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食卓戦争
しおりを挟む透析患者さんで大事なこと。それは食事療法である。
同時に糖尿病患者さんに大切なのも食事療法。
この二つの病気、合併することが多いのに、食事療法のやり方がほぼ真逆と言って良いほど違うのだ。
詳しいことは勉強すればするほど、むきいいいい!!となるので省くが、透析患者さんはカリウム、リン、カルシウム、ナトリウム等を抑え、飲料を制限し、油や砂糖でエネルギー摂取を行う。
糖尿病患者さんはなんとなくイメージがあるのではなかろうか。カロリー内で栄養を摂取し、油は控えて、野菜で血液サラサラに……。
そう、真逆なのだ!!
まずカリウムは、野菜やキノコに多く含まれる。一般の人は良い部分を使い、いらない部分は尿として排出されるとても大事な栄養素だ。
これを透析患者さんは抑えないといけない。排出されないが故に、高カリウム血症になってしまえば心臓が止まる。
続いてリン。これは動物性の物に多いイメージが私にはある。お肉や卵、牛乳、チーズ、お米やパンにも。
ここまで読んでくださった方は思っただろう。
え? じゃあ透析患者さんってなんなら食べて良いの??
そう、血液の数値を気にし始めたら、食べるものがなくなるのだ!!
一説によると、お医者さんが食べたくない食事No.1だとか(サイト情報なのでなんとも言えないが)
ちなみに私は腎臓病の食事療法の本と、病院の個別の栄養指導を受けさせてもらい勉強した。
と言いつつ、透析の精度が昔より上がり、透析患者さんの食事の幅が増えたのも事実ではあるのだが……。
前置きが長くなってしまった。
この食事。人間にとって楽しみの一つである。
そしていっとくさんは元コンビニ依存99%。
何も気にする訳がねえ、から、私の管理下に置かれるようになったのである。
い「牛乳飲ませろ」
え「少しだけね」(コップに少し)
い「……(漬物)」
え「(目線を読んで)……」(無言でサッと下げる」
い「流石だな……」
こんな戦争が毎日続いている楽しい食卓である。
だが問題は、私が体調を崩した時。
そう、いっとくさんが好き勝手食べられる日なのだ。
起きてきた私は膝をつく。
卵スープは一杯まるまる飲み干し。
牛乳もコップに並々と注いで飲んだ後。
そして毎回思うのだ。
ご飯を作るためには、私も健康であらねばならぬと。
そんな私は、味噌汁の研究から始まり、色々考えながら料理をするのが楽しくて仕方がない。
Twitterの日常垢で写真を上げているが、記録とモチベーションの為だ。
お出汁パックと油にはこだわりがある。
そんな私の料理を食べていたいっとくさんにある変化が起きた。
なんと、コンビニ弁当の油がキツい、味が濃くてキツい、などと言い始めたのである。
美味しく満足させて、買い食いを減らす。
私の目標が一つ達成された瞬間であった。
そんないっとくさん、なんとなんと結婚してから10キロ以上痩せてしまった。
すると糖尿病の方にも良かったのか、インシュリンの量が一気に減った。
適度にご褒美で買い食いしながらも、二人で食卓戦争を起こす我が家は楽しくて幸せなのである。
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