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始めましたその五、「っうん、京眞とたっぷりする…♡♡♡」
しおりを挟むそうして、酒にどっぷりと浸かった脳に、気恥ずかしさに襲われながらも一応一旦検索してみた『男同士のセックス』のやり方というモノをうっすらと叩きこんでから、傍らにセックスに必要な道具やら何やらを準備したのち。
やとと京眞、親友同士の二人は今度こそ本当に濃厚なセックスを――
「――…やっ、やっぱ待ったぁ!!!」
「んぶっ!? ……ぷはっ!! やとてめぇ、どういうつもりだ…いきなり口塞ぎやがって…」
「や、あ、あの…だから、」
「んぁ? ……!! …何、やっぱ俺とはキス…したくなくなったとか…?」
「え……っ!? ばっ、ちっ違うって、京眞とキスしたくないとかそんなわけねえじゃんか!!」
「!! …そっか、したくないわけじゃねぇのか…へへ♡」
「!? ~~な、なんだよその顔は…ぐぅ…」
「ん、今なんか言ったか?」
「っ、何でもないっての!! だ、だからその嫌だとかそういんじゃなくて……やっぱお前からじゃなくて、オレからき…キスしたいんだけど…」
「! …何で?」
「だって…仕方なく上譲ってやったってのに、さらにキスまでお前からされる待ちの体勢でいるのはなんかこう…ズルいっていうか…なんというかオレの心臓がごにょごにょ…」
「やとお前……って、いや仕方なくってなんだよ。それはただ単にお前がじゃんけんクソ弱いからこうなったってだけだろ。つかズルいってガキかよお前は、ったくよぉ」
「ぬあっ!? うっうるせーいいだろキスぐらい!! お前だって親友からキスされる側の心臓破れるくらいのドキドキ感を味わえってんだあほんだらっ…!!」
「っ、ドキドキって……はぁ、お前は何でそうさっきから俺を喜ばす台詞をホイホイと……ああもう、わ~ったよ。最初のキスはお前からでいいぞ、やと」
「ほっほんとか京眞!?」
「おう、まぁ親友からキスされるドキドキ感ってのは…俺だって、味わってみたいしな。ってことでほらやと、いつでもどーぞ?」
「うぐっ、ちょっと余裕そうなのが少しムカつく……でも、わ、わかった。じゃあ、キス…するからな」
「ああ、キスぐらいどんとこいってんだ!」
「っ、オレのマネするなぁ!!」
「ははっ、わりぃわりぃ♡」
「っだからその笑顔…うぅ、」
始める前に、どっちがキスをするかされるかなんていう、まるで初心のバカップルのコントのようなやり取りを一通り何故か交し合い。
――…ちゅっ、
「……は?」
「っ、ど…どうかな?」
「どうかな……って、いやいやいやお前これはないだろ? せっかく俺がされる側にまわったってのに、なんだこのお子ちゃまキスは。こんな童貞キスじゃ勃つモンも勃たないわ」
「どうてっ、勃っ…はっ、はあぁぁっ!? オレが精一杯の気持ちでしたキスのどこがお子ちゃまキスなんだよふざけんなっ!?」
「いや、口にちょこんって触れるか触れないかのキスはどう考えてもお子ちゃまキスだろうが。何、お前アキナちゃんと今までこんなキスしかしてこなかったんか? ……それともアレ? アキナちゃんと違って、俺にはえろいキスはできないとかそういう了見なわけ?」
「りょ、りょうけ…? どっどういう意味かはわかんねーけど、別にアキナちゃんにはできてお前にはできないとかそんなこと俺はしないっての!! 何ちょっとムスってしてんだよ!?」
「…してねぇし」
「してるだろどう見ても! ……はぁ。京眞ってさ、なんかこう昔からそういうとこあったよな。オレがちょっと京眞と他の誰かを比べるみたいな発言何気なくしちゃって、そんでその誰かの方を褒めたりするとすぐムス~っとしだすってやつ…」
「そっ…んなの、覚えてねぇし………っ、だって…だって彼女とかならまだしも他のクラスの奴とかと比べられて俺よりソイツの方がすごかったとかお前に言われるの、なんかわかんねぇけど昔からすげえやだったんだからしょうがないだろっ…!」
「っ!! …で、でも、アキナちゃんはオレの彼女…だったじゃんか」
「そうだけど…けどもう『元』だし……それに、大事なお前のこと最悪な形で裏切ったクソ女だから、余計にそんなのと比べられるとムカつくっつーか…なんかすげぇ悔しいっていうか…だから、」
「――…な、んだよそれ……っ、」
「だから……ってうおっ、やとぉ!? おまっ何でいつのまにか顔トマトみたいに真っ赤になってんだよ!?」
「~~っお、お前のせいだろあほんだらぁ……ど、どうしてくれんだよぉ…」
「な、何が?」
「だって、京眞がなんかめちゃくちゃ恥ずかしくて、嬉しいこと言ってくるから…だから何でか身体中熱くなってきちゃって…うぅぅ…」
「っ――…ぁあもうっ!! お前だって、さっきからずっと俺のこと喜ばせすぎだってわかってんのかよこのバカやとっ!!」
「ばっ、バカっておまっんんんっ!!? ……ぷはっ、ちょっちょっと待てって京眞んむぅ、ひゃふっんんっ♡♡♡」
「はぁっ、はぁやとっやとぉんちゅぅっ…♡♡♡♡」
「きょ、きょうまぁぁ…♡♡♡♡」
本当はもうずっと前から、どこか普通の親友とはおかしなところが多々あったことを互いに無意識に口にしながらも、耐えられないといった感じに、勢いよく貪るように唇を重ねていったのだった。
そうして、
「はぁ…ふっ、んぁ…♡♡♡」
「ん…は、はは、どうよやと? お前のお子ちゃまなキスとは全然違う、俺の濃厚キスはよ♡♡」
「…こ、こんなキスしゅるとか…ん、聞いてないんですけど…はぁ♡♡」
「っ…待ったやと、なんだその顔は……お前アキナちゃんとキスしたあととか、いつもそんなえっろいとろんとした顔してたってのかよ…んなの、こっちこそ聞いてないんですけど…」
「な、なんだよぉまたムスってして……京眞だって、こんな…っすごいキステクもってるとか、オレ知らなかったっての…」
「! ……俺のキステク、そんなにすごかった? やと、気持ちかったのか?」
「う…うん、気持ちかった……こんなとろとろになっちゃいそうなキスしてくれる相手がいるのに、浮気なんかしちゃうお前の明菜ちゃんがどうかしてるってそう思うぐらいに…オレ、京眞のキスす…好き、かも…」
「―――っ、うぐぅ、」
「へっ、どっどうした京眞っ…?」
「どうしたって、お前ほんと………な、やと、もっかいディープキスしていい? つか、なんかもう唇ふやけるくらいまで、俺もっとお前とキスしたい」
「っ!!? な、えっ、あ……オレも、もっとキス…したいデス」
「何そのデス口調、可愛すぎんだろ…っていうか、お前の方からキスするって話はもうよくなったのか?」
「え……あっ!!」
「ふはっ、忘れてるし」
「うっうるせぇ…!! いいから早くキスしろあほんだらぁ!!」
「ハイハイ了解ですっと♡ んじゃ、いっぱいのキスと…それからもっと先のことも、一緒にたっぷりしよーなやと♡」
「――…っうん、京眞とたっぷりする…♡♡♡」
「…はぁ、やっぱお前可愛すぎだっての――…♡♡♡」
三度目…いや四度目の正直か。
次こそ間違いなく、普通の恋人同士と何ら変わりないような戯れを織り交ぜつつ、
やとと京眞は、もっともっと深く絡み合っていったのだった。
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