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配属・戦場へ
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しおりを挟むあっという間に夜は過ぎ、俺たちが戦場に出る日がやってきた。
第一騎士団団長から、細かい指示と説明を受ける。
戦闘区域に入るのは、当たり前だが初めてだ。
俺たちは緊張しながら、第一騎士団団長について行った。
戦闘開始時刻より前、俺たちは戦闘区域に入った。
そして、待機する場所を指示される。
「今日は、私が隣にいるから安心してくれ。緊急時には、私の指示に従うように」
第一騎士団団長の言葉に、俺たちは黙って頷いた。
アマナは、後方支援部隊の安全な場所から見ているはずだ。
俺たちは、黙ってその時を待った。
ブルー王国の騎士団が集まって隊列を組んでいる。
いよいよ、戦闘が始まる……。
戦闘開始の鐘が鳴り響いた。
「シューター部隊、一斉射撃!開始!」
第二騎士団団長が指揮をとっているらしい。
一斉にシューター部隊が魔法銃を放った。
それに紛れて、第一部隊の第五部隊までが前に出て走る。
その目の前には……とても巨大な魔獣が、何体も構えていた。
遙か向こう、小さく見える所で、レッド王国の人間が、魔獣を召喚して操っているのが分かった。
すぐに、混戦となった。
俺たちは、前線を一心に見ていた。
「ヒーラー部隊、魔力供給開始!」
時々、第二騎士団団長の指示が聞こえる。
前線の人たちは凄かった。魔獣に一歩も引かずに立ち向かい、倒していく。
ただ……俺には疑問が生まれた。
戦闘区域と時間が定められた時には、国民に被害がないから良かったと思ったけれど、これは……どうやったら勝ち負けが決まるんだ……?
そんな俺の問いに答えるように、前線に立っている人の指示が飛んだ。
「《赤い竜巻》だ!」
赤い竜巻?
考える暇もなく、エミルさんの声が響いた。
「前線に特別騎士団が向かう。《赤い竜巻》は私が相手をする」
その声が終わるや否や、特別騎士団の人たちが前線に飛び出してきた。そして……。
レッド王国の方から、大きな大剣を持った男の人が凄いスピードで向かってきた。
エミルさんも、その人に向かって長いスピアを持って立ち向かう。
「あれが、レッド王国の騎士団の大将……ブルー王国でいう、エミルさんの立ち位置にいるタツという人物だ。レッド王国で唯一単身で向かってきて、エミルさん達、特別騎士団しか相手にできない程の力を持っている。《赤い竜巻》は異名だよ」
第一騎士団団長が説明を挟んでくれた。
俺は、特別騎士団の戦いに呆気にとられて、そして目が離せなかった。
フユさんは、両手に魔法銃を持って、魔獣に突っ込んで行っている。巨大な魔獣を魔力の玉が切り裂き、魔獣が消える。
ハヤテさんは、弓矢の魔力武器を持っていて、魔獣に至近距離で、何発も連続で魔力の弓矢を放って、魔獣を倒している。
そしてヨネルさん。見たこともないような大きな魔法銃を両手で軽々と持ち、魔獣の上に飛び乗ると、滑るような動きでとんでもない火力の魔法銃を放っていく。
その側で、エミルさんと、《赤い竜巻》。……タツさんが、直接戦っていた。
タツさんの大剣が振り下ろされると、文字通り竜巻の風ができる。それを切り裂いて飛び上がり、スピアを回すエミルさん。
ヨネルさんが、エミルさんに向かう魔獣を倒している。
何度も何度も、大剣とスピアがぶつかり合い、その衝撃で周りの砂が風に舞う。
「魔力供給、開始する!」
シルクさんの声が響くと同時に、特別騎士団の人たちをピンポイントにして、魔力供給が開始された。
シルクさんは後ろで指示を出しているようだ。
「特別騎士団の人たちが前に出たら、私たち騎士団は出過ぎたまねをしてはいけない。邪魔になってしまうだけだからね」
第一騎士団団長が言った。
その時。
エミルさんが、一瞬後ろに下がって、スピアを投げ捨てた。そして、右手に大きな青い魔方陣ができる。なんだ、あれ!?
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