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「おはようございまーす。起こしに来ましたよ」
スペアキーでアレンの部屋を開けた陽菜。実はこのスペアキー、黒スーツのSPさんから手渡され、返そうとしても受け取ってくれなかったものだ。
手渡されて以降、陽菜はこのスペアキーを使って毎日朝起こしに来る。ちなみにモーニングコールを試したが、全然出てくれないので直接行く事になった。だが寝室に入るとアレンは直ぐに目を覚ます事からも、モーニングコールには気が付いていて無視している確信犯だと気が付いたのはここ最近だ。しかも毎度全裸。一体いつどこで鍛えているのか、筋肉も程よくついて引き締まった体、顔も良く金もあるというまさにプリンスオブスパダリだ。
そして今日も寝室に入ると全裸の男は見せつけるかのようにして陽菜の顔を見ていた。
「おはようヒナ」
「おはようございます。早く服着るかシャワー浴びるかして下さいね」
アレンの朝は忙しい時以外はシャワーを浴びる事から始まる。忙しい場合は職場(ホテルの一室)でシャワーを浴びる。ちなみにアレンの全裸にはもう慣れた陽菜は、下半身の一物を見てもあまり反応しなくなっていた。
「毎朝毎朝ヒナに起こしてもらえてとても幸せだよ」
「そう言って……本当は少し前に起きてますよね?」
「どうだったかな?それよりも朝のキスを……」
「朝一の口内は細菌だらけなのでダメです!」
迫りくるアレンを阻止しようとした陽菜。するとその時……
「兄さんおはよう!」
無遠慮に寝室へやって来たのはアレンの弟アンリだった。アンリは迫るアレンと迫られる陽菜の姿を見て硬直した。
「あ、おはようアンリ」
ニコリと満面の笑みで言うアレンとは反対に、アンリは顔を真っ赤にしていた。
「は、破廉恥だ!朝から!日本はいつからヨーロッパになったんだ!」
「ち、違う!勝手にアレンが迫ってるだけだから!」
朝からなんとも騒がしい。
ちなみにアンリだが、アレンの隣の部屋に越してきた。元の元はファミリーがいたが、アレンが来た事でこのフロアは陽菜、アンリ、SPだけが住む異様な階になった。しかしアンリがここに住むと言うのでSPが一室をアンリに明け渡したのだ。
しかもアンリはブラコンに加え、極度の恥ずかしがりやのようで、外国人によくあるような街中でキスやハグ、愛を囁きあうなどといった行為に対して顔を真っ赤にしている。
「海外で……特にヨーロッパ圏で愛を囁く、キスやセックスなんてセットなのに、アンリって本当に初心でかわいいよね」
弟違い、兄はケロっとしている。陽菜もこの事実を知った時には驚きを隠せなかったくらいだ。とはいえブラコンである事を除けば、アンリは悪い子ではない事がわかった。
歳は二十歳。大学はイギリスの超有名大学を早々に卒業し、今はヒースルーの事業の一部手伝いをしている程の超秀才だ。
「オレはお前なんかよりもずっと兄さんの役に立つ!」
そう言って現在はアレンと共にあの部屋で仕事をしているのだ。アレン、アンリ兄弟の登場に秘書課の人達は驚いたが、それ以上を追及しなかった。要は仕事さえしてくれればいいので、陽菜よりも使えるアンリは秘書課の人達からも頼りにされているのだった。
スペアキーでアレンの部屋を開けた陽菜。実はこのスペアキー、黒スーツのSPさんから手渡され、返そうとしても受け取ってくれなかったものだ。
手渡されて以降、陽菜はこのスペアキーを使って毎日朝起こしに来る。ちなみにモーニングコールを試したが、全然出てくれないので直接行く事になった。だが寝室に入るとアレンは直ぐに目を覚ます事からも、モーニングコールには気が付いていて無視している確信犯だと気が付いたのはここ最近だ。しかも毎度全裸。一体いつどこで鍛えているのか、筋肉も程よくついて引き締まった体、顔も良く金もあるというまさにプリンスオブスパダリだ。
そして今日も寝室に入ると全裸の男は見せつけるかのようにして陽菜の顔を見ていた。
「おはようヒナ」
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「毎朝毎朝ヒナに起こしてもらえてとても幸せだよ」
「そう言って……本当は少し前に起きてますよね?」
「どうだったかな?それよりも朝のキスを……」
「朝一の口内は細菌だらけなのでダメです!」
迫りくるアレンを阻止しようとした陽菜。するとその時……
「兄さんおはよう!」
無遠慮に寝室へやって来たのはアレンの弟アンリだった。アンリは迫るアレンと迫られる陽菜の姿を見て硬直した。
「あ、おはようアンリ」
ニコリと満面の笑みで言うアレンとは反対に、アンリは顔を真っ赤にしていた。
「は、破廉恥だ!朝から!日本はいつからヨーロッパになったんだ!」
「ち、違う!勝手にアレンが迫ってるだけだから!」
朝からなんとも騒がしい。
ちなみにアンリだが、アレンの隣の部屋に越してきた。元の元はファミリーがいたが、アレンが来た事でこのフロアは陽菜、アンリ、SPだけが住む異様な階になった。しかしアンリがここに住むと言うのでSPが一室をアンリに明け渡したのだ。
しかもアンリはブラコンに加え、極度の恥ずかしがりやのようで、外国人によくあるような街中でキスやハグ、愛を囁きあうなどといった行為に対して顔を真っ赤にしている。
「海外で……特にヨーロッパ圏で愛を囁く、キスやセックスなんてセットなのに、アンリって本当に初心でかわいいよね」
弟違い、兄はケロっとしている。陽菜もこの事実を知った時には驚きを隠せなかったくらいだ。とはいえブラコンである事を除けば、アンリは悪い子ではない事がわかった。
歳は二十歳。大学はイギリスの超有名大学を早々に卒業し、今はヒースルーの事業の一部手伝いをしている程の超秀才だ。
「オレはお前なんかよりもずっと兄さんの役に立つ!」
そう言って現在はアレンと共にあの部屋で仕事をしているのだ。アレン、アンリ兄弟の登場に秘書課の人達は驚いたが、それ以上を追及しなかった。要は仕事さえしてくれればいいので、陽菜よりも使えるアンリは秘書課の人達からも頼りにされているのだった。
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