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第七章 王都

第四百九十七話 謁見の打ち合わせ

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 そして、予定通り謁見の日になった。
 僕は、ギルバートさんとマヤちゃんと一緒に王城に向かいます。
 マヤちゃんはまだ小さいので、シロちゃんが護衛として一緒にいきます。
 因みに、王都に来られる貴族は出席するようにとの強い通告がありました。
 前回ゴルゴン侯爵関連で警告を発したのに、大事件を引き起こしたからです。
 来れない場合は、この前と同様に代理を立てることになります。

「私は、陛下とともに行動しなければならない。二人は、できるだけ他の貴族と一緒にいるように」
「知り合いの、軍の貴族といるようにします」
「それが良いだろう。あの馬鹿連中だ、何をしでかすが分からない」

 ギルバートさんも、ゴルゴン侯爵一派をもの凄く警戒していました。
 自分勝手で相手の迷惑を顧みないというのが、共通した認識です。
 この前謁見の間で僕に詰め寄った実績があるので、今度も何をするか分からないと言います。
 僕も、十分に警戒しないと。
 王城に着くと応接室に案内され、陛下や閣僚と事前にマヤちゃんの件で話がありました。
 ちなみに、謁見時にマヤちゃんがシロちゃんを連れていくのはあっさりと了承された。
 というか、安全のためにそっちの方がいいと色々な人から言われてしまった。

「処分案の通り、ゴルゴン侯爵家は爵位取り上げの上で廃止、マヤは降格したゼノバース子爵家の当主になる。幼年なので、当分は保護したフランソワーズ公爵家で養育することになる」

 陛下が処分について言及したけど、ゴルゴン侯爵一派に所属する全ての貴族が処分を受けるという。
 引き起こした事件の悪質性を考えれば、こればっかりはしょうがないでしょう。
 そして、全く知らない話を陛下から聞かされた。

「レオ、バッツ、アイリーンには勲章を授ける。結果的に、大多数の魔物から王都を守ったことに繋がったからな。その後の、ゴルゴン公爵家制圧にも多大な功績を残している」

 うう、また勲章が増えちゃった。
 しかも、事件が事件なだけに断るのは不可能だ。
 どんどんと、勲章が溜まっちゃうね。
 しかし、陛下の話はまだ終わらなかった。

「これを機に、官僚試験も改革する。今まで、あまりにも貴族の口利きが多かった。これからは、実力主義の試験に変える。また、現在の官僚に対しても一斉に試験を行う。残念ながら、口利きによって著しく能力が低い官僚がいる。一定期間の猶予を与えるので、やる気のあるものは勉強するだろう」

 ゴルゴン侯爵一派による贈収賄が酷く、今回関連性が認められた官僚は逮捕されたという。
 空いた役職には、能力のあってやる気のあるものを抜擢する方針らしい。
 国にとっても、とても良いことですね。
 既に軍も改革が進んでいるし、このままいい感じにいって欲しいです。
 そして、陛下が謁見時にあることを話しました。

「今回、謁見が終わって袖に下がっても控え室には戻らない。暫く様子を見ることにする」
「前回の謁見時も、皆さんが袖に下がった瞬間にゴルゴン侯爵が僕に詰め寄ってきました」
「まさにそういうことだ。あの馬鹿連中が何かをするのは間違いないし、現場を押さえねばならない」

 陛下も閣僚も、ゴルゴン侯爵一派が何をするのかよく分かっています。
 謁見時に陛下に噛み付けるゴルゴン侯爵はもういないし、偉い人がいなくなった瞬間に動き出すのは間違いない。
 ゴルゴン侯爵の件はこれで終わったのだけど、なぜか僕の話に変わってしまった。

「軍の件も今回の件も、結果的に全てレオが絡んでいる。まだ子どもだが、早い内に名誉貴族ではなく男爵以上にしたいものだ」
「えっ!」
「そうですな。既に子爵は間違いないくらいの実績を上げておりますので、時期を見て順々に爵位を上げていくのが良いかと」
「ええ!」
「うむ、そうしよう。しかし、成人する前に更に実績を上げてしまいそうだ」
「ええええ!」

 な、何だか凄い話になってきたよ。
 陛下だけでなく、チャーリーさんたち閣僚も当たり前だと言っています。
 僕は、普通に冒険者ができれば良いんです。
 もう、お金も勲章も十分ありますよ。
 なぜかマヤちゃんの腕の中にいるシロちゃんも当然だと頷いているし、誰も助けてくれません。
 結局、謁見の時間まで僕が将来どうなるのかの話が尽きませんでした。
 うう、褒賞の話はもうお腹いっぱいです。
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