はっ! そんな度胸あるわけねぇだろ、お前ごときに!」
「できますよ」
冷徹な声で、奴隷は言い放った。
「私、既に一人殺してますので」
その言葉と同時に、したっぱどもが総攻撃を仕掛けてきた。
呆然としていたオレは、回避もできず、防御も出来ない。
つまり攻撃の全てを、生身で受けた。
「滑り台クラッシュ!」
パンチ。
「ブランコアタック!」
キック。
「鉄棒ブレイク!」
ボディブロー。
「シーソースラッシュ!」
張り手。
「ジャングルジムタックル!」
アッパー。
連続でその大技を喰らい、血反吐を吐きながらよろめくオレに、とどめを刺さんと公園大王が……オレの性奴隷が近づいてくる。
「嘘ついてゴメンなさいね」
「……ぁ」
「公園の遊び方……もうとっくに知ってるんです」
「な、に……?」
「全部、あの人が教えてくれたから」
「あの人……だと?」
「あなたも根はいい人だと思うのですが、私のご主人様は、やっぱり彼しかいないかなって」
そこで彼女のつま先に何かがあたった。
それは、何の変哲もない木の棒だった。
奴隷は小さく微笑み、それを蹴り上げ、キャッチした。
「剣の方を使うのは久しぶりですね」
軽くその棒を振りかざして言うと、腰を低くして構えた。
最後の一撃が……来る。
「ワイヤードに古来より伝わりし秘剣術……お見せしましょう」
踏み込み、そしてダッシュ。
目にも留まらぬ速さで、彼女はオレの懐に入り込む。
このままじゃやられる。
ここはもう一度脱いで、股間の後光で食い止めるしか無い!
オレが急いでズボンに手をかけた時には……もう勝敗は決していた。
轟音と共に、再びオレの身体が宙を舞った。
とてつもないその攻撃は、オレのシャイニングブレードでは全く太刀打ちできなかった。
下半身を丸出しにしたままオレは為す術もなく地面に墜落する。
完敗だ。このオレを打ち破るほどの剣技……。
公園大王の名にふさわしい必殺技。一体……これは……なんなんだ……。
その強烈な一撃を浴びせた女奴隷は、呟くようにその技の名前を口にした。
「奥義『公園要素皆無剣』」
○
そんなこんなで、きのうにつづいてぼくはまたまけました。
ガキ大しょうたちは、さんざんぼくをわらってからかえっていきました。
おねえさんは、さいごまでこうえんにのこり、ぼくをみおろしていました。
「はい、絆創膏です。今度は自分で貼ってくださいね」
といって、ぼくになんまいかばんそうこうをくれました。
てきからほどこしをうけるのは、ひじょうにくつじょくでしたが、ぼくにこれいじょうあらがう力はのこっていませんでした。
「安心してください。私は公園大王ですが、あなたみたいに他人を脅かすような真似はしませんので」
イヤミないいかたでした。
「あなたみたいなならず者が現れない限りは、基本大王は現れないでしょう。大王はこの公園の秩序を保守していくことが役割なので」
「……」
「公園はみんなのもの……いえ、正確には違いますね。『みんなで楽しむもの』だと私は思います。誰かが嫌な思いをするなんて、悲しいですから」
ぼくが一ばんイヤなおもいをしていることはむしかよ、とおもいました。
けっきょく、この二日かん、一ども女の子をだいていません。こうしてるあいだにも、どんどんぼくのせいよくがふくれあがっていますが、どうしろというのでしょうか。
「ならせめて、もう少し女の子にはやさしくしてあげてくださいな」
おしりをパンパンと払いながら、おねえさんはいいます。
「どうせ抱いてもらう男の人を選ぶなら、誰だって優しい人がいいに決まってます。あなたはまだ小さいのですから、これからいくらでもチャンスは有ると思いますよ」
「……」
「ですから、これからいいお相手が見つかるよう頑張ってくださいね」
ニコ、とまたいままでとおなじえがおで、かのじょはいいました。
ぼくはドキッとしました。
ぼくをだましていた女なのに、ぼくをボコボコにした女なのに、どうしてこんなに胸が苦しくなるんだろうとふしぎでした。
いったいこのきもちはなんなんだろうとおもいましたが、こたえはでませんでした。
でも、おねえさんのえがおを見ていると、ずっとそんなきもちがつづくことはたしかでした。
「あの、おねえさん――」
「おーい、クローラ!」
ぼくがかのじょにそのきもちをいおうとすると、こうえんにだれかがやってきました。
見た目はおねえさんとおなじ20さいくらいの男でした。
ぼくほどではないですが、けっこうイケメンでした。
「あ、ご主人様!」
おねえさんはぼくをガンむしして、その男のところにダッシュしていきました。
「おぉクローラ。ちゃんといい子で遊んでたか?」
「はい! クローラ、近所の子ども達とすっかりなかよくなれました!」
「そっかそっか、偉いぞ」
「えへへ……ご主人様に頭撫でられるの、クローラ好きです……」
かんぜんにメスのかおでした。
ぼくのときに見せたかおが、まるっきりえんぎだとはっきりするくらいガチでした。
かのじょのいっていた「あの人」とはあいつのことだったようです。
すでにおねえさんには、ほんめいがいたということでした。
「さ、そろそろ行くか。リファを探しに行かないと」
「あ、あの人また迷子になったんですね」
「どーせ寂しくなったら大声でギャン泣きするからしばらくしてりゃすぐ見つかるよ」
「そうですね」
そしておねえさんとその男は、ぼくにみむきもしないまま、こうえんを出ていきました。
ぶっちゃけすごくくやしかったし、かなしかったです。
でもそんなじぶんの中で、ひそかにべつのきもちがめばえてきました。
ぼくのほかに、べつのあいてがいた。
そのじじつが、なぜかすごくドキドキしました。
きっと、しろくじちゅうおねえさんと男はちゅっちゅちゅっちゅしているにちがいありません。
ぼくのしらないところで、おねえさんがあの男のちんちんでヒィヒィいっているすがたをそうぞうすると、これいじょうなくこうふんしました。
そうか、これがぞくにいうNTRフェチというやつだなとおもいました。
ぼくはあのこうえんでおねえさんとであったことで、あらたなじぶんをはっ見できました。
おわりです。
○
「……」
「……」
「……まぁ、言いたいことは色々あるが」
「……」
「先生もな、そんな頭がいい方ではないから、ツッコミや指摘が追いつかなくなるときも往々にしてある。わかるな」
「はい」
「だからあえてここでは多くは訊かない。お前が公園でナンパしまくってたこととか、そのおねえさんをハメようとしたこととか、お前のちんちんが小学生にしてはえげつないサイズだということとか。そういうことはまた日を改めてじっくり聞かせてもらう」
「はい」
「だが、この場で。この自分の作文音読会で今すぐはっきりさせておいてもらいたいことが一つある。それだけ教えてくれ」
「はい」
「その男は……どうだった?」
「え?」
「最後の方に出てきた男だ。お前、結構なイケメンだって言ってたな」
「はい」
「他にもっとないのか? 腕の筋肉とか、肩幅とか……あとケツとか」
「え?」
「え? じゃない。お前あれだけスカートの中身は繊細に描写してただろ。それほどお前は観察眼が冴えてるということだ。だったらその男のケツだってよく見てたはずだ」
「でも」
「言い訳はいい。とにかくお前は、その男のケツがどうだったかを語ればいいんだ。さぁ、早く、奴の、ケツはどうだったか言うんだ。引き締まってたか? それともたるんでたか? 堀り心地はよさそうだったのかぁ? いいケツか、ダメなケツか。問題はそこだけだ!」
「……よく見てませんでした」
「……」
「……」
「……はぁ。そうか……」
「はい」
「もういい笹塚、とりあえず廊下に立ってろ」
「ぼく田中です」
「立ってろ」
1ねん2くみ 田中太郎
おとといの土ようびに、ぼくはいつものようにこうえんにいきました。
おかあさんには、ともだちとあそんでくるといっていえを出てきました。
でも本とうのもくてきはちがいます。
そんなガキでもないのに、どうせいのともだちとつるんでるやつらはばかだとおもいます。
本とうのもくてきは、ずばりナンパです。かわいい女の子を、かたっぱしからぼくのかの女にするためです。
ぼくのゆめは、ハーレムです。やろうは、ぼくいがいいらないです。
でも、土ようびなので、こうえんにはぼくいがいのやろうもたくさんいました。これだと、ぼくの作せんのすいこうに、ししょうが出ます。
なので、ぼくはそいつらをぜんいんぶちのめしておっぱらうことにしました。
けつろんからいうと、かえりうちにあいました。
そもそもむこうは5にんくらいいたので、このけっかはひつぜんでした。サシだったら、まけなかったです。
まわりには女の子もいたので、ぼくはしゅうたいをさらすはめになりました。
でも、もしかしたら、ぼくのことをかわいそうだと思った女の子が、みかたしてくれるかとおもいました。
そうすればあとは、なんだなんだでくどいてホテルにつれこんでやろうとおもいました。いわゆるプランBにへんこうです。
しかし、そこにいた女の子たちはぜんいんでぼくのことをわらいました。それどころか、ぼくをぶちのめした男たちを「かっこいい」と言ってほめたたえていました。
ふざけんなとおもいました。ぼくのみかたをしないなんて、あいつらは全いんビッチだと思いました。きっとあの男たちにみんなすでにだかれてるにちがいないです。
ほかのやつとねた女にきょうみはないです。かんつうずみの女は、かちがないからです。
せけんは、そういうかんがえの人をしょじょちゅうと言いますが、それが正しいとぼくはしゅちょうします。
けがのいたみとせいしんてきいたみにうちひしがれ、ぼくはなきそうになりました。でもそれはただのフリでした。
ないていれば、またべつの女の子が気にかけてくれるかもとおもったからです。けっして、本とうにいたかったわけではありません。
しばらくそうやってめそめそとないたフリをしていると、はいごからおこえがかかりました。
「あの、大丈夫です?」
ふりかえると、そこには女の人がいて、ぼくをしんぱいそうに見下ろしていました。
年れいは、ぱっと見20さいくらいで、だいぶ年上でした。
ぼくは「おばさんかよ」とおもいました。
ぼくのストライクゾーンは、ぷらまい5さいていどです。それいじょうはしょうじきキツイです。もっというと、年下がいいです。年上でもわるくはないですが、ここまでいくと、もうすこしとしをかさねれば、おかあさんとおなじくらいになってしまうので、ぶっちゃけナシです。
それに、その人のくびには、きんぞくでできたくびわがまかれていました。
エスエムがしゅみの人かなとおもい、ますますぼくはどんびきしました。
そのくちょうからして、エムのほうであることはかくじつです。ちなみにぼくはエスです。
「あの、怪我してるなら、これ使いますか?」
すると、いきなりおねえさんは、ポケットからなにかを出してぼくにわたしました。
なんてことないただのばんそうこうでした。
ぼくはこころの中でしたうちしました。こんなもんでぼくのけががいやせるわけがないからです。かわいい女の子がきずぐちをペロペロしてくれでもしないとなおらないくらいです。
ぼくがだまっていると、おねえさんはニコニコわらっていいました。
「心配いりません。これは絆創膏っていって、どんな傷でもたちどころに治してしまうアイテムなのですよ」
「え?」
そのことばに、ぼくは耳をうたがいました。
まさかぼくがばんそうこうもしらない男に見えたのか、とおもいました。だとしたらひどいぶじょくです。あのくそビッチどもとおなじように、こいつもぼくをバカにするのかとはらだたしくなりました。
ぼくは立ちあがり、すなをはらってとっととつぎのえさばにむかおうとしました。べつにこのこうえんいがいにも、女がむらがってるばしょをたくさんしっているからです。
そうしようとしたのですが、おねえさんはぼくのてをひっぱってひきとめてきました。
「ご心配はいりません。別に見返りも求めませんし、まだ手持ちはあるので」
でもぼくはしんじませんでした。そんなうまいはなしがこのよにあるわけがないからです。このよのせつりというものを、ほねのずいまでたたきこまれていたぼくは、そうやすやすとひっかかる男ではありません。
でも、さっきのダメージがまだかんぜんにかいふくしていなかったので、ここでむだなあらそいはするべきではないとかんがえました。
おねえさんはぼくをこうえんの水どうまでつれていくと、そこできず口をあらってくれました。
「はい、まずはきれいにしてから……えっと……こうでしたっけ」
ぼくのうでやひざこぞうに、おねえさんはべたべたとばんそうこうをはっていきました。
ふつうだったらまずしょうどくをするところですが、どうやらこの女はしらないようです。そのきょうようのなさがあわれにおもえてきて、ぼくはしぜんにえみがこぼれてきました。
「まちがってたらごめんなさいね。うまくできなくて……」
こういうやからは、なんでいつもやるまえじゃなくて、やったあとにまちがってないかどうかをかくにんするのだろうかとつくづくおもいました。
「私、お料理とかするとすぐ怪我しちゃうんですよ。だからいつでも手当できるようにって日頃から持たされてるんです」
なんで女という生きものは、きいてもいないみのうえばなしを、かってにべらべらしゃべるんだろうなとおもいました。
「でも、あんまりこの公園で羽目を外さないほうがいいですよ。でないとまた怪我をしてしまいますから」
みのうえばなしのつぎはおせっきょうかよ。とぼくはこころの中でしたうちしました。
そんなふゆかいなきもちがかおに出たのか、おねえさんはいそいでいいわけしてきました。
「あ、別にお説教とかそういうのではないですよ? ただ……」
おもわせぶりにおねえさんはにがわらいして、いいました。
「この公園は、あの『公園大王』の縄張りですので」
「こうえん、だいおう?」
いきなりわけのわからないたんごが出てきたので、ぼくはこんわくしました。
それもかおに出ていたのか、おねえさんはまたあわててほそくしてきました。
「その様子だと知らないようですね。この場所を取り締まってる支配者のようなものです」
ぼくはおどろきました。
ぼくいがいに、こうえんのしはいしゃになりえるそんざいがいたことに。
「私もよくは知らないのですけど、察するにあなたを先程袋叩きにした方達の誰かかと思います」
おねえさんは、ぼくをぶんなぐったやつらのさっていったほうこうを見ていいました。
「さっきのような喧嘩を売ったりするようなことはもちろんですし、許可なしにそこで遊んだり、場所を譲らなかったりすると、容赦なく敵とみなされるそうですよ?」
ぼくははらわたがにえくりかえるようなおもいでした。
じぶんのために、ぜんりょうなしみんのけんりをおびやかすなんて、ぜったいにゆるせないことだとおもいます。
いったい、どうしてこんなひじんどうてきなまねができるのか、はなはだぎもんでした。
「それは、おそらく元々この場所が『誰のものでもない』からではないでしょうか」
おねえさんは、水どうのじゃぐちをしめながら、なんかかたりだしました。
「例えば、あのブランコ。今は誰も使ってないから、誰のものでもない。だけど誰かが乗れば、その間はその人のものになります。ですよね」
「うん」
「それと同じことなんですよ。誰も使ってないこの公園で、誰かが遊び始めたらそこはもうその人のものというわけなんですよ」
ぼうろんだ、とおもいました。
かってにこうえんをじぶんのものにするなんて、ひれつきわまりないとおもいます。
「でもそういうのは、言ったもの勝ちなんですよ。その人が強い力を持った人であればなおさらです。それが世の常なんですから」
おねえさんはきどりながら、べらべらとくっちゃべりつづけていました。
「ワイヤードでは、そうやって土地の争いが絶えませんでした。そうやって『私のものだ』と主張する方達が溢れたせいで」
「……」
「その争いに勝利したものだけが、その場所に居座る権利を得る。敗者は追い出され、惨めな思いをするしかない。ワイヤードだけかもと思ったのですが……この世界もどうやら同じようですね」
とおまわしにぼくがはいしゃだといわれたので、ぼくはムッとしてもんくをつけました。
でも、おねえさんはまったくどうじなかったのですこしウザかったです。
「少なくとも、この公園の争奪戦に限って言えばそうなるでしょう。それに、私もその一人ですよ」
え? とぼくがすっとんきょうなこえをあげると、おねえさんはクスクスわらいながらいいました。
「公園大王に目をつけられてしまったようで、もう表立ってここでは遊べないんです。だからこうやって、彼がいなくなった後をねらって来ているのですよ」
なにかとおもったら、おなじあなのむじなでした。
こんなちゅうにびょうクソババアときずのなめあいなんて、しんでもごめんでした。
こんなのといっしょにいたら、びょうきがうつりそうなので、ぼくはとっととてっしゅうすることにきめました。
「あ、もう行かれてしまうのです?」
ぼくは、女のいないこうえんにようはないから、とこたえました。
女というのは、女としてのかちがある人のことをいいます。すくなくともこいつはとしまなので、かちは10円やすでした。
「あ、ちょっと待ってください」
あるき出そうとしたとき、なぜかよびとめられました。
なんだよ、とぼくがふりかえると、おねえさんはもじもじしながらいいました。
「あの、よかったらせっかくですし一緒に遊びませんか? 私と」
ぼくはあいた口がふさがりませんでした。
ここでいきなりおねショタのてんかいに入るなんて、いったいどのそうにじゅようがあるんだといいたいです。
このせかいでもっともにんきなのは、ロリ×ショタだとそうばがきまっています。
「実は、私……一人で公園に来るのって初めてで……どうやって遊んだらいいのかわからないんです」
そこでぼくは、このおねえさんも、こうえんにあつまるショタをねらってきたのだと、しゅんじにりかいしました。
ぼくがちょうイケメンなのは、しゅうちのじじつですが、ショタとしてのみりょくをみいだされるのはひじょうにふくざつでした。
ここでりょうしょうすれば、ぼくとおねえさんのからみがけっていするので、ぼくはやれやれとかたをすくめました。
たいかくのちがう女とヤるのは大へんだし、しめつけもぜったいユルユルのかのうせいがたかいです。
でもまぁ、スマホのエロどうがをみながらパコれば、ギリギリぬけるだろうとおもいました。
それに、こいつはエムなので、ちょっといじめてやればかんたんにじゅうじゅんになるかもとすいさつしました。
とてもまんぞくできそうになかったけど、このままなにもせずにかえるのもなんなので、きょうはこの女ですますか、とぼくはおねえさんのもうしでにOKしました。
おねえさんは、うれしそうにとびはねていいました。
「ありがとうございますっ。ではではっ、早速遊びましょう!」
といい、かのじょはすなばにちょっこうしました。
ぼくはさっそくぎもんにおもいました。
なんですなばなんだろう。ここはふつうトイレにいくところではないのだろうか。
すなをトイレがわりにするのはネコだけのはずです。ぼくはメスケモはしゅびはんいがいです。
「えっと、これは『すなば』でしたっけ? さっき他の子ども達も遊んでましたよね」
……ぼくはぽかんと口をあけました。
ちょっとなにいってるかわからないです。
「ふしぎですね。ただ砂を敷き詰めただけの場所なのに、遊び場として機能するなんて。文明や技術が発達しているだけではなく、利用するものの目の付け所もワイヤードとは大違いです」
もしかして、とおもい、ぼくはそうやってすなばのすなをすくいあげているおねえさんにたずねました。
「え? もしかしてここで普通に遊ぶ気か? って? 当たり前じゃないですか。そのためにあなたをおさそいしたのですし」
ぼくはそこでようやくきづきました。
こいつはガイジだと。
ごくうふうにいえばゲェジだと。
せいてきないみではなく、じゅんすいにただあそびたいがためにぼくをさそったのだと。
もともとなえていたのに、さらになえました。
なんで、こうえんのふつうのあそびかたすらしらないガイジのおもりをしなければならないのか。
なかばこれはごうもんでした。エスエムが大すきなひとにとってもこれはキツイとおもいます。
だけどぼくはおもいつきました。ここまであたまのレベルがひくいと、うまいぐあいにそういうながれにもっていけるかもしれません。
いわゆるむちシチュというやつです。
こういうのはきまって、とししたの女があいてですが、こういうのもわるくないなとおもうことにしました。
ここはひとつ、おんをうっておいて、そのみかえりにからだをようきゅうするというプランでいくことにしました。
ぼくは、すなばにいくと、「なにつくる?」とききました。
でもおねえさんは、くびをかしげるばかりです。
「作る? えっと……砂で………ですか?」
あたりまえのことをきいてくるのはなんてイラつくんだろう、とつくづくおもいます。
でもぼくはぐっとたえて、ていねいにすなばのあそびかたをおしえてあげました。
「そうなんですか。最初見た時は、てっきりお宝でも掘り当てようとするための場所かと思っていました」
まぁこれからぼくがおまえをほってやるんだけどな、とぼくはほくそえみました。
「ふむふむ、なかなか面白そうですね。ただの砂なのに、ここまで楽しみ方が広がるなんて。ここでも創作性の豊富さが物を言うとは驚きです」
すぐにま○こでしかものがいえないようにしてやるけどな、とぼくはほくそえみました。
とりあえず、さいしょはどろだんごをつくろうとぼくはていあんしました。
でも、おねえさんはゴネてきました。
「うーん、できればおだんごよりももっと大きいもの作りませんか? さっき教えてくれたお山とかお城とか! そっちの方が私興味あります」
なまいきな。とぼくはしたうちしました。
こっちはおまえにすなばのことをおしえてやってるんだぞ。せんせいだぞ。
だからせんせいのぼくが
どろだんごつくれっていったら、だまって
どろだんごをつくれよ。
どろだんごよりやすい人生のくせに、
どろだんごをバカにすると、
どろだんごをぶちまけるぞこの
どろだんごやろうが。
「ではでは、早速砂を集めましょう」
といって、はなしもきかずに、おねえさんはぼくとむかいあってしゃがみこみました。
かのじょはせっせとすなをほりおこすさぎょうを、ひたすらくりかえします。
でも、ぼくはべつのことにしゅうちゅうしていました。
それは、おねえさんがしゃがみこんだことで、まるみえになっているスカートのおくのとうげんきょうでした。
けつろんからいうと、あかいろのスケスケのレースタイプでした。
いうところではしょうぶしたぎとかいうやつです。
あたまがせいじょうな人なら、スカートをまたにはさむとかするところですが、こんなところでもガイジっぷりをはっきするとはおもわなかった。
「よいしょ、よいしょ」
かのじょのからだがゆれるたびに、またをかくすぬのもこきざみにしわをよせていく。
今にもズレて、中のぐがあたまをのぞかせようとするが、ぎりぎり見えないそのもどかしさが、おれの理性をほうかいさせていく。
布地のぶぶんは、面積が非常に少ないので、本来であれば陰毛がはみ出てもおかしくない。しかし、そのひわいな隙間に細く黒い誘惑はそんざいしなかった。
それはつまり、彼女がパ○パンであることの証明。
その事実にオレはますます滾った。
こんな二十歳近いのに……無毛だと? なんだよ……興奮するじゃねぇか。
オレの股間のビッグマグナムが反応するのがわかるぜ。さっきまでただのシイタケだったのが、今やご立派な松茸状態。いくらこの女のアレがユルユルでも、入れるだけでこっちの形に変わってしまいそうなほどでかくなっている。
気がつけば、既にオレはその薄い布一枚で隠された秘部に完全に心を奪われていた。まさかこんな形でそういう雰囲気に移るとは思わなかったが。
なるほど、ようやく理解したぞ。
これは前戯だ。
本番前にお互いの興奮度を最大まで高めようというわけだな。
そっちがそのつもりならばたっぷりぬらしてやろうじゃねぇか。グチョグチョによぉ!
「あ、なるほど。水をかけて濡らせば砂も固まるから、形が固定しやすいですね!」
水道から汲んできた水を砂場にかけると、その女は目をキラキラさせながら小さく拍手した。
このオレの粋な計らいに、きっと奴の股間もこの砂と同じく濡れ濡れだろう。ちょろいもんだぜ。
「よぉし、この調子でお城を作りましょうか!」
ふっ、本当に作りたいのは城じゃなくて……オレの子供だろ? 恥ずかしがり屋め。
だがここで焦るのは早漏野郎だけだ。前戯ってのはじっくり時間をかけてやるもんなんだぜ。
オレのネオアームストロング砲をお見舞いする前に、まずはこのオレの指使いを楽しんでもらうとするか。
「わぁ、すごいですね! そんな細かいところまで作り込むなんて……このお城はものすごく精巧な出来になる予感がします!」
あ、とびきり精巧なやつを作り上げてやるよ。
さっさとこの建築を成功させて性交に移ろうぜ、マイハニー。
ねっとりザラザラした表面を愛撫するようにこすり、揉み、つまみ。
指を入れては抜き、突っ込んではかき回す。
女の方も負けじとばかりに反撃してくる。ぎこちない動きではあったが、初々しいその様子はますますオレのリビドーを覚醒へと導く。
「わひゃ。泥が飛んじゃって……汚れちゃいました」
その不慣れな手さばきが仇となったのか、彼女が来ていた純白のワンピースの一部に黒いシミができる。
やれやれしょうがない、ちゃんとあとでオレの修正液で上書きしてやるよ。
「うーん、ここの形作りがどうもうまくいきませんね。手でやるとどうしても崩れてしまって……」
女は城の一部分を悩ましげに見つめながら唸る。
なぁに、心配はいらない。前戯をただ手だけで楽しむなんて勿体無いからな。
こんなこともあろうかと、ポケットにはおもちゃを標準装備してあるのさ。子供には見せられねぇ、大人のおもちゃをな。
「そうでしたか。そのスコップなら、先端部分を使えばうまく調整できそうですね」
彼女はオレのおもちゃの先っちょをうっとりした目で見つめる。
おいおい、おもちゃに夢中になるのもいいが、お前を楽しませるのはオレのショベルカーだってこと忘れちゃ困るぜ?
そんなふうにたっぷりと手やおもちゃを使って堪能したところで、ようやく前戯は終わりを告げた。
「はぁ……はぁ……やっと完成しましたね」
彼女は顔を紅潮させ、荒い息を吐く。この調子だと、これまでに既に二回はイってるな。さすがはオレのテク、効果てきめんだ。
「不思議ですね。作ったのは私達なのに……こんな大きなものができるなんてまだ信じられないです」
確かに、そこそこ大きいのが出来上がった。
だが、オレのモノのでかさも半端ないぜ? この場ですぐにでも見せつけて比較してもらいたい気分だよ。
「ただ砂を積んだり削ったりしただけなのに……こんなに楽しいとは思いませんでした。公園って面白いですね!」
どうやら非常に満足した様子だったが、オレの方はまだ全然だ。
むしろ、本番はここから始まる。
さぁ行こう、この塔のような城が他の誰かに崩される前に、オレの股間のそびえ立つタワーを鎮めてくれ。
だが、現実は無慈悲である。
オレ達の仲を裂くように、けたたましい音楽が街中に鳴り響いた。
既に空は茜色に染まっている。いずれ宵闇がこの世界を包み込むだろう。それが意味することは一つだけ。
「あ、この音って……たしか、もうお家に帰らなくてはいけない時間の合図では?」
そうだ。どんな楽しい時間にも限りがある。
デリヘル嬢が設定するタイマーが鳴るのと同じように。唯一違う点は、延長がきかないという点だった。
「これはいけないですね。早く帰らないといけません。ワイヤードでは夜間に外を出歩いていたら、あっという間に警備兵に掴まってしまいますから」
なんてことだ。このままオレ達は別れるのか。
オレのビッグなままのディックは一体誰が慰めてくれるっていうんだ? まだ上、前、後ろ、どの口にも突っ込んでいないのに!
もとはと言えば、それが目的でこの公園に来たっていうのに……これじゃあ本末転倒だ。
今やこのいきり立ったオレのモノは、そんじょそこらのガキ相手じゃあ話にならない。
最初は「この女でいいか」程度に考えていたが、今となっては違う。
もうこの女でなければダメだ。
オレの全てを、その柔らかい肢体で包み込んでくれそうな大人でないと……きっとこの果てしない欲望は尽きることがないだろう。
だが、この女とまたいつ会えるかわからない。
その場限りの関係で終わるには惜しいくらいなのに、その関係すらも築けないまま、オレ達は終わるのか……?
「あの……よろしければ、明日もお会いできませんか?」
そんな時、彼女が絶望に打ちひしがれていたオレに言ってきた。
最初オレは耳を疑った。
まだ一回戦目が始まってもいないのに、二回戦目のお誘い……だと?
まさか、自覚がないだけで……オレも既に発射していたのか? いや、ありえない話じゃねぇ、あのギンギン具合からして、どっかで暴発しててもおかしくない。
まったく、オレをここまで興奮させた女はお前が初めてだぜ。
「今日は砂場だけで終わっちゃいましたけど……まだまだ遊んでみたいものがあるんです。ですからその……」
それ以上言わなくていい。
もうオレ達の間に言葉など必要ない。二人の意思疎通は、ベッドの中でのボディランゲージで事足りるのだ。
「この時間帯なら、もう公園大王も帰ってることだと思いますし……あまり長くは遊べませんが、また公園のこと、教えてもらえたらなって」
そんなこと朝飯前さ。
それだけじゃない、公園の遊び以上にもっと過激なことを教え込んでやるよ。その身体にな。
「あ! 私、ブランコというものにも興味があるんです! 明日はあれの遊び方を教えてもらえないでしょうか?」
ブランコだと!? 一緒にということは……二人で乗るということか!?
二人乗りというのは一方が立ち、もう一方が座る。それも向かい合って。
そんなふうにお互いの身体を密着するように近づけたら、片方の股間が、片方の顔に押し付けられてしまうではないか!
なるほど、前戯の次はオーラルS○Xというわけか。面白い。日を跨いでの行為というのも、また一興。
この調子で行けば、三日目には合体まで持ち込めるだろう。三度目の正直というやつだ。
しかし、出会って初日なのにここまでオレを積極的に求めてくるとは……モテる男は辛いぜ。
もはや完全にこの女はオレの虜。アメリカの属国はプエルトリコ。
オレのためならなんでも喜んでしてくれる、献身的な存在。
奴隷。そう、性奴隷だ。
そしてオレはその主人。彼女の所有者。
これはいいぞ。思わぬところでラッキーな掘り出し物を見つけたぜ。
オレは不敵に笑う。公園にむらがるガキ女は必要ない。これからは、この女を調教してたっぷりと楽しませてもらうとするぜ。
まずは、この主従関係をはっきりさせておかないとな。
さぁ、これからオレのことはご主人様と呼べ。これからも、オレを必要とするならな。
彼女の顎をくい、と持ち上げてそう命令すると、彼女はいともたやすく堕ちた。
「はい、わかりましたご主人様!」
トロ顔で、目をハートにして。
おっと、いけねぇ。これ以上発情させたらうっかり妊娠しちまうかもしれない。オレはポテ腹には興味ないんでな。
とりあえず、これで上下関係は成立。
明日が楽しみだぜ。
本当なら、すぐにでも今日の出来事をズリネタにするところだが……そうはいかない。
明後日に迫る本番のために、予備の弾薬を限界までチャージしておく必要がある。
そのために、今日から全力でオナ禁だ。もうオナ禁・スカイウォーカーだ。誘惑に負けて股間のライトセイバーがダークサイドに堕ちないようしっかり管理しておかないとな。
「ではでは! また明日!」
手をブンブンと振って、彼女は公園を去っていった。
こうして、よく噛まないと飲み込めないほどの濃厚な一日が幕を閉じたのだった。
○
翌日
母親に精のつくものをそれとなく作らせ、それをガッツリ食らったところでオレは戦場に赴いた。
しかし、オナ禁がここまで苦労するもんだとは思ってもみなかったぜ。今日明日で思いっきり発散させねぇと割に合わん。
昨日と全く同じ時間に公園に到着し、まずは彼女の姿を探す。
まだ来てはいないようだ。まったく、ご主人様より遅く来るなんて、躾がなっていねぇな。後でみっちり仕置きをくれてやらないと。
それよりもまずは今日のプランだ。
ブランコ二人乗り。
ここで問題なのは、どっちが立ってどっちが座るかということだ。
つまり、FェラになるのかKンニになるのか
奴隷と主という観点で見れば、前者の方が望ましい。しかしオレ自身があの無毛な丘に魅入られてしまっているのもまた事実。
to be or not to be.
ハムレットが重大な選択を迫られていたように、オレもまた人生の中の一つの分岐路に差し掛かっていた。
くっ、こんなことを考えてたらまたオレのビッグサーベルが鞘からはみ出そうになってるじゃねぇか。
落ち着け……お前が鞘じゃなくて、あの女の穴に収まりたい気持ちは、オレが誰よりもよく知ってる。
そうだ、「素数」を数えて落ち着くんだ。そうすればきっとコイツも少しおとなしくなるはず。
2、3、5、6、9……ハッ!!
そうか、69か!
これならFェラかKンニかで悩む必要もない。一度で二度美味しい秘訣というわけだ。思わぬところでヒントを得られたぜ。
そうと決まれば実践だ。一刻も早くあの奴隷で試さなくては!
俺が躍起になったその時だった。
「や、やめてください!」
女性の悲痛な声が公園内にこだました。
その声には聞き覚えのあった。間違いない、あの奴隷のものだ。きっと何かあったに違いない。
いざ鎌倉。いざオナクラ。オレはダッシュでその声のもとに向かった。
そこにはやはり昨日のあの奴隷がいた。
その周りには、同じく昨日この公園にいたガキどもがいる。忘れもしない、オレをボコボコにした男らと、そいつらに膜をぶち抜かれた女どもだった。
連中はニヤニヤと気味の悪い笑みを浮かべながら、奴隷を取り囲んでいる。
「おうねぇちゃん。ここはオレ達の公園だってまだわかんねぇのかよ」
「そうだぜ。公園大王様の領地を侵した罪は重いぜ」
「あたしらのいない時間にこそこそ遊びに来るとかあさまし~い」
奴隷は彼らに暴行を受けたのか、服は汚れ、肌にはうっすらと痣ができていた。
「うぅ……」
苦痛に顔を歪める女奴隷。ちっとも気持ちよさそうじゃない。
あいつ……エムじゃなかったのか!?
「オレ達に無許可で遊んで、しかもショバ代も払えねぇとなると……あとはわかるよなぁ?」
「そ、そんな……」
「おいお前ら! コイツを取り押さえろ」
連中の中でも一際ガラの悪そうな大将が号令をかけると、取り巻き達が奴隷を拘束し始める。
どいつも小学生とはいえ、何人もよってたかられたらかなわない。
「いやっ、助けて!」
「へっへっへっ……そんなに遊びてぇならオレと一緒に遊ぼうぜぇ」
ガキ大将は手をワキワキさせながら、奴隷へと近づいていく。
女はギュッと目をつぶり、その時を待つしかなかった。
が。
「その時」はいつまでたっても訪れなかった。
それもそのはず。なぜなら――。
「待ちな、クズども」
オレが彼らの前に立ちはだかったからだ。
全員が一斉にこちらを向き、怪訝そうに顔をしかめる。
だがそれもつかの間。すぐに奴らはゲラゲラと笑い始めた。
「なんだ、誰かと思えば昨日のナンパ1年生じゃねぇかよ!」
「今日も相変わらずガールハントかぁ?」
「そんなにあたしらとヤリたいの? だったらお札の一枚でももってきなさいよ!」
口々にオレに罵詈雑言を浴びせるが、そんなことはどうでもいい。
オレはキッと連中をにらみつけると、静かに言った。
「そいつから離れろ」
「あ? 何命令してんだお前」
ガキ大将が一歩前に出て威嚇してきた。
どうやらこいつが公園大王で間違いなさそうだ。
「ふっ、命令じゃねぇ。忠告だ」
「何!?」
「てめえの短小なチ○コじゃ、その女をビビらせるどころか、返って笑われるだけだぜってことさ」
「んだと!?」
一瞬頭に血が登ったようだが、さすがは大王。すぐに冷静さを取り戻して落ち着き払った声で煽りモードへ。
「ハッ、オレ様より太さも長さも負けてそうな奴に言われても説得力ねぇぜ。な!」
仲間に同意を求めてまた盛大に爆笑する。
でも、それはどうかな。
「だったら比べてみるか?」
「は?」
「オレとお前、どっちのがでかいか。どっちがその女とヤるにふさわしいか」
「な、何言ってんだお前……」
萎縮しているのが目に見えてわかる。結局は口だけか愚か者め。
だがオレは違う。
一日オナ禁して、パワーを最大まで引き上げたこのオレの超銀河剣……とくと見るがいい!
カッと目を見開き、ズボンに手をかけ、ブリーフごとすばやく下ろす!
その瞬間。勝敗は決した。
オレの股間から見えない光が溢れ出し、拡散する。
女子どもは叫びながら顔を手で覆い、男どもはあんぐりと口を開けて硬直する。
「な、なんだ……」
「小学一年で……これは……」
「え、えげつねぇ……」
比べるまでもなかったな。
オレは彼らをあざ笑い、ズボンを履き直した。
あまりの衝撃に耐えきれなかったのか、ガキ大将は膝をついた。
「嘘……だろ? あんなの……勝てるわけがねぇ」
ようやく理解したか。昨日は運良く勝てて調子乗ってんだろうが、オレのポテンシャルを甘く見たツケはでかいぞ。
「公園大王でも、あっちの方は大貧民ってわけだ。無様だな」
「ぐっ……」
「この場所から出てくのは俺らじゃねぇ、お前らの方だ」
決まった。リベンジ成功。
オレめっちゃかっこよかったな。これであの奴隷もますますオレに惚れるに違いない。ひょっとしたら3日と待たずに今日中に本番イケるぜ。参ったなぁ、ゴム持ってきてねぇよ今日。
「くっ……くくくく」
しかし。
突然、がっくりとうなだれていたはずのガキ大将が肩を震わせて笑いだした。
「くっくっくっ、くははははは……」
こいつ……往生際が悪い奴だな。それとも自暴自棄になって気が狂ったか?
本気でそう思っていた。
だが奴は……弾けた。
「……なぁーんちゃってェ!」
……何?
オレは眉をひそめた。
「イッヒヒヒ、ククククク……おかしくって腹痛いわー。面白い奴だなお前、ほんとに俺のことを……クククククッ」
先程までの威圧的な態度から一転、はっちゃけたような、ラリったような口調。
一体、何が起きているんだ?
「なら見せてやろうかぁ!? もっと面白いものをよぉ!! 」
グワッ! と顔をこわばらせると、大将は叫んだ。
「今だ、やっちまえ!!」
瞬間、オレは理解した。
さっきみたいに、取り巻きを使ってオレを襲う気だ。
だがそうは行くか。オレはいつでも反撃ができるようにズボンを脱ぐ準備はできている。
どんな奴が相手だろうと、オレのムスコが全て黙らせる!
……そうするはずだったのに。
ズドン!!!
という謎の破裂音が響き、オレの身体はいつの間にか吹っ飛んでいた。
「……え?」
理解速度を追い越し、気付いた時にはもうオレは地面に転がっていた。
「まったく、いくら子どもとはいえ、奴隷の私から見ても破廉恥すぎますよ?」
優しい、でもどこか冷たさを含んでいるような声。
この声は……まさか!
オレが恐る恐る顔をあげると、そこにはやはりいた。
さっきまでガキどもにいびられてた、あの女奴隷が……今は、平然とオレの前に立っている。
昨日とは変わらない、にこやかな笑顔で「それ」を握りしめていた。
大口径のモデルガン。
オレが吹っ飛んだのは……それに撃たれたから?
でも、どうして……。
「この『銃』という武器。便利ですよね。単純に威力が高いのも魅力ですが、何よりエレメントの対象を人間に定められない奴隷にはことさらぴったりなアイテムです」
「はぁ?」
「私達奴隷は、直接エレメントを相手や自分に向けて撃てない。でもこの銃を介して発射すれば可能という意味ですよ。先程あなたを吹き飛ばしたのは風のエレメントです。実弾ではないのでご安心を」
「ど、どういうことだ……なんでこんなことを!?」
「あいっかわらず鈍いなぁーお前」
するとさっきのガキ大将が立ち上がりながら言った。
「公園大王はオレじゃねぇ、お前の前に立ってるそのねえちゃんなんだよ!!」
オレは息を呑んだ。
なん……だと?
この奴隷が……公園大王?
嘘だ……そんなわけあるか。怖くなってハッタリかましてるだけだ。本物はガキ大将の方だろ!
「本物ぉ? なにそれ? オレ達、ただのしたっぱ」
「なっ?」
「じゃんじゃじゃーん! 今明かされる衝撃の真実ゥ!! お前が昨日イチャコラしてた女こそ、この公園の支配者、『公園大王様』だったってわけだぁ!」
うそ、だよな……?
嘘だと言ってくれ、頼む!
オレは藁にもすがる思いで、奴隷のほうを振り返った。
だけど……彼女は、否定しなかった。
主人であるオレを撃ったことも、自分が公園を牛耳る公園大王だということも。
「いやぁ、本当に苦労しましたよ。間抜けな女を演じてあなたにつけ入るのは」
そんな彼女の口から出た言葉に、今度こそオレは絶望した。
「どうして……どうしてこんな真似を」
「あなたをあぶり出すためです」
奴隷は即答して近くのベンチに腰掛けた。
「聞きましたよ。ここら一帯で、あちこち公園で遊んでいる女の子達にちょっかいをかけている方がいると。かなりの噂になってるんですよ、あなたは」
「何!?」
「だからこの私が直々にあなたに制裁を下しに来た。この子達にも協力してもらってね」
ヒッヒヒヒ、とガキ大将及びその取り巻き達が笑い出す。
こいつら……全員グルだったのか!
「最初に言いましたよね。この公園には他人に喧嘩を売ったり、許可なしにそこで遊んだり、場所を譲らなかったりすると、容赦なく敵とみなして攻撃してくるのがいると」
「そ、それが公園大王だろ?」
「いいえ違います」
そこでようやく彼女は表情を変えた。
冷酷で、蔑むような視線をオレに向けた。
「それはあなたなんですよ」
「お、オレ?」
「あなたこそ、この場所で他人の安寧を脅かしているいわば『本当の公園大王』なのです」
オレが……公園大王?
「だからこそ、私達が立ち上がった。あなたを倒して、私が次の公園大王になるために」
「……」
「まぁ、その目的は既に達成されたわけですけども」
くるくると銃を指で回して奴はつまらなそうに言う。
オレは、最初から踊らされていたのか? こいつの……掌の上で!
何もかも、こいつの筋書き通りだったってことか!
「これも最初に言ったことですが、公園は誰のものでもありません。だから誰かが『自分のもの』にして、そこの統治者となるのは自然なこと」
「……」
「ですが、それは『独り占めしていい』ということでは決してありませんよ?」
「ぐっ!」
ベンチから腰を上げ、倒れ伏すオレの前まで歩いてくると、彼女はしゃがみこんだ。
今度はしっかりとスカートを股の間に挟んで。
「支配者にはそれ相応の資質が求められます。邪智暴虐の限りを尽くすものの天下はそう長くは続きません。なぜなら……私のような下剋上を狙う者が現れるからです。おわかりになりますか」
「……ふざけるな」
もう我慢の限界だった。
オレは立ち上がって叫んだ。
「奴隷のくせに、何偉そうにご主人様に説教垂れてんだ!」
「……」
「テメェ昨日オレの奴隷になるって言ったよな? 何が下剋上だ! 奴隷だったら死ぬまで服従すんのが当たり前だろうが!」
「……あらあら」
オレの怒号にも臆さずに彼女はおどけるように笑った。
その反応がますますオレを怒らせる。
「いいかもう一度わからせてやる。このオレはお前のご主人様だ。これはもう決まったことだ! そのオレに逆らうことは万死に値する! 奴隷の分際でゴタゴタ勝手にほざいてんじゃねぇ!」
「……」
「オレがいないと公園でロクに遊べもしないガイジが! 黙ってオレに奉仕してりゃいいんだよ! わかったらさっさとブランコで69すんだよあくしろよ!」
早口でまくしたてても、奴隷は……公園大王は溜息をつくだけだった。
「……『主人殺し』って知ってます?」
「あ?」
「ワイヤードではよく起きてたんですよ。乱暴に扱われた奴隷が、怒りに任せて主を殺してしまうという事件です」
「……何を言って」
ぱちり、とそこで女奴隷は指を鳴らした。
それを合図に、ぞろぞろとガキ大将と仲間達がむらがってくる。
「たしかに私はあなたの奴隷になった。あなたに仕えると誓った。でも奴隷も所詮は人間……」
「お、おい……」
「ひどいことをされたり言われたりしたら、誰だって怒ります」
「オレを殺すっていうのか! ご主人様を手に掛けるっていうのか! はっ! そんな度胸あるわけねぇだろ、お前ごときに!」
「できますよ」
冷徹な声で、奴隷は言い放った。
「私、既に一人殺してますので」
その言葉と同時に、したっぱどもが総攻撃を仕掛けてきた。
呆然としていたオレは、回避もできず、防御も出来ない。
つまり攻撃の全てを、生身で受けた。
「滑り台クラッシュ!」
パンチ。
「ブランコアタック!」
キック。
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ボディブロー。
「シーソースラッシュ!」
張り手。
「ジャングルジムタックル!」
アッパー。
連続でその大技を喰らい、血反吐を吐きながらよろめくオレに、とどめを刺さんと公園大王が……オレの性奴隷が近づいてくる。
「嘘ついてゴメンなさいね」
「……ぁ」
「公園の遊び方……もうとっくに知ってるんです」
「な、に……?」
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それは、何の変哲もない木の棒だった。
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軽くその棒を振りかざして言うと、腰を低くして構えた。
最後の一撃が……来る。
「ワイヤードに古来より伝わりし秘剣術……お見せしましょう」
踏み込み、そしてダッシュ。
目にも留まらぬ速さで、彼女はオレの懐に入り込む。
このままじゃやられる。
ここはもう一度脱いで、股間の後光で食い止めるしか無い!
オレが急いでズボンに手をかけた時には……もう勝敗は決していた。
轟音と共に、再びオレの身体が宙を舞った。
とてつもないその攻撃は、オレのシャイニングブレードでは全く太刀打ちできなかった。
下半身を丸出しにしたままオレは為す術もなく地面に墜落する。
完敗だ。このオレを打ち破るほどの剣技……。
公園大王の名にふさわしい必殺技。一体……これは……なんなんだ……。
その強烈な一撃を浴びせた女奴隷は、呟くようにその技の名前を口にした。
「奥義『公園要素皆無剣』」
○
そんなこんなで、きのうにつづいてぼくはまたまけました。
ガキ大しょうたちは、さんざんぼくをわらってからかえっていきました。
おねえさんは、さいごまでこうえんにのこり、ぼくをみおろしていました。
「はい、絆創膏です。今度は自分で貼ってくださいね」
といって、ぼくになんまいかばんそうこうをくれました。
てきからほどこしをうけるのは、ひじょうにくつじょくでしたが、ぼくにこれいじょうあらがう力はのこっていませんでした。
「安心してください。私は公園大王ですが、あなたみたいに他人を脅かすような真似はしませんので」
イヤミないいかたでした。
「あなたみたいなならず者が現れない限りは、基本大王は現れないでしょう。大王はこの公園の秩序を保守していくことが役割なので」
「……」
「公園はみんなのもの……いえ、正確には違いますね。『みんなで楽しむもの』だと私は思います。誰かが嫌な思いをするなんて、悲しいですから」
ぼくが一ばんイヤなおもいをしていることはむしかよ、とおもいました。
けっきょく、この二日かん、一ども女の子をだいていません。こうしてるあいだにも、どんどんぼくのせいよくがふくれあがっていますが、どうしろというのでしょうか。
「ならせめて、もう少し女の子にはやさしくしてあげてくださいな」
おしりをパンパンと払いながら、おねえさんはいいます。
「どうせ抱いてもらう男の人を選ぶなら、誰だって優しい人がいいに決まってます。あなたはまだ小さいのですから、これからいくらでもチャンスは有ると思いますよ」
「……」
「ですから、これからいいお相手が見つかるよう頑張ってくださいね」
ニコ、とまたいままでとおなじえがおで、かのじょはいいました。
ぼくはドキッとしました。
ぼくをだましていた女なのに、ぼくをボコボコにした女なのに、どうしてこんなに胸が苦しくなるんだろうとふしぎでした。
いったいこのきもちはなんなんだろうとおもいましたが、こたえはでませんでした。
でも、おねえさんのえがおを見ていると、ずっとそんなきもちがつづくことはたしかでした。
「あの、おねえさん――」
「おーい、クローラ!」
ぼくがかのじょにそのきもちをいおうとすると、こうえんにだれかがやってきました。
見た目はおねえさんとおなじ20さいくらいの男でした。
ぼくほどではないですが、けっこうイケメンでした。
「あ、ご主人様!」
おねえさんはぼくをガンむしして、その男のところにダッシュしていきました。
「おぉクローラ。ちゃんといい子で遊んでたか?」
「はい! クローラ、近所の子ども達とすっかりなかよくなれました!」
「そっかそっか、偉いぞ」
「えへへ……ご主人様に頭撫でられるの、クローラ好きです……」
かんぜんにメスのかおでした。
ぼくのときに見せたかおが、まるっきりえんぎだとはっきりするくらいガチでした。
かのじょのいっていた「あの人」とはあいつのことだったようです。
すでにおねえさんには、ほんめいがいたということでした。
「さ、そろそろ行くか。リファを探しに行かないと」
「あ、あの人また迷子になったんですね」
「どーせ寂しくなったら大声でギャン泣きするからしばらくしてりゃすぐ見つかるよ」
「そうですね」
そしておねえさんとその男は、ぼくにみむきもしないまま、こうえんを出ていきました。
ぶっちゃけすごくくやしかったし、かなしかったです。
でもそんなじぶんの中で、ひそかにべつのきもちがめばえてきました。
ぼくのほかに、べつのあいてがいた。
そのじじつが、なぜかすごくドキドキしました。
きっと、しろくじちゅうおねえさんと男はちゅっちゅちゅっちゅしているにちがいありません。
ぼくのしらないところで、おねえさんがあの男のちんちんでヒィヒィいっているすがたをそうぞうすると、これいじょうなくこうふんしました。
そうか、これがぞくにいうNTRフェチというやつだなとおもいました。
ぼくはあのこうえんでおねえさんとであったことで、あらたなじぶんをはっ見できました。
おわりです。
○
「……」
「……」
「……まぁ、言いたいことは色々あるが」
「……」
「先生もな、そんな頭がいい方ではないから、ツッコミや指摘が追いつかなくなるときも往々にしてある。わかるな」
「はい」
「だからあえてここでは多くは訊かない。お前が公園でナンパしまくってたこととか、そのおねえさんをハメようとしたこととか、お前のちんちんが小学生にしてはえげつないサイズだということとか。そういうことはまた日を改めてじっくり聞かせてもらう」
「はい」
「だが、この場で。この自分の作文音読会で今すぐはっきりさせておいてもらいたいことが一つある。それだけ教えてくれ」
「はい」
「その男は……どうだった?」
「え?」
「最後の方に出てきた男だ。お前、結構なイケメンだって言ってたな」
「はい」
「他にもっとないのか? 腕の筋肉とか、肩幅とか……あとケツとか」
「え?」
「え? じゃない。お前あれだけスカートの中身は繊細に描写してただろ。それほどお前は観察眼が冴えてるということだ。だったらその男のケツだってよく見てたはずだ」
「でも」
「言い訳はいい。とにかくお前は、その男のケツがどうだったかを語ればいいんだ。さぁ、早く、奴の、ケツはどうだったか言うんだ。引き締まってたか? それともたるんでたか? 堀り心地はよさそうだったのかぁ? いいケツか、ダメなケツか。問題はそこだけだ!」
「……よく見てませんでした」
「……」
「……」
「……はぁ。そうか……」
「はい」
「もういい笹塚、とりあえず廊下に立ってろ」
「ぼく田中です」
「立ってろ」
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