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樹神奉寧団編

69 樹神奉寧団編 百合を供物に?!

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 幹部会では全会一致であっても、やはり、全ての人がこんな小娘の教主就任を喜んで認めてくれるはずありません。不満があって当然です。暫くはゴタゴタが・・・。
 特に秘密の儀式にかかわる部署では危険分子の洗い出しがあり、何人かが粛清されたそうです。
 粛清……消されたのですね。私が殺害されかけたことも、一応話しちゃいましたからね・・・。
 就任したばかりの女子切腹同好会の事務長も交代したようです。前事務長……、どうなった? いや、怖いから詳細は報告しなくて結構です。

 秘密の儀式にかかわる部署といえば。そう、細入衆も、その一つ。木藤多恵に情報を流し、手引きしていた家があったとか。
 もしかして百合の家が…と心配しましたが、違いました。ホッとしましたよ。

 その情報漏洩の細入衆の家には22歳と15歳の女の子がいて、二人は生贄にされました。
 お姉さんは若いけど既婚で、1歳の子供もいる。妹の方は、中学3年生。
 本人たちが納得してきたのではありませんからね。泣き叫んで嫌がるホントの生贄。ちょっと可哀想でしたね。
 あ、逆さ吊りは勘弁してあげましたよ。生贄台に拘束して解体しました。
 ただ、暴れるから、針麻酔は出来ませんでしたね。
 それから、お姉さんの幼子までは殺さずに、他の細入衆の家で育てるとか。これは唯一の救い。
 いや~、女の子だから、もしかして大きくしてから供物にするのか??


 とにかく葬儀やら私の教主就任やら、そういった粛清やらで、混乱続き。そのため、百合もしばらくは本部へ呼べませんでした。

 そうそう、多恵の事件の夜のこと、鬼神様がですね、百合を供物として捧げてくれないかなんてトンデモナイことを言い出しちゃったのですよ。
 美味しそうだし、とっても大きな力を得られそうなんですって。

 刺された私の体を修復するのに多大な霊力を消費してしまった鬼神様。その霊力の補充のため、是非とも百合のような霊力の高い供物が必要ですと?!

 冗談じゃありませんよ。
 絶対、絶対、絶対、ダメです!!

 他で探してください…というか、供物の人数を増やすのでも対応できるでしょ!

 これは、百合をここへ呼ぶのは危険極まりない?
 もし鬼神様が私の体を操って百合を殺害して食べちゃったりしたら・・・、と怖くなっちゃいましたが、それは無いですって。
 そこまではしないってことでは無く、出来ないんですって。

 何故かというと、鬼神様が私の体を自分の意志で自由に操れるのは、最初に憑依してから5日程度の間だけなんだそうです。
 それ以降は、私に逆らって私の体を操ることは不可能ということです。

 そういえば、最初はセックスの記憶が無かったり、感覚がなかったりしてました。今はそんなこと、全くないですもんね。体も自分の意志で自由に動かせます。
 私から自発的に制御を鬼神様に渡さない限り、鬼神様は私の体を動かせなくなっているのです。

 ただ、私が意識を失ったりしたら、鬼神様は私の体を操れるらしい。
 百合と会っているときに意識を失くしたりしないようにしないとね。エッチの時に気持ち良すぎてイッチャウというのも危険?
 いや、そんなでは操れないって?
 ホント?
 嘘じゃないよね。なんか怪しいぞ・・・。
 ちょっと気を付けよう。


 それから、私、大きな勘違いをしていました。
 鬼神様は私の体を出たり入ったりしていると思っていたのですが、それ、違ったのです。
 常に私の中にいる・・・というか、一旦入ると、もう出られないんですって。私が死ぬまで……。

 斎巫の任期は終身で死亡によって交代って、そういうことなんですよ。
 体が重くなった感じがして鬼神様が入られたと思っていたのは実は違って、鬼神様が私の体を動かそうと試みる時に感じる違和感に過ぎなかったのです。
 私が刺された時、鬼神様は別室にいる教主の様子を教えてくれました。私から出て見てきてくれたと思っていたのですが、それも違って、千里眼の能力を行使したんですって。
 私からは、もう一切出られないのですよ。

 つまりですね。百合とのエッチの時にも鬼神様は私の中に居て、その快感を存分に味わい、一緒に楽しんでいたのです。
 だから百合の体の全てを知りえて、百合を捧げて欲しいなんて言い出したのですね・・・。

 でも、それだけは絶対にダメですからね。
 百合は、私の大切なヒトなんです!
 いやいや、しつこいよ。ダメなものはダメ。絶対ダメ!!

 それに、これって、百合には言えないな…。鬼神様は常に私の中にいるなんて・・・。
 百合ってば、絶対嫌がるよね。
 ましてや、その鬼神様が百合の心臓を食べたがっているだなんてね・・・。
 そりゃあ、私も百合の内臓を見てみたいとかって、思ったことありますけどね。

 ああ、百合の内臓か・・・。
 きっと引き締まっていて、最高に綺麗なんだろうな。見てみたいな。

『そうだろう? だから、食べようよ』

 うっ、だから、ダメだって!!
 絶対にダメ!!
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