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もっとテンション上げて喜べよ!
心の中で自分の恋愛スキルの低さに嘆く美奈穂。出会ってまだ二回程の相手。しかも家もしかっりした人物からの食事の誘いだ。普通女子なら喜んで当たり前なのに、恋愛拗らせた女はこれだからいけないと反省をする。
『それじゃまた連絡しますね。俺…こう見えてメールとか苦手なんで…遅くなったらごめんなさい』
「ぜ…全然気にしてないですから!」
『ではまた連絡します』
そう言って電話が切れた。電話を切った後に美奈穂は身体中が熱かった。恋愛慣れしてない女はどうもこういうシュチュエーションで変な妄想が働くようだ。もしかしたら…などとおこがましい妄想が頭でめぐりながら、由美や上司の相川が言ったように本当にチャンスかもしれないと独りごちた。
翌日の昼過ぎになり慶からメールが来た。内容は今日の待ち合わせ場所と時間という簡素のもので、所々文字変換されてない所を見ると、本当にメールが苦手なんだなぁ…と思った。
「おーい山岸!仕事中にケータイいじるなよ!」
「すみません!」
相川に注意されスマフォをポケットに入れた。
「何だ?ついに彼氏でも出来たか?」
「そ、そんなんじゃないですよ!」
「そうか?顔、すごいニヤけてるぞ」
そんなにわかりやすく顔に出ているのかと思って、両手で頬を挟んだ。ほんのり熱のこもった頬。心臓はドキドキと音を立てているのがわかる。
(表情はわからないけど…心臓バクバクだし、顔赤いだろうから相当表に出てたのかな?)
十年ぶりの男女二人での顔合わせだ。とは言っても過去二回慶と一緒にいても、それほど緊張したりしなかった。これは自分が意識しないようにしていたのに、周りにはやし立てられたからなのだろうと思う事にした。
午後の仕事も終わり、就業時間の五時になり席を立って退社の準備をしていた美奈穂を見た同僚女子が目を見開いていた。
「山岸さん。もしかして今日デート?」
「えっ?どうしたの急に?」
「だって山岸さんがスカートなんて珍しいし…」
言われてみればそうだ。美奈穂はいつからかスカートではなくズボンばかり履くようになっていたから、周りもそれで定着していたのだろう。
男性からの誘いでスカートなど、見え見えでかつあからさまだっただろうかと考え込んでしまったが、同僚女子はにっこりとほほ笑んだ。
「いいじゃないですか!そうやって見ると女の子らしいですよ!」
「悪かったわね!普段女の子らしくなくて!」
一体自分は周りからどう見られているのだろうか?
「相手どんな人ですか?」
「いや…デートとかじゃなくて…普通に夕食に誘われただけで…」
「それを世間一般ではデートって言うんですよ!山岸さんってそういうの全然だし、山岸さん本人が恋愛してるのとか、聞いてるこっちが嬉しいですよ」
彼女は入社してそう長くない時に結婚し、今では子供も二人いるママさん社員だ。たしかに今までは彼女以外にも人の恋愛話を聞く専門で、自分から話すという事がなかった。本当に嬉しいといった表情を彼女は見せる。
「詳しく聞きたいから、どうだったか明日教えて下さいね!」
それだけ言うと早々に退社した。美奈穂も崩れた化粧を直し、慶との待ち合わせ場所へ向かった。
心の中で自分の恋愛スキルの低さに嘆く美奈穂。出会ってまだ二回程の相手。しかも家もしかっりした人物からの食事の誘いだ。普通女子なら喜んで当たり前なのに、恋愛拗らせた女はこれだからいけないと反省をする。
『それじゃまた連絡しますね。俺…こう見えてメールとか苦手なんで…遅くなったらごめんなさい』
「ぜ…全然気にしてないですから!」
『ではまた連絡します』
そう言って電話が切れた。電話を切った後に美奈穂は身体中が熱かった。恋愛慣れしてない女はどうもこういうシュチュエーションで変な妄想が働くようだ。もしかしたら…などとおこがましい妄想が頭でめぐりながら、由美や上司の相川が言ったように本当にチャンスかもしれないと独りごちた。
翌日の昼過ぎになり慶からメールが来た。内容は今日の待ち合わせ場所と時間という簡素のもので、所々文字変換されてない所を見ると、本当にメールが苦手なんだなぁ…と思った。
「おーい山岸!仕事中にケータイいじるなよ!」
「すみません!」
相川に注意されスマフォをポケットに入れた。
「何だ?ついに彼氏でも出来たか?」
「そ、そんなんじゃないですよ!」
「そうか?顔、すごいニヤけてるぞ」
そんなにわかりやすく顔に出ているのかと思って、両手で頬を挟んだ。ほんのり熱のこもった頬。心臓はドキドキと音を立てているのがわかる。
(表情はわからないけど…心臓バクバクだし、顔赤いだろうから相当表に出てたのかな?)
十年ぶりの男女二人での顔合わせだ。とは言っても過去二回慶と一緒にいても、それほど緊張したりしなかった。これは自分が意識しないようにしていたのに、周りにはやし立てられたからなのだろうと思う事にした。
午後の仕事も終わり、就業時間の五時になり席を立って退社の準備をしていた美奈穂を見た同僚女子が目を見開いていた。
「山岸さん。もしかして今日デート?」
「えっ?どうしたの急に?」
「だって山岸さんがスカートなんて珍しいし…」
言われてみればそうだ。美奈穂はいつからかスカートではなくズボンばかり履くようになっていたから、周りもそれで定着していたのだろう。
男性からの誘いでスカートなど、見え見えでかつあからさまだっただろうかと考え込んでしまったが、同僚女子はにっこりとほほ笑んだ。
「いいじゃないですか!そうやって見ると女の子らしいですよ!」
「悪かったわね!普段女の子らしくなくて!」
一体自分は周りからどう見られているのだろうか?
「相手どんな人ですか?」
「いや…デートとかじゃなくて…普通に夕食に誘われただけで…」
「それを世間一般ではデートって言うんですよ!山岸さんってそういうの全然だし、山岸さん本人が恋愛してるのとか、聞いてるこっちが嬉しいですよ」
彼女は入社してそう長くない時に結婚し、今では子供も二人いるママさん社員だ。たしかに今までは彼女以外にも人の恋愛話を聞く専門で、自分から話すという事がなかった。本当に嬉しいといった表情を彼女は見せる。
「詳しく聞きたいから、どうだったか明日教えて下さいね!」
それだけ言うと早々に退社した。美奈穂も崩れた化粧を直し、慶との待ち合わせ場所へ向かった。
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