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迎える結末の意味
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連れて来られたのはカフェ「ガーデン」の二階住居だった。再びこの場所に踏み入れるというよりも、何故ここなのかと思ったが、中に入るとルカ、カイン、アルビーがいた。
「こ、これはどういう事?」
「とりあえずそろったみたいだから話しを始めよう」
困惑する私を余所に、ノルトが話をしようとした。アルビーが「お嬢ちゃんも座って」と促したので、ソファに腰を落とした。
「さて、ここに全員集まったのは他でもない。ニーアについてだ」
「あの、さっきニーアが黒いモヤの犯人だって言ってたけど、それってどういう事なの?ここにみんながいるって事は、みんなも知っているって事?」
「落ち着いて。君に話してなかった事は謝るよ。その時はまだ確定的なものがなかったから、しばらくニーアを泳がせていたんだ」
そう言ったのはルカだった。つまり皆ニーアの事を知っていたという事だ。
「ニーアはこの世界において邪悪な魔法使いだ。そして黒いモヤは歪みだ」
魔法使いに歪み?いきなりのファンタジー要素に更に困惑した私。ところがもっとも衝撃的な言葉をカインが言った。
「元々この世界は平穏な時間軸にあった。けどどこかしらでバグが発生してしまった。だから本来の時間軸とは違う世界が進行している」
「つ、つまり……みんなこの世界がゲームの中って知っているの?」
「それを悟られず話を提供するのがオレ達だよ」
なんてこったい!まさか決められたセリフとは違い、ゲーム以外の自我を持っているとは。つまり私の進んだ間違ったルートも、知っていて受け入れたのか?
「まさか君が物語の罫線を逸脱するとは思わなかったんだ。だからこの過ちを正す為にゲームの神が君の元に現れた。けどまさかそこで落とし穴があるとは思わなかった」
ルカの言葉に肝が冷える。このバグの原因は私にある。つまりニーアの登場などは私が招いたもの。確かにルカは言っていた。
「否定するわけじゃないですけど、あのニーアって人はどこか危険な感じがするんです」
つまりこれはバッドエンドフラグだったわけだ。私はそのフラグを踏んでしまった。
「残念だけどニーアの事は俺達にはどうしようも出来ないんだ」
「アルビー……じゃあ私はどうしたらいいの?」
「君はもうこの物語にいるべき人物ではない。君という存在はこのゲームにとってのバグなんだ。だから消えてもらうしかないんだ」
カインの言っている意味がまったくわからない。消えろと言われてもどうやって消えるのか。元の世界に戻る術などない。
「ど、どうやって消えればいいのか……わからない……」
「簡単な事だ。お前という存在との関わりを遮断すればいい」
遮断?ノルトは何を言っているのだろう。するとどこから現れたのか、周囲に黒いモヤが現れ始めた。
「こ、これはどういう事?」
「とりあえずそろったみたいだから話しを始めよう」
困惑する私を余所に、ノルトが話をしようとした。アルビーが「お嬢ちゃんも座って」と促したので、ソファに腰を落とした。
「さて、ここに全員集まったのは他でもない。ニーアについてだ」
「あの、さっきニーアが黒いモヤの犯人だって言ってたけど、それってどういう事なの?ここにみんながいるって事は、みんなも知っているって事?」
「落ち着いて。君に話してなかった事は謝るよ。その時はまだ確定的なものがなかったから、しばらくニーアを泳がせていたんだ」
そう言ったのはルカだった。つまり皆ニーアの事を知っていたという事だ。
「ニーアはこの世界において邪悪な魔法使いだ。そして黒いモヤは歪みだ」
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「元々この世界は平穏な時間軸にあった。けどどこかしらでバグが発生してしまった。だから本来の時間軸とは違う世界が進行している」
「つ、つまり……みんなこの世界がゲームの中って知っているの?」
「それを悟られず話を提供するのがオレ達だよ」
なんてこったい!まさか決められたセリフとは違い、ゲーム以外の自我を持っているとは。つまり私の進んだ間違ったルートも、知っていて受け入れたのか?
「まさか君が物語の罫線を逸脱するとは思わなかったんだ。だからこの過ちを正す為にゲームの神が君の元に現れた。けどまさかそこで落とし穴があるとは思わなかった」
ルカの言葉に肝が冷える。このバグの原因は私にある。つまりニーアの登場などは私が招いたもの。確かにルカは言っていた。
「否定するわけじゃないですけど、あのニーアって人はどこか危険な感じがするんです」
つまりこれはバッドエンドフラグだったわけだ。私はそのフラグを踏んでしまった。
「残念だけどニーアの事は俺達にはどうしようも出来ないんだ」
「アルビー……じゃあ私はどうしたらいいの?」
「君はもうこの物語にいるべき人物ではない。君という存在はこのゲームにとってのバグなんだ。だから消えてもらうしかないんだ」
カインの言っている意味がまったくわからない。消えろと言われてもどうやって消えるのか。元の世界に戻る術などない。
「ど、どうやって消えればいいのか……わからない……」
「簡単な事だ。お前という存在との関わりを遮断すればいい」
遮断?ノルトは何を言っているのだろう。するとどこから現れたのか、周囲に黒いモヤが現れ始めた。
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