44 / 85
p43
しおりを挟む
「それでは入会の手続きは以上です」
結局フィットネスジムに入会する事になった陽菜は、申込書に手続きに必要な事を書いていった。どうやらパーソナルトレーナーも石野が引き継いでくれるようだ。
「水曜と金曜に来られるのでいいですか?」
「はい、大丈夫です」
「ではまず山下さんのプログラムを簡単に説明しますね」
ダイエット目的ではなく、基礎体力作りなのでさほどきつい事をするのではなく、ジムに来ない日でも簡単に出来るようなものだったりを説明された。
「はい、ゆっくり膝を胸まで押し上げて……」
「いたたた……」
「ゆっくりです。痛いと思ったら一旦止めて」
横になり膝をたたんだ状態から胸の方へ上げていくが、ここでわかった自分の弱点が体が硬い事だ。股関節も硬いようで開きも悪い。確かにアレンとのセックスでたまに股が割れるのではと思う事もある。
(なんでいきなりそっちの出来事を……)
つい夜の事を思い返してしまった陽菜は恥ずかしくなってしまった。
きっちり二時間のトレーニングを終え、午後二十時帰宅する事になった陽菜は、ジムにあるシャワールームでシャワーを浴びてから帰る事にした。同じマンション内にフィットネスジムがあるのがこれほどにまで楽とは思いもしなかった。帰りはエレベータ一本だ。
ジムを後にし、エレベータに乗り込もうとした時だった。開いたエレベータからヘッドフォンをした背の高い男性が出て来た。
「う、っそ……あれって俳優の大塚一誠じゃん!」
今テレビで活躍中の人気俳優。まさか同じマンションだったとは思わなかった陽菜は地味にテンションを上げた。テレビで見るよりも背が高く、髪は黒くツーブロックで前髪が地味に長い。このマンションにはいろいろな業種のビップが住んでいるし、何度も目撃したが、今日は久々に嬉しくなった。
「私がここでテンションマックスになったのは女優の桐谷あすかと大塚一誠見た時じゃん」
変にミーハー心を出すのはいけない事だ。同じマンション住民くらいの気持ちを持って陽菜は帰宅した。
「ねぇヒナ。これなんかどう?」
雑誌片手にうきうきのアレン。今度は何をやらかそうとしているのかと思って、一応雑誌を見た。そこにはドレスの特集が書かれてある。
「ドレスなんて着ないわよ」
「でもドレスを着ないとパーティには参加できないよ」
そう言えばここに来た時そんな事を言っていたような気もした。たしか知り合いのパーティか何かだ。
「えっ?アレって本当なの?」
「本当だよ。来週だからドレスも選んでおかないと」
「ちょ、ちょっと待って!来週?」
何の素振りもなかったので、急にそんな事を言われると対応が難しい。
「正式な日にちが今日届いてね。パートナー同伴必須だって言われちゃってね。だからヒナも参加だよ」
「うぅ……そう言われると断れない。ちなみに誰のパーティ?」
「アメリカにいる不動産王のパーティだよ。大学生の時に知り合ったんだ」
とりあえずで聞いたが、やはりその手のパーティを開く人物はまたビックネームなのだ。だがアメリカ人が開くにしてもここは日本だ。
「あぁ、主催はそいつだけど、名義貸しは日本人なんだよ」
「よ、よくわからない……とりあえずセレブすぎて失神しないよう気をつけるよ」
とは言っても不安でしかない。セレブまみれのそのパーティに自分が行っても大丈夫なのか。だがアレンはニコニコしてとても楽しそうだった。
結局フィットネスジムに入会する事になった陽菜は、申込書に手続きに必要な事を書いていった。どうやらパーソナルトレーナーも石野が引き継いでくれるようだ。
「水曜と金曜に来られるのでいいですか?」
「はい、大丈夫です」
「ではまず山下さんのプログラムを簡単に説明しますね」
ダイエット目的ではなく、基礎体力作りなのでさほどきつい事をするのではなく、ジムに来ない日でも簡単に出来るようなものだったりを説明された。
「はい、ゆっくり膝を胸まで押し上げて……」
「いたたた……」
「ゆっくりです。痛いと思ったら一旦止めて」
横になり膝をたたんだ状態から胸の方へ上げていくが、ここでわかった自分の弱点が体が硬い事だ。股関節も硬いようで開きも悪い。確かにアレンとのセックスでたまに股が割れるのではと思う事もある。
(なんでいきなりそっちの出来事を……)
つい夜の事を思い返してしまった陽菜は恥ずかしくなってしまった。
きっちり二時間のトレーニングを終え、午後二十時帰宅する事になった陽菜は、ジムにあるシャワールームでシャワーを浴びてから帰る事にした。同じマンション内にフィットネスジムがあるのがこれほどにまで楽とは思いもしなかった。帰りはエレベータ一本だ。
ジムを後にし、エレベータに乗り込もうとした時だった。開いたエレベータからヘッドフォンをした背の高い男性が出て来た。
「う、っそ……あれって俳優の大塚一誠じゃん!」
今テレビで活躍中の人気俳優。まさか同じマンションだったとは思わなかった陽菜は地味にテンションを上げた。テレビで見るよりも背が高く、髪は黒くツーブロックで前髪が地味に長い。このマンションにはいろいろな業種のビップが住んでいるし、何度も目撃したが、今日は久々に嬉しくなった。
「私がここでテンションマックスになったのは女優の桐谷あすかと大塚一誠見た時じゃん」
変にミーハー心を出すのはいけない事だ。同じマンション住民くらいの気持ちを持って陽菜は帰宅した。
「ねぇヒナ。これなんかどう?」
雑誌片手にうきうきのアレン。今度は何をやらかそうとしているのかと思って、一応雑誌を見た。そこにはドレスの特集が書かれてある。
「ドレスなんて着ないわよ」
「でもドレスを着ないとパーティには参加できないよ」
そう言えばここに来た時そんな事を言っていたような気もした。たしか知り合いのパーティか何かだ。
「えっ?アレって本当なの?」
「本当だよ。来週だからドレスも選んでおかないと」
「ちょ、ちょっと待って!来週?」
何の素振りもなかったので、急にそんな事を言われると対応が難しい。
「正式な日にちが今日届いてね。パートナー同伴必須だって言われちゃってね。だからヒナも参加だよ」
「うぅ……そう言われると断れない。ちなみに誰のパーティ?」
「アメリカにいる不動産王のパーティだよ。大学生の時に知り合ったんだ」
とりあえずで聞いたが、やはりその手のパーティを開く人物はまたビックネームなのだ。だがアメリカ人が開くにしてもここは日本だ。
「あぁ、主催はそいつだけど、名義貸しは日本人なんだよ」
「よ、よくわからない……とりあえずセレブすぎて失神しないよう気をつけるよ」
とは言っても不安でしかない。セレブまみれのそのパーティに自分が行っても大丈夫なのか。だがアレンはニコニコしてとても楽しそうだった。
1
お気に入りに追加
104
あなたにおすすめの小説
[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。
ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい
えーー!!
転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!!
ここって、もしかしたら???
18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界
私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの???
カトリーヌって•••、あの、淫乱の•••
マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!!
私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い••••
異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず!
だって[ラノベ]ではそれがお約束!
彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる!
カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。
果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか?
ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか?
そして、彼氏の行方は•••
攻略対象別 オムニバスエロです。
完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。
(攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)
【完結】もう一度やり直したいんです〜すれ違い契約夫婦は異国で再スタートする〜
四片霞彩
恋愛
「貴女の残りの命を私に下さい。貴女の命を有益に使います」
度重なる上司からのパワーハラスメントに耐え切れなくなった日向小春(ひなたこはる)が橋の上から身投げしようとした時、止めてくれたのは弁護士の若佐楓(わかさかえで)だった。
事情を知った楓に会社を訴えるように勧められるが、裁判費用が無い事を理由に小春は裁判を断り、再び身を投げようとする。
しかし追いかけてきた楓に再度止められると、裁判を無償で引き受ける条件として、契約結婚を提案されたのだった。
楓は所属している事務所の所長から、孫娘との結婚を勧められて困っており、 それを断る為にも、一時的に結婚してくれる相手が必要であった。
その代わり、もし小春が相手役を引き受けてくれるなら、裁判に必要な費用を貰わずに、無償で引き受けるとも。
ただ死ぬくらいなら、最後くらい、誰かの役に立ってから死のうと考えた小春は、楓と契約結婚をする事になったのだった。
その後、楓の結婚は回避するが、小春が会社を訴えた裁判は敗訴し、退職を余儀なくされた。
敗訴した事をきっかけに、裁判を引き受けてくれた楓との仲がすれ違うようになり、やがて国際弁護士になる為、楓は一人でニューヨークに旅立ったのだった。
それから、3年が経ったある日。
日本にいた小春の元に、突然楓から離婚届が送られてくる。
「私は若佐先生の事を何も知らない」
このまま離婚していいのか悩んだ小春は、荷物をまとめると、ニューヨーク行きの飛行機に乗る。
目的を果たした後も、契約結婚を解消しなかった楓の真意を知る為にもーー。
❄︎
※他サイトにも掲載しています。
スパダリ外交官からの攫われ婚
花室 芽苳
恋愛
「お前は俺が攫って行く――」
気の乗らない見合いを薦められ、一人で旅館の庭に佇む琴。
そんな彼女に声をかけたのは、空港で会った嫌味な男の加瀬 志翔。
継母に決められた将来に意見をする事も出来ず、このままでは望まぬ結婚をする事になる。そう呟いた琴に、志翔は彼女の身体を引き寄せて
――――
「私、そんな所についてはいけません!」
「諦めろ、向こうではもう俺たちの結婚式の準備が始められている」
そんな事あるわけない! 琴は志翔の言葉を信じられず疑ったままだったが、ついたパリの街で彼女はあっという間に美しい花嫁にされてしまう。
嫌味なだけの男だと思っていた志翔に気付けば溺愛され、逃げる事も出来なくなっていく。
強引に引き寄せられ、志翔の甘い駆け引きに琴は翻弄されていく。スパダリな外交官と純真無垢な仲居のロマンティック・ラブ!
表紙イラスト おこめ様
Twitter @hakumainter773
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
色々と疲れた乙女は最強の騎士様の甘い攻撃に陥落しました
灰兎
恋愛
「ルイーズ、もう少し脚を開けますか?」優しく聞いてくれるマチアスは、多分、もう待ちきれないのを必死に我慢してくれている。
恋愛経験も無いままに婚約破棄まで経験して、色々と疲れているお年頃の女の子、ルイーズ。優秀で容姿端麗なのに恋愛初心者のルイーズ相手には四苦八苦、でもやっぱり最後には絶対無敵の最強だった騎士、マチアス。二人の両片思いは色んな意味でもう我慢出来なくなった騎士様によってぶち壊されました。めでたしめでたし。
冷徹御曹司と極上の一夜に溺れたら愛を孕みました
せいとも
恋愛
旧題:運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
神楽坂グループ傘下『田崎ホールディングス』の創業50周年パーティーが開催された。
舞台で挨拶するのは、専務の田崎悠太だ。
専務の秘書で彼女の月島さくらは、会場で挨拶を聞いていた。
そこで、今の瞬間まで彼氏だと思っていた悠太の口から、別の女性との婚約が発表された。
さくらは、訳が分からずショックを受け会場を後にする。
その様子を見ていたのが、神楽坂グループの御曹司で、社長の怜だった。
海外出張から一時帰国して、パーティーに出席していたのだ。
会場から出たさくらを追いかけ、忘れさせてやると一夜の関係をもつ。
一生をさくらと共にしようと考えていた怜と、怜とは一夜の関係だと割り切り前に進むさくらとの、長い長いすれ違いが始まる。
再会の日は……。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる