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指輪大騒動
しおりを挟むさて、前回告知した? 指輪大騒動の話である。
クリスマスプレゼント合戦新章を迎えた私たち夫婦。
お互い嬉しいプレゼントをして、めでたしめでたし……のはずだったのだが、ここで事件が起きた。
ダイエットの体重は停滞している私だが、ジムのお陰か、体型は少し変わってきていた。
それと同時に、婚約指輪兼結婚指輪がゆるゆるになっていたのである。
落とすのが怖かった私は、指輪をクリスマスプレゼントであるパロサントのネックレスに装着した。
これなら普段使いもするし、良いだろうと満足である。
一応、指輪のブランドにお直しができないか聞いたのだが、指輪のデザインが特殊なため、できなかった。
そんなこんなで数日後。
私はポツリと本音が出てしまった。
「指輪がない手、気になる……」
と。
これを聞き逃さなかったのがいっとくさんである。
そして
「やっぱり3千円のプレゼントじゃやだ!! 指輪買うぞ!! 予算組んで宝飾店行くぞ!!」
となってしまったのである。
あちゃー……やってしまった……。
このエッセイを読んで下さっている方はご存知だろうが、いっとくさんは私に徹底的にお金を使おうとしてくれる。
それこそ、何気なく、これ可愛いなどと言おうものなら、その場で購入させようとするのだ。
それを食い止めているのが、全てのお金の管理をしている私であり、迂闊な発言をしないようにしていたのに。
ずっとはめていたものがなくなったら、違和感があるのは当たり前だし、私にとってのお守りだったので、ついポロリと言ってしまったのだ。
こうして、指輪大騒動が幕を開けた。
次の休みに近くの宝飾店に行こうと言いつつ、いっとくさんから、こんなのはどうかとURLが送られてくる。
それを見た私は、少し固まって爆笑した。
そこにあった画像は、ピンクの大きな天然石にゴールドの縁の指輪である。
率直な感想は、「成金のおばちゃんが付けてそう」だ。
私は今まで、Twitterなどでプレゼントの宝飾類に文句を言う女性の気持ちが分からなかった。
好みじゃなくても、その人と会うときだけつければ良いじゃない? と。
だが、少し気持ちが分かってしまった。
私は普段から着ける指輪が欲しいのである。
プレゼントのセンスが良く、今まで外したことのなかったいっとくさんの、まさかの苦手分野であった。
ちなみに婚約指輪兼結婚指輪は、某ティファニーさんだったため、外しようがなかったのだ。
これは私の希望を前面に出していこうと迎えた、いっとくさんの休日。
無事、シンプルかつミッキーモチーフで可愛い指輪とのご縁があった。
ここで私は自分の好みの変化に驚いていた。
昔はなんだかんだで、ピンクゴールドやゴールドの方が好きだったのに。
今ではすっかりシルバーが好きになっていたのである。
歳を重ねて丸くなったのかもしれない。
こうして新しく左手に収まった指輪。
結局そこそこのプレゼントを貰ってしまった私なのだが。
婚約指輪っぽいデザインに、恋人時代に戻った気分で嬉しくなりながら、左手を見るたびに嬉しくなるのであった。
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