298 / 527
第六章 バーボルド伯爵領
第三百九十三話 宿敵(水虫)の倒し方
しおりを挟む
一週間の流れが大体決まったので、僕とシロちゃんとユキちゃんとしても動きやすくなりました。
更にキチンとした食事を食べられるようになったので、ユキちゃんの体調も大分良くなりました。
痩せていた体も、少しお肉がついたみたいです。
なので、ユキちゃんに新たな訓練が加わりました。
ダダダダ!
「アン、アン、アン」
昼食後の僕とバッツさんの手合わせの時間を利用して、シロちゃんと一緒にグランドを四足歩行で走っています。
体力を付けるのも、一種の訓練ですね。
ユキちゃんが頑張って走っている姿に、主に女性隊員がメロメロになっています。
「ほらほら、お前らも走って良いんだぞ。食べ過ぎや運動不足でついた無駄肉を落とす良い機会だ!」
「「「そういう事は、思ってても言わないの!」」」
バッツさんのツッコミに女性隊員の怒号が返ってきたけど、確かに今の発言はデリカシーがなかったかも。
とはいえ、ランニングくらいならとユキちゃんと一緒に走っている者もいます。
やっぱり軍人さんは、なんだかんだいって体を動かすのが好きなんだね。
「しかし、レオが俺と手合わせする様になってから、体を鍛える奴も増えてきた。いい傾向だ」
「僕が手合わせしているのと、何か関係あるんですか?」
「大いにありまくりだ。黒髪の魔術師が、魔法もそうだけど剣技の訓練をしている。それだけで、本職の奴らへの刺激になっているんだ。俺も、体が鈍るのが嫌だからレオと手合わせしているがな」
魔法使いの僕が身体能力強化を使っているとはいえ、剣の訓練をしているのが周りに良い影響を出しているみたいです。
もっと強い軍になるかもしれないですね。
ランニングするだけでも、違うのかもしれないです。
でも、普段の訓練も厳しいから十分に鍛えられるのかも。
そして、別のお仕事も入りました。
それは、午前中の治療がない日に行われます。
「それじゃあ、軽く魔法を放ってくれ!」
長距離から放たれた魔法をかわす訓練で、せっかく魔法使いがいるのでということになりました。
グラウンドに五人位散らばったので、僕とシロちゃんとユキちゃんで交代しながら魔法を放ちます。
シュイーン、ドンドンドン!
「よっ、はっ」
「くそ、これは難しいぞ」
「これは、凄い乱射だな」
大魔法よりも連射のきく魔法が良いと言われたので、僕たちはバレット系の魔法を放っていきます。
ユキちゃんはまだ数多く連射する事ができないけど、僕とシロちゃんは今までの戦闘訓練もあるので、どんどんと魔法を放っていきます。
当たっても大怪我にならない程度の魔法を放つので、僕たちとしてもとても良い訓練になっています。
「弱く魔法を放つのは、逆に難しい訓練だ。お前たちも訓練を重ねて、この前の様な暴発事件を起こす事のないようにな」
「「「はい!」」」
僕たちと交代で、今度は魔法部隊の人が魔法を放っていきます。
コバルトブルーレイク直轄領で出会った人もいて、久々にお喋りとかをしていました。
「昨日遠征先から部隊に戻ってきたけど、やっぱりレオ君は凄いわね。もう治癒師としても、手も足も出ないわ」
「でも、スカラさんも以前よりもパワーアップしていると聞いて、僕も嬉しくなりました」
「ふふふ、ありがとうね」
治癒師のスカラさんは、別の王都直轄領に行っていて今日から第一師団の駐屯地に復帰です。
僕と一緒に怪我人の治療をしているけど、その腕は確実に上がっています。
すると、スカラさんが凄いことを教えてくれました。
「そうそう、旦那の水虫がとある方法で良くなったのよ。やっぱり普段から清潔にするのが一番ね」
「えっ、水虫を治す方法があるんですか?」
「完治させる事は難しいけど、良い方法があるのよ」
おおー!
とうとう水虫を軽減する方法があるんだ。
しかも、治療関係の本に書いてあった事だそうです。
早速教えて教えて貰いました。
「やっぱり、革の靴を長時間履いて蒸れるのは良くないんだって。革靴も時々綺麗にするのがいいわ。やっぱり男が履く靴って、汚いし凄い臭いなのよ」
うん、スカラさんのいう事は分かります。
たまにとんでもない臭いを漂わせている靴があるもんね。
あんな靴を履けば、そりゃあ水虫にもなりそうです。
「治療の前に、石鹸とかで優しく洗って綺麗にします。石鹸の残りかすは残さないようにね。その後、桶に水を溜めてポーションと毒消しポーションを一本ずつ入れて足を漬けるの。すると、爪の周辺からポコポコと泡が出るの。旦那の足を漬けた時、気持ち悪いくらい泡が出たわ。終わったら回復魔法をかけて終了ね。一ヶ月に一回くらいやると、だいぶ違ってくるわ」
僕とシロちゃんは、ふむふむとメモを取りながら話を聞きました。
ポーションと毒消しポーションを飲むのではなく、水虫の爪に浸すのがポイントなんだ。
既に実践した経験があるから、とっても心強い情報だね。
「水虫は爪の病気だけど、中々治りにくいのよ。根気強くやっていくしかないわ」
「でも、とっても良い方法を聞きました。今度水虫を治療する事があったら、この方法を試してみます」
「レオ君なら、きっともっと良い方法が見つかるはずよ。頑張ってね」
スカラさんは、ニコりとしながら僕の頭を撫でていました。
僕もシロちゃんも、もっと凄い治癒師になれそうだよ。
因みにユキちゃんは水虫がなんだか分からなくて、首をこてんと傾げていました。
更にキチンとした食事を食べられるようになったので、ユキちゃんの体調も大分良くなりました。
痩せていた体も、少しお肉がついたみたいです。
なので、ユキちゃんに新たな訓練が加わりました。
ダダダダ!
「アン、アン、アン」
昼食後の僕とバッツさんの手合わせの時間を利用して、シロちゃんと一緒にグランドを四足歩行で走っています。
体力を付けるのも、一種の訓練ですね。
ユキちゃんが頑張って走っている姿に、主に女性隊員がメロメロになっています。
「ほらほら、お前らも走って良いんだぞ。食べ過ぎや運動不足でついた無駄肉を落とす良い機会だ!」
「「「そういう事は、思ってても言わないの!」」」
バッツさんのツッコミに女性隊員の怒号が返ってきたけど、確かに今の発言はデリカシーがなかったかも。
とはいえ、ランニングくらいならとユキちゃんと一緒に走っている者もいます。
やっぱり軍人さんは、なんだかんだいって体を動かすのが好きなんだね。
「しかし、レオが俺と手合わせする様になってから、体を鍛える奴も増えてきた。いい傾向だ」
「僕が手合わせしているのと、何か関係あるんですか?」
「大いにありまくりだ。黒髪の魔術師が、魔法もそうだけど剣技の訓練をしている。それだけで、本職の奴らへの刺激になっているんだ。俺も、体が鈍るのが嫌だからレオと手合わせしているがな」
魔法使いの僕が身体能力強化を使っているとはいえ、剣の訓練をしているのが周りに良い影響を出しているみたいです。
もっと強い軍になるかもしれないですね。
ランニングするだけでも、違うのかもしれないです。
でも、普段の訓練も厳しいから十分に鍛えられるのかも。
そして、別のお仕事も入りました。
それは、午前中の治療がない日に行われます。
「それじゃあ、軽く魔法を放ってくれ!」
長距離から放たれた魔法をかわす訓練で、せっかく魔法使いがいるのでということになりました。
グラウンドに五人位散らばったので、僕とシロちゃんとユキちゃんで交代しながら魔法を放ちます。
シュイーン、ドンドンドン!
「よっ、はっ」
「くそ、これは難しいぞ」
「これは、凄い乱射だな」
大魔法よりも連射のきく魔法が良いと言われたので、僕たちはバレット系の魔法を放っていきます。
ユキちゃんはまだ数多く連射する事ができないけど、僕とシロちゃんは今までの戦闘訓練もあるので、どんどんと魔法を放っていきます。
当たっても大怪我にならない程度の魔法を放つので、僕たちとしてもとても良い訓練になっています。
「弱く魔法を放つのは、逆に難しい訓練だ。お前たちも訓練を重ねて、この前の様な暴発事件を起こす事のないようにな」
「「「はい!」」」
僕たちと交代で、今度は魔法部隊の人が魔法を放っていきます。
コバルトブルーレイク直轄領で出会った人もいて、久々にお喋りとかをしていました。
「昨日遠征先から部隊に戻ってきたけど、やっぱりレオ君は凄いわね。もう治癒師としても、手も足も出ないわ」
「でも、スカラさんも以前よりもパワーアップしていると聞いて、僕も嬉しくなりました」
「ふふふ、ありがとうね」
治癒師のスカラさんは、別の王都直轄領に行っていて今日から第一師団の駐屯地に復帰です。
僕と一緒に怪我人の治療をしているけど、その腕は確実に上がっています。
すると、スカラさんが凄いことを教えてくれました。
「そうそう、旦那の水虫がとある方法で良くなったのよ。やっぱり普段から清潔にするのが一番ね」
「えっ、水虫を治す方法があるんですか?」
「完治させる事は難しいけど、良い方法があるのよ」
おおー!
とうとう水虫を軽減する方法があるんだ。
しかも、治療関係の本に書いてあった事だそうです。
早速教えて教えて貰いました。
「やっぱり、革の靴を長時間履いて蒸れるのは良くないんだって。革靴も時々綺麗にするのがいいわ。やっぱり男が履く靴って、汚いし凄い臭いなのよ」
うん、スカラさんのいう事は分かります。
たまにとんでもない臭いを漂わせている靴があるもんね。
あんな靴を履けば、そりゃあ水虫にもなりそうです。
「治療の前に、石鹸とかで優しく洗って綺麗にします。石鹸の残りかすは残さないようにね。その後、桶に水を溜めてポーションと毒消しポーションを一本ずつ入れて足を漬けるの。すると、爪の周辺からポコポコと泡が出るの。旦那の足を漬けた時、気持ち悪いくらい泡が出たわ。終わったら回復魔法をかけて終了ね。一ヶ月に一回くらいやると、だいぶ違ってくるわ」
僕とシロちゃんは、ふむふむとメモを取りながら話を聞きました。
ポーションと毒消しポーションを飲むのではなく、水虫の爪に浸すのがポイントなんだ。
既に実践した経験があるから、とっても心強い情報だね。
「水虫は爪の病気だけど、中々治りにくいのよ。根気強くやっていくしかないわ」
「でも、とっても良い方法を聞きました。今度水虫を治療する事があったら、この方法を試してみます」
「レオ君なら、きっともっと良い方法が見つかるはずよ。頑張ってね」
スカラさんは、ニコりとしながら僕の頭を撫でていました。
僕もシロちゃんも、もっと凄い治癒師になれそうだよ。
因みにユキちゃんは水虫がなんだか分からなくて、首をこてんと傾げていました。
1,719
お気に入りに追加
5,442
あなたにおすすめの小説
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
【完結】平凡な容姿の召喚聖女はそろそろ貴方達を捨てさせてもらいます
ユユ
ファンタジー
“美少女だね”
“可愛いね”
“天使みたい”
知ってる。そう言われ続けてきたから。
だけど…
“なんだコレは。
こんなモノを私は妻にしなければならないのか”
召喚(誘拐)された世界では平凡だった。
私は言われた言葉を忘れたりはしない。
* さらっとファンタジー系程度
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
傍観している方が面白いのになぁ。
志位斗 茂家波
ファンタジー
「エデワール・ミッシャ令嬢!貴方にはさまざな罪があり、この場での婚約破棄と国外追放を言い渡す!」
とある夜会の中で引き起こされた婚約破棄。
その彼らの様子はまるで……
「茶番というか、喜劇ですね兄さま」
「うん、周囲が皆呆れたような目で見ているからな」
思わず漏らしたその感想は、周囲も一致しているようであった。
これは、そんな馬鹿馬鹿しい婚約破棄現場での、傍観者的な立場で見ていた者たちの語りである。
「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹でもあります。
異世界のんびりワークライフ ~生産チートを貰ったので好き勝手生きることにします~
樋川カイト
ファンタジー
友人の借金を押し付けられて馬車馬のように働いていた青年、三上彰。
無理がたたって過労死してしまった彼は、神を自称する男から自分の不幸の理由を知らされる。
そのお詫びにとチートスキルとともに異世界へと転生させられた彰は、そこで出会った人々と交流しながら日々を過ごすこととなる。
そんな彼に訪れるのは平和な未来か、はたまた更なる困難か。
色々と吹っ切れてしまった彼にとってその全てはただ人生の彩りになる、のかも知れない……。
※この作品はカクヨム様でも掲載しています。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。