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外食すると猿化する
しおりを挟むこのご時世、なかなか外食ができないが、緊急事態宣言が解除になっていた時期に何度かご褒美で外食した時のことだ。
いっとくさんは、外食になるとお猿さん化する。
なんで猿? と思うだろうが、これが私が見ているYouTuberのお猿さんにそっくりなのだ。
止められる前に食べてしまえ!! で、一気に口に放り込もうとする。
もちろん、そこまで神経質に止める気はない。
むしろ外食する時はご褒美デーなので、注文する時に口は出すが、後は飲料以外には何も言わない。
だが、いっとくさんには長年の癖がついてしまっている。
言われる前に、取られる前に、とにかく口に!!!! なのだ。
その姿はまさにお猿さんそのもの。
取らないから落ち着いて食べてくれ、何度もそう言っているのだが……。
美味しそうなものを前にすると、普段の我慢が爆発して見事にお猿さん化する。
そして毎度どうなるか。
「食べすぎた、苦しい……」
と子供のようなことになるのだ。
考える前に口に入れてしまう。
まさに本能で食しているといえよう。
そういう意味では、お猿さん化するとはかなり生き物の本能に近くなっているということなのかもしれない。
私たちには理性がある。
今までの経験や場所から、これはこのくらい食べたらお腹いっぱいになるから、このくらいにしておこう、と無意識のうちに考えるものだ。
だがいっとくさんは違う。
頼むときにはそれはそれは嬉しそうに頼むのだ。
見ているこっちが笑顔になるくらいに。
外食が決まった日から、その店のホームページを見て、ずっと食べたいものを嬉しそうに伝えてくる。
可愛いじゃないか。
そしてひとたび料理がくれば
野生で生きてるのか?
となるのである。
ただ先にも書いたように、それは本能的なものだ。
もしかしたらいっとくさんは、人間の本来あるがままの姿で外食をしているのかもしれない。
そう思えば、脇目も降らず一心不乱に食べている姿も、口周りをべっちゃべっちゃにしながらアイスを食べている姿も、何処か愛おしく感じるのである。
ここからは余談だが、私はよく一緒に外食した人から
「えみが食べてるものはなんでも美味しく見える」
「嫌いなのにえみが食べてると美味しそうに見える」
などと言われる。
これは私が超おデブだからなんでも美味しそうに見えるのでは、と思っていたが、いっとくさん曰くそうではないらしい。
どうやら私は外食時、めちゃくちゃ美味しそうに、幸せそうに食べるらしいのだ。
うむ、一緒に外食した人が一緒に幸せになれるならめでたしめでたし、と言いたいが。
お猿さん化したいっとくさんからすればそんな余裕はない。
外食時には必死で口に詰め込むお猿さんのいっとくさんと、幸せそうに口に頬張る超おデブの私というなんとも言えない光景が見られるのである。
つまるところ、美味しいものを美味しく食べるのは幸せだし、いっとくさんとの外食はもっと幸せなのであった。
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