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「んっ……やぁ!」
 深い場所まで入り込むアレンに、陽菜は思わず甘い声を漏らした。
「ここが好き?」
 耳元で囁かれる声にビクリと反応する。
 こんなポーズ恥ずかしいと思いながらも、見下ろした先にいるアレンはなんだか満足そうだった。
 楽しそうなアレンは陽菜の乳首を甘噛みする。
「あっ、あんっ!」
「自分で好きに動いていいんだよ」
 座位の形でそう促された陽菜はゆっくりと腰を動かす。その度に声を漏らすが、自分自身の動きがもどかしい。
「どうしたの?」
「自分で……って、難しい……」
 自分なりに動いてはいるが、これほどまでに難しいとは思いもしなかった。ただ上下に動くだけでも大変だが、なんだか物足りない感じがした。
「じゃあヒナのいいところ、自分で探してみて」
 そう言われて陽菜はいいと思う場所を探す。深く座り込んだ奥の場所で、陽菜のなかはキュッと締まる。それに気がついたアレンが一回、下から強く突き上げた。
「あ、あぁ!」
「あぁ、ここがいいんだね」
「ア、アレン!」
 クルリと押し倒された陽菜。主導権をアレンに握られると、アレンはそこを徹底的に攻めた。
「あっ、あっ!やだっ!そこ……」
「でもここがいいんだよね?すごく締まる」
「やぁっ!んっ……あんっ!」
 パンパンと杭を打ち付ける度に溢れる蜜。その音が粘度を増しながら部屋中に響く。
「ヒナ……愛してる」
「やあぁっ!んっん……」
 足がツーンと貼り、ビクビクと痙攣する。
「ヒナもイッちやった?」
「ば、ばかぁ……」
 少し涙目の陽菜にアレンは優しくキスをした。


 二人で暮らすという事は、夜もこんなに甘くなるなるのだなと思った。
 二人で寝ても余りに余りまくるベッドの真ん中で、アレンの寝顔を見ながら陽菜は思った。
「んっ……ヒナ?」
「あっ、ごめん。起こした?」
「うぅん。もしかして眠れない?」
「まぁ、枕変わってすぐはね。馴染んだら眠れるよ」
 こう見えても常日頃から忙しいアレンは、「そっか……」と言ってまた夢の中へと入っていった。
(普通女の人を置いて寝るなんてマナー違反だよ……って、澤永さんなら言いそう)
 陽菜自身はそこまで言いはしないし、こうしてアレンの寝顔を見るのも貴重なので、この状況をしばらく楽しんだ。


「ヒナ……ヒナ」
「んっ……うんっ」
 いつの間にか寝ていたのだろう。アレンの声が聞こえる。
「おはよう」
「お、おはよう……」
 朝か。っと光挿す部屋の窓を見て思った。
「こうしてヒナの顔を朝から見れるなんて嬉しいなぁ……」
「そうだね……」
 まだ頭が回らない中、しばらくはこんな風に朝を迎えるのには慣れなさそうだなと思っていると、急に頭が回り始める。
「アレンが私より先に起きてる!」
「うん。ヒナの寝顔が見れたよ」
「そうじゃなくて仕事!」
 今日は平日で、もちろん仕事はある。自分より先にアレンが起きていると言うことは完全に寝坊だ。
「アレン!早く支度して!遅刻しちゃう!」
 慌てふためく陽菜とは反対に、相変わらず朝はのんびりなアレン。
「うーん……今日はここで仕事しようかなぁ?」
「だ、ダメよ!今日は商談とかあるんだから!ほら、急いで!」
 賑わしい朝を迎え、今日も変わらない日常が始まる。
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