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01 高校三年・夏、「「彼女ほしいっ!! 早くえっちがしたいぃぃーーっっ!!」」
しおりを挟む「ぅあーー彼女ほし~っっ!」
「彼女ほし~いっっ!」
夏休みもあと少しで始まる、七月後半。
暑さも本格的になってきたこの時期、大半の生徒がダルそうにしてるそんな中。
教室の窓際、後ろの席のとある二人の男子
「「あ~っか~の~じょっ欲しーーーっっ!!!」」
「っ、だああああっっさっきからそこのバカコンビまじうっせえんだけどぉっっ!!?」
――加藤と佐藤だけは、いつもと変わらないおバカ全開の叫びを空に向け投げかけていたのだった。
ガチャっ、ドサリっ、ドササッ
「じゃましま~すっと。はぁ~今日もウチのクラスのいいんちょーは怒りんぼさんでしたな~怖い怖いっ」
「なっ、ほんといっつもオレらばっか怒って…って、おいこらっ!! オレが昨日徹夜で完成させた漫画本タワー崩してんじゃねえよっ佐藤っ!!」
「へっ、あ、何これタワーだったんかよっ…ごめん気づかんかった! …ん? じゃあ、加藤が今日遅刻したのって……ブフゥっ!!」
「なっ、わっ笑うなぁーーっ!!」
「あははははっ!!」
「くそぅっっ、これでもくらえっうおりゃああっ!!」
「わっちょっ待っ…グエっ!?」
「あはははっひでえ声っ!」
「ぐ、くそぅ……」
午後四時ちょっと過ぎ。学校終わり、加藤の部屋にていつものごとくじゃれ合う二人。
何でもない話に花を咲かせ、何でもないことに真剣になったりな、
そんなどこにでもある日常を普通に送る二人であったが……しかしこの二人、加藤と佐藤は、
「はぁ苦しかったぁ……なぁ、ところでこの漫画初めて見るやつだけど……タイトル、なんて読むんだ?」
「ごほっ…ちょっと待って笑い過ぎてのど痛くなったわ、アメ舐める……んで? ああそれっ昨日表紙カッコよくて買ってまだ中見てねぇけど、えっと……たぶん、ゆ『ユンリミテデ:コーデ』だったと思うぜ!」
「ああっこれそう読むんだっ…な~る!」
それはもう、恐ろしいほどの『バカ』なやつらであった。
――ちなみに、正しくは『UNLIMITED:CODE(あんりみてっど:こーど)』である。
加藤つかさ(かとうつかさ)十七歳、高校三年生。
佐藤みつる(さとうみつる)同じく十七歳、高校三年生。
二人は高校で初めて知り合い、三年になった現在では、無二の親友と言えるほどまでにすっかり何でも話せる仲の良い友人になっていた。
しかしこの二人がこんなにも仲良くなったのには、もう一つ理由があり。
それが、二人が『同程度の知能を持つバカ』であったことだった。
そんな二人は、三年生になった今。
将来のことについてなどはまったく考えもせず、
ここ最近は「「彼女が欲しいっ!」」をまるで口癖のように毎日叫んでいた。
高校生といえば青春真っ盛り、年頃の男の子ならそりゃあ彼女の一人や二人欲しいのは当たり前。
加藤と佐藤がそれを口にすること自体は、別に特段問題はないことなのだが。
なんとまぁ、二人が通う高校は……悲しいことに、男子校であった。
じゃあ何故、彼女が欲しいと熱望してるこの二人がわざわざ男子校なんかに入ったかというと
――それはこの『市立赤羽男子高等学校(しりつあかばだんしこうとうがっこう)』が、
「受験時に名前をしっかり書いただけで合格できる」とまで言われるほどの、県内屈指のバカ高だったからに他ならない。
そう、この二人はそんなバカ高の中でもさらに下から数えたほうが早いトップクラスのバカ・オブ・バカであり、
だから男女混ざりあうごく普通の高校に行けるのなんて、夢のまた夢の世界の話……というわけだったのだ。
もちろん、バカ高の名を背にしょった二人は当然お外でのナンパも上手くいくはずもなく。
結局今日の今日まで、両方とも彼女はゲットできず仕舞い。
なので高校三年生の今、二人はどうしても彼女が欲しい……というか、
「あ~…それにしても、まじ彼女欲しいのよなぁ~」
「それな~、まじ欲しい~……んでもって、」
「「早くえっちがしたいぃぃーーっっ!!」」
早く『セックス』という未知のモノを、体験してみたかったのである。
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