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第七章
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そこに至るまでの道はとても長い。家柄もなく後ろ盾もない莉春には到底不可能に近い事だ。だがそこまで辿り着かなくてはいつまでも周りの官吏や侯鄭妃、偉蓮華から寝首を搔かれるばかりだ。
「確かにおじさんや承大師、斎楊佳様の名前だけでも力強い。けど後宮で生き抜く為の後ろ盾は絶対に必要」
ふと後宮の端にある豪奢な建物に目が向いた。
「あれはたしか栄寧殿。前皇后でもある呉聖葉太妃が暮らしている場所……」
前皇帝劉紀清が退位後、ほとんどの嬪妃達は城の外へと出た中、呉聖葉だけはこの城に留まった。しかも太妃には子がいないので、皇帝争いの際に矢面に出る事もなかった。今では静かな余生を送っているだけで、滅多な事では栄寧殿からも出ないらしい。
「もし呉太妃の後ろ盾を得られるのなら……」
そう安易な考えが出たが、事はそう簡単にはいかないだろう。後宮にいてその生活も何もかも流れてこないのだ。どうやったら会えるのかすらわからない。莉春はどうしたらいいのかを考える。
だが莉春が紫水殿と弦丘城を結ぶ道について奏上したその日の夜。初めて莉春は仁夢殿に召される事となる。
「確かにおじさんや承大師、斎楊佳様の名前だけでも力強い。けど後宮で生き抜く為の後ろ盾は絶対に必要」
ふと後宮の端にある豪奢な建物に目が向いた。
「あれはたしか栄寧殿。前皇后でもある呉聖葉太妃が暮らしている場所……」
前皇帝劉紀清が退位後、ほとんどの嬪妃達は城の外へと出た中、呉聖葉だけはこの城に留まった。しかも太妃には子がいないので、皇帝争いの際に矢面に出る事もなかった。今では静かな余生を送っているだけで、滅多な事では栄寧殿からも出ないらしい。
「もし呉太妃の後ろ盾を得られるのなら……」
そう安易な考えが出たが、事はそう簡単にはいかないだろう。後宮にいてその生活も何もかも流れてこないのだ。どうやったら会えるのかすらわからない。莉春はどうしたらいいのかを考える。
だが莉春が紫水殿と弦丘城を結ぶ道について奏上したその日の夜。初めて莉春は仁夢殿に召される事となる。
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