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第一話
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「えっ?何だろこれ。スライムかな?なんかかわいい!」
青が透き通ったゼリーのような物体。丸い目がついたそれは、ゲームなどでよく見るスライムそっくりだ。
「スライムって超初期モンスターだよね。でもこんなにかわいいと倒せないよ……」
これならば自分でもと思う反面、その愛くるしい姿に倒すのが忍びないと思った。
「なんだろ……触ってもいいかな?」
ぷにぷに触感を触ってみたい。そんな好奇心が真樹を襲った。そして恐る恐るスライムに手を伸ばした時だった。
「そいつは見た目のわりに凶暴だ。触らない方がいいよ」
「えっ?」
どこから声が。真樹はきょろきょろと周囲を見渡す。すると頭上から人が降ってきた。
「うわぁ!」
「僕が探してる獲物はこいつじゃないんだけど、放っておいたらこいつに触れそうだからね。さっさと倒しちゃおう」
ヒラヒラなびくマントの背を見ていた真樹。そして手にした杖を見て、魔法使いタイプの登場人物が来た!っと内心のテンションが上がった。
「君には悪いけど消えてね」
杖の先端にある水晶のような珠が発光し、そこから小さな炎が吹き出し、スライムを粉砕した。周辺に粉砕されたスライムの液体のようなものが飛散したが、その液体がかかった場所がしゅうっと煙をたてた。
「うわっ!溶けてる……」
「スライムは見た目に反したその中身は溶解液だよ。下手に触ると火傷や皮膚が溶けたりするんだよ」
振り返って真樹を見た人物。背は真樹より少しばかり高い感じだが、筋肉はあまりなさそうで、年齢的にも近い感じの男の子。
しかし何故だろう。この世界で真樹達に関わる人達の顔面偏差値は。この魔法使い風の人物もまたかわいい顔をした美少年という感じだ。
「えっと……その、ありがとう」
「別にお礼を言われるような事はしていない。僕が休憩していたら、下で素人同然の奴がスライムに手を出そうとしてたから助けただけ」
澄ました感じの美少年は魔法使いタイプあるあるのツンデレタイプだ。
(こういう魔法使いタイプは女の子の方がよかったのに……)
魔法使い、ツンデレときたらツインテ美少女だと決め付けていた真樹は、性別にはガックリしたものの、美少女のポテンシャルにはテンションが上がっている。
「でも凄い!魔法って……どうやったら使えるの?あっ、僕は真樹」
「べ、別に凄いって程じゃない。修行すれば使えるようになるし」
「修行したら使えるの?だったら僕にも使えるかな?」
妙にテンションを上げる真樹をうざったらしいと言わんばかりの態度を見せる美少年。ここまでテンションを上げるのは、単に魔法への憧れだ。
「僕一番好きなジョブって魔法使いなんだ、凄いなぁ……僕にも使えたら……ねぇ、魔法の使い方教えて!」
うきうきする真樹に美少年は大きなため息を漏らした。
「何言ってるの?そう簡単に使えるわけないじゃない。素人は大人しく町に帰りなよ」
「でもやる気だけは十分だよ!僕も魔法使いたい!」
「しつこいなぁ……だったら今から行く討伐で君の適正をみせてもらうよ。それから考える」
「ホントに?」
目を爛々と輝かせる真樹。ここに来て一番のテンションの上がり具合だ。
「とりあえず僕はレディアヴィーク。レティでいいよ」
青が透き通ったゼリーのような物体。丸い目がついたそれは、ゲームなどでよく見るスライムそっくりだ。
「スライムって超初期モンスターだよね。でもこんなにかわいいと倒せないよ……」
これならば自分でもと思う反面、その愛くるしい姿に倒すのが忍びないと思った。
「なんだろ……触ってもいいかな?」
ぷにぷに触感を触ってみたい。そんな好奇心が真樹を襲った。そして恐る恐るスライムに手を伸ばした時だった。
「そいつは見た目のわりに凶暴だ。触らない方がいいよ」
「えっ?」
どこから声が。真樹はきょろきょろと周囲を見渡す。すると頭上から人が降ってきた。
「うわぁ!」
「僕が探してる獲物はこいつじゃないんだけど、放っておいたらこいつに触れそうだからね。さっさと倒しちゃおう」
ヒラヒラなびくマントの背を見ていた真樹。そして手にした杖を見て、魔法使いタイプの登場人物が来た!っと内心のテンションが上がった。
「君には悪いけど消えてね」
杖の先端にある水晶のような珠が発光し、そこから小さな炎が吹き出し、スライムを粉砕した。周辺に粉砕されたスライムの液体のようなものが飛散したが、その液体がかかった場所がしゅうっと煙をたてた。
「うわっ!溶けてる……」
「スライムは見た目に反したその中身は溶解液だよ。下手に触ると火傷や皮膚が溶けたりするんだよ」
振り返って真樹を見た人物。背は真樹より少しばかり高い感じだが、筋肉はあまりなさそうで、年齢的にも近い感じの男の子。
しかし何故だろう。この世界で真樹達に関わる人達の顔面偏差値は。この魔法使い風の人物もまたかわいい顔をした美少年という感じだ。
「えっと……その、ありがとう」
「別にお礼を言われるような事はしていない。僕が休憩していたら、下で素人同然の奴がスライムに手を出そうとしてたから助けただけ」
澄ました感じの美少年は魔法使いタイプあるあるのツンデレタイプだ。
(こういう魔法使いタイプは女の子の方がよかったのに……)
魔法使い、ツンデレときたらツインテ美少女だと決め付けていた真樹は、性別にはガックリしたものの、美少女のポテンシャルにはテンションが上がっている。
「でも凄い!魔法って……どうやったら使えるの?あっ、僕は真樹」
「べ、別に凄いって程じゃない。修行すれば使えるようになるし」
「修行したら使えるの?だったら僕にも使えるかな?」
妙にテンションを上げる真樹をうざったらしいと言わんばかりの態度を見せる美少年。ここまでテンションを上げるのは、単に魔法への憧れだ。
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「何言ってるの?そう簡単に使えるわけないじゃない。素人は大人しく町に帰りなよ」
「でもやる気だけは十分だよ!僕も魔法使いたい!」
「しつこいなぁ……だったら今から行く討伐で君の適正をみせてもらうよ。それから考える」
「ホントに?」
目を爛々と輝かせる真樹。ここに来て一番のテンションの上がり具合だ。
「とりあえず僕はレディアヴィーク。レティでいいよ」
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