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伊澄報復行動や笹川なのか電撃卒業などなどの問題はしばらくの間賑わっていたが、人々の関心は次のスキャンダルへと移り、次第に騒がれなくはなった。これで一件落着で陽菜とアレンの監禁生活も終了し、これまで同様の生活を送る事が出来る……はずだった。
「え、えーっと……この超豪華高層階マンションは一体何なのでしょうか?」
とある休日に陽菜はアレンと伊澄に連れられて都内の有名超高級マンション前まで連れて来られた。
「あの事件があって、やはりセキュリティも大切ですが、何よりお二人が交際を始められたという事もあって、勝手ながらこちらでお住まいの方を用意させてもらいました」
伊澄の言葉に驚きを通り越して絶句した。
まさか交際一つでこの騒ぎなのか。たしかに元々陽菜が住んでいたマンションでは部屋自体も狭いし、セキュリティ面でもいいとも言えない。だからといってここまでするのかと思った。
「ここでしたらセキュリティは最高レベル。それに世界的財閥のアレンCEOの名に恥じない場所でしょう」
「だ、だからって高層マンション?」
「えぇ、ここは日本。しかも都心の真ん中ですからね。さすがにヒースルー本邸でもないのでこのくらいでちょうどいいでしょう」
ちょうどいいの具合が全く分からないのだが、このセキュリティ完備、コンシェルジュ在住の、いかにもセレブや芸能人がいますと言わんばかりのマンションに自分が住む事になろうとは。
「大丈夫だよヒナ。ただのマンションだし前よりちょっと部屋数があるくらいだよ」
「ちょっと~?」
「そうだよ。ヒースルーの本家邸宅はもっと広いんだし、これくらいで驚いていたらいけないよ」
聞けば牧草があるので馬を走らせるに十分な高原と、森や池、ベルサイユ宮殿かと聞きたくなる程の庭園やバッキンガム宮殿さながらの屋敷というより城もあるらしい。
「僕と結婚すればそれらが全てヒナのものになるんだよ」
「い、いらないよそんないわくつき物件!私は庶民なんだし!」
「はいそこです!」
急にぴしゃりと言い留めた伊澄に陽菜はビクリとした。
「ど、どうしたんですか?伊澄さん……」
「結婚の事については置いておいたとして、ある程度抑えてはいるとは言っても、貴女の事は世界中が知る所となってはいます。今後の事を考えたとしても、その庶民感覚は除けてもらわなくてはいけません。貴女がもしヒースルー夫人と言われるのであれば、それなりの教養や知識、振舞いなども必要となるのですよ」
「そ、そんな事を言われても……」
「そのままでいれば財産目当てと世界中から言われかねませんし、恥をかくのは貴女ではなくアレン様ですよ」
そんな言葉を次々と並べられ、陽菜は「ひぃぃ……」と声を漏らした所でアレンから伊澄を静止する声が漏れた。
「伊澄そこまでだよ。ヒナをあんまりいじめないで」
「ですが真実ですよ」
「わかってる。とりあえずヒナを認めてもらわないと結婚出来ないのは事実だし、差し当たって一カ月後にパーティあるから、そこにヒナも同席させるよ」
「パーティ?」
なんだかマンションを見に来ただけなのに、話がとんでもない方向へと向かっている気がした。
「え、えーっと……この超豪華高層階マンションは一体何なのでしょうか?」
とある休日に陽菜はアレンと伊澄に連れられて都内の有名超高級マンション前まで連れて来られた。
「あの事件があって、やはりセキュリティも大切ですが、何よりお二人が交際を始められたという事もあって、勝手ながらこちらでお住まいの方を用意させてもらいました」
伊澄の言葉に驚きを通り越して絶句した。
まさか交際一つでこの騒ぎなのか。たしかに元々陽菜が住んでいたマンションでは部屋自体も狭いし、セキュリティ面でもいいとも言えない。だからといってここまでするのかと思った。
「ここでしたらセキュリティは最高レベル。それに世界的財閥のアレンCEOの名に恥じない場所でしょう」
「だ、だからって高層マンション?」
「えぇ、ここは日本。しかも都心の真ん中ですからね。さすがにヒースルー本邸でもないのでこのくらいでちょうどいいでしょう」
ちょうどいいの具合が全く分からないのだが、このセキュリティ完備、コンシェルジュ在住の、いかにもセレブや芸能人がいますと言わんばかりのマンションに自分が住む事になろうとは。
「大丈夫だよヒナ。ただのマンションだし前よりちょっと部屋数があるくらいだよ」
「ちょっと~?」
「そうだよ。ヒースルーの本家邸宅はもっと広いんだし、これくらいで驚いていたらいけないよ」
聞けば牧草があるので馬を走らせるに十分な高原と、森や池、ベルサイユ宮殿かと聞きたくなる程の庭園やバッキンガム宮殿さながらの屋敷というより城もあるらしい。
「僕と結婚すればそれらが全てヒナのものになるんだよ」
「い、いらないよそんないわくつき物件!私は庶民なんだし!」
「はいそこです!」
急にぴしゃりと言い留めた伊澄に陽菜はビクリとした。
「ど、どうしたんですか?伊澄さん……」
「結婚の事については置いておいたとして、ある程度抑えてはいるとは言っても、貴女の事は世界中が知る所となってはいます。今後の事を考えたとしても、その庶民感覚は除けてもらわなくてはいけません。貴女がもしヒースルー夫人と言われるのであれば、それなりの教養や知識、振舞いなども必要となるのですよ」
「そ、そんな事を言われても……」
「そのままでいれば財産目当てと世界中から言われかねませんし、恥をかくのは貴女ではなくアレン様ですよ」
そんな言葉を次々と並べられ、陽菜は「ひぃぃ……」と声を漏らした所でアレンから伊澄を静止する声が漏れた。
「伊澄そこまでだよ。ヒナをあんまりいじめないで」
「ですが真実ですよ」
「わかってる。とりあえずヒナを認めてもらわないと結婚出来ないのは事実だし、差し当たって一カ月後にパーティあるから、そこにヒナも同席させるよ」
「パーティ?」
なんだかマンションを見に来ただけなのに、話がとんでもない方向へと向かっている気がした。
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