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第七章 王都

第四百八十七話 マヤちゃんをフランソワーズ公爵家で預かる事に

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 他にも悪事に関与した執事や侍従も連行されて行く中、とある一人の青髪ショートカットの若い侍従が応接室に呼ばれた。
 マヤちゃん専属侍従で、ほぼつきっきりだという。

「その、旦那様と奥様はマヤ様に全く関心を寄せておらず、殆ど接する事がありません。殆どお一人で過ごされておりますので、もしかしたら旦那様と奥様をご両親と認識していないのかもしれません」
「貴族によっては、子育てを侍従に任せっきりにしているところもある。しかし、今回は少し度が過ぎているかもしれない。いずれにせよ、一回王城に行くぞ」

 応接室にやってきたブラウニー伯爵も呆れる現実だけど、間違いなくキチンとした教育を受けられていないんだ。
 この前あった時も、何だかぽやーってしていたんだよね。
 因みに、マヤちゃんにはシロちゃんがついていて、様子をみています。
 特に病気とかにはかかっていないそうです。

 ガチャ。

「ビクター総司令官、王城に向かう準備が整いました」
「かなりの証拠を押さえております」
「ご苦労、では向かうとするか」

 アイリーンさんとスカラさんの声かけに、ビクターさんも頷きます。
 マヤちゃんは、侍従に抱っこされて一緒についてくることになりました。

「こんな小さい子を人質にとるなんて、人としてありえませんわ」
「母親として、そして祖母として失格です」

 馬車内で、アイリーンさんとスカラさんがぷりぷりしていました。
 とにかく馬鹿な事をしたと、本人たちには自覚してもらいたいです。

「わあ、ぷにぷにしている!」
「シロちゃんというんだよ。とても賢くて強いスライムだよ」
「シロちゃん!」

 当のマヤちゃんは、ふにふにと動いたり触手をふりふりしているシロちゃんに釘付けだった。
 初めて、マヤちゃんが感情を見せた気がするよ。
 とても良い傾向だと思いつつ、王城に到着しました。
 そして、またまた会議室に案内されると陛下と閣僚が勢揃いしていました。
 引き続き、マヤちゃんは侍従に抱かれたまま席に座りました。

「先ずは、皆にご苦労といわないとならない。此度の件、王都にも被害を出さす見事だった。今回は魔物を使ったので、軍を襲うだけでなく王都に大損害を及ぼす危険性もあった。決して許せることではない」

 おお、陛下も激怒モードです。
 確かに、ゴルゴン侯爵家がやったことは到底許せることではなかった。
 直接事件に関わっている人はもちろん、こうして間接的に関わっている人も怒っています。

「ゴルゴン侯爵、並びに一家には厳しく尋問をするように。関係者が判明次第、直ぐに捜査を行うように」
「「「はっ」」」

 軍の関係者が、陛下に頭を下げていました。
 軍としても、組織を襲ったゴルゴン侯爵に思うことは多々あるでしょう。
 既に、関与が分かった貴族家には軍が突入しているそうです。
 そして、ここからマヤちゃんの話になりました。

「ゴルゴン侯爵夫人、並びに嫡男夫人の実家にも捜査の手が及んでいる。そのため、ゴルゴン侯爵代理のマヤはフランソワーズ公爵家預かりとする。事件関係者のレオが、マヤを保護した事にした方が良いだろう」
「畏まりました。世話係の者もおりますので、特に問題はございません」

 ギルバートさんも問題ないと言っているし、ウェンディさんやクリスちゃんもいるからきっと大丈夫でしょう。
 というか、当面はマヤちゃんに選択肢はないんだよね。
 関係者への尋問は続くけど取り敢えずはこれで話し合いは終わりなので、僕とマヤちゃんはフランソワーズ公爵家に向かうことになりました。
 因みに、既にマヤちゃんが行くと連絡しているそうです。

「これから、僕がお世話になっているお屋敷に一緒に行くよ」
「えっと、うん」

 うーん、やっぱりマヤちゃんは小さいのもあるけど色々な事が理解できていない。
 三歳の頃のクリスちゃんよりもかなり大人しいし、やっぱりぽやーってしているよ。
 でも屋敷に着くと、この人たちが大丈夫と言ってくれました。

「会話は成立しているし、これからいっぱいお喋りをしたり絵本を読んだりすれば大丈夫よ」
「みんなも、いっぱい話しかけてあげるのよ。きっと、みんなの力が役に立つわ」
「「「はい!」」」
「アオン!」

 モニカさんとターニャさんに言われて、フランソワーズ公爵家の子ども達とユキちゃんは元気な声をあげていた。
 今は、温かい食事とゆっくり眠れる場所が何よりも大切だそうです。
 暫くは、マヤちゃんの様子を注意深く見守るそうです。
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