巡り会い、繋ぐ縁

Emi 松原

文字の大きさ
上 下
15 / 29

15

しおりを挟む
山の事故

《ピピピピピピ》
 スマホから着信音が鳴り響き、翼は自分のベットの上で驚いて飛び起きた。昨日はあれから家に帰って、少し両親と話すと、ぐっすりと眠ってしまっていたのだ。
 慌ててスマホを手に取ると、着信画面には、有美の名前と番号。時刻はまだ早い。
 考えている暇もなく、翼はスマホをさわり、電話をとった。
「翼くん、おはよう。ごめんね、朝早くに……」
 有美の声が、暗い。翼にはすぐにそれが分かった。
「ううん。起こしてくれて助かったよ。どうしたの? 凄く元気がないようだけれど、何かあったの?」
「あのね……こんなことでって思われるかも知れないんだけれど、翼くんが、私と同じ感覚を持っているから、もしかしたら分かってくれるかもって……」
 有美の声が、少し震えている。翼は、有美の言葉をすぐに理解した。同じものを感じる。そう、有美も、翼や翼の祖母のように、敏感な体質なのだから。
「有美さん、落ち着いて? 僕は有美さんの言葉を絶対に信じるし、きっと同じ感覚を持っているから」
「ありがとう……。あのね、今朝の、地元のニュースになっていたんだけれどね……。利石会社の工事現場で、大きな事故があったの。機械を運転していた人が、病気で意識を失って、機械の制御がきかなくなって、次々に事故が……。本当に幸いに、死人はいなかったの。意識を失った人も、命に別状はないって」
「えっ……そんな事故があったんだね」
「うん……それでね……」
 有美が口ごもる。翼には、なんとなくその気持ちが分かった。言っても、理解されないのではないか。変なことを言っていると思われるのではないか。祖母が死んでから、翼がリアルで何度も感じたことだ。
「有美さん、大丈夫。僕は、ちゃんと分かるから」
「そうだよね……。あのね、私、数日前から、何かいつもと違う感覚がしていたの。怖いというか……。なんて言うんだろう。いつも穏やかな山が、怒っているような気がしていたというか……」
「うん、有美さんも、自然に敏感だもんね」
「それでね、そのニュースを見て、活動で知り合った人と連絡をとったんだけれど、その人の情報によると、利石会社が工事をしていたのは、まだ何も手続きの済んでいない、山の中だったの。その山の土地を持っている人も、利石会社とは交渉段階で、山の開発に反対していたんだけれど、利石会社が、勝手に……。お金は払うんだからって……」
「えっ、それって、犯罪なんじゃ……!?」
「うん。その土地の所有者の人は、住んでいるのは街の方なんだけれど、凄く怒ってて……。でも、私が感じるのは、そういうのじゃなくて……」
「山の……自然そのものの怒りを、感じているんだね?」
「うん……」
 有美が、小さな声で頷く声がした。
 翼は、内心焦っていた。山の怒り。モバの山からの怒りだ。きっとモバ自身ではなく、モバの山に住む、神や、あやかし、木霊や妖精たちの怒り。前に感じた翼の恐怖が、現実になってしまったのだ。
「有美さん、落ち着いて。大丈夫、とは言えないけれど、死人はいなかったんだし、そんな事故があったら、工事も止まるだろう? 僕も、そういうのに詳しい人に、相談しに行ってみるから。工事が止まれば、きっと山の怒りも静まるよ。こんな事故があった以上、もう強引にはできないだろうしね」
 翼は、有美を落ち着かせようと、焦る心を隠し、穏やかに言った。有美は翼に言うことができて落ち着いたのか、そのまま話すうちに、段々と声に元気が戻ってきた。
 しばらく話した二人は、また夜にお互い連絡をしようと、電話を切る。翼は、急いで準備をして、緑風堂に向かうことにした。
「翼、ご飯は? あと、昨日言ってた、相談したいことも」
 部屋を出ると、一時より元気になった母親が、翼に声をかけた。
 翼は昨日帰ると同時に、今後について相談したいと、父親と母親に話していたのだ。
「あっ、えっと、今日は用事が重なってて……」
「分かったわ。私もお父さんも、いつでも聞けるようにしておくから」
 母親が優しく笑う。翼はその姿を見て、母親と父親は、何か感づいているのかもしれないと思った。だが、今は、モバの山についてが先だ。
「母さん、いつもありがとう。じゃあ、行ってくるね」
 母親に声をかけて、翼は家を出る。胸のお守りは、憲和神社を指していた。

「おー、貧天から聞いたぜ。昨日はこいつらが慌てるほど、影響を受けたらしいなぁ」
 憲和神社に到着すると、憲和神が社の前で、煙管を持って座っていた。その膝の上にはピンクのメウと、モバが半分半分を陣取って座っている。隣には、清一もいた。
 和幸と死乃子も、いつものようにバイクをいじっている。貧天の姿は見えない。
「めうめう!!」
「もば!! 翼、昨日はメウと一緒に寝たと聞いたもば!! モバのところにも泊まりに来るもば!!」
 モバがぴょんっと飛んで、翼の腕の中に来た。その姿はいつものモバで、目はくりくりとして、キラキラと輝いている。一緒にお泊まりをしようと、嬉しそうに誘ってくるその姿を見て、やはりモバ自身が怒っているのではないと、翼は感じた。
 憲和神は、いつもより気怠そうに煙管から煙を吐き出すと、清一と目を合わせた。
「翼くん、モヤの影響は大丈夫かい? 大分メウたちが吸い取ったみたいだけれど。メウたちはこう見えて、モバの力を直接受けてこの山を創っている、木霊だからね」
「めうめう!!」
 清一の言葉に、ピンクのメウが嬉しそうに声を上げると、憲和神の膝の上でぴょんぴょんと飛び跳ねる。それを見て嬉しそうに、モバもきゃっきゃと声をあげた。
「はい、メウたちのお陰で、昨日は楽になってぐっすり寝れました。それで、実は、朝、連絡があって……」
 翼が今朝の事を言おうとすると、清一が人差し指を立てて口元に持って行き、翼の言葉を遮った。そして翼の側まで来て、モバを抱き上げると、和幸神のバイクの上に連れて行く。
「モバ、少しお仕事の話があるから、和幸くんたちに乗せて貰っておいで」
「ほら、お前も行ってこい。楽しいぞ」
 モバを和幸神のバイクに乗せている清一を見て、憲和神がピンクのメウに言った。ピンクのメウがトテトテとバイクの側に寄ってきて、和幸神がピンクのメウ抱き上げる。
「じゃあ、俺と死乃子で、モバ様の山を一周ぐるりとまわってきますね」
 和幸神が清一に向かって頷きながら言うと、モバとピンクのメウを連れて、死乃子と一緒にバイクを走らせ、山道に消えていく。モバとピンクのメウのはしゃぐ声も、一緒に山道へと消えていった。
「ごめんね、モバには聞かせたくなかったし、メウも理解はできなくても、モバに伝えてしまう能力があるからね」
 清一の言葉に、翼は頷く。翼は、清一がいつもと違う雰囲気であることに気がついた。いつも憲和神に怒っているように、表に出す怒りとは違う、静かな怒り。そんな初めての雰囲気を感じて、翼はその恐怖に、思わず下を向く。
「お前、雇ってるヒトを怯えさせるなよ。しかもそいつは、玉沖のところのヒトだぞ。あいつ、自分の氏子のことになると、うるせぇんだからな」
 憲和神が、ため息をつきながら煙を吐き出した。そして翼を見ると、ニヤリと笑う。
「事故のことだろ? あれ、俺が久しぶりに仕事をして、起こしたんだぜ。大変だったぜ。仕事なんか普段しねぇからよ」
 憲和神の言葉に、翼は固まった。あの事故の原因は、確か病気で……。
「憲和。君も怯えさせているじゃないか。ごめんね、翼くん。ちゃんと説明するよ」
 清一の言葉に、翼はゆっくりと頷いた。
「利石会社は、ついに手を出してはいけないところにまで手を出してしまった。モバの山の中だよ。ヒトの世界で、あの場所の所有権を持つヒトはね、ずっとあそこを、綺麗に手入れしていたんだ。そこになんの断りもなくあの会社は踏み入った」
 清一の言葉に、翼は頷くことしかできない。いつもの優しい清一と違う、恐ろしいほど冷たい目が、そこにはあったからだ。それに合わせるように、風が強く吹き付けて、翼の髪と服の裾が揺れる。
「山はヒトを受け入れるよ。でもそれは昔から、ヒトが山に感謝をして、山と、自然と共に生きてきたからだ。山に踏み入るときには、丁寧にこちらにも分かるように祈祷をして、お願いをして、手順を踏んでいた。利石会社は、その全てを踏みにじったんだ。モバの山に手を出したことで、広仁神社のことには一切興味を持っていなかった、自然神の怒りまでも、利石会社は買ってしまった。大変なことが起きる直前、いつもは何もしない、とある疫病神が、でしゃばってきたんだ」
 清一の言葉に、翼はチラリと憲和神を見た。憲和神はどこ吹く風で、煙を吐いている。
「その疫病神は、大昔、ここら辺一体のヒトに好かれ、奉られ、崇められ、神としての力を強くした。だけれどその本質は、ヒトを病気にさせる、ヒトにとっては災いの神だ。それなのにヒトに好かれ、社まで手にしたその疫病神は、自分に好意を向けるヒトたちを好きになってしまってね。ヒトを病気にすることを辞めていたんだ。この社に留まることで、他の疫病神もこの付近には近づかなくなり、ますますヒトから崇められた」
 これはきっと、憲和神の昔の話だ。翼は、もう一度憲和神をチラリと見たが、憲和神はどこか楽しそうに、笑みを浮かべて清一を見ている。
「そしてその疫病神は、ひょんなことからこの地域の神、玉沖神様と交流を持つようになり、伴侶にまでなってしまった。子供にも恵まれ、木霊や自然神にまでも好かれ、とても疫病神とは思えない生活をしていた。ヒトを病気にさせず、人々から社が忘れられていき、疫病神としての力が弱くなっても、決してヒトを病気にすることはなかった。そんな疫病神が、仲間の神から情報を得て、ヒトを病気にさせて、事故まで起こさせたんだ。……何があっても嫌いになれない、ヒトを守る為にね」
 清一の言葉の意味がどういうことか分からなかったが、思わず翼は顔を上げて、憲和神を見た。憲和神は、笑みを浮かべたまま、煙管の中身を入れ替えている。そんな憲和神を見て、清一はわざとらしく大げさにため息をついた。
「その疫病神が、憲和だよ。広仁様と周りの神々、そして自然神の怒りは限界に近かった。もし憲和が何もしなければ、もっと大きい事故が起こって、死人が出ていたかもしれない。……いや、確実に出ていただろうね。だけれど憲和があの事故を起こすことで、玉沖神様の伴侶が動いた、と、広仁様の周りの神々が一旦立ち止まった。自然神も、工事が一旦止まったことで、今は動きはない」
「すげぇだろ? 俺もやればできるんだぜ。あと、あいつの伴侶っつー肩書きも、勝手に働くんだぜ」
 くくくと笑った憲和神を、清一が睨む。憲和神は、そんな清一にニヤリと笑うと、翼を見た。
「こえーよなぁ? こいつも、自然神の一部だからな。それも、モバと力を分けた者だ。モバの山を傷つけることは、こいつを傷つけるのと同じことだからな。だからよ、今回、ヒトを守る形になった俺に、お怒りって訳だ」
 翼は何も答えることができず、ただ立ちすくんでいた。有美が感じた山の怒りの感覚。それはやはり、モバの山の自然神たちのものだったのだから。そしていつも優しい清一の本当の怒りに触れ、動けない。
 そんな翼の様子を見て、清一がふうっと息を吐き出した。
「ごめんね、翼くん。怖がらせちゃったね。憲和の行動で、ヒトが守られ、広仁様たちが一旦立ち止まってくれたのは事実だ。玉沖神様たちも動いてくれている。このまま何事もなければ、広仁様たちの怒りも少しは静まるかもしれない。だから、翼くん。またヒトの方で動きがあったら、教えてくれるかい? 僕たちが見られないものを、君は見られると思うから。これで全てが丸く収まってくれれば、一番良いんだけれどね」
 フッと力を抜いて笑った清一を見て、翼は少し安心すると、黙って頷く。バイクの音と、モバのはしゃぐ声が近づいてきた。
「ま、そんな気張る必要ねぇからな。これで丸く収まれば良いんだからよ。こいつは昔から、この山のことになると見境ねぇからな。今回も広仁のことについて客観的に動いていたくせに、山に手が出されるとコレだからよぉ」
 笑いながら憲和神に言われ、翼はやっと少し力が抜けた。憲和神と清一には、自分には分からないが、例え怒ることがあっても確かな絆がある。そう感じたのだ。

「僕は元々ヒトが嫌いなんだから、仕方ないじゃないか……」

 清一が呟いた声が聞こえていたのは、憲和神だけだった。

※※※

「うわぁぁぁ、また居心地が良くなってる!! 最高だぁぁぁ」
 とある高級マンションの最上階の一室で、貧天が誰も見たこともないような歓喜の声をあげていた。
 その部屋には高級な家具が置かれ、食器も服も、全てハイブランドのもの。部屋は雇っている代行によって整えられ、勿論食にも困っていない。
 一見すると、誰もが羨むお金持ちの部屋だ。
 そんな部屋で貧天は、楽しそうに過ごしている。
 ふと、別の部屋から、激しい怒号が聞こえた。何を言っているかは分からないが、その声に、貧天はまたパァァっと楽しそうな笑顔になる。怒号に引きつけられるように、貧天はその部屋に入っていった。
「ふざけるな!! ここまできたんだ、今更中断なんてできねぇぞ!! どれだけでかい金が動いていると思ってんだ!! あぁ? 保証? んなもん、適当に済ませときゃ良いんだよ!! どうせあいつらは駒だ!! 人なんて、いくらでも雇えば良いんだからな!!」
 貧天は怒鳴るヒトを、楽しそうに眺める。しばらく眺めた後、また別の部屋へと移動した。
「あら、また新作が出てるわ。こっちも。買っちゃいましょう。あなたも彼女に買ってあげなさいな。財力を見せるのは大事よ」
「あぁ、母さん、そうするよ」
 親子だと思われる二人の会話に、貧天はクスクスと楽しそうに笑う。
「こんなに居心地が良い家なんて、滅多にないなぁ」
「やっぱり、あんたがいた」
 突然聞こえた死乃子の声に、貧天は笑顔で振り返った。外では見せない貧天の喜びの姿を見慣れているのか、死乃子はため息をついただけだ。
「もう。あんたがいる場所に、私の仕事ありって感じよね。まぁ、まだ確定ではないから、ちょっと様子を見に来ただけだけれど。ほんと、あんたと和幸って、真逆で面白いわ」
 死乃子がため息をつきながら言う言葉に何も答えず、貧天はニコニコとしたまま頷いたのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

京都式神様のおでん屋さん

西門 檀
キャラ文芸
旧題:京都式神様のおでん屋さん ~巡るご縁の物語~ ここは京都—— 空が留紺色に染まりきった頃、路地奥の店に暖簾がかけられて、ポッと提灯が灯る。 『おでん料理 結(むすび)』 イケメン2体(?)と看板猫がお出迎えします。 今夜の『予約席』にはどんなお客様が来られるのか。乞うご期待。 平安時代の陰陽師・安倍晴明が生前、未来を案じ2体の思業式神(木陰と日向)をこの世に残した。転生した白猫姿の安倍晴明が式神たちと令和にお送りする、心温まるストーリー。 ※2022年12月24日より連載スタート 毎日仕事と両立しながら更新中!

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

十三回目の人生でようやく自分が悪役令嬢ポジと気づいたので、もう殿下の邪魔はしませんから構わないで下さい!

翠玉 結
恋愛
公爵令嬢である私、エリーザは挙式前夜の式典で命を落とした。 「貴様とは、婚約破棄する」と残酷な事を突きつける婚約者、王太子殿下クラウド様の手によって。 そしてそれが一度ではなく、何度も繰り返していることに気が付いたのは〖十三回目〗の人生。 死んだ理由…それは、毎回悪役令嬢というポジションで立ち振る舞い、殿下の恋路を邪魔していたいたからだった。 どう頑張ろうと、殿下からの愛を受け取ることなく死ぬ。 その結末をが分かっているならもう二度と同じ過ちは繰り返さない! そして死なない!! そう思って殿下と関わらないようにしていたのに、 何故か前の記憶とは違って、まさかのご執心で溺愛ルートまっしぐらで?! 「殿下!私、死にたくありません!」 ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ ※他サイトより転載した作品です。

わたしは婚約者の不倫の隠れ蓑

岡暁舟
恋愛
第一王子スミスと婚約した公爵令嬢のマリア。ところが、スミスが魅力された女は他にいた。同じく公爵令嬢のエリーゼ。マリアはスミスとエリーゼの密会に気が付いて……。 もう終わりにするしかない。そう確信したマリアだった。 本編終了しました。

下っ端妃は逃げ出したい

都茉莉
キャラ文芸
新皇帝の即位、それは妃狩りの始まりーー 庶民がそれを逃れるすべなど、さっさと結婚してしまう以外なく、出遅れた少女は後宮で下っ端妃として過ごすことになる。 そんな鈍臭い妃の一人たる私は、偶然後宮から逃げ出す手がかりを発見する。その手がかりは府庫にあるらしいと知って、調べること数日。脱走用と思われる地図を発見した。 しかし、気が緩んだのか、年下の少女に見つかってしまう。そして、少女を見張るために共に過ごすことになったのだが、この少女、何か隠し事があるようで……

処理中です...